ストレスによる発熱と風邪の違いは?薬は効果なし?子供も大人も注意
解熱剤を飲んでも熱が下がらなかったり、風邪のような症状はないのに熱だけが続いたり…。
このような発熱がみられたら、ストレスが関係しているかもしれません。
この記事では、ストレスによって熱が出る理由と、風邪との違いや薬の効果についてご説明します。
ストレスによって熱が出るのはなぜ?
ストレスによって熱が出るのは、自律神経が乱れているためです。
自律神経とは体を正常に保つための神経で、自分の意思とは関係なくはたらいているものです。
それぞれ正反対のはたらきをする、以下に挙げた2つの神経によって構成されています。
- 交感神経:興奮、緊張などをつかさどる
- 副交感神経:休息、リラックスなどをつかさどる
これらのバランスが崩れると心身に不調をもたらします。
ストレスによって自律神経が乱れると、このうち交感神経のはたらきが優位になるため、体温が上昇すると考えられています。
発熱以外の症状が出る人も
自律神経の乱れによってもたらされる不調は人それぞれで、発熱以外に倦怠感や頭痛などを訴える方もいます。
ストレスによる発熱の特徴
1. 37~39度くらいの熱が出る
多くの場合37~39度の熱が出ますが、高温になればなるほどストレスが大きいと言えます。
長いと発熱が3週間ほど続くこともあります。
37度前後の場合
37度くらいの熱は、日常生活でストレスが蓄積されているときに出やすいです。
過労などで休養が不足していたり、勉強などを頑張りすぎたりしているときに生じやすい症状です。
38~39度の場合
38度以上の熱は、生活環境の一変など精神状態を急激に変化させる出来事が大きなストレスとなって生じている可能性が高いです。
極度な緊張が続いたり、人間関係が悪化したりといった状況下では要注意です。
2. 薬は効果がないことも多い
風邪による発熱とは違うため、解熱剤や風邪薬は効果がないことも多いです。
自律神経の乱れによる発熱は、病院で検査をしても異常がみつからないことがほとんどです。
熱を下げるには、休養をとって自律神経を整えることが最も効果的と言えるでしょう。
子供もストレスが原因で熱が出る
ストレスというと大人だけかと思われますが、子供もストレスで熱が出ます。
いわゆる「知恵熱」と呼ばれるものもこれにあたり、極度の緊張やストレスが積み重なることで発熱します。
子供の場合は、大人のように数週間にわたる発熱ではなく、短期間で治まることが多いため、単なる体調不良と思われることも多いので気をつけましょう。
発熱以外の症状も
子供の場合は、発熱に併せて下痢や嘔吐、腹痛などの症状がみられるのも特徴です。
原因不明の発熱が続く場合は、早めに病院に連れて行きましょう。
3. 風邪との違いは?
風邪は、ウイルスや細菌が体内に入ることで発熱している状態です。
そのため体温の上昇だけでなく、倦怠感・寒気・吐き気・嘔吐・腹痛などの症状も伴います。
この場合は風邪薬や解熱剤が有効となります。
ストレスで熱が出たときの対処法
1. ストレスを取り除く
ストレスによる発熱は精神的な要因が関係しているため、その原因を排除することが最も効果的です。
病院でも心理療法やカウンセリングを行うことがあります。発熱そのものに対処する治療よりも有効です。
2. 休養をとる
特に疲労によるストレスは、しっかり休養をとることが最優先です。
真面目すぎる方は、微熱が続く程度では休まない傾向があり、症状が悪化するまで対処しないことが多いです。
倦怠感や集中力の低下を感じる場合は早めに休養をとり、心と体をきちんと回復させましょう。
3. 解熱剤は飲まない
ストレスによる発熱は、風邪とはメカニズムが違うため、風邪薬や解熱剤は効果がありません。
そのため、ストレスが原因の場合は、風邪薬や解熱剤の服用は控えましょう。
4. 検査を受ける
ストレスだけでなく何らかの病気が隠れていることもあるため、原因不明の熱が続く場合は病院で検査を受けましょう。
特に高熱ではなく、微熱が続く場合は、血液疾患などが生じている可能性があります。
まとめ
ストレスによる発熱は、大人も子供も関係なく起こります。
精神的な負担に耐え切れず体がSOSを出している証拠なので、風邪のような症状は何もないのに熱だけが続く場合は要注意です。
原因不明の熱には風邪薬や解熱剤は効果がないので、頑張りすぎず、ゆっくり休養をとって心身ともに回復させましょう。
執筆・監修ドクター
経歴1998年 埼玉医科大学 卒業
1998年 福岡大学病院 臨床研修
2000年 福岡大学病院 呼吸器科入局
2012年 荒牧内科開業
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