震える・冷たいの病気一覧

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パーキンソン病

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

パーキンソン病とは?

パーキンソン病は体と自律神経に障害が起きる病気

パーキンソン病は脳の中の神経に異常が起き、体の動きに影響が現れる原因不明の病気です。
発症自体を抑えることや完治させることは難しく、かかってしまった場合は進行を遅らせて日常生活に支障が出ないようにすることが治療の目的となります。

脳の神経に異常が起きることで中枢神経や自律神経にも影響を及ぼし、「抑うつ」や「幻覚」などの精神症状や自律神経障害が現れることがあります。

日常生活へのさまざまな影響

パーキンソン病にかかると、神経伝達物質であるドーパミンの量が減少することで運動機能が低下し、手足のふるえや筋肉が固まる症状(固縮)などの症状が見られます。

最終的にはベッド上での生活(寝たきり状態)になってしまうこともあり、早い段階からしっかりと治療をはじめて進行を遅らせ、よい状態を長く保つことが重要です。

パーキンソン病とは?

パーキンソン病になりやすい人の特徴と発症年代

パーキンソン病は50~65歳以降に見られることの多い病気です。
一般的に性格は真面目で几帳面な人や、対人関係に消極的な人がパーキンソン病になりやすいとされています。

また、40歳以下の若年層も発症することがあり、これを「若年性パーキンソン病」と呼びます。
若年性パーキンソン病は遺伝的な要素によって発症する可能性が高く、別名「家族性パーキンソン病」とも呼ばれています。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

子供の夏の感染症

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

夏に子どもがかかりやすい感染症

夏に子供がかかりやすい感染症は、手足口病 や咽頭結膜熱(プール熱) 、ヘルパンギーナ 、溶連菌感染症(猩紅熱(しょうこうねつ))などがあります。

感染力が高いものが多く、幼稚園や保育園では集団感染しやすくなっていますので、周りの子供の感染の様子で気を付ける感染症が判断できるケースもあります。

手足口病

症状

大人の場合は手、足、口に、子どもの場合はさらに肘、膝、お尻に米粒ほどの水疱性の発疹ができます。
発疹は水疱状で、やがて破れて潰瘍になり、痛痒くなってきます。口の中にできると、痛みで食事が困難になり、脱水症状をおこすことがあります。
発熱や下痢、嘔吐をともなうことも。

嘔吐や頭痛が続く場合、心筋炎や髄膜炎を合併していることもあります。

原因

エンテロウイルスなどの腸管ウイルスやコクサッキーウイルスなどの感染が原因となります。
複数のウイルスがあるので、一度かかったら大丈夫という病気ではありません。

感染経路は、風邪と同じように鼻汁・唾液などからの感染です。
また、便からも感染しますので、子供の手をよく洗うように保護者の方は気をつけましょう。

治療

小児科を受診しますが比較的軽い病気ですので、自然に治るケースが多いです。

しかし、口の中の痛みや発熱が強い場合は症状を緩和する対症療法をおこないます。
口腔内の痛みのために食事がしにくい場合は水も飲むのも困難なため脱水症状を起こしやすい状態です。
刺激が少なく、無理なく飲み込める食事内容にし、また水分補給を十分におこないます

【参考】「健康Salad」手足口病の時のおすすめレシピ<すいとん>

手足口病

咽頭結膜熱(プール熱)

症状

急な発熱(38~40℃)、のど腫れや痛み、リンパ節の腫れ、目やに、涙、充血など結膜炎の症状がみられます。
それ以外に吐き気、腹痛、下痢などが見られることもあります。

原因

アデノウイルスが感染の原因です。プールの水から感染することから、「プール熱」とも呼ばれます。6~9月頃に発生しやすく、幼稚園児や小学生はプールでうつることが多いのですが、せきやくしゃみを介して感染したり、便を介して目や口に感染して、赤ちゃんが感染したりすることもあります。
プールに入る前と後にシャワーでよく体、手、目を洗うことと、タオルや洗面器、食器を共用にしないことです。また、洗濯も別にします。

