思春期ニキビ、あきらめないで!食べ物や洗顔、皮膚科治療で改善しよう
鏡を見たときに、顔に赤ニキビがポツポツできていたら…とてもショックな気持ちになりますよね。
思春期になると、ホルモンバランスの乱れが起こります。そのため、『思春期ニキビ』ができてしまう人は多いでしょう。思春期だから仕方ないと思っているかもしれませんが、そんなことはありません。
この記事では、『思春期ニキビ』の対処法を中心に、あなたの大切な肌を守る生活習慣について解説していきます。
思春期のニキビについて
1.思春期にニキビができる理由
思春期のニキビは『ホルモンの乱れ』が原因
思春期にニキビができるのは、第二次性徴期によるホルモンの乱れが原因です。
第二次性徴期は、男子でおよそ9~16歳、女子でおよそ10~15歳とされています。
思春期の頃によくできるニキビは、成長ホルモンが過剰に分泌されていることが原因だといわれています。この時期は成長ホルモンが急激に増えることがあり、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
『Tゾーン』にニキビができやすい理由
おでこや鼻などの『Tゾーン』は、皮脂腺が多いためニキビができやすいとされています。
皮脂腺の多い場所にニキビができやすいのは、成長ホルモンが増えると皮脂の分泌量も増えるためです。
ニキビのもとは角栓に増殖する『アクネ菌』
毛穴の表面に、古い角質と皮脂が混ざり合った固形状の皮脂ができると、毛穴がふさがってしまいます。
この固形状の皮脂を『角栓』といいます。皮脂は『アクネ菌』の好物であるため、角栓があればあるほどアクネ菌が増殖してニキビができてしまいます。
ニキビができやすい人は肌のターンオーバーに問題が!
角栓はもともと詰まりやすいものです。しかし、肌が正常に生まれ変わっていれば、角栓はそのうち毛穴の外に押し出されます。そのため、ニキビができやすい人は、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)が乱れていると考えられます。
2.生活習慣によるホルモンの乱れに注意
思春期ニキビの原因である、ホルモンの乱れには生活習慣や環境も大きく関係しています。
『ストレス』と『睡眠不足』
思春期は、人間関係の悩みや受験勉強などストレスを抱えやすく、睡眠不足にもなりやすい時期です。
好きなものばかり食べていませんか?
思春期は、成長期ということもありお腹が減ることも多くなります。コンビニの揚げ物や菓子パンを食べたくなる気持ちもわかりますが、栄養バランスの偏った食生活を続けていると、ますますニキビが治りにくくなります。
紫外線もニキビのもと!
部活や授業など外で運動する際に、紫外線を浴びすぎてしまうことも原因の一つと考えられます。
3.思春期ニキビの種類と特徴
思春期ニキビとは、20歳前後までにTゾーンにできるニキビのことで、以下の4種類があります。
炎症のない白ニキビ
ニキビの初期段階にできるもので、皮脂が毛穴詰まりを起こした状態
炎症のない黒ニキビ
白ニキビの毛穴に詰まった皮脂が酸化した状態
炎症のある赤ニキビ
白ニキビが赤く炎症を起こした状態
炎症のある膿ニキビ
赤ニキビが更に炎症を起こし膿(うみ)がたまった状態
思春期ニキビへの対処法
1.睡眠の質をUPさせる
肌は睡眠中に生まれ変わる!
肌のターンオーバー(修復と再生)をおこなう成長ホルモンは睡眠中に分泌されるため、就寝する時間を決めて睡眠時間を整えることが大切です。また、睡眠時間以上に、眠りの質を良くすることが肌のターンオーバーを活発させます。
睡眠の質を良くすることが大切
睡眠の質をよくするためには、寝る前はシャワーではなく、ゆっくりと湯船につかりましょう。
就寝1時間前にはスマートフォンやパソコンなどのブルーライトを避け、リラックスすることも大切です。
部屋の明かりを間接照明にするなど睡眠モードに変えて、アロマを焚いたり軽くストレッチをしたりすると寝つきがよくなります。
2.思春期ニキビに効く食べ物は?
ニキビは食生活で改善することができます。どれか一つに偏らず、どの食材もバランスよく摂れるようにするのが理想的です。
まずは良質な『タンパク質』を!
