虫刺されで水ぶくれが…何の虫?対処法を解説。皮膚科へ行くべき?
【医師監修】
虫刺されによって水ぶくれができることがありますが、これはアレルギー反応によるものです。
虫刺されはいつのまにか起こっているため、皮膚にかゆみや赤みなどの反応が表れることで初めて気づきます。
そして痛み以外に水ぶくれを引き起こすこともあり、正しい対処法を知っておきたいものです。
この記事では、虫に刺されて水ぶくれができる理由と刺されたときの対処法、原因となる虫について解説します。
虫刺されで水ぶくれができる理由
虫刺されによるかゆみや水ぶくれなどの症状は、簡単にいうとアレルギー反応です。
虫に刺されると、虫の唾液などの成分が人の体に入ります。
すると体は異物が入ってきたことに対して、かゆみや痛みなどのアレルギー反応を起こして体を守ろうとします。水ぶくれもその症状のひとつです。
誰にでも起こる可能性がありますが、アトピーやアレルギー体質の方だとより確率が高いといえるでしょう。
二次感染によって水ぶくれができる場合も
アレルギー反応以外にも、かゆみで皮膚を引っ掻いたことで傷がつき、そこから細菌が侵入して水ぶくれができるケースもあります。
この場合、皮膚の炎症が虫刺されの範囲よりも広くなることがあります。
水ぶくれの原因となる虫について
何の虫に刺されると水ぶくれができるのか、説明していきます。
1.蚊
虫刺されの主な原因となる虫です。
蚊が吸血するときは「唾液腺物質」を人の皮膚に注入するため、アレルギー反応が起こります。
「即時型反応」であれば刺されてすぐ皮膚が蕁麻疹のように平たく盛り上がり、「遅延型反応」であれば翌日から同様の症状が出始めます。
2.ネコノミ
ネコノミに刺されると、足首やすねにかゆみを伴う発疹がたくさんできます。
蚊に刺されたときと似たような症状で、水ぶくれができることもあります。
猫や犬の体に寄生して吸血し、ノラ猫の移動とともに庭や公園などに発生します。
そこを通りかかると足元を刺されるため、素足で出かけるときなどは注意が必要です。
虫刺されによる水ぶくれの治し方&予防法
1.自分でできる治し方。かゆみがあるときは?
水ぶくれが破れると、細菌感染を引き起こして「とびひ(伝染性膿痂疹)」になることがあるため、つぶさないようにしましょう。
症状が軽い場合は自然に治るのを待てばOKですが、虫刺され用の市販薬を使用しても良いでしょう。
かゆみが強い場合は冷やす
保冷剤などで冷たいもので刺されたところを冷やすと、血管が収縮するため感覚が鈍り、かゆみを感じにくくなります。
絆創膏を貼る方法も
絆創膏にかゆみを緩和させる作用はありませんが、患部を保護する作用があるので、かゆみを我慢できないお子さんなどに有効です。
絆創膏によって患部が蒸れないように、通気性のある紙タイプを選ぶと良いでしょう。
2.水ぶくれが破れ、痛みや範囲が広がる場合は皮膚科へ
水ぶくれが破れて中の液体が出ると、液体がかかった部分に細菌がうつることがあります。
それによって痛みを伴ったり、水ぶくれが他の部分に広がったりした場合、「とびひ」の可能性があるので早めに皮膚科を受診してください。
あわせて読みたい
病院で受ける、水ぶくれの虫刺され治療について
虫刺されを予防するには?
黒っぽい服を避ける
ダニなどの虫は黒色に集まってくる性質があります。
そのため黒っぽい服を身につけたり、露出が多い服を着たりするのは避けましょう。
虫除けスプレーを使用する
夏場の外出時は虫除けスプレーを使用しましょう。
特に乳幼児は、よりアレルギー反応が出やすいので虫除け対策を怠らないことが大切です。
最近は自然由来の商品もあるので、乳幼児でも使用できます。
室内に虫が入らないようにする
屋内に蚊が入ってこないように網戸を閉める、就寝前には電気蚊取りを使用するなどすると良いでしょう。
まとめ
虫刺されによるかゆみや痛み、水ぶくれなどは、体を守るためのアレルギー反応です。
刺されたところがかゆくても掻きむしらないようにして、対処することが大切です。
水ぶくれができてしまった場合はつぶさないよう注意し、細菌感染を防ぐためにも早めに皮膚科を受診しましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
関連コラム
「虫刺されで水ぶくれが…何の虫?対処法を解説。皮膚科へ行くべき?」以外の病気に関するコラムを探したい方はこちら。
関連する病気
「虫刺されで水ぶくれが…何の虫?対処法を解説。皮膚科へ行くべき?」に関する病気の情報を探したい方はこちら。