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かっしょくさいぼうしゅ褐色細胞腫

更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/31 view数:5,784

褐色細胞腫とは?

褐色細胞腫(かっしょくさいぼうしゅ)は、副腎内にできる腫瘍の一つです。ほとんどは良性ですが、残りの約10%には悪性のものがあり、副腎外で増殖します。褐色細胞腫は小さなものであってもカテコールアミンを過剰に分泌し、高血圧や頭痛、動悸など様々な症状をおこします。

良性のものは手術で摘出することで治療することが可能です。悪性の場合は骨、肝臓、肺に転移し、心不全や腸閉塞などを合併することがあり、有効な治療法がありません。
循環器内科を受診し継続した治療が必要となります。


目次
  1. 褐色細胞腫の症状
  2. 褐色細胞腫の診療科目・検査方法
  3. 褐色細胞腫の原因
  4. 褐色細胞腫の予防・治療方法・治療期間
  5. 褐色細胞腫の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 褐色細胞腫になりやすい年齢や性別
  7. 編集部脚注

褐色細胞腫の症状

高血圧の他、頭痛や動悸、発汗過多、振戦(しんせん:筋肉の収縮、弛緩を繰り返すこと)、悪心、体重減少、狭心症※1)様の胸痛など多彩な症状があらわれます。

褐色細胞腫の診療科目・検査方法

画像検査で副腎髄質または傍神経節組織由来を示唆する腫瘍を認めた場合に、主に尿検査等でカテコラミン産物(※4)の過剰を確認できると診断が確定されます。

腫瘍の進展により急性心不全などで急変する可能性もあり、循環器内科での厳重な管理が必要です。

褐色細胞腫の原因

副腎髄質(※2)あるいは「傍神経節の腫瘍(※3)」が原因です。ただし、腫瘍の発生原因そのものについてはわかっていません。

約1割に家族性、多発性が認められ、全身検索や家族歴の聴取が重要です。

褐色細胞腫の予防・治療方法・治療期間

基本的に腹腔鏡下の副腎腫瘍摘出術が行われます。

手術適応がない場合は症状によりベータ遮断薬等の服薬治療が検討されます。
悪性褐色細胞腫は手術や化学療法、放射線療法を組み合わせるが予後不良です。

褐色細胞腫の治療経過(合併症・後遺症)

良性であれば手術で完治も望める一方で、悪性褐色細胞腫は予後が悪く5年生存率が6割ほどとされています。

褐色細胞腫になりやすい年齢や性別

2009年の厚生労働省研究班の調査では推計患者数は約3000人であり、頻度の少ない希少疾患に分類されます。

男女差はなく、平均54歳で10歳以下から80歳以上まであらゆる年齢にみられます。
悪性は11.0%、副腎外性17.3%、多発性12.7%、家族性10.0%でした。

編集部脚注

※1 狭心症

狭心症は、「冠動脈の内部が狭くなり、心筋への血流が不足する病気」です。

心臓は、「酸素・栄養を含んだ動脈血」を全身に送り出しています。
しかし、心筋(心臓を動かす筋肉)自体も酸素・栄養を必要としています。
そこで、心筋に酸素・栄養を運ぶ動脈―冠動脈が存在します。

動脈硬化で冠動脈の内部が狭くなると、冠動脈の血流が低下します。
当然、狭窄したところから先には、十分な血液が届きません。
その結果、心筋の一部が酸素・栄養不足に陥ります。この状態を「狭心症」と呼びます。

冠動脈が完全に詰まり、血流が止まった場合は「心筋梗塞」と呼ばれます。
詰まった箇所から先の心筋が壊死するので、位置によっては、ただちに生命にかかわります。

狭心症心筋梗塞を合わせて、虚血性心疾患と呼びます。

※2 副腎髄質 (ふくじんずいしつ)

副腎髄質は、「副腎と呼ばれる臓器の一部」です。
「アドレナリン」「ノルアドレナリン」を産生する役割を負っています。

副腎は、左右の腎臓の上に位置する臓器です。
三角形をしていて、腎臓と同じく左右一対になっています。
副腎髄質のほか、「コルチゾール」「アルドステロン」などを産生する部位―副腎皮質が存在します。

※3 傍神経節の腫瘍

傍神経節の腫瘍(傍神経節腫)は、「副腎に発生する腫瘍の1つ」です。

「副腎内の神経組織」「付近の神経・血管」に発生した腫瘍を「傍神経節腫」と呼んでいます。
このうち、副腎内に発生したものについて、特に「褐色細胞腫」と言います。

※4 カテコラミン産物

カテコラミン産物は、「カテコラミン(カテコールアミン)を分解したときにできる物質」です。

カテコラミンは「ドーパミン」「アドレナリン」「ノルアドレナリン」の総称であり、交感神経系を優位に導く神経伝達物質です。

褐色細胞腫、子供の神経芽細胞腫などにかかると、尿中・血中のカテコラミン、カテコラミン産物が増加します。

執筆・監修ドクター

大田 幹
大田 幹 医師 代々木上原駅前内科クリニック 院長 担当科目 内科/消化器内科/糖尿病内科/アレルギー科/リウマチ科

経歴東北大学医学部 卒業
東京大学大学院 博士課程終了
国際医療福祉大学 元准教授

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