喉が腫れる原因はアレルギー?痛みが和らぐ対処法も紹介
風邪を引くと、喉が腫れたり痛んだりすることがよくあります。急に声が出にくくなったりして、不快な思いをした経験のある方も多いのではないでしょうか。
喉が腫れる仕組みと、自分でできる対処法、悪化してしまったときはどうしたらいいかをご紹介します。
意外とよくある喉の腫れ
喉(のど)の腫れは、日常生活でよくみられる体の不調の一つです。風邪を引くと、喉が腫れたり痛んだりすることがよくあります。
また、体調は悪くないのに、急に声が出にくくなったりして、不快な思いをした経験のある方も多いのではないでしょうか。
喉が腫れる仕組みと、自分でできる対処法、悪化してしまったときはどうしたらいいかをご紹介します。
そもそも、「腫れる」って?
喉が「腫れる」というのは、どんな状態になることを指すのか知っていますか。
どんな原因で腫れるのか、腫れるとどうなるのか、どんな人が気をつけなければいけないのかについても、考えてみましょう。
喉の細胞がダメージを受けている
喉が「腫れる」というのは、なんらかの理由で炎症が生じて、細胞がダメージを受けている状態です。
結果として、細胞が過剰に水分を含み膨張してしまうためです。
喉といっても咽頭と喉頭に分かれます。喉頭には声を出す声帯が存在します。
そのため喉頭が腫れると、違和感や、声がかすれる、声が出しにくいといった声の異常などがあらわれます。
痛みは、ある場合とない場合、どちらもあります。
声を出したり、食べ物を飲み込んだりするときに痛みを感じることもあれば、声に異常があるだけで、特に痛みはないこともあります。
原因は風邪だけではありません
喉の細胞がこわされる、つまり喉が腫れる原因として、まず思いつくのは、風邪やインフルエンザといった感染症です。
しかし、実際は、そのほかにもさまざまな原因があるのです。
乾燥が原因で喉が腫れることもあります。
自然と空気が乾燥する時期はもちろん、エアコンを使いすぎる、乾燥した飛行機で長時間移動する、鼻が詰まっているために口で呼吸する(いびきをかく)といったことでも、喉は乾燥します。
喉の使いすぎも腫れの原因になります。カラオケやプレゼンテーション、会食などで、いつも以上に声を出した後は、気をつけなければなりません。
刺激の強いものが喉に触れても、腫れを引きおこすことがあります。
具体的には、辛味の強い食べ物を食べる、お酒を飲む、タバコの煙を吸うといったことです。体質によっては、花粉が刺激になることもあります。
腫れのリスクは誰にでも
このように、喉が腫れる原因はたくさんあるため、喉が腫れるリスクは誰にでもあるといえます。
抵抗力の落ちている人や、声を出す機会の人に多い傾向はありますが、それ以外の人も気をつけておくに越したことはありません。
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まずはセルフケアーを!
まったく声が出ない、痛くて食べ物が飲み込めないなど、日常生活に支障があるほどの症状があらわれていれば、すぐに病院へいくべきですが、それ以外の場合は、まず自分でできるセルフケアーを試してみるとよいでしょう。
原因を遠ざけてみましょう
まずは、腫れの原因と考えられるものを遠ざけ、喉への負担を軽くしてあげることが大切です。
乾燥が疑われる場合は、マスクをつける、加湿器を活用するなど、喉が乾燥しないような工夫をしてください。
刺激の強い食べ物、お酒、タバコなどは、腫れが改善するまで、一時的に控えるか、量を減らすとよいでしょう。花粉の時期には、マスクをつけることも有効です。
なるべくしゃべらないことや、大きな声を出さないようにすることも心がけましょう。
教員やタレントといった声を出さずにはいられないお仕事の方は、医師、ボイストレーナーなど、専門家に相談して、喉に対する負担の少ない声の出し方を身につけておくことをおすすめします。
これは今後の再発を予防することにもつながります。
のど飴は成分をよく確かめて
のど飴や、喉に噴射するスプレーなど、市販のグッズを使ってケアーされる方もよく見かけます。
気をつけなければならないのは、含まれている成分や、期待できる効果が製品によってまちまちであることです。
特に、のど飴は、薬剤のような効果をうたっているものから、単なるお菓子にすぎないものまで、かなりの幅があります。
長期間、なめ続けていると、糖分のとりすぎや、虫歯のリスクなど、デメリットの方が大きくなってしまうものもあります。
腫れの改善を期待するのであれば、表示をよく確かめてから買うようにしましょう。
炎症をおさえる薬がおすすめ
腫れだけでなく、痛みもあるようであれば、市販の薬を飲むのも一つの方法です。
痛みをやわらげる鎮痛薬に加えて、喉におこっている炎症そのものをおさえる抗炎症成分の含まれた薬をおすすめします。
長引くときには病院へ
これらのセルフケアーを続けていても、なかなかよくならない、もしくは悪くなっていくようであれば、単なる喉の腫れではなく、ほかの病気が隠れている可能性があります。病院へいくことを検討してください。
こんな病気かもしれません
声が出しにくい状態が長く続く場合は、一時的な腫れではなく、喉にできものができる「声帯ポリープ」や「声帯結節」などの病気かもしれません。
多くはありませんが、悪性の「喉頭(こうとう)がん」である恐れもあります。これらの病気には、手術も視野に入れた本格的な治療が必要です。
何らかの物質によって、「アレルギー」の反応をおこしていることもあります。
アレルギーの恐れがある場合は、検査によって原因となっている物質を特定し、それを遠ざける努力をしなければなりません。
胃から逆流した胃酸が食道を刺激する病気「逆流性食道炎」の影響が、喉にあらわれていることも考えられます。喉だけをケアーしていても、治りません。
耳鼻いんこう科に相談しましょう
喉の腫れで受診する場合、診療科目は耳鼻いんこう科をおすすめします。
病気によっては、外科、アレルギー科など、ほかの科目を紹介されることもありますが、最初の相談先としては、耳鼻いんこう科で問題ないでしょう。
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まとめ
喉の腫れは、いつでも、誰にでもおこることがあります。そのため、基本的なセルフケアーの方法は覚えておくとよいでしょう。
ただし、痛みが強い場合や、なかなかよくならない場合は、無理をせず、耳鼻いんこう科を受診してください
。原因がなんであれ、早く治療を始めることで、その後の経過がよりよいものとなる可能性があります。
執筆・監修ドクター
経歴2009年に日本大学医学部を卒業。初期研修課程終了後、東京医科歯科大学耳鼻咽喉科へ入局。東京医科歯科大学付属病院や土浦協同病院などの市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。
2016年7月より医療法人社団則由会AGAヘアクリニックを院長として開院すると同時に水島耳鼻咽喉科副院長に就任。
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