治療

小児科や眼科を受診します。症状を和らげる対症療法を行います。
高熱の場合は小児科を、結膜炎の症状がある場合は眼科での治療が必要です。

ヘルパンギーナ

症状

急な高熱(39℃前後)と咽頭、口の中の上顎の奥の粘膜に、小さな水疱ができます。
水疱が破裂し潰瘍状(かいようじょう)になることもあります。5歳未満の乳幼児に多く、食欲低下、嘔吐する場合もあります。

原因

おもにコクサッキーウイルスへの感染が原因ですが、原因となるウイルスは複数種類あるため、何度も発症することがあります。

治療

小児科を受診し、対症療法を用います。症状が重い場合は解熱剤を服用するなどで症状を和らげます。
口腔内の痛みで食事が難しい場合があるので、食事内容はやわらかく、のどごしの良いものを食べさせましょう。

また脱水症状への注意も必要ですので、水分補給をこまめに行います。

溶連菌感染症(猩紅熱(しょうこうねつ))

症状

急な発熱(38~40℃前後)と頭痛、のどの痛み、食欲不振、吐き気など、風邪のような初期症状があります。
やがてのどが非常に赤くなり、舌の表面にブツブツの赤みができることが多く(いちご舌)、口の中も真っ赤になります。

また扁桃腺や首のリンパ節が腫れたり、扁桃腺に白~黄色がかった膜ができたりすることがあります。
他に嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、首のリンパ節が腫れて痛むこともあり、発症後1~2日すると、かゆみをともなう小さな発疹が全身にあらわれます。

原因

A群β溶血性連鎖球菌が原因の溶連菌感染症です。A群β溶血性連鎖球菌という細菌が、くしゃみやせきを介して感染しておこります。
5歳をピークに4~9歳がかかりやすく、秋から春に多く発症します。
のどは12~3月に、皮膚では7月~9月に多い傾向にあります。

治療

小児科を受診し、抗生物質を服用します。
服用後、1~2日で元気になったように見えて溶連菌を完全に除く前に服用をやめてしまい再発することが多く、中耳炎・気管支炎・リンパ節炎・副鼻腔炎、急性腎炎、リウマチ熱を合併する危険度が高くなります。

単なる風邪の場合は、途中で服薬をやめても特に影響はありません。一方、溶連菌感染症の場合は、医師の指示通りの治療を最後まで続けることが大切です。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

てんかん

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

てんかんとは?

てんかんは、突然けいれん(けいれん)や意識障害を起こす病気で、大脳の神経細胞を一定のリズムで流れている電気信号が突発的に過剰に放出されることによって起こるといわれています。この病気の発症率は100人に1人といわれており、珍しい病気ではありません。
発症年齢は、乳幼児から高齢者までと幅広く、約80%が18歳以下で発症しています。そのなかでも3歳までに発症する割合が最も多くなっています。

てんかんの発作は、そのままにしておくと症状を抑えることが難しくなります。そのため、症状が現れたら、なるべく早くてんかんの専門外来がある病院、または神経内科を受診しましょう。

てんかんの主な症状

てんかんの主な症状としては、けいれんや意識障害などの発作があげられます。てんかんの発作には「動きが止まりボーッとする」「手足の一部をもぞもぞさせる」といった比較的軽度なものから、「突然手足が突っ張る」「全身を震わせる」「バタンと倒れて体を激しく硬直させる」といった重度のものまであります。

また、発作を繰り返し起こすのが特徴で、患者さんによって発作型はだいたい決まっています。

主なてんかんの発作型

てんかんの発作は大きく「部分発作」と「全般発作」に分けられます。

部分発作

発作型症状
単純部分発作体の一部分に症状が現れる発作。意識ははっきりしている。手足の一部に現れていた発作が徐々に両手両足へと進んでいく状態を「ジャクソン行進」という
複雑部分発作単純部分発作からの移行、または初めから意識が薄れた状態での発作。約1~2分で回復する。症状が進むと手足の痙攣が激しくなったり、口から泡を吹いたり、意識を失うこともある

