目が痛い・かゆいの病気一覧

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緑内障

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

緑内障とは

緑内障の症状について

緑内障は、目で見た情報を脳に伝える視神経に何らかの要因で障害が出て、視野のなかに見えない場所(暗点)が出たり、視野が狭くなったりする病気です。症状は時間をかけてあらわれます。しかし、人間の目は片方の視力が悪くても、もう片方の目が補うようになっています。

そのため、片眼で緑内障が進行していても気づきにくい病気です。進行し続けると、次第に視力が奪われ、いずれ失明の危険もあります。

失明する病気の原因第1位

緑内障は、視覚障害で失明する原因の第1位です。
近年では医療の進歩により失明の可能性は低くなっているものの、ゼロではありません。40代の日本人で20人に1人は発症しているといわれており、緑内障と診断されているのはそのうちの1割しかいないというデータもあります。

失明の危険性がある病気にかかっていることに気づいていない人が多い状況です。

【参考】
川迫労働省科学研究成果データベース
きちんと理解、続ける治療 緑内障

緑内障の原因は房水(ぼうすい)と眼圧による視神経への負担

視神経に障害を与える要因として、房水と眼圧の関係があります。
房水は目のなかにある液体で、眼圧は目の中の圧力、つまり目の硬さと解釈できます。
房水が溜まることで眼圧が高まり、視神経に障害が出るのが緑内障を発症するパターンの1つです。

緑内障は原因や進行具合、仕組みで種類が異なる

緑内障といっても、要因が明らかかどうか、どの部分に障害が見られて緑内障になっているかで、種類が異なります。
種類としては大きく3種類に分類されます。その種類は以下の通りです。

①続発性緑内障・・・他の病気やケガなどによって眼圧が上昇して起こる緑内障

②発達性緑内障(小児の続発緑内障、先天性緑内障)・・・生まれつきの緑内障

③原発性緑内障・・・原因が特定できないが、眼圧が上昇し起こる緑内障

④正常眼圧緑内障・・・眼圧は正常値だが、何らかの要因で視神経に障害が出ている緑内障

一般的な緑内障は②の「原発性緑内障」であり、そのなかでもゆっくりと進行する「原発性開放隅角緑内障(げんぱつかいほうぐうかくりょくないしょう)」です。

また、急に痛みが生じ、緑内障の症状が出ることが多いものを「原発性閉塞隅角緑内障(げんぱつへいそくぐうかくりょくないしょう)」と言います。
別名「急性緑内障」といわれ、早急に治療しなければ早くて1日で失明の恐れがあります。

緑内障と白内障の違いとは?

緑内障と白内障の違いは、白内障は失明する病気ではないという点です。白内障は目の水晶体が白く濁る病気です。歳を重ねるごとに発症しやすくなり、40代からなる人が多い傾向にあります。

原因はレンズの役割を担っている水晶体にあるため、手術は水晶体を交換するだけで済み、失明することなく治療できます。世界的にみれば失明する眼の病気第1位ですが、これは医療技術や制度の水準がまだ低い国での失明率が高いためです。

日本での失明率は3%程度で、その原因は適切な治療を受けなかったためとされています。

【参考】2007年調査結果(厚生労働省研究班の調査報告書より)

緑内障とは
板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

花粉症

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

花粉症について

花粉症について

花粉症ってどんな病気?

花粉症は名前のとおり花粉が関係して発症し、くしゃみや鼻みず、鼻づまりを引き起こしたり、目がかゆくなったり、のどが痛くなったりする病気です。

日本では4人に1人が発症しているとされており、特にスギやヒノキの花粉が飛ぶ2~5月ごろがピークにあたります。

全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした2008年(1月~4月)の鼻アレルギーの全国疫学調査があります。それによるとアレルギー 性鼻炎全体の有病率は39.4%であり、花粉症全体の有病率は29.8%、そしてスギ花粉症の有病率は26.5%でした。

花粉症の発症者は女性を中心に年々増加傾向にあり、仕事や勉学を妨げる症状に悩まされています。

花粉の種類と飛散時期

花粉症を引き起こす代表的な花粉を紹介します。

・スギ花粉

2~4月にかけて飛散する花粉。日本での花粉症になるとしたら、最も多いのがこのスギ花粉です。沖縄と北海道を除き、全国的に発症の引き金になります。

・ヒノキ花粉

3~5月にかけて花粉が飛びます。スギと同じく全国的に広がる花粉で、スギ花粉と一緒に花粉を持つと重症になるので注意が必要です。

・ブタクサ花粉

8~10月に飛散し、スギやヒノキに続いて飛散量が多い花粉です。しかし、背の低い草花系の花粉で飛距離が短いので、植物が生えているところに近づかないことで防止することができます。

・イネ花粉

イネの飛散時期は5~9月であり、他のイネ科の飛散時期も考慮すると、春から秋にかけて長い間飛散している種類です。スギやヒノキと違い、北海道、沖縄も含めて全国的に飛散しています。


 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

眼瞼痙攣

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)とはどんな病気?

