吹き出物の原因を、あごやおでこなど場所ごとに解説!糖分やお酒に注意
ある日、急にできた『吹き出物』に気づいて落ち込んでしまった…そんな経験のある方も多いかもしれません。
吹き出物はニキビと似ており、どちらも「皮脂が毛穴に詰まって炎症を起こしている状態」です。
では、いったいどんなちがいがあるのでしょうか?
この記事では、『吹き出物』の原因やニキビとのちがいについて解説します。
吹き出物とは?ニキビとの違いは「時期」と「位置」
『吹き出物』と『ニキビ』のちがいがわかりづらい、と感じている方は多いのではないでしょうか。
1.吹き出物は20代以降、Uゾーンに最もできやすい!
吹き出物は『大人ニキビ』とよばれるように、20代以降にできるものです。
ホルモンバランスの乱れが原因で、皮脂の分泌が過剰になって発生します。
「Uゾーン」といって、あごや口の周辺に多くできるのが特徴です。この部分は皮脂が少なく、乾燥で肌が硬くなり、毛穴が詰まるためできやすいとされています。
2.ニキビは10代で、Tゾーンにできる!
ニキビは10代の成長期の ホルモンバランスの乱れが原因で、皮脂の分泌が過剰になって発生します。
これに加えて免疫力の低下が原因となることもあり、皮脂分泌の多い「Tゾーン」に発生しやすい のが特徴です。
吹き出物の原因はなに?
1.吹き出物に共通する原因
吹き出物は、基本的に「ストレス」「ホルモンバランスの乱れ」「生活の乱れ」の3つが原因です。そのため、まずはこれらを整えていくことが大切になります。
第一に、ストレスが溜まると「女性ホルモンの分泌」が少なくなり、肌が乾燥します。
すると、吹き出物だけでなく、さまざまな肌トラブルが生じやすくなるのでストレスの溜めすぎには注意が必要です。
2.部分別!吹き出物ができる原因
「あご」にできる吹き出物
あごは皮脂が少なく、本来は吹き出物ができにくい場所です。
できてしまった場合は、「油っこい物の食べ過ぎ」 が考えられます。
脂っこいものを食べ過ぎると少なからず顔や体に影響が出ます。
顎に吹き出物が出た場合は、肉や揚げ物を取りすぎていていないか今一度振り返ってみましょう。
「頬」にできる吹き出物
頬は、あごと同様に皮脂が少ない場所です。頬にできる吹き出物には、「糖分や脂肪分の摂りすぎ」「アルコールの摂りすぎ」「洗剤 」などの原因があります。
糖分・脂肪分を多く含むチョコレートなどのお菓子は、胃に負担をかけるため胃腸を弱めます。
そのため、食事でいくら肌に良い成分をとっても吸収されず、結果的に肌のターンオーバーを遅らせてしまいます。
アルコールの摂り過ぎは肝機能を低下させてしまいます 。肝機能が低下すると代謝が悪くなり、体内の老廃物を排出しにくくなるため頬に吹き出物があらわれやすくなります。
洗剤については、洗濯する時に使用したものがタオルなどに残っていると、顔を拭くときに頬に触れることが吹き出物ができることがあります。
「おでこ」にできる吹き出物
おでこはTゾーンの一部を含んでいる場所でもあり、テカテカと油が出やすい場所です。
おでこにできる吹き出物には、「シャンプーや洗顔など洗剤の洗い残し」「前髪が触れることによる刺激」などの原因があります。
シャンプーや洗顔などの洗剤の残りは、毛穴を詰まらせてしまうため、よくすすぎましょう。
また、前髪による刺激 は摩擦により吹き出物ができるのを早めてしまいます。
さらに、吹き出物を隠したくて前髪をおろしてしまうと悪化させる原因になってしまいます。
「足」にできる吹き出物の原因
足にできる吹き出物は、「衣類の蒸れや圧迫」「洗剤の洗い残し」などの原因があります。
男性ホルモンが過剰に分泌されると、洋服やズボンなどの衣類が蒸れやすく、不潔な状態になって吹き出物ができやすくなります。
また、足だけに限りませんが、体を洗ったときに洗剤がじゅうぶんに洗い落とせていないことがあります。
足のムダ毛処理によって細かい傷ができて雑菌が入ったり、カミソリなどの道具が肌への刺激になって炎症を起こします。
要注意!吹き出物ができやすい食べ物
1.『糖分』
あまーいお菓子は血糖値をあげる
ケーキやチョコレートなど、砂糖をたっぷり使ったお菓子を食べすぎると、体内で『糖化』が進みます。糖化とは、血液中の糖分(血糖)が多い状態のことです。
血糖値が高くなると血管も肌も硬くなる!
