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しゅんきかたる春季カタル

ぶいけーしーVKC
更新日:2022/08/10 公開日:2019/05/08 view数:8,092

春季カタル(しゅんきかたる)とは、アレルギーによって結膜に炎症がおこるアレルギー性結膜疾患の一種です。アレルギー性結膜疾患の中でも症状が激しいことで知られています。

春に悪化することが多くみられますが、アレルギー源に接触する機会があれば、季節に関係なく一年中発症します。

小学生くらいの男の子に多い疾患で、強いかゆみがあり、たくさんの目ヤニが出たりします。炎症が強くなると黒目に傷ができて視力の低下や眼痛を引きおこし、学校生活に支障をきたすことがあります。

思春期頃になると改善されていくことが多いのですが、アトピー性皮膚炎などが合併していると、大人になってからも症状が続くことがあります。


目次
  1. 春季カタルの症状
  2. 春季カタルの診療科目・検査方法
  3. 春季カタルの原因
  4. 春季カタルの予防・治療方法・治療期間
  5. 春季カタルの治療経過(合併症・後遺症)
  6. 春季カタルになりやすい年齢や性別

春季カタルの症状

目のかゆみや眼脂(目ヤニ)、充血がおこります。こうした症状は通常のアレルギー性結膜炎でも認められる症状ですが、春季カタルはこれらの症状がより強く生じるのが特徴です。眼脂は白~黄色の線維素性もしくは粘性の場合が多いです。

春季カタルに特徴的な所見は増殖性のアレルギー反応で、瞼結膜(まぶたの裏側の結膜)にボコボコとおこる隆起(石垣状乳頭増殖)、もしくは角膜(黒目)と球結膜(白目)の境界あたりに生じるゼリー状に見える堤防状隆起(トランタス斑)です。

瞼結膜の乳頭の影響により角膜に潰瘍(シールド潰瘍)ができて、激しい痛みや視力低下を引きおこすことがあります。

角膜潰瘍が治癒するまでの期間が長くなると角膜への血管新生や混濁を生じることがあり、永続する視力障害の原因となる可能性があります。

春季カタルの診療科目・検査方法

患者の苦痛が高度であり、永続する視力障害の原因になりうるため、眼科を受診して治療にあたるべき疾患です。

前眼部所見が特徴的であり、細隙灯顕微鏡での観察のみで診断は可能です。

春季カタルの原因

春季カタルはアレルギー性結膜炎が重症化したものととらえることができます。

アレルギーとは、本来体に対して有害なものが侵入した際にこれを排除する目的で働く免疫が、間違って無害なものの侵入に対しても働いた結果、有害な炎症を引きおこしてしまう状態です。

アレルギー反応を引きおこす抗原はさまざまなものがあります。春季カタルの原因抗原の多くはダニですが、種々の物質が原因抗原となる可能性があります。

通常のアレルギー性結膜炎はアレルギー反応の中でもⅠ型アレルギー反応とよばれる即時型の反応であり、春季カタルも初期の病態はⅠ型アレルギー反応と考えられますが、いかなる機序で通常のアレルギー性結膜炎が重症化し増殖性変化をおこすのかについては正確にはわかっていません。

春季カタルの予防・治療方法・治療期間

まずは保存的な治療を開始します。

既に増殖性変化をきたしている春季カタルを、抗アレルギー点眼薬のみでコントロールするのはほぼ不可能になっています。積極的な免疫抑制剤点眼の使用を考慮します。効果が足りない場合はステロイド点眼薬を副作用に注意しつつ使用することを検討します。

点眼のみでコントロール不良の場合、結膜下へのステロイド注射や乳頭切除術を検討します。

コントロールが良好な状態になっても、思春期頃まで増悪の可能性があるため、重症化を予防する目的で副作用の可能性の少ない抗アレルギー剤点眼を予防的に継続します。

そのため治療期間は通常は数年間に及びます。上述の通りアトピー性皮膚炎の合併例では成人を過ぎてからも治療の継続が必要な場合があります。

春季カタルの治療経過(合併症・後遺症)

前述の通り、思春期頃に自然とおこらなくなるケースが多くあります。

一方でアトピー性皮膚炎と併発している場合などでは、成人しても症状が継続することもあります。

予後を考えるうえで重要なのは、角膜病変が存在した期間で、長くなると角膜に瘢痕による混濁を生じる可能性が高まることです。

春季カタルになりやすい年齢や性別

アレルギー性結膜疾患に関する全国調査の実施は1993年から1995年におこなわれています。

それによると12.2%の小児、14.8%の成人が医師にアレルギー性結膜疾患と診断されているが、そのうちの何割が春季カタルかについては確認できません。

男女比は男性が女性の2倍多いとしています。春季カタルは10歳くらいまでにおこりやすいといわれていますが、頻度を確認するとアレルギー性結膜疾患全体をみても、10代での頻度が非常に高く、次に高い0~9歳の倍となっています。

執筆・監修ドクター

寺井 和都
寺井 和都 医師 西早稲田眼科 院長 担当科目 眼科

経歴1996年 防衛医科大学校卒業
2002年 米国Johns Hopkins Wilmer Eye Institute, Research Fellow
2003年 米国University of Cincinnati, Research Assistant Professor
2006年 京都府立医大大学院卒業
2006年 明治鍼灸大学助教
2011年 明治国際医療大学講師
2011年 品川近視クリニック
2014年 ばん眼科
2018年 西早稲田眼科開院

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