眼瞼痙攣(がんけんけいれん)はまぶたの痙攣のことで、自分の意志とは関係なくけいれん筋肉に収縮が起こる病気です。
初期症状がドライアイと似ているために正しい診断がつかないことも多く、そういったケースまで含めると、現在日本でこの症状に悩んでいる人は数十万人以上にのぼるといわれています。

このうち最も多いのが40代以降の女性、ついで中高年の男性となっています。

「眼が疲れるとまぶたがピクピクする」「最近まばたきの回数が増えた」「テレビやパソコンがまぶしくて見づらい」「ドライアイの治療をしているのに、ちっとも良くならない」。そんな状態が長引いている人は、眼科で詳しく診察してもらいましょう。

眼瞼痙攣の症状とは?

初期症状としては「まぶしい感じ」や「眼が乾いてショボショボする」「まぶたの周りの筋肉階段がピクピクする」などがあります。
通常は両眼に症状が現れますが、左右で程度に差があることも少なくありません。
やがて症状が進んでくると、まぶたがしょっちゅう下がってくる感じがしたり、さらには全く眼を開けていられなくなったり、視力があるにもかかわらず、失明と同じような状態にまで陥ることもあります。

症状の進行はそれほど早くはありませんが、放っておいても自然に治ることは少ないとされています。
進行の度合いによっては、階段を踏みはずす、電柱にぶつかるなどでケガをしてしまうこともあります。
そうなると仕事や買い物に行くのも困難になり、日常生活に大きな支障をきたします。

眼瞼痙攣の発症原因

発症の原因については、「大脳の一部が機能障害を起こしている」という説や、「眼瞼炎、結膜炎などのまぶたや角膜の病気が刺激を与えたことによって発症した」「抗うつ薬など別の病気のために飲んだ薬が引き金となった」というケースが報告されています。

しかし、まだ完全には解明されていません。そのため、治療は症状を抑える対症療法が中心となっています。

眼瞼痙攣の検査と診断

ドライアイか眼瞼痙攣かを判断するために、眼科では次のようなテストが行われます。
眼瞼痙攣は、緊張などの精神的影響から診察時に症状が現れないことがあります。まばたきのテストは、そのような場合の症状誘発にも有効です。

眼瞼痙攣の診断に役立つまばたきのテスト

・軽瞬テスト:眉毛部分を動かさず、まばたきをゆっくりとリズミカルに行う。
・早瞬テスト:できるだけ早くて軽いまばたきを10秒間行う。
・強瞬テスト:強く目を閉じ、すばやく目を開ける動作を10回行う。

そのほか、下まぶたにろ紙を挟んで涙がどのくらい不足しているかを調べるシルマーテストや、CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像)、PET(陽電子放射断層撮影)などの画像診断も行います。

正しい診断のために医師に伝えたい症状例

・症状が現れたのは、いつ頃からか
・症状は片眼にだけ起こるのか、両眼なのか
・眼のかゆみや痛みはあるか
・症状が起こるのは、ときどきか、四六時中か
・まぶしいと感じるのは、どんなときか
・どのようにものが見えにくいのか(視力低下と区別するために)
・現在服用している薬はあるか(特に精神科・神経科で処方された薬)
など

間違えやすい病気

眼瞼痙攣は下記のような病気と間違えやすいので注意しましょう。

病名ドライアイ眼瞼ミオキミア眼部チック
症状眼が疲れやすい、まぶしい、眼が乾く、視野がかすむ、眼の痛みや頭痛などまぶたの一部が自分の意志とは関係なく一時的にピクピクと痙攣。通常は片眼にだけ症状が現れる。眼瞼痙攣の症状とよく似ているが、実際は眼瞼ミオキミアである場合が多い自分の意思とは関係なく頻繁にまばたきしてしまう、ものが二重に見える、急に視力が落ちるなど
原因エアコンによる乾燥、コンタクトレンズの長時間装着、パソコンやテレビによる眼の酷使、ストレスなど疲れやストレス強い緊張やストレスなど
診断・治療シルマーテストやドライアイ診断装置などで診断する。ドライアイ用点眼薬の使用、こまめな眼の休息、まばたきを意識的にするなどで改善されることが多い。
重度の場合は涙点プラグ(※1)を挿入する治療法を用いる
まばたきのテストや針筋電図検査(※2)により診断する。疲れやストレス原因の除去により、数日から数週間で治まる過剰なまばたきなどに対する問診により診断する。ストレス原因の除去や時間の経過により自然に治まることが多い

※1 涙点プラグ:シリコン製の小さいプラグを涙の出口に挿入し、涙を眼の表面にためる装置
※2 針筋電図検査:針電極を用いて筋肉の状態を調べる検査

眼瞼痙攣の治療法

原因不明の病気のため、まだ根本的な治療法は確立されていません。症状を抑えるために薬物内服療法を用いることもありますが、現在ではボツリヌス療法が主流となっています。

この治療法で用いられる「ボツリヌス毒素」は美容業界でシワとりなどに使用されています。

薬物内服療法

症状が軽い場合には抗パーキンソン薬、抗コリン薬、向精神薬などを服用します。
服用しても改善されない場合には、「ボツリヌス療法」をすすめられることになります。

薬物内服療法

ボツリヌス療法

現在、眼瞼痙攣で主流となっている治療法です。痙攣しているまぶたの筋肉にA型ボツリヌス毒素製剤を注射します。
注射により神経細胞内に取り込まれたA型ボツリヌス毒素製剤は、筋肉の収縮に関与する神経伝達物質アセチルコリンの放出を抑制します。

