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大腸がん

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

大腸がんとはそもそもどんな病気?

大腸がんとは、大腸にできるがんのこと

大腸がんは食べ物などの水分を吸収し、そのほかの成分を肛門へ運ぶ役割を持つ「大腸」にできるがんのことを指します。
がんが発生する場所で名前が異なり、小腸から直腸の手前あたりにできたがんは「結腸がん」といい、便の出口に近い部分にできたがんは「直腸がん」と呼びます。

大腸がんには良性の腺腫(せんしゅ)と呼ばれるポリープががん化するケースと、正常な粘膜が直接がん化するケースがあり、下血や便通異常などの症状が現れます。

大腸がんとはそもそもどんな病気?

大腸がんは早期発見で治る病気

大腸がんはほかのがんと比較して進行が遅いため、早期発見であれば完治の可能性が高まります。
しかしながら、早期の大腸がんには自覚症状があまりなく、症状が進行していくにつれてさまざまな違和感を覚えるようになります。

症状が進行してしまうと5年生存率(※)が下降してしまうので、定期検診を通じてできるだけ早く大腸がんになり得る腺腫や粘膜を見つけることが大切です。
また、腹部の異変を感じた段階で、放置せずにすぐ病院へ行くこともおすすめします。

※5年生存率とは:診断されてから5年経過後に生存している患者の比率を指します。
がんの場合、5年経過後に再発がなければ治癒の扱いとなります。

年1回の検診で早期発見することが生存率を高めるためにも重要

40歳以降は年に1回検診を受けることが重要となります。大腸がんは、40歳以降から罹患率(りかんりつ:病気にかかる可能性)が高まる病気です。
定期的に検診を受けておくことで病気の早期発見につながり、生存率を高めることにもなります。
また、親族に大腸がん患者がいる方も、若いうちから定期的に検診を受けることをおすすめします。

がん自体に遺伝的要素が強く、若くても大腸がんになる可能性もあるため、原因遺伝子があると疑われる方は注意が必要です。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

子宮頚がん

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

子宮頚がんの基礎知識

子宮頚がんの基礎知識

そもそも「がん」とは?

「がん」は日本人の2人に1人はかかる病気です。
人間の身体は多くの細胞からできており、健康的な細胞に過度な負担をかけるようなストレスや強い刺激を与え過ぎると、一部が「がん細胞」に変異します。一般的な細胞であれば、ケガをしたときに傷口を防ぐため細胞が増殖し、治れば増殖を停止する仕組みになっています。

しかしがん細胞になると、周りの組織を壊しつつ勝手に増殖を繰り返し、停止することはありません。
やがて、がん細胞の増殖スピードは徐々に上がり、浸潤(しみ出るようにがん細胞が広がること)と転移(身体のあちこちにも発生すること)を繰り返します。

そして、正常な細胞が摂るべき栄養を奪っていくため、身体が衰弱していく病気です。
抗がん剤で進行を遅らせたり、がん細胞を切除したりしますが、進行していると、転移スピードが速く取り返しのつかないことになります。発見が遅れると治療が難しい病気です。

「子宮頚がん」は「子宮がん」のうちの一つ

子宮がんは、名前の通り子宮にがん細胞が発生することです。子宮がんは2種類に分けられます。
一つは「子宮体がん」で、卵巣や子宮自体の含めた部分にがん細胞が発生する病気です。
もう一つは子宮の入り口である子宮頚管にがん細胞ができる「子宮頚がん」があります。今回はこの「子宮頚がん」について解説していきます。

子宮頚がんにつながる「異形成」

HPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスによって、細胞が「異形成」となり、がん細胞がつくられることが、子宮頚がんの原因です。
「異形成」とは正常な細胞の形態が変わることを指し、軽いものならば自然に治りますが、長期間異形成が続くとがん細胞に変わってしまいます。

子宮頚がんを見極める異形成のクラス分類

異形成のクラス分けには日本母性保護医協会が作成した「細胞診クラス分類」と米国で研究された「ベセスダシステム」があります。
「ベセスダシステム」は異形成の状態を細かく分類しているのですが、患者さんにはわかりにくい専門的な内容となるので、今回は「細胞診クラス分類」について紹介します。

