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口内炎

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
医師

【執筆ドクター】

 板東 浩 先生

概要

口内炎とは?

口内炎には、さまざまな種類が存在します。
白い潰瘍ができるアフタ性口内炎、赤い斑点ができるカタル性口内炎、ウイルス性の水疱を伴うヘルペス性口内炎などです。
種類によって、「症状の程度」「一般的な治療方法」なども変わってきます。

口内炎は主に口のなかで起こる炎症のことであり、歯茎や頬の内側、舌に赤い斑点ができるのが特徴です。1つとは限らず、複数できてしまう場合もあります。腫れるだけでなく、痛みや出血を伴うこともあり、食事や会話が煩わしくなることもしばしばです。

口内炎ができた場合、耳鼻いんこう科・歯科・歯科口腔外科などで対応してもらえます。
ただし、ヘルペス性口内炎・手足口病・ヘルパンギーナによる水ぶくれであれば、内科疾患になります。
同じ口内炎でも、原因によって大きな違いが出てきます。

「ビタミン不足」「睡眠不足」「口腔内の不衛生」などは、口内炎になる確率を高めます。
バランスの良い食生活、規則正しい生活リズム、適切なブラッシングにつとめましょう。

症状

口内炎には種類があり、原因や症状もそれぞれ異なる。

例えば痛みを伴う「白い口内炎(アフタ性口内炎)」は、ビタミン不足、物理的刺激などが要因になると考えられる。

それぞれの症状を解説する。

1.アフタ性口内炎

アフタ口内炎は白っぽい潰瘍(かいよう)ができます。痛みがあり、食べ物がしみる。

<症状>
・白っぽい潰瘍
・食べ物がしみるような痛み

2.カタル性口内炎

傷ついた患部が赤く腫れる。辛いものや硬い食べ物がしみて痛みを感じやすく、唾液の分泌量が増える。口臭がひどくなることもあり、不快感がある。

<症状>
・赤く腫れる
・食べ物がしみるといった痛み
・唾液の分泌量が増え、口臭がひどくなる

3.ヘルペス性口内炎

口のなかに水ほうや潰瘍(かいよう)ができ、多数の口内炎が発生する。歯茎は赤く腫れ上がって、出血しやすくなる。痛みは1週間ほどで、症状は2週間程度で治まる。

<症状>
・口内に水疱(すいほう)、潰瘍ができる
・物理的な接触があると痛みがある
・赤く腫れ、出血する場合がある
・2週間程度で治まる

4.カンジダ性口内炎

カンジダというカビが口内に広がり繁殖して、白い苔のようなものが口全体に広がる。食事をすると痛みが生じ、白い苔のようなものがはがれると炎症を起こし、出血する場合もある。

<症状>
・白い苔のようなものが口内に広がる
・痛みは本来ない
・苔をはがして炎症すると痛みを伴う場合がある

5.ニコチン性口内炎

症状には2つのタイプがあり、1つは円形や楕円形の白い潰瘍ができるタイプ。

もう1つは小唾液腺(しょうだえきせん)という部分が赤く腫れ上がるタイプである。白い粘膜に赤い斑点が点在する状態になる。自覚症状は少ないが、食事のときには痛みが伴うことがある。

<症状>
・円形や楕円形の白い潰瘍
・小唾液腺が赤く腫れる
・食事の際に痛みが生じる

原因

原因を種類ごとに解説する。

1.アフタ性口内炎

口内をきれいにせず、疲れやストレスをため込んで免疫力が低下していると起こるのがアフタ口内炎である。女性はホルモンバランスが乱れることによってもできやすい口内炎といえる。

口内を不衛生な状態のままにしておくと、アフタ(口のなかにできる白い膜)ができて、細菌が多く発生する。そのような状態で口のなかに傷ができると、細菌が傷口から炎症を引き起こす。

<原因>
・免疫力の低下
・ストレス
・傷口からの細菌やウィルス
・ホルモンバランスの乱れ(女性)

2.カタル性口内炎

カタル性口内炎は熱い食べ物を食べたり、入れ歯や矯正の器具などを入れたりしていて、口のなかが傷ついてできる口内炎である。歯並びが悪かったり、免疫力が低下したりしていると、より発症しやすくなる。

<原因>
・物理的な刺激(入れ歯や矯正器具、熱い食べ物を食べたときに傷ができ、細菌によって感染すると考えられている)
・虫歯や歯槽膿漏の影響
・喫煙による軽いやけど
・ビタミン欠乏、胃腸の調子で口内環境が乱れる