その結果、症状を軽くすることができます。個人差はありますが、1回の注射による効果の持続は約3~4ヵ月です。
そのため、効果がなくなるたびに再投与する必要があります。まれに、まぶたが閉じにくくなるなどの副作用もありますが、そのほとんどが1ヵ月ほどで消失します。

「ボツリヌス毒素」といっても、口から入って腸へ大量に吸収されなければ中毒症状は起こりません。
眼瞼痙攣の治療として1回に使用されるのは比較的少量なので体への負担も少なく、治療時間も短いため、日常生活に組み込みやすい治療法であるといえます。
眼瞼痙攣の治療であれば保険が適用されるという利点もあります。

また、眼瞼痙攣でのボツリヌス療法は所定の研修を受けた専門医でなければ施術することができません。受診の際に実施可能かどうかを確認しましょう。

ボツリヌス療法を受けてはいけない人

・妊娠中の人
・授乳中の人
・数ヵ月以内に妊娠を望む男女
・15歳未満
・重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症
などの疾患がある人

ボツリヌス療法を受ける前に医師と相談する必要のある人

・以前ボツリヌス療法を受けて、なんらかの副作用のあった人
・体質的にアレルギーの出やすい人

手術

眼輪筋(※)(がんりんきん)の一部を切除する治療法です。しかし、術後に表情が変わってしまうことがあり、再発もありうることから、よほど重度の場合にしか適用されていません。

※眼輪筋:眼の周りを取り囲んでいる筋肉

日常生活で気をつけること

一般的に、眼のトラブルの多くは疲れやストレスが引き金となっておこります。
日頃から、下記のようなちょっとしたことに気をつけて眼をいたわりましょう。

パソコン、テレビはほどほどに

画面を長時間見続ける生活をしていると、眼の疲れやドライアイ、視力低下を招きます。
2時間パソコンの仕事をしたら、15分程度の休憩をとりましょう。

毎日十分な睡眠を

体と同じように眼もしっかり休ませてあげましょう。

定期的に視力検査を

気づかないうちに視力が下がっていることもあります。視力に合っていない眼鏡やコンタクトレンズの使用は眼に負担をかけてしまいます。

コンタクトレンズの使用に注意して

メーカーの指示を超えて長期間連続装着したり、洗浄などのケアを怠ったりすると、大切な眼に深刻なトラブルを招くこともあります。
忙しいときや疲れているときも、面倒くさがらず、こまめにはずしてケアしましょう。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

子どものアレルギー性鼻炎

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

鼻をいじる子どもは注意!アレルギー性鼻炎

ハウスダスト(※)や花粉などで鼻粘膜が刺激されて起こる鼻炎をアレルギー性鼻炎といいます。
最近では発症の低年齢化も進み、子どものアレルギー性鼻炎も多くみられます。

生命にかかわる病気ではありませんが、そのまま放っておくと、鼻のかゆみが気になって授業に集中できない、鼻が詰まって眠れないなど、日常生活に影響を及ぼします。
鼻のかゆみや鼻づまりが気になり、鼻をほじったりいじったりして鼻血が出ることもしばしばあります。

乳幼児の場合は、鼻が詰まってミルクが飲めなくなったり、食事ができなくなったりすることもあります。
子どもは自分の苦しんでいる症状をうまく伝えることができず、病気を悪化させてしまうことも少なくありません。
気になる症状がみられたら、早めに耳鼻咽喉科の医師に相談しましょう。

※ハウスダスト・・・ダニの糞や死骸、カビやペットの毛などが含まれた室内の塵や埃のことで、アレルギーの原因になる

アレルギー性鼻炎の症状

くしゃみ・鼻みず(水溶性)・鼻づまりが三大症状で、風邪の初期症状とよく似ています。
子どものアレルギー性鼻炎では、成人に比べて鼻づまり型が多く、くしゃみ型が少ない傾向にあります。
また、眼のかゆみや充血といった症状が成人に比べて強く現れる傾向がみられます。

アレルギー性鼻炎の発症は、自律神経の働きと深いかかわりを持っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中は交感神経が、夜から朝にかけては副交感神経が働きます。
アレルギー性鼻炎の症状は、副交感神経の働きが活発になった時に出やすくなるため、朝夕に強く現れる傾向です。

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎になる原因

アレルギー性鼻炎の原因となる物質を「抗原(=アレルゲン)」といいます。
抗原が鼻から体内に侵入すると、私たちの体は「抗体(=IgE抗体(※))」という物質を作って抗原を攻撃します。

このような体の防御システムを「免疫」といいます。しかし、抗体が体内で増えすぎると過剰反応を起こし、くしゃみや鼻みずなどによって抗原を排除しようとします。これがアレルギー性鼻炎の原因となります。