①クラスⅠ・・・まったく異常がない状態です

②クラスⅡ・・・異常と言えることはなく、炎症が起きたり、ホルモンバランスが乱れたりしている状態です。強めの炎症やバランスの乱れが起きている場合はⅡb(またはⅡR)と分けられる場合もあります。子宮頚がんになる可能性は低い段階です。

③クラスⅢa・・・「がん」だと疑われる訳ではありませんが、動きが活発な細胞がみられる状態です。さらに上の段階の部分が紛れていることもあるため、精密検査をすすめられる場合があります。

④クラスⅢb・・・「がん」になる可能性がある状態です。この状態になった人の20%は「がん」になると言われています。初期の「がん」が紛れているケースもあるので精密検査を受けるべき段階です。

⑤クラスⅣ・・・初期の「がん」が疑われる状態です。

⑥クラスⅤ・・・進行している「がん」がある状態です。

クラスⅢから「がん」になるのは20%、クラスになっても手術すればきれいに「がん」を治療できます。クラスⅤになると粘膜の奥深くに「浸潤がん」として居座ります。「浸潤がん」とは、他の組織へ広がる可能性のあるがん細胞のことです。
異形成が始まってから浸潤がんになるのに、10~15年かかると言われています。

子宮頚がんは早めに治療すれば治せる

子宮頚がんは他の「がん」と同様、早い段階でがん細胞を切除することで治療することができます。
しかし、「完治」という表現はできません。治療しても、血液やリンパを通じてがん細胞が転移していることもあるためです。

発症年齢の傾向

子宮頚がんになる人は30~40代が多い傾向にありました。しかし近年、性行為をおこなう年齢が若くなってきており、10代で性行為をした際にHPVに感染する人が多くなってきています。
そのため、20~30代になってから、がん細胞を抱える人が増加しています。

月経異常や出血が多い人は子宮頚がんを警戒

月経異常

月経異常は、正常な月経の範囲ではない状態のことを言います。
異常かどうかは、以下の四つのことに注目して判断します。
数値はあくまで平均的な目安です。個人差もあるので、医師に診てもらって正しく判断してもらうことをおすすめします。

①月経周期の日数
正常な場合は25~38日周期で回りますが、これより長くても短くても異常だと判断します。

②月経の経血量
正常は経血量は20ml~140mlとなっています。これより多くても少なくても異常と判断されます。

③月経持続時間の長さ
3~7日が正常です。これよりも長い、短い場合には異常といえます。

④月経痛が異常に痛い
日常生活に支障をきたすほどの月経による痛みがある場合は異常があると考えられます。

月経のとき以外の出血

月経以外の時期の出血が目立つようになります。「不正出血」と呼ばれる出血で、経血の色や量とは異なる場合もあります。

性交や腟洗浄、内診で出血

性行為をしているときや、医師に診てもらっているときなど、普段出血するはずのない場面で出血してしまうことがあります。

「おりもの」の異常

おりものの臭いがきつくなったり、量が増えるなどの変化が現れます。出血も多くなり、茶褐色のおりものになっている場合も注意が必要です。
おりものは子宮の状態がある程度分かる指標ともなります。

下腹部や腰の痛み

がんが進行すると、周りの細胞にも浸潤し出し、腫瘍が他の器官を圧迫する場合があります。
そのため、下腹部や腰に痛を感じるようになります。

血尿や排尿障害

子宮の前方には膀胱があります。「がん」が膀胱にまで広がると血尿や排尿痛、尿路閉鎖が起こります。
これらの症状が出てきた場合、子宮頚がん自体はかなり進行している状態といえます。

板東先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

慢性便秘

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

高齢になると男性にも増える慢性便秘

慢性便秘は高齢者に多い病気です。60代以上では男性の患者様が増加し、80代以上になると女性よりも男性の方が多くなります。

原因①:食事・水分の摂取量の減少

高齢になればなるほど食事の量、水分の摂取量が減るためです。
当然便は硬くなり、排便の頻度は2~3日に1回に減少していきます。
筋肉も衰えて便が出しにくくなる方が多くなります。

原因②:筋肉の衰え

便は直腸や肛門といった便の出口に到達すると周辺の筋肉を緩ませて、排便を促します。
しかし、加齢で筋肉が衰えると排便がしにくくなっていきます。特に高齢の男性は筋肉の衰えが原因の慢性便秘になりやすいと言われています。

