子宮筋腫

子宮筋腫の基本情報

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

 

子宮筋腫は、子宮にできる良性腫瘍です。良性なので、転移することはありませんし、子宮筋腫自体が生命にかかわることもありません。ただし、放置すると10kgを超えるほど大きくなる恐れもあります。大きくなると、自覚症状が出てきます。

子宮筋腫は原因不明の良性腫瘍 (しゅよう)

子宮筋腫は子宮の内側や周りの膜、筋肉に良性の腫瘍ができる病気です。はっきりとした原因はわかっておりませんが、女性ホルモンのエストロゲンの影響で発症するという説があります。

腫瘍は女性ホルモンが増えると大きくなり、放っておくと10cm以上にふくれあがりますが、あくまで良性の腫瘍です。がんのような悪性ではないため、他の部位に転移することもありません。腫瘍が大きくなると、月経異常や痛みを伴い、他の器官への負担を掛けますが、直接命に関わる病気ではありません。

平成26年にとった厚労省の統計では、1日の受診患者数が約1万2千人、総患者数10万4千人となっており、女性特有の病気のなかでは多い数字です。女性にとって無視できない病気といえます。

【参考】厚生労働省大臣官房統計情報部 患者調査(傷病分類編)

子宮筋腫は原因不明の良性腫瘍 (しゅよう)

子宮筋腫の種類

子宮筋腫は、腫瘍のできる場所や形状の違いで種類が異なります。種類については下の表にあるとおりです。

筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)

子宮筋腫患者の6~7割がこのタイプといわれています。子宮の筋肉(子宮筋層)にできる筋腫です。

複数かつ、大きくなりやすいのが特徴です。筋腫が小さいときは自覚症状がほとんどありませんが、大きくなると子宮内膜の面積が増え、月経の期間や量に異常が出ます。

【参考】E.婦人科疾患の診断・治療・管理-8.腫瘍と類腫瘍

漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)子宮を包む漿膜(しょうまく)という部分にできる筋腫です。子宮の外側にでき、コブのように大きくなったり、イクラのように何個もできたりすることがあります。月経異常のような症状は見られず、気づかないことが多いですが、大きくなると周りの器官を圧迫し、負担を掛けます。
粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)

子宮の内側にある子宮内膜にできます。子宮筋腫のなかでは患者数が少ないものの、痛みが強いのがこのタイプです。

子宮内膜に腫瘍ができるために、小さな物でも月経異常を引き起こします。他にも月経ではない時期に黄色く水っぽいおりものや出血をする場合があります。

また、子宮内膜がでこぼこになるため、受精卵が着床しにくくなり、不妊につながる可能性もあります。

筋腫分娩(きんしゅぶんべん)

粘膜下筋腫が茎のように細長くなって子宮内にぶら下がることがあります(有形粘膜下筋腫:ゆうけいねんまくかきんしゅ)。

この筋腫が異物を押し出そうとする人間本来の作用によって子宮から膣に出てしまうのが筋腫分娩です。この押し出すときに陣痛に近い痛みを伴います。

この状態になると、月経とは関係なく出血が続きます。また、膿が混じった大量の出血もあります。

多発性筋腫数種類の子宮筋腫ができている状態です。10個以上の筋腫ができることもありますが、命に関わることはありません。
頸部筋腫(けいぶきんしゅ)

子宮の入り口である子宮頚部に筋腫ができるタイプで、ごくまれにできます。

筋腫が大きくなると、尿道を塞いだり、反対に膀胱を圧迫して頻尿になることがあります。

有茎漿膜下筋腫(ゆうけいしょうまくかきんしゅ)漿膜に筋腫ができる際、茎のような細長い部位ができてぶら下がるような形状になっている筋腫です。この筋腫も珍しいタイプですが、茎部分がねじれると血流が滞り、激痛を引き起こします。これを「茎捻転(けいねんてん)」といいます。

 

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。
 

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