3.ヘルペス性口内炎

ヘルペスは、顔や口の周りに発疹(ほっしん)ができる感染症である。そのヘルペスを引き起こすヘルペスウィルスが口内に侵入し、傷口を通して感染する。

ヘルペスウィルスを持っている家族や周囲の人との接触、共同で使っているタオルや食器からの感染が主な発症ルートとなる。生後3~6ヶ月の子どもが感染しやすく、大人からキスをしたり、触れあったりすることで感染する。

<原因>
・ウイルスを持っている人との接触による感染
・3~6ヶ月の乳児が親子でのスキンシップやキスで接触して感染しやすい
・共同で使うタオルや食器から接触して家庭内で感染するケースが多い

4.カンジダ性口内炎

「カンジダ・アルビカンス」という真菌(カビの総称:しんきん)が増殖することで炎症が起こる。この「カンジダ・アルビカンス」は口のなかに常駐している。そのため、身体が極度に疲れている、免疫力が低下している状態でなければ口内炎が発症する可能性は低い。

カンジダ性口内炎を発症するのは、他の病気にかかっていて免疫力が低下しているときが多い。体力や抵抗力が弱い小さな子どもや、高齢の方がかかりやすい。

<原因>
・常在菌の「カンジダ・アルビカンス」という真菌が増殖することで発症
・増殖の原因は口内の衛生状態の悪化、免疫力の低下
・小さな子どもや高齢者がかかりやすい

5.ニコチン性口内炎

ニコチンとはタバコの煙に含まれている化学物質のこと。ニコチン性口内炎は長期的に喫煙をしている人がなりやすい口内炎で、煙を吸うことによる軽いやけどと口内の乾燥が原因で発症する。

<原因>
・喫煙による軽いやけど
・喫煙による口内の乾燥
・口蓋粘膜が異常に厚く硬くなる

検査内容と主な診療科目

口内炎は口のなかにできるものなので、歯科、口腔外科で診察する。
また、発熱や皮膚の炎症が伴っている場合には、内科や皮膚科でも可能である。あまり知られていないが、耳鼻科でも診察可能な場合がある。

以下のような状態の場合は、自然に治ると考えず、医療機関を受診する。

・1週間~2週間以上治らない場合
口内炎が長期的に治らない、再発を繰り返しているならば、口腔がんやバーチェット病の疑いがある。

・口内炎の周囲が硬い、出血、舌の一部が白い、赤い場合
このような症状も口腔がんの主症状である。早めに診断を受ける。

・歯肉に痛みを伴い、身体がだるい、悪寒、頭痛がある場合
身体の免疫力が著しく低下している状態。壊死性潰瘍性口内炎(えしせいかいようせいこうないえん)のような歯肉がただれて、激しい痛みを伴う口内炎がある場合は、他の病気を引き起こしている可能性がある。

・水ぶくれを伴う口内炎
ヘルペス性口内炎の可能性もあるが、手足口病、ヘルパンギーナといった他の感染症の疑いもある。
手足口病は、発熱と手足、口内に発疹ができる症状があり、ヘルパンギーナは高熱とのどが腫れて口のなかに発疹ができる。どちらも子どもが夏にかかりやすい感染症である。

口内炎のような症状も含まれているので見分けがつけにくいため、医療機関を受診する。

治療方法と治療期間

口内炎は自然に治ってしまうことも多い。
早く治したいという人は病院で処方された軟膏や市販薬を使って治療する。
病院で処方される軟膏はステロイドを含んだもので、炎症を抑える効能がある。
また、市販薬には非ステロイド剤のものが販売されている。

しかし、口内は唾液が出ているので、軟膏を塗ったとしても流れ落ちてしまうことが多くある。
また、口内炎は口のなかが汚れていると悪化してしまい、薬を塗っていても意味がなくなる。
口のなかを清潔にして、定期的に軟膏を塗る必要がある。

・ヘルペス性、カンジダ性の口内炎には専用の薬

感染症系の口内炎は、それぞれのウイルスやカビを抑える抗ウイルス薬、抗真菌剤を病院で処方してもらうことができる。病原体の増殖を抑え、治癒を早めることが期待できる。

・痛みを抑えられる貼り薬もおすすめ

塗り薬ではなく、貼るタイプの薬も出ている。炎症部分に被せるように貼るので、食事や会話のときに患部を直接的な刺激から守ることができ、比較的快適に生活することができる。