慢性便秘の定義

慢性便秘には「排便回数の減少」と「排便困難症(回数は関係なく、便が硬くて力まないと出ないなど排便が困難な状態)」があります。
自分がどのタイプの便秘であるのか把握して、適した対策を行うことが大切です。目安は下記の通りです。

排便回数の減少

・週3回未満しか排便がない
・排便回数が以前より減った

排便困難症

・お腹に不快感がある
・力まないと出ない
・何回もトイレに行く
・残便感がある
・毎日排便はあるが、硬くて、出にくい

60代以上の高齢者には「排便困難症」が多くみられます。
便通が2~3日に1回でもあまり困ることはないものの、いざトイレに行くときに便が出しにくいというのは苦痛を感じる要因となります。

そのため、医療機関を受診し、医師の診察を受けましょう。

慢性便秘の定義

便秘の原因が大腸がんの場合も

便秘の背後には「大腸がん」が隠れている可能性があるので注意が必要です。
50歳をすぎて「今まで便秘ではなかったのにここ1年で便秘になった」という人は検査をした方がいいでしょう。

実際に便秘で医療機関にかかった人の中には、進行型の大腸がんが発見されたり、肝臓に転移していたりといったケースもゼロではありません。

大腸がん自体はよほど病状が進行しないと便秘以外に症状がありません。
一度は医療機関に行き、内視鏡検査を受けるとよいでしょう。命に関わる便秘もあるということを覚えておきましょう。

市販の便秘薬には危険も伴う

市販の便秘薬を使っている場合、依存性が強い薬もあるため注意が必要です。
薬がないと腸が動かず、排便できなくなるという状態に陥ることがあるので、適切な使い方を守るようにしましょう。

また、そういったリスクを避けるためにも医療機関を受診した方がよいと言えます。

生活習慣の改善で治していく

便秘の悩みがある方は、まずはかかりつけの内科医か、消化器内科を受診するとよいでしょう。

医療機関では大腸がんなどの病気の有無を検査し、問題がなければ問診を通じて、生活習慣の指導を受けられます。
薬を飲まないと排便できなかった人でも、運動と食生活の改善だけでよくなることもあります。

そのため、下記のような便秘の原因となる生活習慣を確認し、自分に当てはまるものがないか確認してみるといいでしょう。

慢性便秘を引き起こす生活習慣例

・食物繊維不足
・運動不足
・水分不足
・薬(精神科の処方薬など)

慢性便秘に悩んでいる場合、この4つの要因をまず考えてください。
当てはまる、思い当たる要因があれば、改善することで慢性便秘の症状を軽減できる可能性があります。

自己流は控え、医師に相談を

日本人は我慢強く、便秘がいかに生活の質を落としているかわかっていても、我慢する人が多くいます。
たかが便秘だと思い込んで、日常生活を台無しにしているという認識がない方がほとんどです。

しかし、ストレスなく排便ができることは私たちの健康の条件、幸せの条件ともいえるため、自己流の対策はやめ医師に相談することをおすすめします。

便秘のタイプを医師と一緒に探り、生活習慣の改善と効果的な薬の活用で、便秘解消の近道を歩んでいきましょう。

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

単純ヘルペス

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

単純ヘルペスってどんな病気?

「単純ヘルペス」は、私たち誰もがかかる可能性のある、ごくありふれた皮膚の感染症です。
「単純ヘルペスウイルス」というウイルスが原因となって起こり、発疹や水ぶくれなどの症状が現れます。

ウイルスには1型と2型の2種類があります。1型は口の周りや顔面など上半身に発症することが多く、2型は性器や下肢など主に下半身に症状が出るといわれています。
このうち、口手鏡の周りにできるものを「口唇ヘルペス」、性器周辺にできるものを「性器ヘルペス(GH:Genital herpes)」と呼び、単純ヘルペスの中でも最も一般的な病気です。

単純ヘルペスウイルスは感染力が強く、しかも一度感染すると、症状は治まってもウイルスは体内の神経節()に潜り込み、一生そこに棲みついてしまいます。そのため、しばしば再発を繰り返します。
大切なのは、もし感染してしまった場合にも、症状を悪化させずに早期に治療すること、人にうつさないこと、そして再発を予防していくことです。

神経節は、神経細胞が集まっているところです。

病気の特徴と症状は?

