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りんびょう淋病

りんきんかんせんしょう淋菌感染症
更新日:2022/09/26 公開日:2020/01/17 view数:11,660
目次
  1. 淋病とは
  2. 淋病の症状
  3. 淋病の診療科目・検査方法
  4. 淋病の原因
  5. 淋病の予防・治療方法・治療期間
  6. 淋病の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 淋病になりやすい年齢や性別

淋病とは

淋病(りんびょう)とは、淋菌という細菌が性行為によって感染する性感染症の一つです。

淋菌は性器や粘膜から感染し、潜伏期間を置いてから自覚症状があらわれます。正式には「淋菌感染症」という名称で、もっともよくみられる性感染症といえます。

性行為によって性器へ感染しますが、粘膜への接触があれば、ほかの部位へ感染することもあります。

女性が性器へ感染した場合は、症状がはっきりしないことがあります。そのため、感染に気づかず、感染拡大の原因になる例も少なくありません。

男性の場合は、排尿時の強い痛みや、尿道口から黄色い膿が出るなどの強い自覚症状があらわれます。

また、妊娠中の女性が淋菌に感染していることで、新生児の結膜へ感染する淋菌性結膜炎がおこることも知られています。

感染者が使用したタオル類の共用や、唾液、浴室の床などに接触することなどからも感染する恐れがあります。自身が感染を疑う時点で、パートナーにもその事実を告げ、治療にあたることが重要です。

また、感染が確認された場合は、パートナーも感染の有無を調べ、必要であれば同時に治療しましょう。

淋病の症状

淋病は感染から2~7日程度の潜伏期間があります。その後、自覚症状があらわれます。症状には男女差があり、感染した部位によっても違いがあります。

性器への感染では、男性であれば、尿道炎や精巣上体炎を発症します。尿道炎は強い排尿痛があらわれ、尿道口から、濃度の高い濃黄色の膿(うみ)を大量に排出します。

精巣上体炎になると、歩行困難になるほどの陰嚢の腫れと痛みがあらわれます。陰嚢の炎症は、初期には片側だけにおこりますが、放置していると、両側におこります。その場合、無精子症となる恐れもあります。

女性では、子宮頸管(しきゅうけいかん)炎や骨盤内炎症性疾患(PID)を発症します。子宮頸管炎になると、帯下(たいげ:おりもののこと)が増える、不正出血などの症状があらわれます。

男性と比較すると、症状は少なく、無症状のこともあります。

骨盤内炎症性疾患とは、卵管炎や卵巣炎、骨盤腹膜炎などの炎症性疾患の総称です。下腹部が痛くなったり、性交時に出血したりすることがあります。

骨盤内への感染は、進行すると肝周囲炎になり、右腹部に痛みをおこします。ただ、こうした例は多くありません。一般に、症状は軽いことが多く、感染に気づかずにパートナーへ二次感染をおこす原因になります。

眼の粘膜である結膜に淋菌が接触することで、淋菌性結膜炎をおこします。治療せず放置し、感染に気がつかないまま妊娠した母親から、分娩時に産道感染をおこすことがあります。

産道感染によって新生児が淋菌性結膜炎をおこします。淋菌性結膜炎によって失明することもまれにあります。

性器への感染から、淋菌性直腸炎を発症する可能性があります。自覚症状のないことも多くありますが、肛門にかゆみや痛み、出血や分泌物、下痢、血便、腹痛などがあらわれます。

また、咽頭(のど)への感染は自覚症状がなく、気づかないこともあります。

免疫力の低下などをきっかけにして、淋菌が全身へ広がる播種性淋菌(はしゅせいりんきん)感染症がみられることもあります。

これは菌が血液の流れに乗って全身へ広がる菌血症を伴い、関節や皮膚などに炎症をおこします。

発熱や全身のだるさ、関節の痛みなどがおこります。心膜炎や心内膜炎などをおこすこともあります。


淋病の診療科目・検査方法

淋病は感染を拡大する可能性があります。また、パートナーと同時に来院し、治療にあたる必要があります。自身に感染への心当たりがある場合は、パートナーとともに婦人科泌尿器科を受診することが望まれます。

尿道炎や精巣上体炎では、尿検査で淋菌の確認をします。尿検体は最後の排尿から1時間以上経過後に初尿を採取してください。

試薬を使用して染色した菌を顕微鏡で調べる検鏡検査や、採取した検体の遺伝子配列を調べるPCR法があります。結果が出るまでの期間は3~5日です。

検体を培養して、その特性を調べる培養検査もおこなわれることがあります。こちらも結果が出るまでには数日かかります。

女性の場合は、子宮の入り口付近を綿棒で軽く拭って膣分泌物を採取し、PCR法による検査をおこないます。

また、相手性器の経口が認められる場合は、咽頭ぬぐい液を用いて咽頭感染の有無を確認します。

淋病の原因

淋病は性器や粘膜を通じて、淋菌に感染することが原因です。一回の性交で感染する恐れは30%程度となっています。

感染は性器以外にも咽頭や直腸、結膜へもおこります。また、粘膜が触れあうだけでなく、浴室内での淋菌と粘膜の接触、タオルの共有などでも感染する恐れがあります。

淋病の予防・治療方法・治療期間

淋病の治療方法は抗菌薬を投与する薬物療法が中心となります。パートナーとともに感染している場合は、同時に治療を開始します。

治療が完了するまで、性交渉は一切おこなえません。

1週間前後の治療により、多くは淋菌を排除できますが、必ず1カ月後に再度、尿検査をおこない、淋菌が検出されないことを確認します。

飲み薬のみでの治療は、抗菌薬が効かなくなる耐性菌を発生させる恐れが高くなります。そのため、点滴による抗生剤治療が一般的です。

また、患者さんの2~3割はクラミジア感染症にもかかっています。その場合は、クラミジア感染症の治療も併せておこないます。

淋病の治療経過(合併症・後遺症)

淋病は治療可能な感染症です。しかし、完治したあとも再び感染する可能性があります。また、治療せず放置すると、菌血症や不妊症、母子感染をおこし、感染を拡大する可能性もあります。

必ずパートナーと同時に治療する必要があります。それぞれが単独で治療しても、感染と治癒をお互いに繰り返すピンポン感染となることがあるからです。

パートナーにも淋病への理解と治療へ参加してもらう必要があります。

淋病になりやすい年齢や性別

淋病は世代や性別に関係なく、生殖年齢にある成人であれば発症する恐れのある感染症です。女性では10代後半~20代前半、男性では20代にピークがあります。

厚生労働省の調査では、2018年の1年間に淋病に感染した男性の総数は6,378人でした。年齢別にみると、20~24歳の1,307人がもっとも多く、次いで25~29歳の1,227人となっています。

女性の総数は1,747人で、もっとも多いのは20~24歳の610人、次いで25~29歳の315人となっています。

男性の報告数が多くなっていますが、女性には自覚症状が少ないことも関係していると考えられています。

執筆・監修ドクター

陶山 俊輔
陶山 俊輔 医師 陶山クリニック 院長 担当科目 泌尿器科

経歴2005年3月  久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月  福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月  久留米大学病院 泌尿器科 入局
       久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月  久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月  陶山クリニック開院

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