・病院でのレーザー治療

歯科でおこなえる治療で、Er-YAGレーザーを用いて潰瘍面を凝固させることができる。軟膏や自然に治るのを待つより早く治癒させることが可能で、レーザーによる痛みは少なく、副作用もほとんどない。少しでも早く治癒させ、煩わしい口内炎をなくしたい人に推奨される。

・感染症以外は自然治癒する場合もある

口内炎は基本的に自覚症状がなく、食事のときに痛みを我慢さえすれば自然に治っていく病気である。少し痛みを我慢し、歯磨きや生活習慣の改善を徹底していれば、病院に行かなくても自然に治る。

しかし、慢性的に痛みがあるときや、感染系の口内炎の症状が出ている場合、2週間以上治らない場合は注意が必要である。そうした場合は病院に行って、しっかりと診断を受ける必要がある。

・免疫力を高める

口内炎は、ストレスや疲れによって免疫力が低下したときに起こりやすくなる。そのため、日頃からストレスや疲れをためない生活を心がける。
頻繁に口内炎が再発する方も、以下の点に気をつけることで再発しにくくなる。

生活習慣

毎日の生活に趣味や軽い運動といった、ストレスを発散できる時間を設ける。また、疲れをためないために、質の良い睡眠を十分に取ることも意識する。

口内炎になってしまっても、生活習慣を正すように心がける。免疫力が回復してきたら、自然に口内炎も治まっていく。

食事

生活習慣を正す延長で、栄養バランスをしっかり整えることも重要。口内の粘膜を強くするため、ビタミンB2、B6、Cを多く摂取できる食品を取り入れた食事が望ましいとされている。
具体的には以下の食べ物である。

ビタミンB2:レバー、豚肉、いかなご、うなぎ、うずらの卵 など
ビタミンB6:にんにく、まぐろ、レバー、かつお など
ビタミンC:赤ピーマン、黄ピーマン、ゆず、アセロラジュース など

基本的に、刺激の強いものは控える。辛いものや熱い食べ物、濃い味付けのもの、炭酸飲料、アルコールも控えた方が良い。

口内環境

何よりも日頃から口内を清潔にしておく。なるべく毎食ごとにブラッシングをおこない、口内を乾燥させないように工夫して、口内炎のリスクを減らす

治療の展望と予後

口内炎は治療をおこなわなくても1~2週間すれば自然と治っていく。
しかし、それ以上に口内炎が続く、再発を繰り返すならば、他の病気を発症している可能性がある。
以下が、口内炎以外に考えられる病気です。

1.口腔がん

口腔がんとは口のなかにできるがんで、できる部位によって、

・舌がん
・歯肉がん
・口腔底がん(こうくうていがん)
・頬粘膜がん
・口唇がん(こうしんがん)
・口蓋粘膜がん(こうがいねんまくがん)

などの種類に分かれる。

症状としては以下のようなものが挙げられる。

・舌や歯茎が赤や白に変色する
・触ると硬いしこり
・小さな潰瘍(ただれ)
・食事中にしみる
・口の中のある部分がヒリヒリする
・首のリンパ節の腫れ
・首のしこり

症状は口内炎とほとんど変わらない。判別がつきにくく放置してしまい、がんが進行するケースが多いため注意が必要である。

口腔がんは、他のがんに比べて死亡率、罹患(りかん)率は低い。死亡率は男性が8.6%、女性が3.3%。罹患率は男性が21%、女性は8.8%と男性が高い。

一方で、5年生存率では男性57.3% 女性66.8%。10年生存率は男性41.4% 女性53.6%と5~6割の確率となっている。早めに治療しなければ命に関わる。口内炎が長期的に治らない場合は早めに医療機関を受診する必要がある。

2.ベーチェット病

ベーチェット病は原因不明の自己免疫疾患である。20代~30代に発症しやすく、また、女性より男性の方が、症状が重症になりやすい。

1cm程度のアフタ性口内炎が繰り返しでき、口腔内以外の身体のさまざまな部分でも症状を引き起こす。目や陰部、皮膚にも炎症、発疹、潰瘍を起こし、神経や臓器にまで影響を与える。

ベーチェット病は、症状が出ている時期(活動期)と治まっている時期(非活動期)が繰り返されるので、長期的に病院で治療することが必要になる。

発症しやすい年代と性差

2017年の製薬会社による10~60代への調査では口内炎経験率は38%、約3000万人に上る。女性のほうが若干多く、若い世代に多い。

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