全般発作

発作型症状
強直間代発作体が硬直して倒れ、全身が痙攣し、意識を失う。約1~2分で回復する。回復後、発作のことを覚えていない場合が多い
欠神発作5~15歳で多くみられる数秒から数十秒程度の短い発作。動作が止まり、反応がなくなる。発作中に体がピクピクと痙攣することがある。回復後、発作のことを覚えていない場合が多い
点頭発作両手を振り上げたり、ガクンと頭を垂れたりする発作で何度も繰り返す。生後数ヵ月で発症し、3歳までに多くみられる。3歳以降は、ほかの発作型に移行する場合が多い
脱力発作瞬間的に筋肉の力が抜けたり意識を失ったりする発作。乳幼児に多くみられ、突然地面に倒れこんでケガをすることもあるため注意が必要
ミオクロニー発作全身または体の一部分が瞬間的にビクンと痙攣する。意識ははっきりしているが、手に持っているものを落とすことなどもあるため注意が必要
てんかん重積状態発作が15分以上続いたり、意識が回復しないうちに次の発作が始まったりする。呼吸困難に陥り、心臓や脳に重い障害が残ることや、死に至ることもある

てんかんの発症原因とは?

てんかんには原因がわからない「特発性てんかん」と、脳の病気や傷が原因といわれている「症候性てんかん」があります。患者さんの割合としては、特発性てんかんが多くなっています。

てんかんは遺伝するという説もありますが、実際には遺伝子が関与しているのはごく一部であり、ほとんどは遺伝せず接触による感染もありません。

てんかんの検査と診断

てんかんの診断には脳波検査が欠かせません。そのほか、CT(コンピュータ断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像法)、SPECT(単光子放射線コンピュータ断層撮影法)やPET(陽電子放射断層撮影法)による画像診断や、血液検査、尿検査を行います。

さまざまな検査

各検査項目の内容は下記の通りとなります。

脳波検査
脳波を測定して異常を発見し、発作型を診断する。
CT、MRI
てんかんの原因となる脳の異常を発見する。
SPECT
脳の血流をみる検査。脳の血流が激しくなっている部分を発見する。
PET
脳の代謝機能などを測定する。
血液検査・尿検査
薬を長期間服用するため、貧血、肝機能の状態を調べる。
また、治療中は薬の血中濃度も調べる。

てんかんの発作では意識が薄れたり失ったりすることが多いので、患者さんは症状をうまく説明することができません。そのため、発作の様子を見た人への問診が診断のカギとなります。

病院を受診の際は、発作の状況を詳しく説明できる人に付き添ってもらいましょう。また、正しい診断を受けるため、自分でも発作の様子を細かく聞いて記録しておくことが大切です。

正しい診断を受けるために記録しておきたい項目

自分で発作の様子を記録する際は、下記の項目を重視しましょう。

  • ・どういう変化が起こって発作に気づいたのか
  • ・頭や目はどちらを向いていたか
  • ・顔や唇の血色、唾液の量は
  • ・手足のけいれんや硬直の様子は
  • ・手足以外のけいれんや硬直の様子は
  • ・体の左右で発作の程度に差があったか
  • ・発作中に意識はあったか(声をかけて確かめてもらう)
  • ・発作は何分間続いたか
  • ・回復直後の様子は(ぼんやりしていた、意味不明の言葉を発した、眠ったなど)
  • ・発作によってケガをしたか

てんかんの治療法は?

