めにえーるびょうメニエール病
メニエール病とは?
耳の中の器官、内耳(ないじ)に異常が生じる病気です。内リンパ水腫ともよばれます。患者さんからは、めまいがする・体がくらくらする・耳が詰まった感じがするといった訴えが典型的です。
メニエール病は何度も繰り返されるのが特徴で、梅雨など天気の悪い日に症状が悪化しやすい点も挙げられます。
- 目次
メニエール病の症状・チェックリスト
めまいや難聴が主な症状となります。めまいの程度は強く、立っていられず嘔吐を伴うケースもあります。まためまいの持続時間は数時間に及ぶことも多いです。
めまいとともに、耳の聞こえにも異常が出ます。一般的には難聴といわれている症状ですが、高層ビルのエレベーターに乗ったときのような耳が詰まった感じや、耳鳴りを感じることもあります。症状を繰り返すたびに悪化する傾向があるため、異常を感じたら速やかに医療機関にかかりましょう。
チェックリスト
以下の項目に当てはまったらメニエール病の可能性があります。できるだけ早く受診しましょう。
□立っていられないほどのめまいがある
□耳が聞こえにくくなった
□耳が詰まったような感じがする
□耳鳴りがある
□めまいを繰り返す
□天気(気圧の変化)によりめまいが悪くなる
※このチェックシートは、医師の診察に代わるものではありません。セルフチェックの結果が問題なさそうな場合でも、少しでも不安を感じたり気になることがあれば、必ず医療機関にご相談ください。
メニエール病の診療科目・検査方法
主な診療科は耳鼻いんこう科です。
症状を放置すると難聴が不可逆的に改善しない可能性があるため、体に異常を感じたら速やかに医療機関を受診する必要があります。
問診や聴力検査、必要に応じてグリセオールテストやMRI検査を行い、診断します。
検査の主な目的としては、内耳の異常を確認するために行われるものですが、最終的には他の検査結果と合わせて総合的に判断します。
聴力については、低い音域が聞こえにくくなるケースが多く、症状が悪化するにつれ、中音域も聞き取りにくくなっていきます。
メニエール病の原因
根本的な原因ははっきりしていませんが、ストレスが発症に関与しているといわれています。
メニエール病の原因となる内耳は、リンパ液で満たされています。内耳の働きは、音を感じる(聞く)働きと体の平衡感覚(バランス)をつかさどる働きです。
メニエール病は内耳に水が過剰にたまることで、内耳本来の機能が低下するため、めまいや難聴、めまいに付随して吐き気などの症状が出現します。
メニエール病の予防・治療方法・治療期間
一般的な治療には薬物療法を行います。
めまいや吐き気などの症状を抑えるための薬、また内耳にたまっている水を体外に排泄させるための利尿剤、症状の度合いによってはステロイド剤が処方されるケースもあります。
ストレスや不規則な生活が一因とも考えられているので、生活スタイルを見直すことも大切です。
このような治療を行っても改善がみられないような難治性の場合は、手術を検討します。
メニエール病の症状については個人差が大きいため、発作と発作の間の期間も数日のから何年もかかるものまで様々です。
メニエール病の治療経過(合併症・後遺症)
メニエール病は発作期と非発作期に分けられます。
基本的には完治することが難しい病気で、できるだけ発作期を短くして、非発作期を長くしていくこと、また発作期に生じた難聴が固定しないようにすることが目標になります。
内耳に水がたまることで耳鳴りやめまいなどの障害が起きていることから、血液の循環をよくすることで改善されるとも考えられています。
そのため、人によっては、生活習慣を整えたり有酸素運動を行ったりすることで治療効果が上がるケースもあります。医師とよく相談して、ご自身に合った治療法を検討しましょう。
メニエール病になりやすい年齢や性別
厚生労働省が発表している平成26年患者調査(傷病分類編)によると、メニエール病の総患者数は68,000人となっています。どちらかというと男性よりも女性の方が発症しやすく、年齢層は30代~50代、逆に年配の方が発症するケースは少ないです。
執筆・監修ドクター
経歴2009年に日本大学医学部を卒業。初期研修課程終了後、東京医科歯科大学耳鼻咽喉科へ入局。東京医科歯科大学付属病院や土浦協同病院などの市中病院で研鑽を積み、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学。
2016年7月より医療法人社団則由会AGAヘアクリニックを院長として開院すると同時に水島耳鼻咽喉科副院長に就任。
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