ふらつきは病気の兆候?めまいとは違う?その原因と解消方法を解説
【医師監修】
ふらつきはストレスや生活習慣からくる場合と、病気の兆候として現れる場合があります。
ほっといて手遅れにならないためにも、ふらつきの原因として考えられる症状や対処法を理解しておきましょう。
ふらつきの症状には、様々な原因が隠されています。
立ち上がった瞬間にクラっとする、足元がおぼつかなくなる、身体がふわっとなってよろける、平衡感覚を失うといった症状にあてはまる場合、一般的にはこれをふらつきと呼びます。
ふらつきがあると「何かの病気の兆候なのでは…」と不安になる方も多いですよね。
こちらの記事ではふらつきの原因と解消方法について詳しく説明します。
ふらつきの原因について
1.ふらつきの原因は、自律神経の不調!?
ふらつきは、自律神経の不調が原因で引き起こされる場合が多いです。
自律神経とは循環器や消化器などの活動を調整するための神経で、活動を促進する『交感神経』と活動を抑制する『副交感神経』の二種類からなります。
この2つは体内で対象的な役割を果たしており、これらのバランスが崩れると急に立ち上がった時に血圧の変化に耐えられず、ふらつきが起こります。
自律神経の乱れはストレスからくる!
自律神経が乱れる要因としては、身体的な理由と精神的な理由の両方が考えられます。
長時間労働、運動不足や睡眠不足、対人関係における悩み、仕事のストレスなどが関係している場合が多いでしょう。
日々の行動が自律神経を乱している場合も…
また、日々の栄養バランスが偏ってしまうと身体にエネルギーが足りなくなり、ふらつきを引き起こす場合があります。
アルコールのとりすぎや乗り物酔いといった日常的な行動も、ふらつきを引き起こす原因となります。
ふらつきとめまいは似て非なるもの
ちなみにふらつきはめまいと似たような症状がみられるため混同されがちですが、決定的に違うことがあります。
めまいは体勢にかかわらず起こるものに対し、ふらつきは“立っている時”に症状が認められます。
2.病気が原因のふらつきについて
日常的な行動が原因でふらつきが起こる場合、その原因を取り除けば症状はおさまります。
しかし日々の行動が原因ではない場合、ふらつきの裏には病気が潜んでいる可能性が高いです。たとえば、脳梗塞や脳出血です。
脳梗塞が原因で起こるふらつきの症状
脳梗塞とは脳の一部の組織が破壊されてしまう病気で、全身麻痺や意識障害、言語障害などの症状を伴います。
脳の血管が狭くなっているところに血液の塊(血栓をはじめとする塞栓子など)が詰まり、血流が止まってしまうことで発症します。
ふらつきはその前触れと言われており、舌がもつれて話しづらいといった症状が合わせてみられた場合には、脳梗塞を疑う必要があります。
脳出血が原因で起こるふらつきの症状
脳出血は、主に高血圧が原因となり脳内に出血をきたす病気です。兆候のひとつとして、ふらつきによりまっすぐ歩けなくなるといった症状が現れます。
早く処置を行わないと後遺症が残る恐れがあり、重度の場合は数分で死に至る可能性もあります。脳出血が考えられる場合には一刻も早く病院へ行ってください。
その他にもふらつきの原因となる病気がある!
他にもふらつきを引き起こす可能性がある病気として、次のものが挙げられます。
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自分でできる!ふらつきの対処法や予防法
1.ふらつきが起こったらどうするべき?
ふらつきが起こっても慌てずに対処しましょう。
まずは落ち着ける場所でリラックス!
軽いふらつきの場合でも、ゆっくり休める場所があれば少しの間休息をとってください。
転倒しないように注意し、なるべく楽な体勢で休むことが大切です。横になれる場所があれば身体を預け、リラックスしましょう。
市販薬で改善を試みるのも有効
ふらつきが続いたり定期的に症状が現れたりする場合は、市販の薬を使って改善を試みるのも良いでしょう。
原因に該当しそうな薬を選び、しばらく服用して様子をみてください。
万が一身体に異常が現れたり、一定期間以上服用しても作用がみられなかったりしたら、病院へ行くようにしてください。
2.ふらつきの予防方法
多忙や精神的なストレス、アルコールのとりすぎなど日々の行動が原因でふらつきが起こる場合、普段の生活を見直すだけで症状が軽減される可能性が高いです。
病気の可能性が低い場合は、生活習慣を疑いましょう。また、リラックスできる時間を持つことも重要です。
毎日は難しくても、湯船に浸かる時間をつくったり、栄養バランスを考えた食事をしたりすることは大切です。
できる範囲で軽い運動を行うことも、ふらつきの対処法として有効です。
ふらつきによる病院の受診について。何科?
1.病院へ行くべき症状
ひどいめまいやふらつきに合わせて以下のような症状がみられる場合、脳梗塞や脳出血の可能性が疑われます。
・意識障害
・呼吸困難
・頭痛
・身体の片側における運動障害
・言語障害
他にも、ふらつきが1日に何度も起きる場合、定期的または長期的な症状に悩まされている場合にも病気が隠れている可能性があります。
様子がおかしいと思ったら、すぐに病院を受診してください。どんな時にふらついたかなどをまとめておくと、診察の判断材料になります。
2.ふらつきが起こったら、まずは近くの内科へ
何が原因でふらつきが起こっているのか、具体的には検査してみないとわかりません。まずは近くの内科でみてもらうと良いでしょう。
問診を受けて症状を説明し、必要に応じて専門の病院を紹介してもらいます。
まとめ
ふらつきやめまいはよくあることだと軽く考える人が多いですが、実はそこに病気が潜んでいる可能性もあります。
耐えられないほどの強いふらつきは、重篤な病気のサインかもしれません。
異変を感じたら、迷わず病院へ行くようにしましょう。
執筆・監修ドクター
経歴1996年 埼玉医科大学卒業
1997年 埼玉医科大学第一外科入(一般外科、呼吸器外科、心臓血管外科)終了
1999年 戸田中央総合病院心臓血管外科医として就職
2000年 埼玉医科大学心臓血管外科就職
2006年-2012年3月 公立昭和病院心臓血管外科就職
2012年4月 岡村医院、医師として勤務
2012年7月 岡村クリニック開院
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