単純ヘルペスに感染すると、発疹や水ぶくれなどの皮膚症状が現れます。初感染の場合は、高熱などの重い全身症状を伴うことがあります。
その一方で、感染していても自覚症状がなかったり、症状がまったく出なかったりすることもあります。

口唇ヘルペス

口唇ヘルペスの主な原因は単純ヘルペス1型ウイルスで、接触や飛沫(※)による感染が一般的です。

初期症状としては、唇や口の周りの皮膚にピリピリ・ムズムズした不快感や痛がゆさを覚えます。その後、数時間から数日で患部に皮膚の赤みや水ぶくれができます。やがて水ぶくれは破れてかさぶたとなり、2週間程度で治ります。

初感染時には、大きめ(直径5ミリ程度)の水ぶくれが多発し、熱が出たり、あごの下のリンパ節が腫れたりすることもあります。それに比べて再発の場合は、皮膚の赤みや水ぶくれの現れる範囲が狭く、症状も軽くてすみます。

※飛沫:くしゃみや咳(せき)などでだ液や鼻水が小さな水滴となって飛び散ること

口唇ヘルペス

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、性交渉による感染がほとんどです。感染してから2日~12日の潜伏期間をおいて発症し、性器やおしりの周辺の皮膚に赤いブツブツや水ぶくれ、ただれができます。
初感染の場合は、強い痛みや発熱を伴う場合があり、排尿や歩行が困難になることもあります。治療をきちんとすれば1週間程度で治ります。

性器ヘルペスは主として単純ヘルペス2型ウイルスへの感染によって発症します。2型ウイルスは頻繁に再発を繰り返す傾向があります。
ただ再発時には、小さな水ぶくれやただれができる程度の軽い症状ですむことが多く、それに気付かずに感染を拡げてしまうことがあるため注意が必要です。

また、女性の感染率が男性に比べて高く、20代の女性に最も多いとされています。最近では性体験の低年齢化により、若年層の患者が増えています。

単純ヘルペスウイルスによるその他の感染症(主なもの)

ヘルペス角膜炎…目の角膜に感染します。目の痛み・涙目・目が赤くなるといった症状が出ます。何度も再発すると、重大な視力障害を引き起こすこともあります。

ヘルペス脳炎…発熱・意識障害・けいれん発作・幻覚などの症状が起こります。

新生児ヘルペス…母子感染などによって発症するもので、生後間もなく発熱、黄だん、呼吸障害などの症状が現れます。脳症などの後遺症が残ったり、死亡したりするケースもあります。

アトピー性皮膚炎の人は感染に要注意

アトピー性皮膚炎の人は皮膚が弱いため、単純ヘルペスウイルスに比較的簡単に感染してしまいます。
感染すると顔や身体などの広範囲に水ぶくれが現れ、ただれたような状態になります。
特に初感染の場合は、ウイルスに対する免疫がないため重症化し、命に関わることさえあります。

アトピー性皮膚炎の患者が単純ヘルペスウイルスに感染することで起こる合併症の代表的なものに「カポジ水痘様発疹症」があります。症状としては、広範囲にわたって顔や首などに小さな水疱ができ、リンパ節が腫れたり高熱が出たりすることもあります。
アトピー自体の悪化との見分けがつきにくいことがあるので注意が必要です。

検査方法と診断

「ヘルペスかな?」と思ったら、病院やクリニックでできるだけ早く受診しましょう。唇などの症状の場合は皮膚科へ、性器や下半身の場合は泌尿器科・産婦人科に行くことをおすすめします。

単純ヘルペスは、唇や性器にできた水ぶくれなど皮膚の症状から診断することができます。
症状が出ている部分の皮膚や粘膜を綿棒でとって組織検査をすれば単純ヘルペスかどうかが簡単にわかります。

その他、症状が出ていない場合、あるいは初感染なのか再感染なのかといったことを判定するために血液中のウイルス抗体()を測定する検査もあります(これは主に皮膚科・泌尿器科、感染症内科などの専門医で受けることができます)。

ウイルス抗体:リンパ球でつくり出される糖タンパク分子で、主に血液や体液の中に存在し、体内に侵入してきたウイルスに対処しようとするもの

どんな治療をするの?

