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じゅうしょうきょけつし重症虚血肢

じゅうしょうかしきょけつ重症下肢虚血
更新日:2022/08/09 公開日:2019/11/12 view数:8,120

重症虚血肢(じゅうしょうきょけつし)とは、動脈硬化によって、動脈が狭くなったり詰まったりして、下肢の筋肉に血液が届けられず血行不良をおこす閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)という病気や、比較的細い動脈に血栓を形成する血管炎でバージャー病(閉塞性血栓性血管炎(へいそくせいけっせんせいけっかんえん))という病気が重い状態のことです。

この病気の症状が軽い段階では、歩行や足の運動時に痛みやだるさがあります。しかし、休めば症状が改善します。しかし重症下肢虚血では安静にしていても足のしびれや冷たく感じるといった症状があらわれます。

皮膚潰瘍や感染症をおこし壊疽(えそ)になる恐れもあります。そのため下肢の部分的切断や全切断をおこなわなければならない状態になることもあります。

目次
  1. 重症虚血肢の症状
  2. 重症虚血肢の診療科目・検査方法
  3. 重症虚血肢の原因
  4. 重症虚血肢の予防・治療方法・治療期間
  5. 重症虚血肢の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 重症虚血肢になりやすい年齢や性別

重症虚血肢の症状

おもな症状は、手足のしびれや冷めたい感覚、皮膚が黒ずむなどの色調変化や体温低下です。

症状が重くなることで、間歇性跛行(かんけつせいはこう)という、足を動かすと痛みやしびれがおこり、休息すると症状がやわらぐ歩行障害が出現します。

間歇性跛行は、下肢の動作(運動)をおこなうと股関節から足首までの部分(特にふくらはぎ)に倦怠感(だるさ)、痛み、疲労、こむら返りなどの症状があらわれ、歩行困難な状態になります。しかし、10分程度安静にすると症状は軽くなり消失します。

こうした症状が重くなると、安静にしていても下肢に痛みやしびれがあらわれます。さらに重くなると血液が足先まで届かなくなり、足に潰瘍ができて壊死することもあります。

重症虚血肢の診療科目・検査方法

まずは問診、視診から診療が始まります。
その後、足関節上腕血圧比(ABI)検査をおこないます。この検査では腕を足の血圧と同時に測定し、どのくらい差があるのか確認します。

運動負荷試験は運動前後のABI値の変化や、跛行が生じる歩行数などから、血流不足の度合いを確認する検査方法です。

動脈造影検査やCT、MRI、超音波(エコー)などを使用して動脈の状態を確認する検査もおこないます。
動脈造影検査はカテーテルを使用してヨード入りの造影剤を注入しレントゲンで撮影する検査です。この検査方法ではわずかですが合併症をおこす恐れがあるため、CTやMRIによる検査がより活用される傾向にあります。

症状がよく似たほかの病気と区別するためにも、疑わしい症状がある場合は医療機関を受診してください。

循環器内科心臓血管外科を受診します。治療には形成外科整形外科皮膚科糖尿病内科などとも連携しておこないます。

重症虚血肢の原因

重症虚血肢は、下肢閉塞性動脈硬化症やバージャー病がより進行した状態です。

下肢閉塞性動脈硬化症は動脈硬化が原因です。糖尿病、慢性腎不全、高脂血症、脂質異常症、喫煙、高齢などが動脈硬化になるリスクを高くします。4分の1の方は糖尿病を合併しているといわれています。

高齢化と運動不足、過食や高カロリーな食事内容などによって動脈硬化がおこり、それが原因になっているケースが増えていると考えられています。

バージャー病は20~40歳代の喫煙者の男性に多いですが、原因不明の難治性疾患です。

重症虚血肢の予防・治療方法・治療期間

閉塞性動脈硬化症

まだ重症虚血肢の状態になっていなければ禁煙や運動療法などで進行をおさえ、薬物療法などで血流の改善を試みるなどの治療をおこないます。しかし、重症虚血肢であれば血管に対する直接的な治療が必要です。

経皮的血管形成術(カテーテル治療、風船治療)はカテーテル管に風船を付けたものを血管中へ挿入しふくらませ、狭くなった血管をひろげることで血流を改善する治療法です。

血行再建(バイパス)手術によって血管の先に、バイパスとなる人工血管をつなげ、血液のあらたな通り道をつくる手術方法もあります。
血管新生療法は血行再建手術が難しい場合に検討します。人工的に新しい血管をつくり、足の血流不足を改善する目的でおこなわれます。

バージャー病(閉塞性血栓性血管炎)

バージャー病は喫煙で増悪するため、かならず禁煙が必要です。
血流を増加させる治療として局所の保温治療や、血管拡張薬の内服加療をおこないます。

下肢抹消の血流量確保のために血管れん縮防止として交換神経節ブロックをおこなうこともあります。

高齢になるにつれて病状はおさまる傾向にあります。

重症虚血肢の治療経過(合併症・後遺症)

治療中の判断により、やむをえず下肢切断となると、歩行が困難となり生活の質(QOL)が著しく落ちます。下肢切断後の生命予後も短くなるとされています。

また、重症虚血肢の保存的治療後1年以内に切断が必要になるケースもあります。

重症虚血肢になりやすい年齢や性別

下肢閉塞性動脈硬化症の患者さんは、60歳以上の人の1~3%と考えられています。また年齢が上がるにつれ、患者さんの割合も上昇し70歳以上では2~5%と考えられています。このなかに重症虚血肢の患者さんが含まれています。そのため重症虚血肢の患者さんも高齢であるほど割合が高くなる傾向にあると考えられます。

下肢閉塞性動脈硬化症は男性のほうが女性よりリスクが高く、そうした点でも同様といえるでしょう。

バージャー病の患者さんは、上記の通り20~40歳代の若い男性に多いです。

執筆・監修ドクター

加賀 康宏
加賀 康宏 医師 霞ケ関診療所 院長 担当科目 内科/消化器内科/胃腸内科/循環器内科/呼吸器内科/アレルギー科

経歴2010年 昭和大学医学部卒業
2010年 昭和大学横浜市北部病院初期研修医
2012年 昭和大学横浜市北部病院総合内科
2014年 帰陽会丹羽病院
2015年 昭和大学横浜市北部病院総合内科助教
2017年 霞ヶ関診療所

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