無排卵月経とは
無排卵月経(むはいらんげっけい)とは、月経のように出血はあるものの、排卵は伴わない病態のことです。
月経周期は不順なことが多く、月経持続期間も短かったり長かったりと、さまざまです。不妊の原因にもなります。自覚症状は特にないため、月経不順であるだけだと思っている患者さんが多くみられます。
卵巣機能が未成熟な思春期(初経から数年)や、卵巣機能が低下しつつある更年期に多くみられます。ただし、思春期や更年期、授乳期の無排卵月経は生理的なものです。病的な意味が大きいものは、性成熟期におけるものです。
無排卵月経の症状
無排卵月経の症状は、子宮内膜の増殖と、月経のような子宮出血がおこります。
ある程度の卵巣機能は保持されているものの、排卵はおこらない状態となっています。
無排卵月経の診療科目・検査方法
無排卵月経は自覚症状がなく、月経がきていると思い放置してしまう患者さんもいます。しかし、不妊の原因にもなるので、注意が必要です。普段から、基礎体温を測定し、体温の変化の仕方がおかしい場合は、一度、婦人科で検査を受けてみましょう。
ホルモンの分泌量を測定するために、血液検査がおこなわれます。検査を受ける際は、基礎体温の測定データを持参するとよいでしょう。
無排卵月経の原因
病的な無排卵月経の多くは、ストレスや、過度な体重減少が原因となっています。特に、過度なダイエットや、拒食症によって無排卵月経になる患者さんが増えています。
また、抗うつ薬など、精神安定剤の服用によって、脳下垂体からのプロラクチンの分泌が高まり、無排卵月経になっていることもあります。
そのほかには、多嚢胞性卵巣症候群という卵巣機能の異常が原因となっている場合もあります。
無排卵月経の予防・治療方法・治療期間
無排卵月経の治療には、ホルモン補充療法などをおこない、ホルモンのバランスを整えていくことで、排卵がおこるように調整していきます。
過度なダイエットやストレスが原因となっている場合は、食事や睡眠を規則正しくとることで、少しずつホルモンの分泌を安定させていく必要があります。
ダイエットが原因の場合、体重が元の状態に戻ったとしても、すぐに排卵が通常通りおこるとは限りません。排卵がおこるようになるまでに時間がかかかる場合も多いため、過度な体重減少には注意が必要です。
無排卵月経の治療経過(合併症・後遺症)
無排卵月経の治療をおこなうことで、すぐに改善する場合もあれば、長期間かかる場合もあるなど、個人差が大きいのが特徴です。
早く改善するためには、規則正しい生活を意識し、食事や睡眠をしっかりととることも大切です。これは予防にもつながるので、現状、問題のない人も意識しておくとよいでしょう。
無排卵月経になりやすい年齢や性別
無排卵月経は月経のある女性であれば、誰にでもおこる恐れがあります。特に、卵巣機能が未成熟の思春期の時期の女性や、卵巣機能が低下している女性におこりやすいとされています。
そのほかには、運動量の多いスポーツ選手にも、よくみられます。
執筆・監修ドクター
経歴1999年 日本医科大学産婦人科教室入局 日本医科大学付属病院 産婦人科研修医
2001年 国立横須賀病院(現 横須賀市立うわまち病院) 産婦人科
2002年 東京都保健医療公社 東部地域病院 婦人科
2003年 日本医科大学付属病院 女性診療科・産科 助手代理
2004年 日本医科大学付属第二病院 女性診療科・産科 助手
現在 石野医院の副院長
関連する病気
無排卵月経以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。
関連カテゴリ
無排卵月経に関連するカテゴリはこちら。