※IgE抗体・・・アレルギーの原因となる抗原との接触を繰り返すたびに体内に蓄積される物質で、一定量を超えるとアレルギー性鼻炎を発症する

アレルギー性鼻炎の種類

アレルギー性鼻炎は、ほぼ一年中症状が現れる通年性アレルギー性鼻炎と、ある特定の時期に症状が現れる季節性アレルギー性鼻炎の2つに分かれます。

通年性アレルギー性鼻炎は、冬場や夏場に症状が強く現れる傾向にあります。これは、冷暖房をかけるため窓が閉め切った状態となり、ハウスダストが室内を飛び回るからです。
また、空気の乾燥も症状を悪化させる原因となります。

季節性アレルギー性鼻炎は「花粉症」とも呼ばれ、花粉が抗原である場合がほとんどです。発症時期は、抗原である植物の開花時期と一致しています。
複数の花粉に反応を起こすと、ほぼ一年中症状が現れます。また、くしゃみ・鼻みず(水溶性)・鼻づまりの三大症状に加え、眼やのどのかゆみ・眼の充血・涙目などの症状を伴います。

検査と診断

まず、問診で発症時期や症状の程度、家族のアレルギー既往歴などについて質問されます。

次いで、鼻粘膜の状態をみるための鼻鏡検査や、風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎を見分けるための鼻汁中好酸球検査などを行います。
アレルギー性鼻炎と診断されると、原因となっている抗原を特定するための皮膚反応検査・血中特異的IgE抗体検査・鼻粘膜誘発テストを行います。

そのほか、副鼻腔炎(蓄膿症)の合併の有無を調べるためレントゲン検査を行う場合もあります。

アレルギー性鼻炎を診断するための主な検査

■鼻鏡検査
鼻鏡という器具を使用して、鼻粘膜の状態をみる検査。
アレルギー性鼻炎だと、粘膜が青白くふくらんでいたり、鼻みずが粘膜の周りを覆っていたりする。

■鼻汁中好酸球検査
風邪の初期症状とアレルギー性鼻炎の症状を見分ける検査。
スライドガラスに鼻みずをとり、試薬を加えて好酸球(※)の数値を調べる。
好酸球の数値が増加しているとアレルギー性鼻炎と診断される。

■皮膚反応検査
抗原を特定する検査。抗原液を注射したり、ごく浅い傷を作って抗原液をたらしたりして、皮膚の反応をみる。
抗原に対する抗体をもっていると、かゆみや腫れなどの症状が現れる。
検査結果に影響を及ぼすため、薬を服用している場合は必ず医師に相談すること。

■血中特異的IgE抗体検査
抗原を特定する検査。採血し、抗原に対する抗体の有無を調べる。

■鼻粘膜誘発テスト
抗原を特定する検査。抗原を染み込ませたろ紙を鼻粘膜に置いて反応をみる。
くしゃみや鼻みずなどの症状が現れることによって、抗原を特定する。

※好酸球・・・白血球の1種。アレルギー反応を高め、症状を悪化させたり慢性化させたりする

アレルギー性鼻炎の治療法

治療法は、抗原の除去や回避・薬物療法・特異的免疫療法(減感作療法)・手術の4つに分かれます。重症度や抗原の種類、患者さんのライフスタイルによって治療法を選択します。

抗原の除去や回避

アレルギー性鼻炎の治療の基本であり、患者自身や家族が日常生活の中で行うことのできる治療法です。

■ハウスダストの除去

  • ・室内の掃除には、排気循環式の掃除機を使用する。1平方メートルに付き20秒を目安に、1週間に2回以上掃除機をかける
    ・ハウスダストが付くのを防ぐため、布製のソファーの使用を避ける
    ・カーペットや畳をフローリングに変更する。また、ダニが繁殖しやすくなるため、畳にカーペットを敷くのを避ける
    ・マットレスや布団、枕には抗ダニ作用のあるカバーをかける
    ・ダニは高温多湿を好むため、部屋の湿度を50%、室温を20~25℃に保つよう心掛ける
    ・ぬいぐるみなどのハウスダストが付きやすい玩具は、小まめに洗って清潔に保つ
    ・布団は日光に当てて乾燥させ、掃除機をかける。花粉症の場合は、掃除機をかけるのみとする

■花粉の回避

  • ・花粉情報に注意し、飛散が多い時は外出を控える
    ・窓や戸を閉めて花粉が室内に入らないよう注意する
    ・外出時にはマスクやメガネを着用する
    ・毛織物などの衣服は避ける。付いた花粉をふき取ったり、払い落としたりしやすいように、ツルツルした素材の衣服を着用する
    ・帰宅時は、衣服や髪に付いた花粉をよく払い落としてから入室するよう心掛け、洗顔やうがいをし、鼻をかむ
    ・基本的に布団や衣類は屋外に干さない

■ペット抗原の除去

  • ・ペットは屋外で飼育する。特に寝室には入れないように注意する
    ・ペットの飼育環境を清潔に保つ

薬物療法

最もよく行われる治療法ですが、市販薬の多くは成人用で、子どもには適さないことも少なくありません。
必ず耳鼻咽喉科を受診したうえで、子どもに適した薬を処方してもらいましょう。

