けろいどケロイド
ケロイドとは?
ケロイドは傷を治す過程で必要になるコラーゲンや線維芽細胞(せんいがさいぼう)が通常より過剰に増えて、傷跡が盛り上がったり、傷跡が拡がる症状です。
具体的には傷の当初の範囲を超えて増殖し、隆起や硬さ、赤みが持続します。熱傷(やけど)や手術の後にできる瘢痕(はんこん)も一般的にケロイドと呼ばれ、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)といいます。肥厚性瘢痕は、時間の経過とともに隆起は落ち着き、傷の範囲を超えて大きくなることはありません。
ケロイドについては、同じような外傷でもおこらない場合もあり、なぜおこるのかは不明ですが、体質と関係しているともいわれます。
ケロイドの症状
キズアトをいくつかに分類すると、
①線状瘢痕:いわゆる切り傷のあとです。深ければ深い程目立った傷跡になりやすくなります。手術の切った後もほとんどは線状瘢痕です。
②面状瘢痕:代表的なものは、やけどのあとです。
2度真皮熱傷以上の深い熱傷でキズアトが残ります。より深い3度熱傷では皮膚移植が必要になります。
③外傷性刺青:外傷受傷時にキズに混入した油や砂がキズアトに刺青のように残るものです。
次に傷跡の目立つ程度で分類します。
(a)成熟瘢痕:殆どの瘢痕は、受傷後半年以上で、白く平らになります。
これを成熟瘢痕といいます。
(b)肥厚性瘢痕:キズアトが赤く盛り上がった状態です。
通称は瘢痕ケロイドです。実際は瘢痕とケロイドの中間の状態で、半年以上で成熟瘢痕となるのが通例です。
(c)ケロイド:キズアトや膿瘍、毛穴の炎症が赤く盛り上がった状態です。
腫瘍のように増生し半年を過ぎても治りません。痛みや掻痒感(そうようかん:かゆみ)を伴うことが多くみられます。
良くできる場所は、耳、顎、胸、肩、背中、上腕、陰毛部などがあります。
いずれも重力や伸縮運動の力が掛かる部位です。
ケロイドの診療科目・検査方法
まれに肉腫や癌の併発があるので、生検することがあります。
一度は形成外科専門医に受診するようにしましょう。
ケロイドの原因
傷害、熱傷、ニキビなどの感染、ピアスなど、さまざまなキズが原因です。
ケロイドの予防・治療方法・治療期間
程度や機能障害の有無によりさまざまです。原則として外科的治療が必要なことが多いです。
治療期間は程度や部位によってさまざまです。
ケロイドになりやすい年齢や性別
ケロイドは思春期を中心に若年期(5~30歳)に発症することが多いです。
性差はありません。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴1969年 日本医科大学入学
1975年 日本医科大学 卒業
1993年 シドニー大学王立アルフレッド病院 形成外科客員教授
1995年 日本医科大学形成外科 主任教授
2003年 日本医科大学付属病院 副院長
2017年 スクエアクリニック院長
現在に至る
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