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レビー小体型認知症とは
レビー小体型認知症(れびーしょうたいけいにんちしょう)とは神経細胞に「レビー小体」と呼ばれるタンパク質でできた異常な物質のかたまりがみられる認知症です。
レビー小体のような物質を封入体(ふうにゅうたい)と呼びます。認知症の中ではアルツハイマー型に続き、2番目に多いとされる認知症です。
他の認知症よりも進行が早いことが特徴です。多くの場合、患者さんには自分自身が病気であるという自覚はありません。
パーキンソン病の患者さんにも、神経細胞にレビー小体がみられますが、認知症を発症した場合は、パーキンソン型認知症といいます。また、パーキンソン病とあわせて「レビー小体症」と呼ばれます。
治療の多くは薬物療法でおこないますが、安全に楽しく過ごせる環境づくりが大切です。
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レビー小体型認知症の原因
レビー小体型認知症は、レビー小体が脳に生じることが原因です。
レビー小体とは、タンパク質でつくられている異常な円形の沈着物です。レビー小体が神経細胞を傷つけるため、発生した部分の神経細胞は死んでいきます。
レビー小体は、全身の神経細胞にできますが、レビー小体認知症の場合は、その中でも脳の外側の部分全体にレビー小体がつくられます。
この部分は大脳皮質と呼ばれ、思考や言葉、記憶に関する機能をつかさどっています。
また、全身の筋肉に指令を出す役割をもつドパミン神経が、レビー小体に破壊されるため、体が動かしにくい症状があらわれます。
年齢とともにレビー小体があらわれ神経細胞は減っていきます。その結果、記憶力などの精神機能が低下していくと考えられています。
レビー小体型認知症の予防・治療方法・治療期間
レビー小体型認知症を根本的に治療する方法はありません。
症状に対して、抗精神病薬やパーキンソン病の治療に使用する薬で治療する薬物療法をおこないます。
向精神薬の使用は筋肉や運動の症状を悪化させることがあり、パーキンソン病の治療薬は精神症状に影響があるため、薬の調節が難しいといわれています。
アルツハイマー病に使用するリバスチグミンなどの薬は、レビー小体性認知症の治療にも効果があるとされていますが、レビー小体性認知症の治療による使用については保険の適用がされていません。
患者さんに快適な環境づくりも大切です。入浴、睡眠、食事など1日のスケジュールを決めることは、見当識を保つために良いとわれています。
レビー小体型認知症の治療経過(合併症・後遺症)
レビー小体型認知症と、パーキンソン病型やアルツハイマー病は似ている点が多くあります。それらの病気の関係を明らかにする研究が、今後の治療のために期待されます。
症状があらわれて6~12年ほどは生存可能といわれています。筋肉や運動が障害されるため、転倒するリスクも高く注意が必要です。
運動機能を維持するために、リハビリテーションをおこなうことも良いといわれています。
終末期をどのように過ごしたいか、患者さん本人と家族、医療スタッフがよく話し合うことも大切です。
早期に発見することで患者さんや家族が快適に過ごせる時間が増えるといえます。
レビー小体型認知症になりやすい年齢や性別
執筆・監修ドクター
経歴平成14年福井医科大学(現福井大学医学部)卒業
岐阜大学高齢科神経内科入局後松波総合病院にて内科研修、
岐阜大学高次救命救急センター出向。
美濃市立美濃病院内科。
東京さくら病院及び同認知症疾患センター勤務の後
令和元年7月かつしかキュアクリニック開業。
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