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きゅうせいあるこーるちゅうどく急性アルコール中毒

更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/05 view数:9,055
目次
  1. 急性アルコール中毒とは
  2. 急性アルコール中毒の症状
  3. 急性アルコール中毒の診療科目・検査方法
  4. 急性アルコール中毒の原因
  5. 急性アルコール中毒の予防・治療方法・治療期間
  6. 急性アルコール中毒の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 急性アルコール中毒になりやすい年齢や性別

急性アルコール中毒とは

お酒を飲む量によって吸収の速度と酔いの度合いが変わってきます。
飲める量に個人差はありますが、大量かつ一気に飲むと急性アルコール中毒になりやすくなります。
もし中毒者が出た場合は、救急車を呼んで応急処置をしましょう。

飲んだお酒は体の中でどうなるのか

  1. お酒を飲むと、約20%のアルコールは胃の中で吸収され、残りは小腸でゆっくりと吸収されます。
  2. 次に肝臓で「アルコール脱水素酵素」という分解酵素がアルコールをアセトアルデヒドに分解します。さらに、アセトアルデヒドは肝臓内で酢酸に分解されて血中に放出されます。
    最終的に水と二酸化炭素になり、体外に排出されます。摂取したアルコールの2~10%はそのまま呼気に含まれたり、尿や汗となったりして排出されます。
  3. 血中に入ったアルコールは、血液の循環によって脳に到達し、脳の神経に作用し、麻痺させます。その結果として酔うのです。

急性アルコール中毒の症状

アルコールの代謝能力には個人差があるため、適正な量も個人差があります。
一般的には、1単位程度(ビールなら中びん1本500ml、日本酒なら1合180ml、焼酎なら35度1/2合90ml、ワインなら2杯240ml)が適量とされています。
しかし、一口ほどの少量の飲酒でも強く影響がある人もいます。

アルコールによる脳への影響はごく軽いうちは顔が赤くなる、陽気になるというほろ酔いと呼ばれる状態です。
アルコールの代謝能力を超えた酒量や短時間のアルコール摂取などは小脳の運動機能に影響を与えて歩けなくなる、頭痛や吐き気、意識を失うということがおこります。
こうした症状は脳の呼吸中枢にも表れ、呼吸数が少なくなり死に至ることもあります。
主な急性アルコール中毒の症状は

  • 意識の混濁、昏睡、血圧の低下、呼吸の抑制、失禁
  • 顔面や全身の紅潮、灼熱感、発汗
  • 頭痛、不穏、目のかすみ
  • 嘔気・嘔吐、口渇
  • 脱力、低血圧
  • 記憶の抜け落ち

などです。

急性アルコール中毒の診療科目・検査方法

検査はあまりおこなわず、嘔吐の有無、収縮期血圧、拡張期血圧、心拍数、呼吸数、意識レベル、アルコール臭、眼球結膜の充血など状況確認をおこないます。

血中のエタノール濃度測定はほとんどおこなわれません。転倒した場合、レントゲン検査をおこなうことがあります。
診療時間内で軽症であれば内科で受診できますが、急性アルコール中毒は多くの場合、救急外来で対応することになります。

急性アルコール中毒の原因

お酒を飲むと、胃や腸で吸収されたアルコールは肝臓で分解されます。分解しきれなかったアルコールは血液に溶けこみます。

血液に溶け込んだアルコールは脳に運ばれることで酔いが回ります。

分解能力を超えたアルコール摂取によって脳に届くアルコールの濃度も上昇していきます。その結果、脳の機能が低下し「急性アルコール中毒」になります。血液中のアルコール濃度は0.1~0.3%以上まで上昇し、昏睡状態になることが多いです。

血中アルコール濃度は、飲酒した人のアルコール代謝能力を超えた酒量の飲酒、一気飲み、大量の飲酒によってアルコールの処理が追いつかなくなることが原因です。

急性アルコール中毒の予防・治療方法・治療期間

急性アルコール中毒が疑われる場合は、決して一人にせずに横向きに寝かせましょう。仰向けにすると吐瀉物をつまらせたり、舌を巻き込んだりして窒息する恐れがあります。ベルトやタイツ、ブーツなど身体を締め付けている物をはずす、無理に吐かせない、嘔吐した場合は吐瀉物をよく拭き取る、呼吸や脈の有無を確認する、体温が下がらないように毛布や上着をかける、水分補給をさせるなどが重要です。

医療機関では点滴や利尿薬の投与がおこなわれます。重度の場合は入院しての治療となることがあります。昏睡状態の際には、気道を確保するために気管内挿管をおこないます。
治療期間は症状の具合によって異なりますが、意識が正常に戻るまでおこないます。軽症の場合は2~3時間~半日ほど、安静のために入院になることもあります。

急性アルコール中毒を防ぐには

急性アルコール中毒にならないようにするためには血中アルコール濃度を上げないようにすることが重要です。
そのためには以下のようなことに注意しましょう。

一気飲みをしない、させない

一気飲みは急激にアルコールがとりこまれるため、血中アルコール濃度を上昇させます。そのため、急性アルコール中毒をおこす危険性は高くなります。
また、飲酒の可能な量は人によりそれぞれ違います。
そのため、人によっては一口でも重症化することがあります。
アルコールの分解や代謝能力は遺伝による体質が大きくかかわっているとされています。飲酒の経験を積んだとしてもお酒に強くはなりません。無理に飲酒を勧めることは危険です。

適量を知り、体調を考慮する

個人によってアルコールの代謝能力は異なります。
自分の適量を把握し、それを超えないように飲酒量をコントロールすることが重要です。
また体調が悪かったり、風邪や花粉症などの薬を飲んでいたりすると、アルコールの分解能力が低下することがあります。その日のコンディションを考慮し、場合によってはその日は飲酒をしないなどの判断も必要です。

空腹時の飲酒をしない。食事も一緒にとる

空腹時にいきなり飲酒をするとアルコールが胃腸から素早く吸収され、血中アルコール濃度が高くなります。
飲酒と一緒に食事をすることで、アルコールの吸収速度をゆるやかにすることが可能です。

また、アルコールは胃への刺激が強いので、食事をすることで胃を守ることもできます。
アルコール度数の強いお酒は水や炭酸水で薄めたり、一緒に飲むことで胃への刺激を抑え、急激なアルコールの吸収を和らげます。

急性アルコール中毒の治療経過(合併症・後遺症)

急性アルコール中毒は、発症に個人差があり、重症の場合は死亡する危険性もあります。

急性アルコール中毒になりやすい年齢や性別

東京消防庁管内での救急搬送人数は平成30年で17,755人であり、毎年1万人以上が救急搬送されています。男性は11,107人、女性は6,648人と男性が多いです。また、男女ともに20歳代の人数が飛び抜けて多い統計が出ています。

参考・出典サイト

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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