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きんちょうがたずつう緊張型頭痛

きんちょうせいずつう緊張性頭痛
更新日:2022/08/10 公開日:2019/08/30 view数:7,617

緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)とは、心身にかかるストレスなどが原因となっておこる頭痛です。
心身にかかるストレスとは、たとえばパソコン作業などで長時間同じ姿勢を取ったことにより首や肩の筋肉がかたまる身体的ストレスや、うつ病など心疾患が関係している心理的ストレスがあります。
片頭痛がズキズキと拍動するような痛みを伴うのに対して、緊張型頭痛は拍動性がなく、比較的軽度の痛みが生じます。頭全体が締めつけられる、あるいは後頭部を圧迫されるような痛み、と表現されることが多いです。

頭痛は、症状や原因によってさまざまなタイプに分類されています。
原因となる病気(脳疾患や高血圧など)があっておこるタイプを「二次性頭痛」といいます。そして、片頭痛、緊張型頭痛など頭痛そのものが原因でおこるタイプを「一次性頭痛」といいます。「一次性頭痛」の中でも最も多いとされるのがこの「緊張型頭痛」です。

また、もともと心疾患をかかえていない場合も緊張型頭痛が慢性化すると、うつ病などを併発することや片頭痛に似た症状まで伴うなど、生活に支障がきたすこともあります。そして、「慢性緊張型頭痛」にまで進行すると、治癒は難しくなるといわれています。
その一方で、有病率が高いにもかかわらず、受診率が低い傾向にある病気であるとの指摘もあります。

病院に行くほどでもないと自己判断で済ますことや市販の鎮痛薬の服用が過度になる前に、治療を受けて病気の慢性化を防ぎましょう。

目次
  1. 緊張型頭痛の症状
  2. 緊張型頭痛の診療科目・検査方法
  3. 緊張型頭痛の原因
  4. 緊張型頭痛の予防・治療方法・治療期間
  5. 緊張型頭痛の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 緊張型頭痛になりやすい年齢や性別

緊張型頭痛の症状

頭を締めつけられているような痛みがおこります。ほかにも後頭部から側頭部、首筋にかけての圧迫されるような痛みなどがあります。痛みの程度は軽~中程度で、日常生活上で「我慢ができる頭痛」であることが多いです。片頭痛のようにズキズキする痛みとは異なり、階段を上るなど日常の動作で痛みが増すことはありません。
頭痛のほかにも、眼の疲れや肩こりに伴っていることが少なくありません。首を回したときに軽いめまいのような、ふわっとした感覚が生じることがあるのも特徴的です。

この疾患は、頻度は低く短時間で治る「反復性緊張型頭痛」と、ほぼ毎日症状があらわれる「慢性緊張型頭痛」に分けられます。これらは、3つに分けることができます。

  1. 稀発反復性緊張型頭痛   1ヶ月に1日未満の頻度でおこる
  2. 頻発反復性緊張型頭痛   1ヶ月に1日以上、15日未満の頻度でおこる
  3. 慢性緊張型頭痛      1ヶ月に15日以上の頻度でおこる

反復性緊張型頭痛は、たとえば飛行機やデスクワークなどで長時間同じ姿勢を取っているなど、物理的条件下でのストレスによる生理的反応としておこることがある頭痛です。
一方、「慢性緊張型頭痛」は月に15日以上の頻度であらわれ、痛みが長時間続く状態を指します。

毎日のように緊張型頭痛がおこっている場合は、慢性緊張型頭痛といえます。この状態になると、次第に身体を動かすなどで痛みが増したり、光や音、気圧の変化などに敏感になったりするなど、片頭痛の症状が伴ってくる場合もあります。

緊張型頭痛の診療科目・検査方法

初めのうちは症状が軽くても、慢性化すると治癒が難しくなり、症状が悪化することもあります。そのため、少しでも気になることがあれば速やかに受診するようにしましょう。
主な診療科目は「内科」「脳神経内科」「脳神経外科」です。

「頭痛外来」がある病院に通院可能ならそれもよいでしょう。場合によっては、頭痛の原因が耳鼻いんこう科婦人科関連によることもあるため、さまざまな科目にわたって連携が必要な場合もあります。

主な診療内容は、問診、一般採血、採尿、甲状腺機能測定、頚椎(けいつい)レントゲン、脳波検査、脳血流測定、頭部CT/MRI検査、髄液検査をおこなう場合があります。それらには、脳梗塞高血圧など、別の病気が頭痛の背景にあっておこる「二次性頭痛」と区別するために必要な検査が含まれます。
また、「神経診察」をおこなうこともあります。これは、意識や精神状態、反射の状態から、全身の神経を総合的に診察することを指します。

