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虫刺され

更新日: 公開日:
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目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査内容と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
医師

【執筆ドクター】

 板東 浩 先生

概要

虫刺されとは?

虫刺されとは、刺咬症(しこうしょう)といい、皮膚が虫に刺されたり触れたりした箇所にできるピンク色や赤色の盛り上がった発疹です。
人を刺す虫は身の回りに多数存在しています。蚊や蜂、ムカデといった代表的な虫に刺されたときの症状を今一度理解しておきましょう。

じんましん、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎といった皮膚疾患としっかり区別することが大切です。虫刺されは「虫に刺されないようにすること」で予防できますから、虫刺されの季節―夏が来る前にしっかり対策しておきましょう。

症状

日常的な「虫さされ」※は、大きく4つに分けることができます。
1.刺されるとかゆみを引きおこす
蚊、ダニ、ノミ
2.刺されると痛さ、かゆみを引きおこす
アブ、ブヨ
3.刺されると痛み、ショック症状を引きおこす
蜂、ムカデ
4.触れると皮膚が炎症をおこす
毛虫
※砂漠のサソリや、クラゲやヒトデといった海洋生物は除きます。

蚊による症状は唾液によるアレルギー反応によっておこる痒みです。蚊が媒体となり、感染するジカ熱があります。ジカウイルスを持った蚊に刺されると発症し、妊婦が感染した場合、胎児が小頭症になる可能性があります。日本国内での感染報告はまだありませんが、渡航先で感染することもあります。
アブに刺されると、強い痛みを感じます。注入される唾液によってしだいに患部に激しい腫れと痒みの症状があらわれます。
ブヨに刺されると、半日ほどで赤く腫れて激しいかゆみが続きます。
イエダニはまれに人間に寄生することもあり、血を吸われると激しいかゆみを引きおこします。マダニは感染症を媒介することもあるため、刺されると「ダニ媒介感染症」を引きおこす恐れがあります。ツメダニは屋内に生息するダニで、まれに人間を刺します。刺されると、痒みを伴う赤い発疹が出ます。
ムカデは噛まれると激痛が走って患部が腫れ、しびれを引きおこします。時間をおいて腫れや発熱の症状をおこすことがあります。
また、「アナフィラキシーショック」をおこすこともあります。
蜂の被害は秋の野外レジャーで多く、刺されると患部に激しい痛みを伴い、赤く腫れます。初めて刺された場合は通常1日以内に症状は治まるものの、2回目以降は蜂の毒に対するアレルギー反応があらわれます。人によってはショック症状として「アナフィラキシーショック」をおこし、しびれる、意識喪失、血圧低下などで命の危険性もあります。
蝶や蛾の幼虫(ケムシ/イモムシ)の毛に触れることで、腫れて痒みをおこすことがあります。これは、有毒毛を持つケムシに触れた場合におこる皮膚炎によるものです。

原因

白と黒のシマ模様が特徴のヒトスジシマカ、日本脳炎を媒介するアカイエカなど、日本には約100種類の蚊が生息していると言われています。また、蚊は虫刺されだけでなく、フィラリアなどを媒介することもあります。
痒みの原因は、蚊が血を吸う時に血が固まらないよう注入する唾液に対するアレルギー反応によるものです。
成虫は普段、花の蜜や果実の汁を吸っていますが、栄養が必要になる産卵の時期に人間や家畜など動物の血を吸います。血を吸うのはメスの蚊のみです。

ブヨ・アブ

ブヨもアブも、メスだけが人間や家畜などの動物の血を吸います。蜂とは異なり、自ら人間に寄ってきます。

ダニ

ダニは地球上のあらゆる場所に生息しており、日本では約2000種類が知られています。ダニは成虫になると足の数が8本になるため、昆虫(アリなど)よりクモの仲間に近い生物です。日常で害が多いのはイエダニで屋外に生息しており、ネズミやペットに寄生します。屋外に生息するダニでは、マダニにも注意が必要です。

クモ

ほとんどのクモが捕食のために毒を持っています。
日本には、人を死に至らしめるほどの猛毒を持つクモはいないものの、「カバキコマチグモ」や「セアカゴケグモ」は強い毒を持っているので注意が必要です。
「カバキコマチグモ」は山地を問わず草むらや水田、山林など至る所に生息しています。

ムカデ

ムカデは夜行性で、落ち葉や朽ち木の下など暗い場所に住んでいます。そのため目はほとんど退化していますが、ニオイや振動に敏感で、素早い動きもあわせもっています。ムカデの種類によってはかなり強い毒を持っています。

人間を刺す蜂の代表的なものはアシナガバチ、スズメバチです。日常生活を送る中でミツバチに刺されることは一般的に少なく、刺されるケースは稀です。

ケムシ

ケムシの有毒毛には毒針毛(どくしんもう)と毒棘(どくきょく)があり、毒針毛はドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)、毒棘はイラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガなど)の幼虫にあります。洗濯ものなどに毒針毛が付いていて、知らずに服をきたことで痒みをおこすこともあります。

検査内容と主な診療科目

軽症であれば受診の必要はありません。虫刺されの後に、高熱やじんましんが出た、症状が長引く、範囲が広い、かゆみや痛みが強いなどの場合は皮膚科を受診します。ハチなどではアナフィラキシーに注意してください。まれに意識障害や呼吸困難など命に関わるショック症状があらわれます。その時は救急要請をしてください。

治療方法と治療期間

虫刺され

刺されてしまった場合は患部を清潔にし、炎症にあわせて市販の虫さされ薬、抗菌薬やステロイドの塗り薬を使い分けます。ブヨやアブに刺された場合、抗生物質とステロイド剤、痛み止めなどで治療します。
マダニに刺された場合、ダニの体をむりに剥がすのはよくありません。マダニの体液が皮膚に流れ込んだり、口器(節足動物の口)が皮膚に残ったりすることで炎症をおこします。
クモに噛まれた場合は傷跡からクモの種類を特定することはできないため、詳しい診断のためにはクモを持参する必要があります。
ケムシによる場合は掻きむしると発疹の範囲が広くなってしまうことがあるので注意してください。
虫刺されを防ぐためには、以下のことに気をくばりましょう。
・屋内に虫を入れない
⇒網戸の設置や、忌避剤の活用
・屋外では長袖、長ズボンを着用する
・殺虫剤や虫除けを使用する
・刺されてしまったときに備えて、かゆみ止めを携帯する

治療の展望と予後

子供はかゆみを我慢できず、皮膚を掻き壊してしまうことがあるので注意が必要です。傷つけられた皮膚に病原体が感染し、とびひ(正式には「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」に発展することがあります。家庭内に兄弟がいたり、保育所に通っていたりすると感染を広めてしまうことも考えられます。
とびひを予防するためには、肌を清潔にし、入浴後は軟膏を塗ってガーゼで保護します。
爪を短く切りそろえるといった対策も有効です。
アナフィラキシーがおこると生命に関わる場合もあるため注意が必要です。

発症しやすい年代と性差

年代や性差に関わらず、原因生物が生息する地域に住んでいる、あるいは旅行する場合は誰でも虫刺されがおこる可能性があります。

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