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日焼け

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

日焼けにはどうしてなるの?

「日焼け」は日光を浴びて皮膚が赤くなったり褐色になったりする症状で、「日光皮膚炎」の1つです。
「日光皮膚炎」には、「日焼け」の他に日光に当たることで皮膚炎を誘発する「光線過敏症」があります。
いずれも太陽にさらされた皮膚が紫外線(UV)の刺激を受けることで起こります。

日焼けにはどうしてなるの?

太陽光線に含まれる紫外線は、その波長によって紫外線A波(UVA)、B波(UVB)、C波(UVC)に分けられますが、その中で地上に届く紫外線A波とB波が主に「日光皮膚炎」の原因です。

紫外線の種類

紫外線の種類特徴肌に与える影響
紫外線A波
(UVA/長波長紫外線)
地表に届く紫外線の約90%を占めます。ガラスを通過する性質があります。皮膚の深い部分まで到達し、肌を赤くする作用は少なく、肌を黒くする作用をもたらします。皮膚の真皮に届くため、弾力やハリを保つための膠原線維(コラーゲン)や弾力腺維(エラスチン)を変性させ、皮膚の老化を早めます。
紫外線B波
(UVB/中波長紫外線)
紫外線Aよりも強力な刺激を肌に与えます。皮膚の比較的浅いところまでしか届きませんが、赤くヒリヒリと炎症を起こす原因となります。皮膚細胞の遺伝子DNAに傷をつけ、シミやしわを作ったり、大量に浴びることで皮膚ガンを発生させたりすることもあります。
紫外線C波
(UVC/短波長紫外線)
波長の短い光線で、オゾン層によって吸収されるため地表に届くことはほとんどありません。仮に皮膚に当たった場合、紫外線A波、B波によりもはるかに皮膚ガンをもたらす光線とされています。今後、環境問題となっているオゾン層の破壊が進行すれば、紫外線C波の影響も心配されます。

紫外線B波に要注意

日光が体にもたらす悪影響のほとんどは紫外線B波によるものです。紫外線B波は、日焼けによる炎症、皮膚の早期老化、しわ、シミ、皮膚がんなどの原因とされています。
日本の夏は、冬の約5倍近い紫外線B波が地表に降り注ぎます。紫外線量は時間帯では午前10時から午後2時ごろまでが最も多く、正午前後がピークとなります。
太陽からの直射に加えて、地表からの反射(※)も十分に注意が必要です。

※地表からの紫外線反射に注意が必要な場所:海やプール、スキー場のゲレンデ、コンクリートで鋪装された道路など

サンバーンとサンタン

日焼けをして皮膚が赤くなった後、4~5日経つと赤かった皮膚が褐色に変わっていきます。
皮膚が赤くなる日焼け直後の状態をサンバーン(sunburn)、褐色の色素沈着が起こる反応をサンタン(suntan)といいます。
サンタンは皮膚の色素細胞(メラノサイト)が紫外線に刺激されてメラニン色素を作ることによって起こります。

メラニン色素は、紫外線を吸収することで、その攻撃から皮膚を守り、DNAに傷がつかないようにしています。
紫外線に対してサンバーンを起こしやすいのは、色素細胞が少ない白い肌の人です。
自分の肌が紫外線に対して、どのような感受性をもっているかを知って、日常生活で適切な紫外線対策をすることが大切です。

日焼けってどんな症状?

日焼けは日光によるやけどです。主に紫外線B波(UVB)が関係しています。紫外線に当たったところの皮膚が赤くなって痛み、ひどい場合は皮膚が腫れて水ぶくれができることもあります。日焼けをして数時間たったころから症状が現れ、24時間後に最も強くなります。
日焼けがひどい場合には、発熱、悪寒、脱力などの症状が起こることもあります。熱射病を合併することもあり、その場合には入院して治療が必要になります。

光線過敏症の症状は?

光線過敏症には、薬剤などが要因となる外因性と遺伝疾患や代謝疾患などによる内因性の2つがあります。
主に紫外線A波(UVA)が関係しています。

外因性(主なもの)

光線過敏型薬疹:個人差により、薬を飲んでいると普通に生活しているだけで、日光が当たるところに発疹ができることがあります。
降圧薬(血圧を下げる薬)、抗菌薬(化膿止めの薬)、消炎鎮痛薬(痛み止め・熱さましの薬)などで起こります。

内因性(主なもの)

多形日光疹(たけいにっこうしん):女性や日光に当たる機会があまりない人に多くみられます。
症状としては、日光に当たった腕や手の甲などに複数の発疹が生じます。食べ物や薬剤などの中に紫外線を過敏にする物質(光感作物質)が含まれていて、それらを摂取した場合に少量の紫外線にも反応して炎症を起こします。

慢性光線性皮膚炎

中年以上の男性に多く、日光が当たったところに激しいかゆみを伴う慢性的な発疹で、日光が当たらない状態になると数時間で消えます。皮膚の広範囲にできると、頭痛、体力減退、吐き気などを伴う場合もあります。

他には、全身性エリトマトーデス(膠原病)が原因となって、日光に当たった皮膚が損傷を受ける光線過敏症などがあります。

検査方法は?

