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すべりしょうすべり症

更新日:2022/08/10 公開日:2019/09/05 view数:6,362

すべり症(すべりしょう)とは、背骨を形成する「椎骨(ついこつ)」がずれ、痛みなどを生じている状態を指します。
基本的には腰椎におこる疾患です。

大きく「形成不全すべり症」「分離すべり症」「変性すべり症」に分けられます。
形成不全すべり症は、生まれたときから背骨の発達に問題がある、非常にまれな先天性のものです。分離すべり症は、「分離症」という疾患に伴っておきるものです。変性すべり症は、加齢などの原因で発症するものを指します。
この3種類の中では「変性すべり症」が症例としては最も多いとされています。

分離症とは、椎骨が「ひねる」などの動作をくりかえすことによって椎間関節が疲労骨折をおこした状態を指します。これにより、本来であれば椎間関節で固定されている椎骨が外れてしまっていることにより「すべり症」になってしまうこともあります。

主な症状は腰痛や下肢のしびれ、痛みが挙げられます。また脊髄の神経が圧迫される状態になるため、歩行障害などがおこることもあります。安静時には無症状のことが多いですが、長時間歩くなどで腰痛などの症状があらわれることもあります。
ただし、症状が進行していくと安静時でも痛みがおこることがあるため、違和感を覚えたらがまんせずに、医療機関を受診しましょう。

目次
  1. すべり症の症状
  2. すべり症の診療科目・検査方法
  3. すべり症の原因
  4. すべり症の予防・治療方法・治療期間
  5. すべり症の治療経過(合併症・後遺症)
  6. すべり症になりやすい年齢や性別

すべり症の症状

主な症状は腰痛です。
腰痛があらわれ、次第に下肢がしびれる、歩行障害、足の冷感、違和感を覚えるなどの症状に進行していきます。初期は安静にしていれば、特定の症状はなく、長時間の歩行などによって上記のような症状が見られることがあります。しかし進行すると、安静時でも痛みなどが出る場合があります。腰椎の神経が圧迫されるため、下肢に強い痛みを感じることもあります。

また、すべり症がおこる部分に排泄機能をつかさどる神経が通っていることから、排尿や排便に支障をきたすこともあります。

すべり症の診療科目・検査方法

初めのうちは無症状でも、重症化すると、歩行障害や排泄障害をおこすこともあります。そのため、違和感を覚えたらすぐに医療機関を受診しましょう。主な診療科目は整形外科です。

検査は、基本的にX線検査をおこないます。身体の正面、側面から撮影します。場合によっては前屈した状態で撮影することもあります。MRIやCTを含めた脊髄の撮影をおこないます。

上記の検査から、椎骨のずれを確認したり、神経の圧迫状態を確認したりして治療方法を確定していきます。
腰痛をおこす病気はすべり症だけではなく、画像上にすべり症があったとしても腰痛などの症状が全くない方もいます。そのため、すべり症が画像上指摘されても、すべり症以外の腰痛をおこす病気が隠れていないか注意する必要があります。

見逃されやすい病気として挙げられるものが仙腸関節炎です。仙腸関節炎は、X線検査などの画像検査では評価できないためです。仙腸関節炎については、仙腸関節ブロックや後述のAKA‐博田法のような方法で評価をおこないます。

すべり症の原因

基本的に、背骨を形成する「椎骨」がずれることにより引きおこされます。

変性すべり症

変性すべり症の原因に関しては、まだはっきりとしたことはわかっていない部分も多くあります。閉経後の女性に頻発することから、女性ホルモンの分泌量によって発症すると推測されています。
また、加齢によって関節が悪くなるのと同様に、背骨も悪くなるのではないかともいわれています。

分離すべり症

分離すべり症の場合、「分離症」によって引きおこされます。分離症は、スポーツをおこなう10歳代に多いとされていますが、これが原因となって徐々にすべり症になっていきます。

形成不全すべり症

形成不全すべり症の場合、先天的な背骨の発育不全などによって引きおこされます。この場合、比較的若いうちに発症するとされています。このタイプは比較的まれです。

すべり症の予防・治療方法・治療期間

すべり症の治療法は大きく分けて「保存的療法」と「手術」の2つがあります。
それに加えて、関節を運動学的に治療する方法が有効な場合もあります。

保存的療法

保存的療法は基本的に痛みを抑える対症療法になります。
安静にし、痛み止めの服用や、神経ブロック注射をおこないます。そうすることで痛みが引くこともあります。腰への負担を減らすためコルセットを装着することもあります。
また腹筋や背筋などを鍛えます。そうすることで再発を予防できます。ただし、無理は禁物です。可能な範囲内でおこなうことを心がけましょう。

手術

保存療法で効果が見られない、または痛みなどによって生活に大きな支障が出ている場合には手術がおこなわれます。重大な神経麻痺がある場合は緊急に手術をおこなうこともあります。
術式は大きく分けて「減圧術」と「固定術」の2つがあります。
減圧術は神経を圧迫している部分を切り取ります。固定術は、ずれた椎骨を矯正し再びずれないようにボルト等で固定する方法です。こうした手術では、感染症などの合併症が手術後におこることもあります。手術を受ける際は、必ず医師から説明を聞き、納得した上で受けるようにしましょう。

すべり症の治療経過(合併症・後遺症)

ほとんどの場合は、痛み止めや安静等の保存療法で軽快されます。
なかなか症状が改善しない場合は手術を検討することもあります。
しかし、手術をおこなっても痛みが改善しないこともあるためさまざまな方法を検討することが望ましいです。
医師の経験では、すべり症で長い間苦しんでいる方や手術をしてもよくならないような方は仙腸関節の機能障害が隠れていることが多いようです。
すべり症があっても、痛みの主な原因が仙腸関節の機能障害であれば治療は手術ではなく、AKA-博田法も治療の1つとして提案しています。AKA-博田法は非常にやさしい力でおこなうため手術に比べると身体にかかる負担は少ない治療です。
すべり症の手術を検討する前に他の治療法も考慮に入れて、医師と治療方針を決めることが望ましいと考えられます。

すべり症になりやすい年齢や性別

最も症例が多い「変性すべり症」は、閉経を迎えた女性に特に多いとされています。
分離症が原因となって引きおこされる「分離すべり症」は、10代の若年層に多いとされています。

執筆・監修ドクター

住田 憲祐
住田 憲祐 医師 スガモ駅前整形外科 理事長 担当科目 整形外科/リハビリテーション科

経歴2005年 帝京大学医学部卒業
2012年 のぞみ整形外科内科クリニック開院
2017年 スガモ駅前整形外科開院
2020年 医療法人社団のぞみ会理事長
    スガモ駅前整形外科 院長
    のぞみ整形外科内科クリニック 院長
    望クリニック 副院長

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