のどが痛い原因は?扁桃炎や咽頭炎など病気の可能性も。ケア方法も解説!
風邪をひいたときにのどが痛むという人は多いのではないでしょうか。しかし、のどが痛む原因はそれだけではありません。
扁桃炎や咽頭炎などの病気が隠れていることもあります。
この記事では、『のどの痛み』の原因や可能性のある病気、改善するためのケア方法について解説します。
のどが痛いのは、炎症反応が原因
1.のどの痛みは、炎症反応によっておこる
風邪をひくと、のどが痛くなったりイガイガしたり、赤みや腫れを感じることがあります。
これらの症状は、のどに付着したウイルスや細菌に対する炎症反応によって起こるものです。
このほかにも、アルコールや刺激のある食べ物、大声の出し過ぎによってのどが痛くなることもあるでしょう。
2. 『のど』の痛みが起こる場所はさまざま
一言で『のど』といっても、医学的に見るといろいろな部分があります。
そのため、どこが痛むかによって、考えられる病気の種類は変わってきます。のどの痛みが起きやすい場所は、以下の4つです。
- ・鼻からの空気が抜ける上咽頭
- ・大きく口を開けた時に見える中咽頭
- ・食道に近く食べたものが通る下咽頭
- ・気管と接する部分で下咽頭の隣にある喉頭
のどの痛みの原因となる病気
1.一般的な風邪
一般的な風邪は、だれでも一度は発症したことがあるでしょう。
のどの痛みは、風邪の原因となるウイルスが咽頭や喉頭に付着することによって起こります。頭痛・熱・だるさ・せきなどの症状をともなうことがあるでしょう。
基本的には、健康な人であれば、休息と栄養をとることで自然に治ります。
2. 咽頭炎
咽頭炎は、ストレスや睡眠不足が原因であることが多いといわれています。
そのほかの原因としては、ウイルスや細菌の付着、過度な喫煙や飲酒があります。
3.扁桃炎(へんとうえん)
扁桃炎は、のどの奥にあるリンパに炎症が起こる病気です。症状としては、発熱やのどの腫れのほか、のどから膿が出ることもあります。
頻発しやすく、慢性的に扁桃炎を起こす人もいますが、正しい治療をおこなえば問題なく治すことができるでしょう。
4.急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)
急性喉頭蓋炎の場合、のどの痛みは風邪などとはくらべものになりません。
症状が重い場合には、気管を切開して空気を送るチューブを入れるなど、早急の対処が必要になります。
5. 扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)
扁桃周囲膿瘍は、のどの奥のリンパに膿(うみ)のかたまりができてしまう病気です。
つばを飲み込めないほどの痛みが出て、高熱や耳の痛みをともなうことが多いです。膿を出すことで治りますが、外科的手術としてメスを用いる必要がある重大な病気です。
6.咽頭がん
咽頭ガンは、のどの痛みはそれほど強くありません。
しかし、痛みが治まらないまま長引き、放っておくと声が枯れてくることがあるでしょう。
7.破傷風(はしょうふう)
破傷風菌に感染することで起こる病気で、ケガをしたときなどに傷口から感染します。
頭痛や発熱といった風邪に近い症状から、首が回りづらくなったり、寒気をともなったりすることもあります。重症化すると体が痙攣(けいれん)し、処置が遅れれば死に至ることもあります。
のどの痛みをやわらげるために
1.病院を受診するべきなのは、どんな症状?
病院へ行く基準としては、「痛みはそれほどひどくなくても長引いている場合」「唾が飲み込めないほどの強い痛みがある場合」です。
ほかにも、声がかすれている・息がしづらい・口が開けられないなども重要なサインです。
頭痛や発熱などの症状も、すべて医師に伝えましょう。
2.のどが痛いときの食事や飲み物について
どんな食べ物がいいの?
のどの痛みは、食べ物によって軽減することができます。
のどを乾燥させないために、のど飴を舐めることが有効です。殺菌力と潤い効果があるハチミツもオススメです。
スパイスや香辛料など、のどの刺激となるものは避け、おかゆ・雑炊・うどんなどを食べるとよいでしょう。
冷たい食べ物には気をつけましょう
のどが炎症している場合、冷たいものを食べると痛みがやわらぐことがありますが、根本的な治療にはなっていません。アイスクリームやゼリーなどは、どうしてもほかのものが食べにくい場合のみにしましょう。
3.部屋の乾燥を防ぐ
のどの痛みをやわらげるためには、のどの乾燥を防ぐ必要があります。
加湿器を利用したり洗濯物を部屋で干したりすることで、湿度が保たれます。
寒さや暑さの対策も必要ですが、必要以上に空調をつけすぎないようにしましょう。
4.マスクや水分補給でのどを守る
のどの乾燥は、ウイルスや細菌が付着しやすく炎症を起こす原因になります。
「ふだんからマスクを着用する」「こまめに水分補給をする」などの予防も大切です。
5.じゅうぶんな休息をとりましょう
ストレスがあったり、身体が疲れていたりすると完治するまでに時間がかかってしまいます。必ず休息をとって、栄養分のあるものを食べることが大切です。
まとめ
のどの痛みがひどい場合は、重大な病気の可能性も
のどの痛みは、風邪などの軽度なものから、死に至る可能性のある重大な病気までさまざまです。
耐えられないほどののどの痛みは、風邪ではない病気が潜んでいる可能性があります。必ず気づいた時点で病院を受診してください。
また、それほど痛みがひどくない場合でも、治りが悪いと感じる場合は病院を受診しましょう。
ほかの症状がある場合は、それも医師に伝えてください。
日ごろのケアや対策がのどの痛みを防ぎます
のどの痛みは、食事や体に疲れを溜めないなどのケアで防ぐことができます。室内では湿度を保ち、外出時はマスクを着用するなど、乾燥を防ぐ工夫も大切です。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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