てんかんの治療は、薬物療法と手術の2つを中心に行われます。現在では、薬を服用して発作を抑制する薬物療法が主流となっており、正しく服用すればほとんどの発作を抑制できるといわれています。

薬物療法
脳の神経細胞の異常な放電を抑制する抗てんかん薬を使用します。抗てんかん薬にはさまざまな種類があり、発作型や年齢・性別などにより選択されます。

まず1種類から服用を始め、効果がみられない場合は2種類以上の薬を併用します。患者さんの体質などによって効き目に個人差があるため、薬の血中濃度を調べて脳内における濃度を推測し、患者さんに適した服用量を決定します。

抗てんかん薬の主な副作用

抗てんかん薬を使用することで起こる副作用には、下記のようなものがあります。

  • ・発疹
  • ・眠気
  • ・ふらつき
  • ・肝機能障害
  • ・血液中の白血球減少
  • ・歯肉の異常な腫れ
  • ・多毛
  • ・脱毛など

正しく服用しないと、かえって発作を誘発する恐れがあります。症状が治まったからといって自己判断で服用を止めず、医師の指示どおりの用法用量を守って服用しましょう。

発作が起こらない状態が続き、脳波にも異常が現れなくなったら医師の判断のもとに徐々に薬の量を減らしていきます。服用を完全に中止しても再発がなければ治癒したことになりますが、年に1回は定期検診を受けましょう。

手術
薬物療法の効果がみられない患者さんで、てんかんの発作を起こす脳の部位が特定されていて、切除しても障害が残らない場合に限り手術による治療が行われます。

手術内容は異常放電が脳全体に広がっていく経路を絶つ「遮断手術」と、発作を起こす脳の部位を切り取る「切除手術」があります。
また、手術をしてもすぐに発作が治まるわけではないため、しばらくは抗てんかん薬を服用する必要があります。

日常生活で気をつけること

てんかんの発作は、日常生活での刺激によって誘発されることがあります。また、発作が起こった場合を考えて下記の8つのことに気をつけましょう。

① 毎日十分な睡眠を

睡眠不足になると、発作が起こりやすくなります。規則正しい生活を心がけ、睡眠不足にならないように注意しましょう。

② 疲労やストレスをためない

疲れたら無理せず休みましょう。精神的なストレスも発作の引き金になります。心身ともにリラックスを心がけましょう。

③ パソコン、ゲームはほどほどに

パソコンやゲームなどで長時間画面を見続けると、発作が誘発されることがあるので控えましょう。

④ テレビを見るときの環境にも注意

テレビを見るときは、部屋を明るくして画面から適度な距離を保ちましょう。アニメーションなどの点滅光や赤色の光は発作を誘発する恐れがあります。

⑤ 飲酒を控える

飲酒は発作を誘発する恐れがあります。また、酩酊状態での発作は嘔吐の恐れもあり、非常に危険です。

⑥ 激しい運動を控える

激しい運動は、過呼吸になり発作を引き起こす恐れがあります。リラックスして楽しめる程度の運動を心がけましょう。また、発作が起こったときのために単独行動は避けましょう。

⑦ 入浴は周囲の人に声をかけてから

入浴は発作を誘発する恐れがありますので、必ず周囲の人に声をかけましょう。また、入浴中の発作は、溺れたり火傷したりする恐れがあります。浴槽のお湯は少なめにし、温度調節に注意しましょう。

⑧ ケガを防ぐ工夫を

発作で転倒したことがある人は、保護帽やヘルメットなどをかぶって発作によるケガを防ぎましょう。

家族や周囲の方が気をつけること

てんかんの発作を目撃したら、まずは自分が深呼吸をして落ち着きましょう。ほとんどはすぐに治まります。しかし、発作が長く続き意識が戻らない場合には、速やかに救急車を呼びましょう。

てんかんの治療には、家族や周囲の人の協力と理解が必要です。特にほかの心身の病気にもかかっている場合は、医師や臨床心理士、ソーシャルワーカーといった専門家にサポートしてもらいましょう。

また、下記の5点にも注意が必要です。

① 危険なものを遠ざける

発作中にケガをしないよう、火や機械など危険なものを遠ざけましょう。

② 楽な体勢をとらせる

衣服の襟元やベルトを緩め、楽な体勢にしてあげましょう。メガネは外し、コンタクトレンズにも注意しましょう。

③ 窒息するのを防ぐ

吐いたものや唾液を取り除いて、窒息するのを防ぎましょう。激しく突っ張ったり、けいれんしたりしている場合は、下あごに手を当てて上に押し上げ、呼吸をしやすくして舌を噛むことを防ぎましょう。
口の中に指や固いものを差し込むことは、かえって口の中を傷つけたり、窒息したりする危険があります。また、発作が治まってもしばらくは飲食物を取らせないようにしましょう。

