こうとうがん喉頭がん
喉頭がん(こうとうがん)とは、のどにできるがんです。
喉頭には「発声」「誤嚥(ごえん)の防止」「気道確保」の役割があります。
喉頭がんは、腫瘍ができる場所により「声門がん」、「声門上部がん(声門上がん)」「声門下部がん(声門下がん)」の3つに分類され、この中で「声門がん」が喉頭がんの半数以上を占めます。
喉頭がんを発症すると、声を出したり食事をしたり呼吸をしたりといった動作に障害を受けるため、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
喫煙習慣や飲酒が喉頭がん発生に深く関わっていると考えられています。
喉頭がんの症状・チェックリスト
主に嗄声(声のかすれ)、のどの違和感などが挙げられます。ただし、発症部位やがんの進行度によっても異なるため、一概にいうことはできません。
声門がんは早い時期から嗄声の症状が現れることが多く、喉頭がんの中では比較的早期に発見されやすいがんです。
声門上がんや声門下がんは初期症状が無いことから発見が遅くなる傾向にあります。
チェックリスト
以下の項目が当てはまったら、喉頭がんかもしれません。まずは耳鼻いんこう科を受診しましょう。
□嗄声(声のかすれ)
□のどの違和感
□食べ物が飲み込みにくい
□息苦しさ(呼吸困難感)
□首のしこり(首周辺のリンパ節の腫れ)
□上記の症状が1ヶ月以上続く
※このチェックシートは、医師の診察に代わるものではありません。セルフチェックの結果が問題なさそうな場合でも、少しでも不安を感じたり気になることがあれば、必ず医療機関にご相談ください。
喉頭がんの診療科目・検査方法
喉頭鏡や喉頭ファイバースコープにより腫瘍の有無を調べます。
生検検査により疑わしい局所の細胞を採取し、病理学的な検査をもとに喉頭がんの診断をします。
腫瘍やがんの広がり具合を調べるために、超音波検査、CT、MRIなどの画像検査も行われます。
また、転移や合併の有無を確認するため、PET-CT検査や上部消化管内視鏡検査も行われる可能性があります。
嗄声やのどの違和感、頚部腫瘤などの症状が現れたら、耳鼻いんこう科を受診してください。
風邪であれば1ヶ月以上症状が続くことは少ないため、症状が続くようであれば必ず受診するようにしましょう。
喉頭がんの原因
喫煙、飲酒が主な原因であるが、他にもアスベスト、逆流性食道炎、ヒトパピローマウイルスの感染なども影響すると考えられています。
喫煙や飲酒は量に比例して喉頭がん発生のリスクも高まります。また飲酒に関しては顔が赤くなるタイプは発症リスクが高いため、注意が必要です。
あわせて読みたい
喉頭がんの予防・治療方法・治療期間
手術療法、放射線療法、化学療法(抗がん剤)などがあります。がんのできた場所、ステージ、喉頭温存(発声機能を残すこと)の希望などによって治療方法は変わっていきます。
早期のがんであれば喉頭温存手術や放射線治療を行うことが多く、進行したがんには手術治療や化学放射線療法(放射線治療と同時に化学療法を行う)が検討されます。
喉頭がんの治療経過(合併症・後遺症)
治療法によっては治療後に食べ物を飲み込むためのリハビリが必要になる可能性があります。
また、喉頭・声帯の摘出手術により発声機能が失われた場合には、電動の喉頭発声器、食道発声法、シャント発声法などの機能回復手段があります。
喉頭がんになりやすい年齢や性別
50歳から増加し、70歳代の男性で最も多くなります。
10年間禁煙を継続した場合、喫煙者にくらべて喉頭がんを発症するリスクは低下するといわれています。
そのため、治療後は喫煙を控えることも大切です。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴2009年に日本大学医学部を卒業。初期研修課程終了後、東京医科歯科大学耳鼻咽喉科へ入局。東京医科歯科大学付属病院や土浦協同病院などの市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。
2016年7月より医療法人社団則由会AGAヘアクリニックを院長として開院すると同時に水島耳鼻咽喉科副院長に就任。
関連する病気
喉頭がん以外の病気に関する情報を探したい方はこちら。
関連カテゴリ
喉頭がんに関連するカテゴリはこちら。
関連コラム
「喉頭がん」に関するコラムはこちら。