とりめちるあみんにょうしょうトリメチルアミン尿症
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トリメチルアミン尿症とは
トリメチルアミン尿症(とりめちるあみんにょうしょう)とは、一定の食べ物などが原因となり通常、分解されるトリメチルアミンが、肝機能で分解されずに体から異臭を発するまれな疾患です。
遺伝子変異により、幼い頃から症状の現れる患者、肝臓や腎臓疾患が原因で、後発する患者などがいます。
現状では、根本的な治療方法がないため、体臭が出にくい食べ物を選ぶといった食事療法がとられます。
トリメチルアミン尿症の症状
トリメチルアミン尿症は、汗や尿から、トリメチルアミンが排出されるため、生臭い匂いが体臭として現れます。
トリメチルアミンは、魚の生臭い匂いに似ているため、魚臭症候群とも呼ばれています。
口から臭いを感じることも多く、実際に魚やシーフードなどを食べた後に匂いが強くなります。
トリメチルアミン尿症の診療科目・検査方法
トリメチルアミン尿症では、主に日常生活での臭い、体臭が影響して生活の質が低下している(人間関係・運動への影響など)患者が検査されます。
専門機関では尿検査・頬の内側の細胞を採取する遺伝子学的検査などが行われます。
トリメチルアミン尿症は、食べたものが臭いに影響する可能性が高いため、前日に食べたものを記載しておきます。
体臭は、人間関係の発展に影響を及ぼす場合があります。
職場や学校で、匂いが影響してうまく人と関われないといった場合は、トリメチルアミン尿症を疑い、専門家のアドバイスを受けましょう。
受診がきっかけで、トリメチルアミン尿症でなくとも、体臭がきつくなる疾病や偏った食事などの原因が発見され、臭いの原因を断つことができる場合もあります。
体臭や口臭が気になる場合は、内科・歯科をまずは受診してみましょう。トリメチルアミン尿症の疑いがある場合は、専門機関が紹介されるケースもあります。
トリメチルアミン尿症の原因
トリメチルアミン尿症が、先天性代謝異常が原因となる場合と、肝疾患や慢性的な腎臓機能の疾患が原因となり発症する場合があります。
通常は、コリン・レシチン・トリメチルアミンオキシドなどが多く含まれている食品を食べると、食べたものが消化されていく途中で、小腸でトリメチルアミンという物質が発生します。
トリメチルアミンは、独特の生臭い匂いを発していますが、通常肝臓で分解されてしまうので、体の外に臭いが出ることはありません。
しかし、トリメチルアミン尿症となると、この分解がうまくできなくなり、トリメチルアミンが血流に乗って、尿・汗・呼気から排出され、患者の体臭は生臭いものになるのです。
トリメチルアミン尿症の予防・治療方法・治療期間
先天的なトリメチルアミン尿症には、根本的な治療方法は現在ありません。
トリメチルアミンを多く発生させる物質の摂取を少なくして予防しましょう。トリメチルアミンの発症には、魚介類・肉類・大豆類などが影響しています。
肝機能障害などの影響によりトリメチルアミン尿症を発症している場合は、担当医と相談しながら食べるものを選びましょう。
トリメチルアミン尿症の治療経過(合併症・後遺症)
トリメチルアミン尿症自体が、直接、命に関わることはありませんが、肝機能などが弱っているため発症している場合は、原因となる疾病を治療する必要があります。
または、担当医とトリメチルアミン尿症専門医のアドバイスのもと、食べ物をコントロールして体臭を調整して行きましょう。
トリメチルアミン尿症になりやすい年齢や性別
トリメチルアミン尿症は、現在は、あまり知られていないトリメチルアミン尿症の患者が必ずしも受診しているとは限らず、日本での羅患者数・性差・年代は一概には言えません。
執筆・監修ドクター
経歴1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業
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