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にこちんいぞんしょうニコチン依存症

にこちんちゅうどくニコチン中毒
更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/05 view数:5,343
目次
  1. ニコチン依存症とは
  2. ニコチン依存症の症状
  3. ニコチン依存症の診療科目・検査方法
  4. ニコチン依存症の原因
  5. ニコチン依存症の予防・治療方法・治療期間
  6. ニコチン依存症の治療経過(合併症・後遺症)
  7. ニコチン依存症になりやすい年齢や性別

ニコチン依存症とは

ニコチン依存症はニコチンにある依存性によって喫煙などによるニコチン摂取をやめられなくなる症状です。

タバコをやめられない理由は、このタバコに含まれる成分への依存と日常的に吸っている心理的な依存とがあります。

禁煙をするならば、段階的にタバコの量や頻度を減らしていくことです。意思が弱いと指摘されて落ち込んだり、あるいは開き直ったりしている人も多くいます。
「意思が弱いから禁煙できない」、これは必ずしも正しいとは言えません。たばこをやめられない原因は、大きくわけて2つあります。

  1. 「ニコチン中毒」
  2. 喫煙の日常習慣化による心理的依存

たばこをやめるためには、これら2つの依存状態から抜け出さなければなりません。
ただし、漠然と「さあ今日から絶対に吸わないぞ!」または「また来週から、再来週から、来月から・・・」といった方法ではなかなか難しいことが考えられます。
主な受診科目は内科呼吸器内科循環器内科などですが、そのほかでも禁煙の治療を受け付けている科目はあります。
禁煙を成功させるためには、いくつかの段階をふむことをおすすめします。

ニコチン依存症の症状

ニコチンは一時的に喫煙者に快感や安心感を与えますが30分程度で離脱症状がおこり、イライラしたり落ち着かなかったりなどの状態になります。
そのため、またニコチンを摂取したくなるのです。こうした依存は依存性の高い薬物と同等とされています。

また、ニコチン依存だけでなく、たばこが自分の身体や、家族や恋人といった大切な人に及ぼす悪影響を正しく認識している人はあまり多くはありません。

たばこは身体に悪いということは百も承知ではあるものの、具体的にどう悪いのかは案外知らないものです。たばこは人間の身体を確実にむしばんでいきます。
喫煙とがんの関連については、これまで動物実験や疫学研究など、さまざまな研究がおこなわわれてきました。
これらは、1964年に発表された米国公衆衛生総監報告をはじめとして、世界各国で数多く報告されています。

たばこは死亡数の非常に多い肺がんの最大の原因です。
喫煙年数が長いほど1日の喫煙本数が多いほど、喫煙開始年齢が若いほど、がんの危険性が高くなります。
次に肺の働きを低下させ、呼吸に困難をきたす「肺気腫」という病気を招きます。

たばこが要因となる恐れのある病気

慢性肺疾患、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ニコチン依存症の診療科目・検査方法

ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)が禁煙治療保険診療に使用されています。
チェック項目に該当するか自分自身で確認するテストです。
喫煙習慣はさまざまな疾患の原因となっているため、多くの診療科で禁煙を指導されることとなります。
主に内科循環器内科呼吸器内科などを受診しますが、そのほかで禁煙治療を受け付けている診療科目は多数あります。

ニコチン依存症の原因

ニコチンを摂取すると脳にあるニコチン受容体に結合します。
その結果、大量にドパミンが放出され、快感を得ます。

しかし、30分程度でドパミンの放出は減衰します。この時、ニコチン離脱症状がおこり、再びニコチンを求めるようになりますが、これを繰り返すことで依存症となります。

ニコチンの脳への吸収は肺や皮膚などから摂取されると素早くおこなわれます。
ニコチン依存症は周囲の影響を受けて喫煙を開始し、ニコチンのドパミン系への影響から喫煙習慣を継続することで形成されます。
ニコチン摂取は国内の多くはたばこの喫煙によるものですが、海外では噛みタバコなどによる摂取も問題になっています。

また、たばこにはニコチン依存症だけでなくほかの問題もはらんでいます。
たばこにはニコチン以外にもタールや、ベンツピレンという多環芳香族炭化水素(たかんほうこうぞくたんかすいそ)などの50種類以上の強力な発がん物質が存在しています。

発がん物質の多くは体内で活性型に変化したのち、DNAと共有結合をしてDNA付加体を形成し、このDNA付加体がDNA複製の際に、遺伝子の変異を引きおこします。
こうした遺伝子変異が、がん遺伝子、がん抑制遺伝子、DNA修復遺伝子などにいくつか蓄積することによって、細胞ががん化すると考えられています。

喫煙歴のある肺がん患者さんの細胞には、がん遺伝子やがん抑制遺伝子に変異が多く認められます。
多環芳香族炭化水素がDNA付加体を形成する位置に一致して、遺伝子変異がおこります。

喫煙者に生じた肺がんでは、こうした遺伝子変異が非喫煙者の肺がんよりも多くみられ、悪性度が高いことが知られています。
また、有害物質を多く含む副流煙による受動喫煙の健康への影響、つまり周りの人への健康被害についても無視できないことが近年の研究結果でわかっています。