紫外線の影響を受けた場合、光線過敏症かどうかを調べるため、紫外線を皮膚の一部に当てて反応を観察する光線検査を行うことがあります。

この検査では、どの程度の光量や波長で紅斑(光の当たったところだけ生じる赤み)が出現するか、光線を当てることで実際に皮膚にできた発疹と同様の発疹ができるかなどを観察して判定します。

日焼けの診断

日焼けは、日光に長く当たったという経過、境界がはっきりした炎症、露出した部分の赤み、もしくは水ぶくれという症状から容易に診断ができます。
皮膚が露出した部分だけに発疹ができた場合は光線過敏症を疑います。

日焼けの治療方法は?

日焼けをした皮膚は早めの治療が大事です。熱を帯びてヒリヒリした患部に冷たい水を含ませたタオルなどをあてがいます。
治療薬は皮膚の痛みや炎症に応じて、非ステロイド性消炎鎮痛薬や副腎皮質ステロイド薬を使います。
日焼けが広範囲に及んでいたり、痛みが強すぎたり軟膏を塗ることができない時は、スプレータイプの薬を使う場合もあります。

日焼けした皮膚は数日のうちに自然に治りはじめますが、完全に元の状態に戻るには数週間かかります。
炎症が治まった後も、皮膚は乾燥した状態になっているので、化粧水や乳液などで水分と油分を補うことが必要です。

日焼けの治療薬

  • ・非ステロイド性消炎鎮痛薬
    ・シクロオキナーゼ活性阻害
    ・OTC薬外用薬(インドメタシン・ケトプロフェンなど)
    ・副腎皮質ステロイド薬
    ・酸化亜鉛
    ・グリチルリチン酸
    ・グリチルレリン酸

光線過敏症の治療方法は?

光線過敏症の治療薬としては、軽症の場合は抗アレルギー薬、重症の場合は副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制薬を使います。
外出時には、直射日光を避け、肌に合ったサンスクリーン剤(日焼け止め)を使用することが大切です。
サンスクリーン剤は、紫外線を吸収する「紫外線吸収剤」と紫外線を反射させる「紫外線散乱剤」を主成分として構成されています。

紫外線吸収剤

紫外線を吸収して熱エネルギーに変えることで、紫外線が皮膚の中に入るのをくい止める作用があります。
パラアミノ安息香酸誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体など

紫外線散乱剤

物理的に紫外線をはね返す作用があります。
酸化チタン、酸化亜鉛など、肌が荒れたりかぶれたりすることもあるので、肌の丈夫でない人や毎日使用する場合には注意が必要です。

サンスクリーン剤の防御効果は?

サンスクリーン剤は日光をどの程度防げるかを示すSPF(Sun Protection Factor)値とPA(Protection grade of UVA)値という数値によって分けられています。
「SPF値」はサンスクリーン剤を塗っていない素肌と比べて、日焼けするまでの時間を何倍に延ばすことが出来るかという目安の値です。(例/SPF10は、日焼けするまでの時間を10倍に延ばせる)「SPF値」が大きいほど、紫外線B波の防御効果が高くなります。
一方の「PA値」は、+、++、+++の三段階に分かれており、紫外線A波を防御効果の高さで表しています。

SPF値PA値
0~12 … UVB防止効果がある
13~29 … UVB防止効果が高い
30以上 … UVB防止効果が非常に高い
※注意 SPF値が高いと、肌がかぶれたりアレルギー反応を起こしたりする場合があります。
PA+ … UVA防止効果がある
PA++ … UVA防止効果が高い
PA+++ … UVA防止効果が非常に高い
※注意 PA値が高いと、肌が乾燥しやすくなります。

日常の紫外線対策は?

