こうとうえん喉頭炎
喉頭炎とは?
喉頭炎(こうとうえん)は、何らかの原因により喉頭に炎症が起きる疾患の総称です。
いわゆる「のど」の部分にはさまざまな器官が存在し、解剖学的には細かく名称がつけられています。
その中でも喉頭は声を出す声帯から肺へと続く気管のあたりを指します。喉のずっと奥にあるため、口を大きく開けても鏡で見ることはできません。
喉頭が炎症を起こすと、声がおかしくなったり苦しくなったりするのは喉頭が声帯から肺にかけて影響を及ぼしているからです。
食べ物の通り道である食道側には咽頭が存在しているため、咽頭炎と共に喉頭が炎症を起こすこともあります。
喉頭炎の症状
喉頭は声を出す声帯、また空気の通り道である気道に関連しています。
そのため、ここに炎症を起こすと、声がかすれる、小さくなる、咳が出るなどのほか、重度の場合は呼吸が苦しくなるといった症状が現れます。
また、いわゆる風邪やインフルエンザなどの感染症が原因の場合は、喉の痛みのほか、発熱・倦怠感・頭痛などもともないます。
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喉頭炎の診療科目・検査方法
診療科目は耳鼻いんこう科もしくは、内科になります。子供の場合は、まずはかかりつけの小児科医に診てもらいましょう。
風邪が原因であれば、体の免疫力に応じて症状が軽快する可能性があります。しかし、症状が重かったり長引いたりするような場合は医療機関を受診する必要があります。
*インフルエンザや風邪の症状は新型コロナウイルスの症状とよく似ています。疑わしい症状がある場合は医療機関に受診可能か一度連絡するようにしましょう。
喉頭炎が疑われる場合は、必要に応じて喉頭を直接観察するための「喉頭内視鏡を」使うこともあります。
適切な治療を受けるためにも、自覚症状を的確に医師に伝えることは大切です。
子供の場合には、まだ十分に主張ができないこともあるため、保護者が子供の様子をよく観察し、必要に応じて記録を残しておけば、受診時に役立ちます。
喉頭炎の原因
喉頭炎の原因はさまざまです。
ウイルスや細菌などの感染症によるものがあり、これにはいわゆる風邪・溶連菌・季節によってはインフルエンザなども含まれます。声の酷使なども咽頭炎の原因になります。
また、喉頭炎はアレルギーやタバコの煙などでも引き起こします。
感染症については、抵抗力や体力が落ちているときにかかりやすいため、疲労や睡眠不足・生活習慣の乱れなどが原因の背景として考えられます。
原因に応じて治療も異なってくるため、適切に原因を把握しておく必要があります。
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喉頭炎の予防・治療方法・治療期間
治療法は原因によって変わります。
ウイルスや細菌などの感染症が原因であれば安静にし、十分な水分摂取とあわせて内服薬が投与されます。
内服薬は、症状や必要に応じて、解熱鎮痛剤や抗生剤、インフルエンザ治療薬などが処方されます。また、耳鼻いんこう科に受診した場合は、喉への吸入(ネブライザー)が行われる場合もあります。
声の酷使が原因であれば、声を休めるように、タバコの煙が原因であれば、家族も含め禁煙が必要です。
治療期間は、感染症なら10日間前後が目安であるが、症状が重たい場合はこの限りではありません。
喉頭炎の治療経過(合併症・後遺症)
風邪やインフルエンザなどの感染症が原因の急性喉頭炎であれば、適切な治療を受けることで予後はよくなります。
慢性喉頭炎の場合はその原因も慢性化しているケースが多く、喫煙や声を酷使する職業従事者などの場合は治療期間が長くなることがあります。
喉頭炎になりやすい年齢や性別
厚生労働省が発表している2014年患者調査(傷病分類編)によると、急性喉頭炎の総患者数は12,000人でした。
また、喉頭炎で深刻な症状を呈する急性喉頭蓋炎については、成人に多く、また女性よりも男性に多いという調査結果もあります。
執筆・監修ドクター
経歴2002年 金沢医科大学医学部 卒業
2002年 金沢医科大学病院 小児科、内科勤務
2004年~2018年大阪、神戸、東京、福岡の病院、クリニックで内科、皮膚科勤務
2018年 クリスタル医科歯科クリニックインターナショナル内に医科開設
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