現在の医学では、いったん体内に入った単純ヘルペスウイルスを完全に排除することはできません。しかし、薬を用いることによって、ウイルスの増殖を抑えることは可能です。適切な処置をするのが早ければ早いほど、症状は軽くてすみます。
そのため、再発の前兆を感じたり症状が出てきたりしたら、できるだけ早い時期に治療を始めてください。

一般的な治療としては、抗ウイルス薬の外用薬や内服薬を用います。
全身症状が現れるなどの重症例や免疫不全の人に対する治療では、入院した上で抗ウイルス薬の点滴静脈注射を行います。
その際、細菌の二次感染を防ぐために、抗生物質を服用することもあります。

単純ヘルペスのための抗ウイルス薬

薬の名前薬の形使用法(※)副作用
アシクロビル経口薬・軟膏・点滴など経口薬は1日5回服用吐き気など胃腸症状
塩酸バラシクロビル
経口薬
1日2~3回服用
同上
ビダラビン軟膏1日1~4回、患部に適量を塗布または貼布皮膚の刺激感、皮膚のかゆみや赤みなど

症状の程度などによって、薬の服用回数は変わることがあります。

性器ヘルペスの再発を抑える療法について

単純ヘルペスの中でも、特に「性器ヘルペス」は再発を繰り返すのが特徴です。
この再発の頻度を少なくするために、症状が現れる前にウイルスの増殖を抑える治療が、最近になって日本でも行えるようになりました。
「抗ウイルス薬」を毎日少しずつ飲むことによって、再発リスクを低下させる治療法で「再発抑制療法」と呼ばれています。

「再発抑制療法」は、性器ヘルペスの標準的な治療法として、現在世界50カ国以上で認められています。
この療法は、性器ヘルペスの再発を抑えるメリットに加え、パートナーへの感染率を下げることがわかっています。
「再発抑制療法」は、おおむね年に6回以上再発する患者さんが対象となります。

詳しくは医療機関(泌尿器科・産婦人科などの専門医)にご相談ください。

単純ヘルペスの予防と対策

単純ヘルペスウイルスは人に感染する力が強く、人と人との直接的な接触のほか、タオルなどを介して感染してしまうことがあります。
皮膚に傷や湿疹ができて抵抗力が弱まっていると、ヘルペスウイルスが侵入しやすくなるので注意が必要です。

また、既にウイルスを持っている人は、身体の抵抗力が低下すると体内に潜むウイルスが暴れ出し、再発しやすくなります。
再発のきっかけとして考えられるのは、かぜ・性交渉・過労・ストレス・紫外線などです。

単純ヘルペスの種類にかかわらず、再発のリスクを減らし、パートナーや他の人にうつさないためにも、予防を心がけましょう。

再発を予防するために

ストレスや疲労をためない

まず日ごろの健康管理を心がけ、ストレスや疲労をためないことが大切です。バランスのよい食事と十分な休息をとるようにしましょう。
お酒を大量に飲むことも控えるようにしてください。

紫外線に注意する

紫外線は口唇ヘルペスを再発させる可能性があります。海水浴やスキーなどで紫外線の強い場所に行くときには、日焼け止めを使う、帽子をかぶるなどの紫外線対策をしっかり行いましょう。

人にうつさないために

患部はいつも清潔に

水ぶくれなど明らかな症状が出ているときはウイルスの量も多く、感染力の強い時期です。患部を触ったら、きちんと手洗いをしてください。
水ぶくれを破ると症状が治まるのを遅らせるほか、細菌に感染したり痕が残ったりすることもあります。患部を不潔にしないように十分に気をつけましょう。

直接の性的接触を避ける

単純ヘルペスを発症しているときは、性的接触は避けるようにしましょう。
性器ヘルペスによる感染だけではなく、口唇ヘルペスの人とのオーラルセックスによって感染し、性器ヘルペスを発症することもあります。
特にパートナーがウイルス抗体を持っていない場合には、重症化させる可能性があります。

また、たとえ自覚症状がなくても、だ液や精液などにウイルスが排泄されていることがあり、キスやセックスでパートナーに感染させてしまうことがあります。
前出の「再発抑制療法」を受けていても、感染リスクが完全になくなるわけではありません。

パートナーとともに病気についての理解を深め、コンドームを使用することが、より確実な感染防止策だと考えられます。

新生児に触れる際の心がけ

赤ちゃんは免疫機能が未熟なため、口唇ヘルペスなどができている間のキスは避けてください。
患部を触った手で、赤ちゃんに触れないように注意しましょう。

身の回りのものは共用しない

タオルの共用は避けましょう。コップやグラスなどの食器も、単純ヘルペスの症状が出ている間は、人と同じものは使わないようにしてください。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

頻尿

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

頻尿とは?