④ 静かに見守る

大声で呼び掛けたりゆすったり、無理に押さえつけたりしないようにしましょう。

⑤ 発作が治まったら

発作が治まったら顔を横に向け、呼吸が落ちついて意識が回復するまで静かに寝かせましょう。

家族や周囲の方が気をつけること

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

熱中症

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

熱中症とは

熱中症は、身体が高温になり脱水症状が続いていると体温調節機能が破綻し、意識を失う危険性がある症状です。身体が熱いと、身体は体温を調節しようと発汗したり血管を拡張させたりします。しかし、水分を補給せず高温の場所にいると、脱水症状に陥り危険です。

また、その状態に加えて体温調節機能や血液循環機能が低下していき、脳へ血液が回らず、意識を失う可能性があります。

熱中症の予防

予防には、エアコンや扇風機などをうまく取り入れた室温調整、塩分を含んだ水分補給、十分な休息、また日々の体調管理が大切です。

熱中症の症状

熱中症は、熱失神・熱痙攣(ねつけいれん)・熱疲労・熱射病の4つに分かれます。また、比較的軽症である熱失神や熱痙攣はI度、中程度である熱疲労はII度、重症である熱射病はIII度というように、症状の程度によって位置付けられています 。

症状病態
熱失神(Ⅰ度)顔面蒼白、頻脈、めまい、立ちくらみ、生あくび、数秒間の失神、呼吸数の増加血管が広がって血圧が低下し、脳への血流が減少している状態
熱痙攣(Ⅰ度)多量発汗、吐き気、口渇、痛みを伴う痙攣(腹部、手足)など多量の発汗に伴って、筋肉の収縮に必要な血液中の塩分が不足した状態
熱疲労(Ⅱ度)倦怠感、虚脱感、頭痛、嘔吐、血圧低下、多量発汗、高体温(40℃以下) など多量発汗による体重比2%以上の脱水や、血液中の塩分などが不足した状態
熱射病(Ⅲ度)熱失神、熱痙攣、熱疲労の症状全般、臓器の機能障害、意識障害、過呼吸、体温調節機能の障害による高体温(40℃以上) など熱失神、熱痙攣、熱疲労の病態がより進行した状態

熱中症になる危険要因

一般的に熱中症の発症年齢は、乳幼児から高齢者までと幅広く、なかでも高温多湿である夏に発症率が高いと言われています。しかし、熱中症を誘発する要因は高温多湿という環境要因のみでなく、行動要因、衣類要因、不摂生・年齢・体調といった個人の身体要因も関わってきます。
危険要因を知ればおのずと予防策も見えてくるので、自分の状態や生活環境などを振り返ってみましょう。

環境要因

気温が高いことが危険要因であること以外に、湿度や風の有無、屋内の環境も深く関係してきます。湿度が高いと汗の蒸発による身体の冷却効果が低下するので、熱中症を引き起こしやすい環境となります。
また風(自然や扇風機を含む)があることで汗の蒸発が促進されますが、風が弱いあるいは無風状態(閉め切った屋内・屋外を含む)は熱中症の危険要因となります。しかし、身体表面温度を上回るような高温の環境下においては、風が熱を身体に送り込むことになるので、この場合は熱風自体が危険要因となります。
エアコンや扇風機といった家電などを有効活用し、熱中症を予防しましょう。

行動要因

農業を含む屋外での筋肉運動、激しいスポーツにおいて、十分な休憩をとれない、自分のペースで作業できない点が危険要因となります。運動を行えば筋肉から熱が発生します。自分の健康状態に合っていない作業を十分な休憩を取らずに行うと、上昇した体温の回復が間に合わず、熱中症を発症させる危険が高まります。
気温や湿度を鑑み、労働時間や休憩、水分補給のタイミングを調整しましょう。

