尋常性ざ瘡とは
尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)とはいわゆるニキビのことです。
ホルモンと皮脂、細菌がお互いに作用し、毛包に炎症が起きることで発生します。ニキビと一言で言っても多くの種類の異常な増殖を特徴としているため、吹き出物、膿を含んだ皮膚表面のポツポツ、膿を含んだ深い隆起や、ときに膿瘍がみられることもあります。
尋常性ざ瘡の症状
尋常性ざ瘡(ニキビ)のほとんどは顔面にできますが、肩や背中、胸の上部にできることもよくあります。
重症度は、軽症、中等症、重症、最重症の4段階に分類しています。(日本の「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」)
たとえ軽度であっても、悩みの種になることが多くあり、特に思春期の青年や少女にとっては、外見の大問題に感じることがあります。
尋常性ざ瘡の診療科目・検査方法
尋常性ざ瘡(ニキビ)は皮膚科への受診となります。
診断は皮膚の診察結果に基づいて下されます。酒さなどのほかの皮膚の病気ではなく尋常性ざ瘡(ニキビ)であることを確認するために、膿疱や結節など特定の症状がないか調べます。診断が確定すれば、病変の数と種類に基づいて重症度を判定します。
尋常性ざ瘡の原因
尋常性ざ瘡(ニキビ)は主に思春期にできますが、男性ホルモンの分泌が増加することで皮脂腺が刺激され、皮脂の分泌量が増えることが原因です。
20代半ばまでには、通常はホルモンの分泌が低下し、尋常性ざ瘡(ニキビ)は減るか消失します。
女性の場合、月経の周期に伴ってできることもあり、妊娠中には消えたり、もしくは悪化したりすることがあります。また、特定の化粧品なども毛孔を詰まらせ、尋常性ざ瘡(ニキビ)を悪化させることがあります。
このほかにも不規則な生活習慣や睡眠不足が原因になる場合もあります。
尋常性ざ瘡の予防・治療方法・治療期間
尋常性ざ瘡(ニキビ)ができた部位を朝と夕の2回、低刺激の石けんで優しく洗います。抗菌石けんやスクラブ入り石けん、アルコール綿を使ったり、ごしごし洗ったりしても、皮膚をさらに刺激してしまう可能性があるため逆効果です。
化粧品については、油分の多いものは悪化する可能性があるため、水分量が多いさっぱりとしたテクスチャーのものを使用します。また、食事においてもバランスの良い食生活を送ることが大切です。
治療は重症度に応じて行います。軽度の場合は、皮膚に外用薬を塗ることがほとんどです。一方で、重度の場合は、ケミカルピーリングやレーザー治療を行うこともあります。
また、ニキビは治っても瘢痕(はんこん)と呼ばれる跡を残すこともあります。この瘢痕がひどい場合は、その形や深さ、位置によって治療します。
保険診療で可能な内服や外用もありますし、自費診療であればさらに瘢痕に対するレーザー治療もあります。
尋常性ざ瘡の治療経過(合併症・後遺症)
尋常性ざ瘡は、通常は20代前半から半ばまでに自然に軽くなりますが、一部の人(多くは女性)では40代までみられることがあります。
尋常性ざ瘡(ニキビ)と不衛生さ、チョコレートの食べ過ぎや、脂っこい食品・食事のほとんどの要素の間には何の関係もないと言われています。
尋常性ざ瘡になりやすい年齢や性別
尋常性ざ瘡は、通常20代半ばまでに自然に軽くなりますが、一部の人(特に女性)では40代までみられることがあります。
成人でも、ときに軽度の、尋常性ざ瘡(ニキビ)が単発でできることがあります。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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