ニコチン依存症の予防・治療方法・治療期間

禁煙指導などの行動療法だけでなく、現在はニコチンガムやニコチンパッチ、経口薬などの薬物療法も一般的になってきています。

ニコチンガムやニコチンパッチについて

ニコチンガムは1994年から、ニコチンパッチは1999年に日本でも医師の処方のもとであれば使用できるようになっています。
補助にはなりますがガムやパッチを噛むだけで禁煙が成功するわけではありません。
またニコチンによる副作用で不眠や接種箇所に強い刺激を受けるなどの副作用がおこることがあるため医師の指示にしたがいます。

ニコチンを含有しない経口薬による禁煙補助

ニコチンを含まない経口薬が開発され禁煙への効果が確認されています。
この薬剤の治療では、喫煙時の満足感を抑制し、離脱症状を軽減する効果があります。
しかし副作用として吐き気や頭痛、便秘、不眠などの症状がおこることがあります。

禁煙による行動療法

禁煙を始めるには、タイミングと動機付けが大きいです。
やみくもに始めても長くは続かないことが考えられます。

仕事が一段落してある程度ストレスから解放された状態となる休暇中や、自分や家族の誕生日など、自分にとって意味のある大切な日からなどからはじめてみましょう。
また、禁煙を開始する前に、下記の準備をしておくと良いでしょう。
たばこを吸わない環境を自分から作ることも大切です。

  • タバコの銘柄を、おいしくないと感じる銘柄やニコチンの少ない銘柄に変える。ただし、ニコチンの少ない銘柄に変えた場合、本数が増えることがあるので注意する。
  • タバコを吸う時に、タバコを持つ手やくわえる口の位置を変え、ライターをやめてマッチを使う。
  • タバコを吸う時間や場所を段階的に制限していく。
  • タバコがどうしても吸いたくなる場所や時間をチェックする。
  • 家族や友人、職場の同僚の中から、一緒に禁煙を始める仲間を見つける。
  • 家族や友人など周囲の人に、禁煙することを伝え、協力してもらう。
  • タバコをやめてもストレスがたまらないように、タバコに変わるストレス対処法(リラクゼーション法など)を身につける。
  • タバコが吸いたくなってもすぐには吸わないで、3分間我慢する。その間、吸いたくて仕方がない場合は、深呼吸などタバコの代わりになるものを見つけて実践してみる。
  • 禁煙したことのある人は、失敗した理由を思い出して今回の参考にする。
  • タバコの買い置きはしない。また、タバコを持ち歩かないように心がけ、自由にタバコが吸えない環境を作りだす。
  • 禁煙開始日が近づいてきたら、灰皿をタバコの吸いがらでいっぱいにし、その光景とニオイが非常に不快であることを確認する。
  • 禁煙開始日の前日に、残っているタバコやライター、灰皿などをすべて処分する。
  • タバコの本数を極端に減らしたり、完全に禁煙したりすると、人によっては離脱症状(禁断症状)が出ることを、あらかじめ承知しておく。
  • 喫煙再開の多くは、タバコの離脱症状が出現し、まだ身体がニコチンに依存している禁煙後1~2週間に始まることをあらかじめ認識しておく。
  • 生涯2度とタバコは吸わないと考えると、精神的に大きな負担になるので、今日1日だけは吸わないでおこうと、軽い気持ちでチャレンジする。

減煙法

例えば、1日目は19本、2日目は18本と徐々にたばこの本数を減らしていく方法です。ただし、本数が減っても吸い込む回数が増えたり、根元まで吸ったりしがちで、1日10本以下になるとそれ以上減らすのが苦痛になることがあります。
そのため、禁煙前の本数に戻ってしまうことがないようにします。

断煙法

最初からきっぱりとたばこをやめる方法です。禁煙による苦痛(ニコチンの離脱症状)が短期間で解消できるため、成功率が高いといわれています。また、離脱症状が強い場合はニコチンガムや医師の処方によりニコチンパッチを使用し、一時的にニコチンを補給して苦痛を緩和しましょう。

ニコチンの離脱症状への対処

禁煙を開始するとさまざまな離脱症状、いわゆる禁断症状があらわれます。例えば、無性にたばこを吸いたい、イライラする、集中できない、便秘、口寂しいなどがあげられます。
これらは辛いものの永遠に続くものではなく、3日から1週間、長くても2~3週間で消失します。離脱症状から抜け出すには、離脱症状がおこった時にどう対処したのか、そこから何を学んだのかを記録することを推奨します。
大切なのは2~3度の失敗は誰にでもあるものと考え、つまずいても自己嫌悪に陥らないことです。

禁煙の継続

朝起きた時、たばこを吸う仲間の中に入った時、コーヒーを飲んだ時、食後など禁煙を貫くことが可能か。周りには誘惑がたくさんあるので、そんな時にはどうするのか考えてみることが重要です。

  • 禁煙を始めた理由や禁煙中の努力を思い浮かべる
  • 気楽に取り組む
  • 周りにも禁煙をすすめる
  • 禁煙して良かったことを思い浮かべるなど

ニコチン依存症の治療経過(合併症・後遺症)

依存症であるため、治療することは容易ではありません継続した喫煙習慣はさまざまな疾患の原因となります。

ニコチン依存症になりやすい年齢や性別

JTによる「全国たばこ喫煙者率調査」では2018年の推計値として1880万人が喫煙習慣を持っています。
そのうち男性は1406万人、女性は474万人と考えられています。
減少傾向にあり前年より37万人減少しています。
男女ともに40代がもっとも多く、喫煙本数は50代が多い傾向にあります。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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