『タンパク質』は、肌のターンオーバー(修復と再生)をうながします。摂りすぎると逆効果にもなるため、適量を心がけましょう。肉・魚・卵・大豆製品に多く含まれています。
ビタミンは肌にとって重要な栄養素
『ビタミンA(β-カロテン)』…皮膚を強くし、細胞の老化を抑制する
にんじん、ホウレンソウ、カボチャ、しその葉、ウナギ、レバーなど
『ビタミンB』…エネルギーを代謝して細胞再生をし、丈夫な皮膚をつくる
卵、乳製品、レバー、ウナギ、藻類など
『ビタミンC』…コラーゲンの生成を助け、皮膚や血管の老化を防ぐ
緑黄色野菜、果物、いも類など
『ビタミンE』…体の酸化を抑え血行をよくし、美肌をつくる
レバー、ウナギ、かつお、緑黄色野菜など
ウナギには、肌に必要な栄養素がいっぱい!
ウナギは栄養価が高く、含まれる栄養素の種類も多いのでニキビに効果的です。シンプルなうなぎの蒲焼きなどがおすすめです。
3.ニキビにやさしい洗顔法を解説!
ニキビは炎症が起きている状態です。そのため、あまり刺激しないようにやさしく洗うことが大切です。洗顔するときは、以下の順でおこなうとよいでしょう。
1.蒸しタオルで毛穴を開いてから洗顔
顔に当てて、「気持ちいいな」と感じる温度の蒸しタオルをつくり、1分程度顔にあてます。
すると、毛穴が開き、汚れが浮きやすくなります。蒸しタオルでのやけどに注意しましょう。
2.洗顔はしっかり泡立てた石けんでやさしく洗う
肌になるべく刺激を与えないために、顔に泡を乗せるようなイメージでやさしく洗います。
ゴシゴシと力を入れないように気をつけましょう。
3.Tゾーンから洗う
毛穴が密集していると、そのぶん皮脂も出やすくなります。そこで、毛穴の多いTゾーンから洗います。
ただし、洗いすぎて必要な皮脂まで落としてしまうと、逆効果になります。落としすぎない程度に、1分ほど洗い流しましょう。
4.皮膚科で受けるニキビ治療について
思春期ニキビは皮膚科で診察してもらえます。診察後は、細菌類を殺傷する力がある『抗生物質』などを処方されます。しかし、それだけで劇的にニキビが治るわけではありません。
薬を飲んでいる間はアクネ菌の活動を抑えられまが、薬をやめるとアクネ菌はまた復活します。そのため、生活習慣を見直し、適切な洗顔をすることが大切なのです。
跡を残さずにニキビを治すための注意点
1.きれいに治すには、ニキビを触らないこと
思春期ニキビの跡を残さないようにするには、ニキビを刺激しないことがいちばんです。
ニキビを触ることで、自然に治癒する力を邪魔してしまったり、炎症しているところに刺激を与えて悪化してしまったりすることもあります。また、治りが遅くなり跡が残りやすくなってしまいます。
やさしく洗顔するのはもちろん、ニキビの周辺を触ったりこすったりしないようにしましょう。
2.紫外線対策をして、ニキビ痕の予防を
紫外線によって、ニキビ痕ができてしまことも
ニキビの跡を残さないためにも、紫外線対策はしっかりしておきましょう。
紫外線は年中降り注いでいるため、曇っていても油断は禁物です。
とくに、5~7月の日中は、紫外線が強い
紫外線が最も強い時期は5~7月で、時間帯は10時~14時です。
授業や部活で外に出るときは、こまめに日焼け止めを塗り直すことが大切です。肌が焼けてしまった場合は冷やしてクールダウンさせましょう。
まとめ
鏡を見たときにポツポツとニキビができていたら、触ったりつぶしたりしたくなりますよね。しかし、ニキビ痕を残さず早くきれいに治すためには、気にしないことがいちばんの近道です。
『思春期ニキビ』は、皮脂分泌が増えて、ホルモンバランスが乱れることが大きな原因です。
まずは、睡眠や食生活に気をつけ、ホルモンバランスの整った生活習慣を心がけましょう。
執筆・監修ドクター
経歴北里大学医学部卒業
横浜市立大学臨床研修医を経て、横浜市立大学形成外科入局
横浜市立大学病院 形成外科、藤沢湘南台病院 形成外科
横浜市立大学附属市民総合医療センター 形成外科
を経て横浜栄共済病院 形成外科
2014年 KO CLINICに勤務
2021年 ルサンククリニック銀座院 院長 就任
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