また、点鼻薬が苦手な子どもの場合は、周囲の大人がまずお手本をみせてあげてから徐々に慣らしていくことが大切です。

■アレルギー性鼻炎の治療で使用される主な薬剤

  • ・ケミカルメディエーター遊離抑制薬
    鼻づまりに効果がある。内服薬と点鼻薬があり、効果が現れるまで2週間ほどかかる。・第二世代抗ヒスタミン薬
    症状全般に効果がある。眠気などの副作用が少ない。内服薬は、効果が現れるまでに2週間ほどかかる。点眼薬や点鼻薬は比較的即効性がある。飲み合わせの悪い薬があるため、ほかの薬を服用している場合は必ず医師に相談すること。・抗トロンボキサンA2薬、抗ロイコトリエン薬
    鼻づまりに効果がある内服薬。穏やかな効き目で効果が現れるまでに時間がかかる。・ステロイド薬
    鼻粘膜の炎症を抑え、症状全般に効果がある薬。内服薬と点鼻薬がある。点鼻薬は数日で効果が現れ、副作用が少ない。内服薬は、ほとんどが症状の強い成人用であり、子どもには適さない場合が多い。・抗コリン薬
    鼻みずに効果がある点鼻薬。副交感神経の働きを抑える薬で、原則として12歳以上に使用する。・血管収縮薬
    鼻づまりに効果がある。即効性はあるが、使用しすぎると鼻づまりがひどくなる場合もあるため注意が必要です。
    原則として6歳未満での使用は避け、それ以上の年長児に使用する場合にも医師に相談しなければなりません。

特異的免疫療法(減感作療法)

抗原を少量ずつ注射して体内に取り込むことによって、その抗原に対する反応を徐々に弱めていく治療法です。
ごくまれに、アナフィラキシーショック(※)などの副作用がみられるため、反応に注意しながら行います。

治療期間は2~3年間ほどを必要としますが、治療を続けることで完治する可能性もあり、アレルギー性鼻炎の患者さんの約70%に効果があるといわれています。

※アナフィラキシーショック・・・抗原が体内に入り、血圧低下や呼吸困難、皮膚の発赤などの全身症状が現れた状態

手術

強度の鼻づまりやほかの治療法で効果がみられない場合は、手術による治療を行います。

レーザー手術は、抗原に対して過敏になった鼻粘膜を軽く焼くことで反応を弱めます。
入院が不要なため用いられやすい方法ではありますが、おとなしく治療を受けられない乳幼児などには適しません。
個人差はありますが、数カ月から2年程度効果が持続します。しかし、焼かれた鼻粘膜はいずれ再生するため、完治にはいたりません。

そのほか、鼻粘膜を切除する手術や鼻づまりを改善する整復術、鼻みずを分泌する神経を切って鼻みずを止める手術などがあります。
これらの手術はそれぞれ全身麻酔で行われ、1週間ほどの入院を必要とします。 ただし、子どもに適用されることはほとんどありません。

日常生活での注意点

アレルギー性鼻炎は完治の難しい病気ですが、日常生活に気をつければ症状の緩和や発症の予防も可能です。
子供が快適に過ごせるように、下記のことに気をつけましょう。

■周囲の大人は禁煙を
たばこの煙は鼻粘膜を刺激し、症状の悪化につながります。周囲の大人は禁煙を心掛けましょう。

■十分な睡眠がとれる環境作りを
睡眠不足は身体の抵抗力を弱めます。十分な睡眠がとれるような環境を整えましょう。

■バランスのよい食事を
野菜などのビタミンやミネラルを多く含む食品を取り入れ、バランスのよい食事をつくるように心がけます。
タンパク質や脂肪、食品添加物を多く含む食品はなるべく避けましょう。

■室内の乾燥に注意
鼻粘膜には適度な湿度が必要です。加湿器などを使用し、乾燥を防ぎます。
加湿器はカビが発生しやすいため、定期的な掃除を行いましょう。

■一緒に楽しめる運動を
適度な運動は、ストレス解消とともに自律神経の働きを高めます。
子供が継続して運動を楽しめるようサポートしましょう。
水泳をする場合は、鼻粘膜を敏感にして症状の悪化をさせてしまうことがあるため、十分に注意が必要です。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

風疹

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

風疹とは

子供のときと大人になったときの風疹の症状と特徴

38℃くらいの発熱、目の充血、のどのはれと痛みといった風邪に似た症状とともに、小さな赤い発疹が、顔、体、手足など全身にでます。
この発疹にかゆみはほとんどなく、はしかのように発疹が大きくなることもありません。また、耳のうしろのリンパ節がはれて痛む点も特徴です。

これらの症状は、3~4日でおさまります。そのため、「3日はしか」と呼ばれることもあります。

風疹の症状は、子どものうちは比較的軽いものですが、まれなケースとして脳炎や血小板減少性紫斑症(けっしょうばんげんしょうせいしはんしょう)など合併症が発生することがあります。

また、子どもの感染症と思われがちですが、大人が感染すると、発熱や発疹期間が長く(一週間かそれ以上)、関節痛がひどいなど、子どもと比較し症状が重くなることが多いと言われています。

