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しきゅうけいかんむりょくしょう子宮頚管無力症

更新日:2022/09/15 公開日:2020/02/07 view数:30,754
目次
  1. 子宮頚管無力症とは
  2. 子宮頚管無力症の症状
  3. 子宮頚管無力症の診療科目・検査方法
  4. 子宮頚管無力症の原因
  5. 子宮頚管無力症の予防・治療方法・治療期間
  6. 子宮頚管無力症の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 子宮頚管無力症になりやすい年齢や性別

子宮頚管無力症とは

子宮頚管無力症(しきゅうけいかんむりょくしょう)とは、子宮の出口部分にあたる子宮頚管(しきゅうけいかん)が自覚症状のないまま開くことです。子宮頚管無力症は早産を引きおこします。

具体的な原因は解明されていません。子宮頚管が開きやすい、円錐切除(えんすいせつじょ)や子宮内容除去術などの手術や処置を受けたなどで、子宮頚管の組織が弱くなっていることでおこると考えられています。

「何かものが挟まっている様な気がする」「おりものが水っぽくなった」などの症状で気づくことがあります。診察すると胎児をつつんでいる袋である胎胞(たいほう)が腟内まで出てきていたり、超音波検査で頚管の短縮がみられたりすることもあります。

短縮がみられた場合には妊娠継続のため、子宮頚管をゴムひものようなもので縛る頚管縫縮術(けいかんほうしゅくじゅつ)や、腟内プロゲステロンの投与がおこなわれます。

また、前回の妊娠経過から子宮頚管無力症と診断された場合は早産がおこるリスクが高いため、妊娠12週以降の早い段階で予防として頚管縫縮術がおこなわれることもあります。

子宮頚管無力症の症状

子宮頚管無力症は自覚症状はありません。そのため16~22週の妊娠中期に受けた検診や、実際に切迫早産がおこることでわかることが多くあります。

超音波検査で子宮頚管が25mm未満になる短縮、子宮頚管の開大、胎胞の突出などの所見がみられます。

また、無症状なため、妊娠初期に予測し診断することは困難です。原因不明の早産歴などがある場合は、その情報が診断の助けになります。必ず初診時に医師に伝えてください。

子宮頚管無力症の診療科目・検査方法

子宮頚管無力症の主な診療科目は産科です。

問診にて妊娠歴、病歴を確認します。経腟超音波検査(けいちつちょうおんぱけんさ)をおこないます。

過去に妊娠中期以降の早産経験があり、流産を3回以上経験された妊婦さんは、子宮頚管無力症のリスクが高くなります。

症状がないか乏しいにも関わらず、超音波検査で子宮頚管が25mm未満に短縮がある場合は子宮頚管無力症が疑われます。その場合、子宮頚管の開大に注意し慎重な経過観察が必要となります。

子宮頚管が弱くなるリスクの少ない女性でも、妊娠してから超音波検査で子宮頚管の短縮、子宮口の開大などの所見がみつかることもあります。そのため妊婦健診を定期的に受けることが大切です。

子宮頚管無力症の原因

子宮頚管無力症のはっきりとした原因はわかっていません。子宮頚管の組織が弱いことが関与しています。子宮頚管が弱くなっているところに、胎児が大きくなり重力に耐えられずに子宮口が開き、妊娠中期以降の早産の原因となります。

子宮頚管が弱くなる原因として、円錐切除とよばれる子宮頚部の切除や、子宮内容除去術など子宮頚管を広げる処置をおこなった時に使用した器具によって子宮頚管を損傷することなどがあります。

ほかにも先天性の結合組織疾患という病気や、性器の先天異常なども原因になると考えられています。

子宮頚管無力症の予防・治療方法・治療期間

子宮頚管無力症の治療は子宮口の開大に注意しながら経過観察をおこないます。子宮頚管の短縮がみられる時には、治療的頚管縫縮術や、保険適応外ですが腟内プロゲステロンの投与がおこなわれます。

治療的頚管縫縮術はゴムひものようなもので子宮頚管を縛る手術です。腟や頚管などに感染や炎症がない場合におこなわれます。

また、以前に妊娠した時に子宮頚管無力症と診断されていたり、強い疑いがあったりする場合は、予防的に妊娠12週以降の早い段階で縫縮術がおこなわれます。

頚管縫縮術にはシロッカー法とマクドナルド法があります。妊娠週数、子宮頚管の状態など、さまざまな状態を総合的に考慮して決められます。抜糸は妊娠10か月以降で胎児の発育が安定した、または分娩(ぶんべん)前におこなわれます。

子宮頚管無力症の治療経過(合併症・後遺症)

子宮頚管無力症に明確な診断基準はなく、治療法も確立していないのが現状です。

頚管縫縮術は早産率を減少するという研究報告はあります。しかし、早産予防として有効性を確認できる、信頼度の高い科学的証拠はありません。一部の妊婦に有効性がみられるにとどまっています。

しかし、リスクが高い場合は早い段階からの介入が大切です。例えば自然早産歴のある妊婦で、妊娠24週までに頚管の25mm未満の短縮がみられた例に対して治療的頚管縫縮術をおこなった場合、妊娠35週未満の早産を減少させたという報告があります。

腟内プロゲステロンは20~25週で頚管の15mm短縮を認めた場合に連日投与によって34週未満の早産率の減少が期待されます。しかし、腟内プロゲステロン投与は日本では保険適応ではないため、一部の施設のみで実験的治療としておこなわれているのが現状です。

子宮頚管無力症になりやすい年齢や性別

子宮頚管無力症の発症頻度は0.05~1%程度と考えられています。

子宮頚管の組織が弱くなる原因があれば子宮頚管無力症が発症するリスクは高くなりますが、妊娠しているすべての女性におこる可能性があります。

一度、子宮頚管無力症を発症すると、次回の妊娠でも発症する可能性は高くなります。

執筆・監修ドクター

前田 裕斗
前田 裕斗 医師 医師 担当科目 産科

経歴2013年  東京大学医学部医学科卒業
2013年  川崎市立川崎病院勤務
2015年  神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科

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