トイレに行って尿をする回数が増えることを頻尿といいます。頻尿の目安としては、昼間に8回以上、夜間睡眠時に3回以上、1日合計10回以上トイレに行く場合です。

また、他にも下記の項目に1つでも当てはまる方は、注意が必要です。

頻尿トラブルチェック

  • 1.急に激しくトイレに行きたくなることがある。
  • 2.我慢出来ず漏れることもある。
  • 3.トイレの回数が多いので、外出や旅行を控えがちだ。
  • 4.膀胱に違和感がある。
  • 5.排尿する時に痛みがある。
  • 6.残尿感がある。
  • 7. 尿道・膣に痒みや違和感がある。
  • 8.身体の冷えを意識することが多い。
頻尿とは?

病気が原因かもしれない、頻尿トラブル

頻尿は水分の取りすぎといった生理反応であることも多いものの、健康トラブルが隠されている場合も少なくありません。
例えば、突然我慢できないほどの尿意に襲われるという場合は、「過活動膀胱」が疑われます。少量の尿が溜まっただけ、またちょっと冷たい水に触れただけでも膀胱が過敏に反応し、膀胱が収縮して、突然尿意に襲われるという症状です。

排尿をコントロールする神経のトラブルが原因と考えられており、脳梗塞の後遺症でもみられますが、最近は明らかな原因がなくても起こることがわかっています。
その他、膀胱炎、尿道炎、膀胱ガン、前立腺炎、膀胱・尿管結石などの可能性や、精神ストレスからくる「神経性頻尿」もあります。

女性ホルモンの減少にも注意

40代以降の女性、特に閉経後からは頻尿や尿漏れに人知れず悩んでいる人が多く、これは女性ホルモンのエストロゲンが関係しています。
エストロゲンは膣や尿道に働きかけて新陳代謝を促し、血行を促すホルモンです。エストロゲンが足りなくなると、尿道が萎縮したり、尿道粘膜が薄くなって膣や尿道の雑菌が増えたりしてしまい、膀胱炎や萎縮性膣炎などの炎症トラブルを引き起こすこともあります。

萎縮性膣炎は別名老人性膣炎と言われ、加齢にともなって悩まされる方が増えてきます。膣内の違和感を覚えたりかゆみを感じたり、おりものや出血、性交痛をともなうので、毎日の生活に影響を与えかねません。

頻尿の予防方法

出産などで骨盤がゆるんでくることも頻尿の原因になります。
骨盤底筋は、骨盤の底で子宮や膀胱をハンモックのように支えています。骨盤底筋がゆるんだりたるんだりしてくると、膀胱が下がって骨盤底に圧迫されるのです。
そのため、骨盤底筋の筋力回復を促す運動も、トイレの悩みを緩和するのに役立ちます。下記の運動を毎日少しずつ継続的に行うと効果があります。

1.立っているときに
お腹に力を入れないように、肛門・膣・尿道をきゅっと引き締める感覚で、つま先立ちをしましょう。そのまま3~5秒数えたら、ゆっくり息を吐きながらかかとを下ろします。1日5分ぐらい繰り返して1セットです。

2.布団の上で
布団の上にリラックスして仰向けになりましょう。肛門・膣・尿道をきゅっと引き締める感覚で、ゆっくり膝を立てていきます。そのまま3~5秒数えたら、ゆっくり息を吐きながら足を伸ばしてリラックスしましょう。

これらは1日5分繰り返して1セットとなります。お腹に力を入れすぎないように注意し、あくまでもお尻をキュッと引き締める感覚で行いましょう。

日ごろから気をつけたい頻尿対策8箇条とは?

頻尿が気になる方は下記の8つの項目を意識して生活していきましょう。

  • ●尿意に過敏にならず、適度な間隔でトイレに行くように意識する。
  • ●適度な水分補給をする(白湯がおすすめ)。
  • ●利尿作用のある飲み物(コーヒーなど)や冷たいものの取りすぎに注意。
  • ●便秘にならないよう。
  • ●身体の冷えに注意。
  • ●肥満も膀胱を圧迫するので注意。
  • ●尿意を我慢しすぎて、膀胱炎にならないよう注意。
  • ●骨盤底筋体操などで骨盤を鍛える。

これらの対策を講じながら、気になる方は医師に相談することも大切です。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

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