風疹にかかる原因はウイルス

風疹ウイルスへの感染が原因です。春先から初夏にかけて流行する傾向があります。潜伏期間は2~3週間です。
一度感染すると免疫ができ、多くの人は生涯かかることはありません。感染しても明らかな症状が出ることなく免疫ができてしまう人もいます。
風疹にかかったことがあるかどうかは、血液検査で調べられます。医師に相談しましょう。

風疹ウイルスの感染力は弱いですが、感染しても発症しないことがあることから、知らないうちに他の人にうつしてしまいます。感染の原因は主に飛沫感染であり、風疹ウイルスをもった人のくしゃみや会話などの唾液しぶきなどから感染します。

風疹の治療

通常は、安静にしていれば問題ありません、症状が重い場合には、症状を緩和する対症療法が行われます。
二次感染予防のために、抗菌薬が使われることもあります。

予防方法

ワクチンの予防接種をします。(後述)

大人の風疹は、とくに男性の割合が多い

子どもの頃に予防接種を受けなかった成人に多く、とくに男性の割合が多い

患者は成人が9割で、とくに男性は20~40代に多く、男女差は3.7倍程です

風疹患者の性別年齢分布(2010年~2013年)
https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/34/398/graph/f3983j.gif

2014年度の感染症流行予測調査によると、30代前半~50代前半の成人男性の5人に1人は風疹の免疫を持っていませんでした。
20代の男性は10人に1人、30代後半の男性では5人に1人です。

この男女比および世代比の差は、風疹の定期予防摂取制度の変遷によるもので、成人になって風疹にかかる人の多くは、子どもの頃に予防接種の機会がなかったためです。

予防接種は、以前は女子中学生のみを対象としてきましたが、1995年より生後12ヶ月から90ヶ月未満の男女小児、および、中学生男女となりました。

2014年7月~9月に実施された抗体化測定:赤血球凝集抑制法(2015年3月時点)HI法で8未満

参照:NID国立感染症研究所 平成26年度(2014年)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/y-graphs/5502-rubella-yosoku-serum2014.html

風疹にかかると、妊娠中の女性が近くにいた場合、風疹をうつし、赤ちゃんが先天性風疹症候群となって生まれてくる可能性があります。

大人の風疹は、とくに男性の割合が多い

先天性風疹症候群とは

風疹に対する免疫が不十分な妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染することで胎児も感染してしまい、生まれてきた赤ちゃんが難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等が見られる可能性があります。これらの病気を先天性風疹症候群と呼びます。

予防のために、予防接種を受けてください

大人になる前に予防接種を!

これまで風疹の予防接種を受けたことがない人は、男女関係なく風疹ワクチンを接種しましょう。
前述のとおり、通常、風疹の症状自体は重いものではありませんが、まれに合併症を引き起こし、重症化するケースがあります。

また、妊婦への感染および先天性風疹症候群発症の可能性もありますので、家族もできれば早めに、予防接種を受けてください。

風疹は一度かかると生涯かかることはありませんが、「子どもの頃に風疹にかかった」「予防接種を受けた」と家族に言われても、『記録』がなければ医療機関に相談してください。
すでに風疹にかかったと『記憶』のある人たちに血液検査を行ったところ、約半数は記憶違いか、風疹に似た他の病気にかかっていたというケースがあるようです。

もし、風疹にかかったことが血液検査によって確かめられていない場合は、予防接種を受けることをおすすめします。
本当に子どもの頃に風疹にかかったことがあったとしても、成人になって予防接種を受けることに問題はありません。

成人女性の予防接種

妊娠中は予防接種することができません。妊娠出産年齢の女性にワクチン接種する場合は、妊娠していない時期(生理中あるいはその直後が確実)にワクチン接種を行い、その後2ヶ月間は避妊しましょう。

妊娠中に風疹ワクチンを接種したために胎児に障害が出たという報告は現時点ではありませんが、理論的に100%危険の可能性がないとは言えないため、注意が必要です。

風疹ワクチンとは

弱毒性を行った種(たね)ウイルスを培養・増殖させて凍結乾燥したものを接種します。
通常の風疹感染とは異なり、ほとんど症状が出ませんが、風疹ウイルスに対する免疫を得ることができます。
麻疹(はしか)ワクチンと混合した麻疹風疹混合ワクチンが定期予防接種に用いられています。

予防接種の費用

自己負担になります。接種を行っている医療機関にお問い合わせください。料金の設定は、医療機関によって異なります。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

アレルギー性鼻炎

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

アレルギー性鼻炎ってどんな病気?

かぜでもないのに、くしゃみや鼻水がとまらない。鼻もつまり鼻水が出る。そんな症状が起こったら、アレルギー性鼻炎かもしれません。
アレルギー性鼻炎は、アレルギー反応により起こる鼻の粘膜の炎症です。

近年、アレルギー性鼻炎にかかる人の数は増加しており、日本人の5人に1人は、この鼻炎に悩まされているといわれています。この病気が増えている原因には、気密性の高い居住環境によるハウスダスト(※)の増加、花粉の飛散量の増加、大気汚染、ストレス、食生活の変化などが挙げられます。

アレルギー性鼻炎に一度かかってしまったら、アレルギーを引き起こす原因となる物質、アレルゲン(抗原)との接触を断つことが肝心です。症状を改善するために、日々の生活を見直しケアを行いましょう。

※ハウスダスト…室内塵のことで、ホコリやペットなど動物の毛、ダニ、カビなど、アレルギーを引き起こすいくつかの抗原が混ざっています。

アレルギー性鼻炎ってどんな病気?