【参考】 厚生労働省 職場での熱中症による死亡災害及び労働災害の発生状況(平成24年)

行動要因

衣類要因

主に職場での服装の問題となりますが、防護性が高い衣類ほど透湿性・通気性が悪い傾向があります。透湿性・通気性が悪い衣類は保温性・断熱性も高く、身体からの放熱を阻害するため体温上昇を促し、熱中症を誘発します。

このような衣類を着用する職場などにおいては、それを考慮した休憩時間、水分、空調を整えることが必要です。
暑い環境で働く労働者に対して、小さな扇風機が内蔵されているジャンパーが開発され、熱中症に対する効果がみられています。

時間的要因

暑い環境での長時間にわたる行動が熱中症を誘発することは言うまでもありませんが、急激な環境変化における行動にも注意が必要です。人間の身体は周りの環境にある程度は慣らしていくことができますが、慣れていない状態の人が急に暑い環境にさらされると、身体に大きな負荷がかかります。

例えば、梅雨明けからは猛暑日が続くことが多く、気温が急上昇する梅雨明けの頃はとても危険な時期と言えます。

身体要因

50歳を過ぎると暑さに対する体温調整機能が低下し始めます。身体は体温調整力、発汗能力が衰えるだけでなく、暑さへの感度も鈍り、エアコン等で室温を調整しづらい状態になっていきます。実際に65歳以上の高齢者では、男女ともに自宅での発生が一番多い状況です。
近年は一人暮らしの高齢者も多いため、周囲からの声掛けなどの支援が必要となってきます。

また、肥満者は暑さに弱く、普段から運動の習慣が無い場合が多いため、体温調整、心臓循環機能が低下しており、熱中症のリスクが高い傾向にあります。
糖尿病患者は喉が渇きやすく、それが熱中症につながる要因の一つです。水分はたくさん摂っていてもその分尿の量も増えるため、気づかないうちに脱水症状となっていることがあります。

その他、高血圧や心疾患を治療中の場合、降圧利尿剤を服用していると利尿剤で脱水傾向になったり、ナトリウムも排泄されたりするので塩分不足になりがちになります。

応急処置

意識が無い場合は医療機関へ

暑い環境下に長時間居た場合の体調不良は、熱中症であるという点を認識してください。まずは熱中症を疑う症状の有無を確認し、その上で意識がなければ救急車を呼びます。救急車が到着するまでの間に患者を涼しい場所へと移動させ、衣類をゆるめて体を冷やします。

冷やす場所は首、脇の下、太股の付け根を集中的に冷やしてください。医療機関では、分かる範囲で患者本人が倒れた時の状況を冷静に説明しましょう。また、患者に意識があった場合も涼しい場所に移し、衣類をゆるめて体を冷やします。自力で水分および塩分を補給できなければ医療機関へ連れて行ってください。
自力で水分・塩分を補給できれば、回復するまで安静にしましょう。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

冷え性

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

手足ぽかぽか。さらば冷え性

「寒くてよく眠れない」「握手したら手が冷たいと言われた」「手足の末端が冷えて仕事が辛い・・・」こんな体の冷えに悩んでいる方が多くいます。
よく言われる「冷え性」は、西洋医学的には病(やまい)ではなく、自律神経失調症の症状の一種と言われています。
そのため、「冷え症」ではなくて「冷え性」と表記します。

「冷え性」とは

「冷え性」であるかどうかの目安は、朝に脇の下で検温した体温が36度以下かどうかで判断できます。
この時に36度以下であれば要注意です。「冷え性」は自律神経失調症の症状の一つです。
「冷え性」になるということは、これから身体にさまざまな不調が起こる前兆といえます。

