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げんぱつせいあるどすてろんしょう原発性アルドステロン症

更新日:2022/08/09 公開日:2019/12/17 view数:8,013

原発性アルドステロン症(げんぱつせいあるどすてろんしょう)とは、アルドステロンというホルモンが副腎から過剰に分泌されることにより引きおこされる病気です。

アルドステロンは、塩分や水分、電解質などの調整をおこなっており、過剰な状態が続くことで高血圧症の原因になります。

副腎に腺腫(せんしゅ)と呼ばれる良性の腫瘍が発生し、それが原因になることが多いです。腺腫がホルモンを過剰に分泌する原因は今のところ判明していません。生活習慣から発症する高血圧との因果関係はなく、この病気に伴う高血圧の場合は適切な治療が必要です。

副腎にできた腺腫による場合は、体に負担の少ない腹腔鏡での手術で、左右に2つある副腎のうち、腺腫を発生した方を取り除く治療をおこないます。

両方の副腎に腺腫がある場合は、カテーテル検査でどちらが原因か検査して、悪い方を切除しますが、両側の副腎ともにアルドステロンの過剰が疑われる場合もあります。両方の副腎を切除することは日常生活に支障をきたすため、抗アルドステロン薬を用いて治療することになります。

目次
  1. 原発性アルドステロン症の症状
  2. 原発性アルドステロン症の診療科目・検査方法
  3. 原発性アルドステロン症の原因
  4. 原発性アルドステロン症の予防・治療方法・治療期間
  5. 原発性アルドステロン症の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 原発性アルドステロン症になりやすい年齢や性別

原発性アルドステロン症の症状

主な症状は高血圧です。血圧を下げる薬が効きにくく、他の一般的な高血圧より血管や臓器へのダメージが大きいため、適切な治療をおこなわずに放置した場合は不整脈、心筋梗塞脳卒中腎不全などを併発する可能性が高くなります。

また、低カリウム血症を発症することもあり、これにより口の渇き、多飲、多尿、筋力低下、手や足の麻痺などがあらわれることがあります。



原発性アルドステロン症の診療科目・検査方法

診療は内科、もしくは内分泌内科にて行います。

原発性アルドステロン症が疑われた場合は、まず血液検査でアルドステロンと、アルドステロンの分泌をうながすレニンという酵素の値を調べます。ふたつの値に異常があった場合は、薬剤を用いた負荷試験をおこないアルドステロンの反応を確認し診断します。

その後、CTによる画像検査で副腎腺腫を確認します。腺腫があれば過剰分泌が発生しているのがどちらの副腎かを見極めるための「副腎サンプリング」と呼ばれる検査をおこないます。この検査は、血管にカテーテルを挿入し、副腎近くの静脈のアルドステロン値などを測定することで、異常のある部分を確認する検査です。この検査には2泊3日程度の入院が必要となります。

サンプリングの結果、原因が片側の副腎であれば、その副腎を取り除くことによって治る可能性が十分にあります。適切な治療を受けないと、原発性アルドステロン症による高血圧は、脳卒中や心肥大の発症リスクが、他の高血圧よりとても高くなります。
ただの生活習慣からの高血圧と思い込んでいる場合も少なくないので、改善しにくい場合は、内分泌や代謝の専門医を積極的に受診してください。

原発性アルドステロン症の原因

発症原因の多くは、副腎に発生したアルドステロン産生腺腫によるものとされます。なかには、非常に小さな腺腫のため画像検査でみつからないものや、両側の副腎に腺腫があることもあります。

体内の塩分や水分を保つホルモンであるアルドステロンが過剰になることで高血圧を引きおこすものと考えられています。

腺腫の発生によって副腎がアルドステロンを過剰分泌する仕組みは今のところ判明していません。

原発性アルドステロン症の予防・治療方法・治療期間

左右どちらか一方の副腎に異常がある場合、一般的には「腹腔鏡下副腎摘出術」によって片側の副腎を取り除きます。腹腔鏡手術は傷が小さく、手術後の痛みも比較的ないとされています。

入院日数もほとんどは1~2週間で退院できます。手術後、70~80%の患者さんの血圧が、正常値に改善されます。

左右両方の副腎がアルドステロンを過剰に分泌している場合や、片側でも何らかの理由で手術が困難な場合、また、患者さんが手術を希望しない場合は、抗アルドステロン薬などの血圧を下げる薬を使いながら、経過を観察します。

原発性アルドステロン症の治療経過(合併症・後遺症)

片方の副腎からのアルドステロン分泌過剰による場合、手術で副腎を切り取ることで70~80%の患者さんは高血圧が改善もしくは治癒します。改善しない20~30%の患者さんは、他の原因による高血圧の合併などが疑われます。

手術でなく、飲み薬による治療を選んだ場合は、アルドステロンを抑える薬を生涯にわたって飲み続ける必要があります。この場合、血圧などのコントロールができていれば、通常通りの生活を送ることができます。

原発性アルドステロン症になりやすい年齢や性別

2003~2007年に実施された調査によると、原発性アルドステロン症の推定患者数は7,487人でした。全高血圧症患者のうち5~10%程度であると推定されていいます。

原発性アルドステロン症が発症する年代は幅広く分布していると考えられます。

執筆・監修ドクター

山岸 貴洋
山岸 貴洋 医師 山岸クリニック相模大野 院長 担当科目 内分泌内科/糖尿病内科

経歴2006年3月 北里大学医学部卒業
2008年4月 北里大学内分泌代謝内科学入局
     (平塚共済病院、川崎市立井田病院などへ出向)
2011年4月 北里大学病院 内分泌代謝内科 助教
2014年4月 北里大学医学部 内分泌代謝内科学 助教
2016年4月 山岸クリニック相模大野 開院

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