アレルギー性鼻炎の症状

アレルギー性鼻炎は、発作的に起こるくしゃみ、さらさらした水のような鼻水、鼻づまりが何度も繰り返し起こるのが特徴です。
この鼻炎には、症状が1年中現れる「通年性アレルギー性鼻炎」と、一定の季節に限って症状が現れる「季節性アレルギー性鼻炎」の2つがあります。また2つともが同時に起こることもあります。

通年性アレルギー性鼻炎の場合、冬により強い症状が出ます。暖房で窓を閉め切っているため室内でハウスダストが飛び回り、さらに空気が乾燥することで症状が悪化します。また合併症として、ぜんそくやアトピー性皮膚炎が起こることもあります。

季節性アレルギー性鼻炎のほとんどはいわゆる「花粉症」と呼ばれるもので、その発症時期は、原因となる植物の開花時期と一致しています。
鼻の症状のほか、目のかゆみ・充血(アレルギー性結膜炎)、のどの違和感、皮膚のかゆみや湿疹、咳、頭が重たい感じなどの症状が出ることがあります。

アレルギー性鼻炎を起こす抗原

アレルギー性鼻炎の原因となる抗原のほとんどは、呼吸によって体内に入ってくる吸入性のものです。繰り返し抗原を吸い込むことでアレルギー反応が起き、鼻の不快な症状が現れます。

〈主な吸入性の抗原〉

・ハウスダスト・・・ダニ、ネコ、トリなどのペットの毛や羽根など

・花粉・・・(春)スギ、ヒノキなど

(夏)スズメテッポウなど

(秋)ブタクサ、ヨモギなど

その他・・・カビ類、そば粉、きのこの胞子など

アレルギー性鼻炎はかぜと間違えやすい?

アレルギー性鼻炎の症状は、かぜの初期症状ととてもよく似ています。
それぞれ治療法が異なるので、アレルギー性鼻炎にとって適切な治療を受けてください。

アレルギー性鼻炎の検査と診断

くしゃみ、鼻水などの症状がアレルギー性の反応であるかどうかを調べ、そうである場合は、アレルギー反応を起こしている抗原が何かを調べる検査を行います。

アレルギー性の症状であるかどうかを調べる検査

・問診

年齢、性別、職業、症状の種類、程度、発症年齢、発症時期、合併症、アレルギー既往歴、家族歴、治療歴と経過などを詳しく聞きます。

・鼻鏡検査

鼻の粘膜の色、腫れ具合、鼻水の分泌量などの状態を診ます。

・鼻汁中好酸球検査

アレルギー性鼻炎の人に多く見られる「好酸球(※)」という細胞の数を調べます。

※好酸球…血液の中の白血球の一種。アレルギー反応に関与する細胞で、鼻水や痰(たん)の中に分泌されます。

原因となる抗原を調べる検査

・皮膚テスト

皮内テストとスクラッチテストの2種類があります。
皮内テストは、問診の結果から推測される抗原の水溶液を前腕に皮内注射して、皮膚の赤くなった面積や状態を観察します。スクラッチテストは皮膚を出血させない程度にひっかいて傷をつけ、そこに抗原をたらして反応を診ます。

・血清特異的IgE抗体(※)検査

採血をして抗原に反応するIgE抗体を使って調べる検査で、一度に多数の抗原を調べることができます。アレルギーの強さもある程度までわかります。

※IgE抗体…体内に入ってくる異物を排除する免疫のしくみに関係する抗体。原因となる抗原との接触を繰り返すうちにこの抗体が体内に蓄積され、一定量を超えるとアレルギー症状が起こります。

・誘発テスト

抗原をしみ込ませたペーパーディスク(ろ紙)を鼻の粘膜において、アレルギー反応が現れるかどうかを調べます。
ただし、危険性もあり現在ではほとんど行われていません。

その他の検査

重症のアレルギー性鼻炎では、副鼻腔炎(蓄膿症)の合併がないかどうかを調べるために、レントゲン撮影を行う場合もあります。

アレルギー性鼻炎の治療法

アレルギー性鼻炎の治療法には、抗原の除去と回避、薬物療法、特異的免疫療法、手術療法があります。

抗原の除去と回避

アレルギー性鼻炎になるかどうかは、その人自身の遺伝的な体質によるところが大きいため、完全に予防することは困難です。
ですが、生活環境から原因となる抗原を取り除き、接触を避けることで症状を軽くできます。

ハウスダストの除去

  • 居間、寝室などは毎日掃除する。
  • 排気循環式の掃除機を用いて、1平方メートルにつき20秒以上の時間をかける。
  • 布団、毛布などはよく日光にあてて乾燥させ、週に1度は掃除機をかける。ただし、花粉症の場合は外に干さないようにする。
  • 防ダニの布団を使用する。寝具にはダニを通さないカバーをかける。
  • 布製ソファ、カーペットの使用、畳はやめてフローリングにする。
  • 部屋の湿度は50%、室温は20~25℃に保つ。

