くるぶしが腫れている…原因は?外側・全体に分けて解説!何科へ行く?

【医師監修】
くるぶしの腫れは、腫れるのが外側なのか足首全体なのかで考えられる病気が変わります。
赤みや痛みがない場合以外は、どちらも病院を受診して治療を行う必要があります。
それぞれの病気の症状や治療、自分でできる対処法についてお伝えします。
怪我をした覚えがないのにくるぶしが腫れている場合は、腫れている場所や、腫れ方の程度によりいくつかの疾患が考えられます。
それぞれ痛みの度合いや痛み方が違いますが、どちらも病院を受診して治療をする必要があります。
この記事では、くるぶしの腫れについて詳しく説明します。
くるぶしの腫れの原因。外側・足首全体のどっち?
1.原因
くるぶしが腫れるのにはさまざまな原因が考えられます。
くるぶしが腫れた時、まず確認する必要があるのは、腫れているのは「外側」なのか「足首全体」なのかということです。
それにより、病気の診断が変わります。
2.外側が腫れている
『滑液包炎』である可能性
外側が腫れるのは、滑液包炎(かつえきほうえん)と呼ばれる疾患の可能性があります。
体と組織の間に、滑液包と呼ばれる袋があり、この中には滑液と呼ばれる液体が入っています。
滑液は、体の動きを滑らかにしたり、衝撃を和らげるクッションのような役割担ったりします。
この滑液包が炎症を起こすと、中の滑液が大量に分泌されてしまい、大きく膨れることがあります。
外側のくるぶしが腫れるのは、滑液包が膨らんだ状態を指しています。
赤みや痛みがない場合は自宅で様子を見てもOK
滑液包炎の場合、赤みや痛みがなくただ滑液がくるぶし付近にたまりブヨブヨしているだけであれば、自宅で様子を見ても大丈夫です。
心配な場合は、病院に行けば、注射で滑液を抜いてもらえます。
この時、抜いた滑液が濁っていなければ、再発してもとくに積極的な治療をすることなく様子を見ることがほとんどです。
赤みや痛みが伴う場合は、『化膿性滑液包炎』の場合も
赤みや痛みが伴ったくるぶしの外側の腫れは、化膿性滑液包炎(かのうせいかつえきほうえん)である場合があります。
早急に抗生物質の投与や、ひどければ切開して膿を出す手術を行うこともあります。
3.足首全体が腫れている
足首全体が腫れている場合は、『痛風』や『関節リウマチ』等による関節炎の可能性があります。
痛風
●生活習慣病にも指定される、中高年に多い疾患
痛風は生活習慣病にも指定されており、肥満や暴飲暴食が主な原因とされています。
ビールなどに含まれるプリン体が直接的な原因で、中高年の男性に多い疾患です。
改善するためには、定期的に生活習慣を見直す必要があります。
食生活を整え、飲酒の量を調整するよう指導を行います。他に、コーヒーやビタミンCの摂取を推奨することもあります。
●腫れだけでなく、突然激痛に襲われることも
痛風の場合、突然激痛に襲われることもあります。
その痛みは発作によるものと考えられ、通常数週間で痛みが治ることが大半ですが、数ヶ月から半年、1年の期間を空けて、また発作再発することもあります。
関節リウマチ
●足首の腫れは関節リウマチの危険なサインであることも
関節リウマチは、関節に炎症が起こるため、足首の関節が腫れることがあります。
関節リウマチの所見として、痛みやこわばりが先に起こり、だんだんと腫れがでてきます。
さらに炎症が悪化して、骨や軟骨を破壊し変形していきます。腫れは関節リウマチの危険なサインとも呼べるものです。
●痛み止めの薬やステロイド剤の注射も
痛風や化膿性滑液包炎でない関節炎の場合、痛み止めの薬やステロイド剤の注射を用いることがあります。
まだ腫れの段階では、症状を食い止めることができる場合が多いので、できるだけ早めに病院を受診しましょう。
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通院する目安や、自分でできる対処法
1.くるぶしの腫れで、通院する目安は?
痛みがひどく、生活に支障がでるようであれば、病院を受診するようにしてください。
また、腫れと併せて「赤み」を帯びている場合も注意が必要です。腫れの程度がひどいと感じられる場合も、ためらわずに病院へ行きましょう。
2.何科を受診すればいい?
整形外科へかかりましょう。
痛風や関節炎が重度になると、歩くのが困難なレベルになります。すぐに病院へ行きましょう。
痛風か関節炎かは腫れだけでは判別できませんが、血液検査で尿酸値の数値を見ることで、判断することができます。
3.自分でできる対処法
くるぶしの腫れを感じたら、まずは患部を冷やすことが大切です。どの症状も、予兆があるものではないので、疾患自体を防ぐことは難しいといえます。
ですが普段からストレスをためないことや、食生活、運動した後にはストレッチを心がけたり、生活習慣を見直したりすることが結果として予防につながります。
まとめ
くるぶしの腫れといっても、内側と足首全体が腫れるのでは考えられる疾患が変わります。
腫れている場所や、赤みを帯びていないか、熱をもっていないかなども確認して判断します。
とくに、痛風や関節炎は突発的な痛みに加え、動けないほどの激痛の場合もあるので、すぐに病院を受診する必要があります。
執筆・監修ドクター

経歴1995年 昭和大学卒業(形成外科)
1996年 慶應義塾大学(整形外科) ※以後、関連病院にて脊椎専門にて勤務医
2010年 久我山整形外科ペインクリニック 開院
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