血糖値が高いと、余分な糖を下げるために「インスリン」が分泌されます。しかし、それが続くとインスリンの機能が低下し、血管が硬くなります。
また、インスリンは皮脂の分泌を活発にするため、肌も硬くなります。それが吹き出物の原因です。
健康な肌に欠かせない「ビタミンB1」が減ってしまう!?
血糖値が高い場合、「ビタミンB1」が糖の代謝を促進して、健康な肌をつくるために作用します。
しかし、ビタミンB1を使いすぎると、肌の老化が進んで吹き出物が治りにくい状態になってしまいます。
2.『アルコール』
アルコールが多ければ多いほど肌に負担!
アルコールにも糖質が含まれているため、同じように代謝に負担がかかります。そのため、肌のターンオーバーがうまくできず、肌の状態を悪くします。
また、アルコールは「肝機能」に影響します。少々は問題なく分解できますが、量が多ければ多いほど肌に影響が出やすく、吹き出物の原因となります。
アルコールを摂取したあとも、きちんとメイク落としを
お酒を飲んで、メイクを落とさずそのまま寝てしまったことがある人も多いのではないでしょうか。
そうすると、汚れた皮脂が毛穴を塞いでしまい、吹き出物の原因になってしまいます。
3.油っこい食事
油っこい食事やサラダ油、マーガリンなどの動物性脂質 などを取り過ぎると中性脂肪が高くなります。
すると、毛穴から皮脂が出る量が増え、吹き出物ができやすくなります。
4.刺激の強いものや辛いもの
唐辛子などの刺激の強い食品を食べ過ぎると、消化吸収に負担をかけます。そのため、胃腸が弱ってしまい肌にも影響を与えます。
しかし、キムチなど「乳酸菌」を含むものは腸内環境を整えてくれるため、食べすぎなければ大丈夫です。
吹き出物の対処法と治療
1.自分でできる対処法
原因を排除することと、スキンケアの徹底が大切です。
糖分、油っこい食事、刺激物のとりすぎに注意
「これをこのくらい食べると必ず吹き出物ができる」わかっている方もいるでしょう。自分の身体と相談しながら、適量を見つけていくことが大切です。
アルコールにも糖分が含まれているため、飲みすぎないようにしましょう。
腸内環境を整えて、美肌づくりのベースをつくる
吹き出物など肌荒れの原因のひとつに「腸内環境の乱れ」があります。
腸内は免疫を司るホルモンを分泌している場所でもあるので、腸内環境を整えることは美肌への近道になります。
「食物繊維」「水分」をしっかり摂り、「発酵食品」や腸内細菌の餌となる「オリゴ糖」もプラスして、腸内環境をよくしましょう。
顔や体を洗うときのコツ
吹き出物を早く治したい場合はあまり触れないことがきれいになる近道です。
顔や体を洗うときは、まず石けんをしっかり泡立てます。泡立ったら、泡を肌にのせるようなイメージで、こすらないようにやさしく洗います。
保湿はたっぷりとおこない、その際もやさしく肌にのせましょう。肌にあたる刺激や摩擦も悪化する原因です。
2.皮膚科での治療法。治りにくければ医師に相談を
「吹き出物くらいで、皮膚科に行っても大丈夫なの?」と思う方もいるでしょうが、心配する必要はありません。
吹き出物が治りにくい場合や悪化して炎症がひどい場合は、早めに『皮膚科』を受診することをおすすめします。
治療をおこなうことで、跡も残らず、きれいな肌を取り戻せる可能性が高くなります。
しかし、生活習慣やストレスなどが改善されなければ、またできてしまうことがあります。
なかなか治らない場合やひどい場合は継続的に治療をおこないましょう。
まとめ
吹き出物は、皮脂の毛穴詰まってできるものです。
まずは、吹き出物のできる場所によって原因を知り、生活習慣を変えていくことで快方に向かうことも多いです。
皮膚科での治療を取り入れながら吹き出物の原因を排除して、きれいな肌を手にいれましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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