花粉の回避

  • 花粉情報に注意する。
  • 飛散の多いときは窓、戸を閉めて花粉を家の中に入れないようにする。
  • 飛散の多いときの外出を控える。外出する場合はマスクやメガネを着用する。ニットなど花粉が付着しやすい衣服の使用は避ける。ツルツルした素材がおすすめ。
  • 帰宅時には玄関先で服や髪についた花粉を落とす。うがいと洗顔をして、鼻をかむ。
  • 衣類の乾燥は乾燥機を使う。基本的には外に干さないことが重要。布団など外に干した場合は花粉をよく落としてから取り込む。

薬物療法

薬物治療は、最も一般的に行われている治療法です。抗アレルギー薬を基本に、必要に応じて症状をやわらげる薬を併用します。

■抗アレルギー薬

・ケミカルメディエーター遊離抑制薬
鼻づまりを改善します。効き目が現れるのが遅く、1~2週間は続けて飲む必要があります。使い続けることで症状が改善される確率がさらに上昇します。

・ケミカルメディエーター受容体拮抗薬
・第2世代ヒスタミン拮抗薬(抗ヒスタミン薬)
症状全般を改善します。十分な効果を得るまで2週間程度かかります。初期に開発された第1世代ヒスタミン拮抗薬よりも眠気などの副作用が少なくなっています。

・トロンボキサンA2拮抗薬
鼻づまりをはじめ、くしゃみ、鼻水にも効果があります。血小板が固まるのを抑えるため、脳血管障害や虚血性心疾患の抗血栓治療などに使われる抗血小板薬、血栓溶解薬、抗凝固薬との併用には注意を要します。

・ロイコトリエン拮抗薬
鼻の粘膜の腫れを抑え、鼻づまりを改善するという点では、第2世代ヒスタミン拮抗薬よりも効果が早く現れます。

■ステロイド薬

・局所ステロイド薬(点鼻薬)・飲み薬
鼻粘膜の炎症を抑えるとともに、くしゃみ、鼻水、鼻づまりにすぐれた効果を示します。効果もすぐ早く現れ、抗アレルギー剤の経口薬と併用することで症状はかなり抑えられます。

■自律神経作用薬

・α交感神経刺激薬
主として点鼻薬として用いられます。鼻づまりは速やかに改善されますが、続けて使用すると効果の持続は短くなり、かえって慢性的な鼻づまりを引き起こすことがあります。

特異的免疫療法(減感作療法)

薬で症状が改善しない場合に用いられる治療法で、原因となっている特定の抗原の抽出液を皮下注射します。
低濃度・少量からはじめて、徐々に濃度と量を増やし、その抗原に対する体の免疫機能を高めていきます。2~3年間、定期的に抗原の注射を続けると約70%の人が良くなるといわれています。

薬物療法などの対症療法とは異なり、現在のところ長期的な症状の改善、完治も期待できる唯一の治療法です。

手術療法

鼻腔の形に異常があって症状が改善されにくい人、薬物療法等では鼻づまりが治らない(鼻の粘膜の腫れがひどい)人には手術療法が効果的です。

手術の種類としては、鼻粘膜にレーザー照射してアレルギー反応をやわらげるレーザー手術、鼻粘膜を切除する手術、電気で鼻粘膜を焼く手術などが行われます。
特にレーザー手術は出血もほとんどなく、痛みも少ないため、入院しない日帰り手術も可能です(ただし1~2年経つと鼻粘膜が再生され、効果が薄れる場合があります)。

生活上の注意点と予防法

日常生活の中で注意を払うことで、アレルギー性鼻炎の症状を改善するとともに、発症を予防したり悪化を遅らせたりすることが可能です。主な予防法は下記の通りです。
■分煙・禁煙を徹底する
たばこの煙は鼻の粘膜を刺激し、症状を悪化させる原因になるため注意が必要です。職場や家庭で、分煙・禁煙を実践しましょう。

■ペットを室内で飼わない
イヌやネコなどの体に住みついたダニはアレルギーの原因になります。ペットはできるだけ屋外で飼い、寝室に入れないようにしましょう。
またペットの飼育環境を清潔に保つことも大切です。

■体に抵抗力をつける
十分な睡眠を取り、過労を避け、ストレスをためないことが大切です。体の抵抗力を高めるため、厚着や冷暖房に頼った生活を避け、適度にスポーツをするようにしましょう。

■バランスの取れた食生活を心掛ける
タンパク質や脂肪の摂り過ぎは控えてください。毎日のメニューにビタミンやミネラルをたっぷり含む野菜などを取り入れ、バランスの良い食事を摂る習慣をつけましょう。食品添加物を含む食品にも注意が必要です。

◎花粉情報を以下のホームページからキャッチしておきましょう。
環境省花粉観測システム(はなこさん)

http://kafun.taiki.go.jp/

環境省花粉情報サイト

http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/

環境省花粉症保健指導マニュアル

http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/html/001.html

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

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