一見健康的にみえる日焼けは、実際には健康上のメリットはまったくありません。
外で活動する場合、皮膚が赤くなる兆候が現れたら、できるだけすぐに日陰に移動してください。

強い直射日光に当たらないようにするために、日傘を使う、サングラスをかける、つばの広い帽子をかぶる、長そでを着る、建物や車の窓ガラスにUVカットフィルムを貼るなどして紫外線対策を心掛けましょう。

食生活にも注意をはらい、普段からビタミンCやEを摂るなどして紫外線に負けない体づくりをすることも大切です。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

生活習慣病とうつ

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

生活習慣病とは?

食べ過ぎや運動不足など、生活習慣の乱れによって引き起こされる病気をまとめて生活習慣病といいます。
日本では人口の約半分が何らかの生活習慣病にかかっているとの説もあり、最近では中高年だけではなく、若年層での発症も多くみられます。

特に、糖尿病や高血圧、高脂血症などは継続した治療が必要であり、また病気による合併症が怖い病気だといわれているため、患者さんは不安などのストレスを感じやすくなっています。時には不摂生な生活習慣を送っていた自分に対し、自己嫌悪に陥ってしまうこともあります。

さらに、自己嫌悪によって抑うつ状態にまで状態が進行してしまうと、治療への意欲が減退して症状の悪化や合併症を引き起こす危険性もあります。
そのため、強い不安を感じてしまい生活習慣病の治療が思うように進まない、といったことで悩んでいる場合は、早めに担当医に相談しましょう。

生活習慣病とは?

長期の治療が必要な糖尿病や高血圧の症状・原因とは?

生活習慣病の中でも糖尿病や高血圧の患者さんは、長期にわたって治療を続ける必要があり、食事制限など日常生活での制約が多いため、こころの不調を感じやすい傾向にあります。

また、糖尿病と高血圧の概要については、下記のようなものがあります。

糖尿病とは?

糖尿病は「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」「その他の糖尿病」の大きく4つに分かれます。
このうち最も高頻度で、生活習慣が発症に大きく関与しているのは「2型糖尿病」で、糖尿病患者さんの約90%を占めています。

■糖尿病(2型糖尿病)

症状口渇(こうかつ)、多飲、多尿、倦怠感、体重減少など
原因インスリン(※1)が不足したり働きが鈍くなったりして、ブドウ糖がうまく体内に行きわたらなくなり、血糖値(※2)が上昇して発症する。高脂肪食中心の食生活や運動不足などによる肥満が誘因となる。加齢やストレス、遺伝的体質などが関係しているとの説もある
検査と診断空腹時血糖値、随時血糖値、ブドウ糖負荷試験(※3)を行う
治療法食事療法と運動療法が基本となる。血糖コントロールが不十分な場合は、経口血糖降下薬(スルホニル尿素薬、速攻型インスリン分泌促進薬、αグルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン誘導体)を使用する

※1 インスリン:血液中のブドウ糖の濃度を下げる働きをもつ体内物質
※2 血糖値:血液中のブドウ糖の濃度
※3 ブドウ糖負荷試験:一定量のブドウ糖を溶かした液体を飲み、飲む直前と飲んでから1時間後、2時間後の計3回採血して血糖値の推移を調べる。飲む直前と2時間後の血糖値を診断基準として用いる。

■高血圧とは?

高血圧には、発症の原因が特定できない「本態性高血圧」と、内分泌疾患や腎臓病などの病気に付随して発症する「二次性高血圧」の大きく2つに分かれます。
このうち「本態性高血圧」は、高血圧患者さんの約90%を占めており、ストレスや生活習慣に深い関係があるといわれています。

高血圧(本態性高血圧)

症状頭痛やめまい、動悸などが挙げられるが、それらは高血圧の誘因でもあるとの説もある
原因原因は特定できない。高脂肪食中心の食生活や運動不足などによる肥満、およびストレスなどが誘因となる
検査と診断血圧を数回測定する。測定値が収縮期血圧(※1)140㎜Hgまたは拡張期血圧(※2)90㎜Hg以上の場合、高血圧と診断される
治療法食事療法と運動療法が基本となる。血圧のコントロールが不十分な場合は、降圧薬(カルシウム拮抗薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、利尿薬、β遮断薬、α遮断薬 など)を使用する

※1 収縮期血圧:心臓が収縮して血液を押し出したときの血圧で、血管に最も圧力がかかっている状態
※2 拡張期血圧:心臓が収縮したあと拡がるときの血圧で、血管にかかる圧力が最も低い状態

糖尿病とこころの不調

糖尿病は、食事療法や運動療法などの自己管理を必要とする病気です。適切な自己管理が行えず、罪悪感に悩まされている患者さんも少なくありません。また、放っておくと眼や腎臓、神経などの合併症につながる恐れもあり、患者さんは不安を抱えやすい病気と言えます。

