蓄膿症の口臭は、うみや口呼吸が原因!自分でできる対策や治療法とは
最近何だか口臭が気になる…。その原因は、「蓄膿症(ちくのうしょう)」かもしれません。
蓄膿症は、何気なく鼻をすするクセや風邪などが引き起こす身近な病気です。
こちらの記事では、なぜ蓄膿症で口の中が臭くなるのか、またその治療法について解説します。
蓄膿症について
1.蓄膿症って、どんな病気?
鼻の中に膿がたまる病気
蓄膿症は、鼻のなかに膿(うみ)がたまることで、口の中がイヤな臭いがしたり、息が詰まったりといった不快な症状があらわれる病気です。
ほとんどは、風邪や花粉などによって急性の鼻炎が起こり、それが長期化することで蓄膿症になります。
蓄膿症が起こるしくみ
細菌やウイルスによって起きた鼻の中の炎症が、鼻の奥の『副鼻腔』という部分に達し、炎症が起こります。
そうして副鼻腔に膿がたまることで蓄膿症を発症します。炎症の起きる部位から、蓄膿症は「副鼻腔炎」とも呼ばれています。
2.蓄膿症の原因
ほとんどの場合、蓄膿症は風邪が原因でかかります。また、花粉症やほこりなど、アレルギー症状から蓄膿症を発症する場合もあります。
ほかにも、歯の炎症や、極端な偏食、大気汚染、ストレスなども蓄膿症の原因になると考えられます。
3.口臭以外にもさまざま…蓄膿症の症状
蓄膿症には、鼻や鼻周りにかかわる、さまざまな症状があります。
常に鼻が詰まっている、熱がないのにどろっとした鼻水が続いている、鼻や鼻周りの痛み、鼻の中の臭い、口臭、長期的な鼻声、などに当てはまる症状がいくつかあれば、蓄膿症の疑いがあります。
症状を悪化させないためにも、早めに病院で診療を受けましょう。
4.風邪や他の病気とはどう違う?
蓄膿症の鼻水は、風邪に比べてどろっとしています。また、すっきりしないくしゃみが出るのも蓄膿症の特徴です。
これに対して、目のかゆみや発熱がある場合は、蓄膿症でない可能性が高いです。
とはいうものの、風邪を含む単なる鼻づまりか、蓄膿症かを自分で見分けることは難しいです。心配な症状があれば、耳鼻いんこう科を受診し、医師に相談してみましょう。
蓄膿症の口臭について
蓄膿症になると口臭が気になると言われています。その原因や治療法について解説します。
1.蓄膿症で口臭が気になるのはなぜ?
鼻の中の膿が臭いのもとに!
口臭が気になるという方は、蓄膿症が原因になっていることも珍しくありません。
蓄膿症は鼻の中に膿(うみ)がたまることで発症しますが、この膿が臭いのもとになると考えられます。
口呼吸も口臭をまねく
他にも、蓄膿症で鼻がつまり、口呼吸になることも原因だといわれています。
唾液には口の中の衛生環境を保つはたらきがあります。口が長時間空いていると、口の中が常に乾いた状態になりやすいです。
口の中が乾燥し唾液が減ることで、雑菌が増え口臭の原因になります。
2.自分でできる口臭の対策
コンビニエンスストアや薬局などで販売されている、口臭ケアの商品を利用すれば、ある程度口臭は抑えられます。
慢性的に口臭が気になる方は、日常のケアとして取り入れても良いかもしれません。
しかし、そういった商品の効果は一時的なものです。根本的な臭いのもとである蓄膿症を治すには、病院で治療を受ける必要があります。
3.病院で受ける蓄膿症の治療について
蓄膿症の治療法
『抗菌薬』の使用や、『たまった膿を洗い流す治療』を行います。
膿を洗い流すためには、鼻うがいで『鼻腔』内を洗浄したり、薬剤で洗い流したりします。
まれに、カビなどが原因で蓄膿症を発症していることがあります。その場合は上記の方法での治療が難しく、手術が必要になるケースもあります。
医師に「口臭が気になる」と伝えよう
口臭が気になって病院で蓄膿症の診療を受ける場合は、「口臭が気になる」ということもきちんと伝えましょう。
というのも、蓄膿症を発症していても、違う原因で口臭が発生している可能性もあるからです。
他に原因があれば、それに対する治療も行う必要があります。きちんと原因を突き止めるためにも、病院に行く際は口臭を症状として伝えるようにしましょう。
蓄膿症は再発の危険性も。完治まで通院を
蓄膿症の症状を軽減したり、改善したりするには病院の受診が必須です。症状にいくつか当てはまるものがあれば、早めに病院を受診すると安心ですね。
また、完治する前に通院をやめてしまうと、再発する可能性の高い病気です。症状が軽くなったからといって油断せず、完治するまでしっかりと通院し治療を受けましょう。
まとめ
蓄膿症は風邪やアレルギーなどから発症する身近な病気のひとつです。
蓄膿症が原因で口の臭いが気になったら、臭いの元をなくすためにも、病院できちんと診療を受けることが大切です。
口臭のほかにも、鼻や頭の痛み、慢性的な鼻づまりなどを感じたら、悪化させないため、すぐに病院へ行きましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2001年 慶應義塾大学医学部附属病院耳鼻咽喉科入局
2002年 佐野厚生総合病院耳鼻咽喉科
2004年 川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科
2007年 静岡市立清水病院耳鼻咽喉科 科長
2011年 深谷耳鼻咽喉科クリニック開業
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