- 目次
トゥレット症候群とは
トゥレット症候群(とぅれっとしょうこうぐん)は、運動チックと音声チックの両方の症状が1年以上続く精神や神経にかかわる病気です。
運動チックは目的のない不随意な運動が繰り返される現象です。音声チックは目的とは違う音や言葉を突然繰り返し発します。
チックにはさまざまなパターンがありますが、それを周期的に繰り返したり、複数のチック症状がおきたりします。
フランスの神経科医ジル・ド・ラ・トゥレットにより報告されたため、この名前がつきました。
トゥレット症候群の症状
トゥレット症候群のほとんどは5~6歳頃に始まります。
最初はまばたきや首ふりなどの軽度の運動チックによる症状に、咳払いや発声による音声チックが加わります。
ひとつのチック症状が消失すると新しいチック症状が出現するなど、2~3週、あるいは2~3ヶ月など周期で症状が悪くなったり、良くなったりをくりかえします。この症状が1年以上継続します。チックは複雑化すると治りにくい傾向にあります。
また、ADHDとよばれる注意欠陥/多動性障害、強迫性障害、不安障害、うつ病、学習障害、睡眠障害などの他の病気がみられることも少なくありません。基本的には、その動作をしたいという強い衝動が生じ、衝動は我慢できることもありますが、抑えることは容易ではありません。
そのため、日常生活が困難になり、社会的な場で不安を覚えることが多くなります。
あわせて読みたい
あわせて読みたい
あわせて読みたい
あわせて読みたい
あわせて読みたい
トゥレット症候群の診療科目・検査方法
トゥレット症候群の原因
トゥレット症候群の原因は、完全には解明されていません。
家族に発症者がいる家系発症が多いとされているため、遺伝が関与していると考えられています。10歳代に自然になおることも多いため、ドパミン神経にかかわる発達障害ではないかと考えられています。
また、ハンチントン病や脳炎などの脳の感染症がチックの原因となることがあります。
コカインなどの薬剤の使用や他の病気などで同じような症状が引きおこされることがありますが、そうしたケースではチック症に分類せず、わけて考えられます。
トゥレット症候群の予防・治療方法・治療期間
トゥレット症候群の治療経過(合併症・後遺症)
トゥレット症候群は、思春期以降に自然と起こらなくなることが多いです。薬物療法によって改善する場合もありますが、必ずしも効果が出るわけではなく、誰にでも有効な治療法があるわけでもありません。
複雑チックのなかには治りにくい例もあります。
トゥレット症候群になりやすい年齢や性別
トゥレット症候群の軽度のチックは多くの小児でみられます。この場合は病気とはみなされることはありません。トゥレット症候群がみられるのは、小児100人のうち1人未満です。男児に多いことが分かっています。
6歳頃に始まることが多く、10代の間が最も激しい症状となりますが、成長にともないほとんどは症状がなくなります。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴平成14年福井医科大学(現福井大学医学部)卒業
岐阜大学高齢科神経内科入局後松波総合病院にて内科研修、
岐阜大学高次救命救急センター出向。
美濃市立美濃病院内科。
東京さくら病院及び同認知症疾患センター勤務の後
令和元年7月かつしかキュアクリニック開業。
関連する病気
トゥレット症候群以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。
関連カテゴリ
トゥレット症候群に関連するカテゴリはこちら。