冷えから起こる体の不調

■疲れる、だるい、のぼせる、不眠・惰眠
■めまい、頭痛・頭重、しびれなどの脳神経系の症状
■立ちくらみ、顔の紅潮、不整脈、動悸など循環器系の症状
■息切れ、あくび、咳、のどの不快感など呼吸器の症状
■吐き気・嘔吐、胃の不快感、胸焼け、下痢、便秘、腹部膨満、食欲不振などの消化器系の症状
■肩こり、腰痛、背部痛、足の痛み、後頭部の筋肉痛など運動器の症状
■発汗、青白い顔、指先の冷え、顔面紅潮など皮膚の症状
■頻尿、勃起不全などの泌尿器・生殖器系の症状
■あせる、イライラする、不穏、無感動、無表情、集中力の低下など

冷え性が原因ではないと思っていた身体の症状も実は、冷え性が原因だったと言うこともあるかもしれません。

冷え性の原因

「冷え性」は、自律神経の乱れです。よく言われる「冷え性」の原因は、長時間冷房のきいた空間にいたことや、冷水・果物の摂り過ぎ、ダイエットによる代謝低下、薄着、ハイヒール・窮屈な下着など外的要因が多いです。

しかし、「冷え性」は外的要因が原因ではありません。

自律神経には交感神経と副交感神経の2種類の神経があります。 この自律神経の役割は身体の内外のストレスから心身を守ることです。
現代のように心身共にストレスフルな毎日が絶えず継続すると、交感神経ばかりが機能して自律神経のバランスが崩れてしまいます。
その結果、血管が収縮して血行が悪くなり「冷え」がおこるのです。

夏でも冷える人はストレスが過剰で、自律神経のバランスが悪くなっているのかもしれません。

女性の場合は、妊娠中や更年期には自律神経失調症を起こしやすく、内向的で社会への適応が難しいと感じる方は、自律神経を乱しやすいと言われています。

冷え性の原因

自律神経の乱れを改善して、毎日ぽかぽかな体で、元気に!

自律神経の乱れを改善するには、食事を含め生活にメリハリをつけることが大切です。
栄養バランスのとれた食事、適度な運動、睡眠、入浴など一度に全部は難しいので、少しずつ、できることからはじめてみましょう。

食事

一日3食。できれば決まった時間に摂りましょう。中でも朝食は、体温を上げてくれますし、身体のリズムを整えることができます。
ダイエット中の方も、極端な食事制限はやめ、バランス良く、食事をとりましょう。

運動

ウォーキングなどの全身運動が良いです。これが難しければ、睡眠前のストレッチも有効です。
筋肉をつけても冷えは改善するので筋トレでも可です。体の熱の6割は筋肉で作られるといわれていますので、効果は大きいはずです。

入浴

39度から40度のぬるま湯に半身浴(みぞおちの辺りまで湯に浸かること)を額に汗をかくぐらいまで浸かります。目安は冬期で15分から20分です。

ストレス解消

ストレスを解消して気分スッキリ。ストレス解消法はいろいろありますが、有名なストレス解消法のキーワードがあります。
それは、6つの言葉の頭文字を取った「STRESS」です。

S:SPORTS〈運動〉
生活習慣病の予防だけではなく、ストレス解消にも役立ちます。時には仲間と体を動かし汗をかくことで気分転換にもなります。

T:TRAVEL〈旅行〉
いつもと違う環境に身をおいてみるのも良いですね。見える風景が変わると、いつもと違う考えが浮かびやすくなります。

R:Recreation〈レクリエーション〉
仕事が忙しくていつも緊張状態になっていませんか?一日のうちで休憩時間をとり、団らんしたり趣味に没頭してみたり。
息抜きの時間も必要です。オンとオフをはっきりして生活にメリハリがつけば、自律神経の乱れ改善にもつながります。

E:Eating〈食事〉
たんぱく質、ビタミン、ミネラルは、こころの3大栄養素と言われており、ストレスへの抵抗力を高めることができます。
朝食を摂り、一日規則正しく食事の時間をとりましょう。

S:Sleep〈睡眠〉
睡眠は疲労を回復し、ストレスを解消し、自律神経のバランスを整えます。

S:Smile〈笑顔〉
笑うことで体の免疫力を高める効果があると言われています。
笑顔でいることで、周囲の人の心もなごみ、人間関係もぽかぽかしてきます。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

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