また、頭痛がおきるパターンを何ヶ月間か記録しておくと診断の手がかりになります。発症日時、発症したときの物理的環境要素、睡眠不足などの身体的状況、どんな痛み方か、痛みの持続時間、日常生活への影響度(仕事を休んだなど)、女性なら月経に関する記録、服用した薬品名をメモした「頭痛日記」が診療の手がかりになります。

緊張型頭痛の原因

原因ははっきりとはわかっていませんが、パソコン作業などで、長時間うつむくなど同一の姿勢を続けていると、頭を支える首や肩などの筋肉が緊張し、血流が低下します。それが凝りとなって頭の筋肉にも緊張と疲労がおよび、頭痛がおこるのではないかという説があります。

また、もう1つの大きな要因として「心理的ストレス」が挙げられます。仕事などでストレスがたまると、頭や肩の筋肉が緊張し、それによって痛みが引きおこされるといわれています。また自律神経のバランスが乱れることも原因の1つとされています。

慢性化している場合は、脳の緊張を調整したり、痛みを感知する機能の異常がおこっているのではないか、と推測されています。

緊張型頭痛の予防・治療方法・治療期間

治療には「薬物療法」と「非薬物療法」の二種類があります。

薬物療法の場合

主に鎮痛薬が使用されます。急におこった稀発反復性緊張型頭痛に対し、短期的に服用して治療する場合に使われます。ほとんどの場合はこれで治癒します。

しかし、慢性化している場合は乱用によって依存状態になり、薬の効き目が悪くなるなど逆に悪化してしまうこともあります。この状態を薬物乱用性頭痛といいます。薬物乱用性頭痛に進行してしまうと治癒が難しく、治癒しても予後が良好でない症例があるため、慢性化した緊張型頭痛に薬物治療は奨励されていません。

ほかにも、精神的ストレスによる病気が連動している場合が多く、抗うつ剤や抗不安薬、「ボツリヌス療法」を採用することもあります。これは、「ボツリヌストキシン」という薬を筋肉に注射することによって、筋肉のこわばりを和らげることを指します。これは現在保険適用外となっています。

いずれにおいても、定められた用量・用法通りに服用し、症状の変化を医師に伝えることがよりよい治療のためには重要です。

非薬物療法の場合

運動療法、入浴、リラクゼーション(心身をくつろがせる時間をつくる)など日常生活の見直しなどをすることで心身の緊張を和らげ、症状を改善していきます。薬物療法のように即効性はありませんが、長期的には非薬物療法の方が予後がよいともいわれています。

とくに「日本頭痛学会」では「頭痛体操」を奨励しています。これにはいくつか種類がありますが、主に僧帽筋など、肩などの筋肉をほぐす体操をおこなうことで、症状が軽快するといわれています。

緊張型頭痛の治療経過(合併症・後遺症)

長時間同じ姿勢でいるなどの、物理的な環境刺激による「反復性緊張型頭痛」の予後はおおむね良好であるといわれています。これは、姿勢の改善や体操などで症状が軽快することが多いためです。

しかし、頻繁に頭痛が生じる生活環境にあると、一部は慢性緊張型頭痛に移行してしまいます。中には、片頭痛との区別が難しい「両者中間型頭痛」という状態になるなど、診断上の問題が生じることもあります。

加えて、心理的ストレスは大きな危険要素です。精神疾患をもつ人には慢性頭痛をあわせもつ度合いが、非頭痛者と比べて多い、という報告もあります。
また、日常生活に支障をきたしだすことによって鎮痛薬の使用頻度や量が増え、「薬物乱用頭痛」まで引きおこす危険性もあります。この場合、重症例は入院を要するケースもあり、また予後は約3割が再発するという報告があります。

緊張型頭痛になりやすい年齢や性別

1998年に日本でおこなわれた調査によると、慢性頭痛の有病率は37.5%で、うち緊張型頭痛は78.4%という結果でした。このように、この疾患は一次性頭痛の中でも患者さんが多いことがうかがえます。

また、日本赤十字医療センターで慢性緊張型頭痛と診断された826例のうち、女性の比率は約7割であるという結果がでています。平均年齢は男女とも40歳で、65歳以降は患者数が急激に減っているという報告がされています。

執筆・監修ドクター

中島 由美
中島 由美 医師 Crystal 医科歯科 Clinic International 内科院長 担当科目 内科/アレルギー科

経歴2002年 金沢医科大学医学部 卒業
2002年 金沢医科大学病院 小児科、内科勤務
2004年~2018年大阪、神戸、東京、福岡の病院、クリニックで内科、皮膚科勤務
2018年 クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル内に医科開設

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