不安や罪悪感などのストレスが高まると、体内でアドレナリン(※1)やコルチゾール(※2)などが分泌され、インスリンの働きが妨げられるため、血糖値の上昇につながります。

さらに、抑うつ状態を伴うと外出が困難になって運動不足になったり、治療への意欲を失って服薬を止めたりするケースも見られます。
その結果、糖尿病の治療に悪影響を及ぼしてしまいます。また、食欲が低下して低血糖(※3)を引き起こす恐れもあるため、早めに対処する必要があります。
抑うつ状態の有無は、質問票や問診票を用いて診断される場合もあります。

※1 アドレナリン:ストレスを感じると分泌される生体内情報物質。血中に放出されると血圧や血糖値を上昇させる
※2 コルチゾール:糖の代謝に影響し、血糖値を上げる作用をもつ生体内情報物質。ストレスを感じると分泌される
※3 低血糖:血糖値が必要以上に下がった状態。頭痛、吐き気、動悸などの症状がみられる。重症になると意識を失う場合もある

高血圧とこころの不調

高血圧は、日常生活におけるあらゆるストレスと深いかかわりのある病気です。高血圧を長期間放置することで動脈硬化のリスクが高まり、脳卒中や心疾患を合併する可能性もあるため、患者さんが強い不安を感じることも多くなります。

また、不安などのストレスを感じることで脳の交感神経の働きが活発になり、心拍数を上昇させたり血管を収縮させたりするため、血圧が上昇する傾向にあります。

さらに、抑うつ状態になると血圧がより不安定になり、血圧のコントロールが難しくなります。
高血圧と抑うつ状態を併発すると、心不全を合併する危険性が高まったり、不眠などの睡眠障害を発症しやすくなったりします。
睡眠障害は血圧を上昇させたり、抑うつ状態を悪化させたりするため、症状がみられた場合には早めに医師に相談しましょう。

生活習慣病でこころの不調を伴う場合の治療法

生活習慣病によるこころの不調では、まず食事療法や運動療法などを行い生活習慣全般を改善することが大切です。生活習慣が改善されれば、生活の質(QOL:Quality of Life)が向上し、こころの不調も次第に解消されていきます。

それでもこころの不調が解消されない場合は、薬物療法を行います。主に第3世代の抗うつ薬であるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を使用して、脳内のセロトニン(※1)のバランスを整えます。

SSRIは、糖尿病や高血圧の治療を妨げず、血圧の管理にも効果があるといわれています。比較的副作用も少なく安全性も高いことから、精神科や心療内科以外の医師でも処方しやすい薬剤です。
心身両方での治療を担当医から受けることも可能ですが、重症度によっては専門医を紹介される場合もあります。

また、高血圧の治療薬である降圧薬の中には、抗うつ薬と併用すると睡眠時無呼吸症候群(※2)を引き起こす薬剤もあります。そのため、自分が服薬している降圧薬について、必ず医師に報告しましょう。

※1 セロトニン:精神を安定させる働きをもつ脳内物質
※2 睡眠時無呼吸症候群:睡眠中に10秒以上呼吸が停止する病気。主に、いびきや昼間の眠気、起床時の頭痛などがあげられる

日常生活におけるセルフケア

日常生活ではまず、規則正しい生活習慣を心がけましょう。
また、日常生活において次のようなセルフケアを行い、生活習慣病の予防に役立てましょう。抑うつ状態を伴う場合は、無理をせず楽しく続けられる範囲で行うことが大切です。

ウォーキングなどの有酸素運動を

ウォーキングなどの有酸素運動は、ストレスや肥満を解消したり血液循環をスムーズにしたりする効果があります。
準備運動をしっかりと行い、軽く汗ばむ程度で20分以上歩いてみましょう。場合によっては、血圧を上昇させたり低血糖を招いたりする恐れがあるため、医師の指導の下で適切に行うことが大切です。

一人で悩みを抱えこまないで

一人で悩んでいると、こころの負担が大きくなり症状の悪化につながってしまいます。
そのため、まずは信頼できる人に相談してみましょう。同じ病気をもつ患者さんの交流会などに参加し、情報交換するのもよいでしょう。

急激な温度変化を避けて

急激な温度の変化は、血管の収縮をもたらし血圧を上げる原因となります。家の中では、温度をなるべく一定に保ちましょう。
また、暑すぎたり寒すぎたりしないよう、自分で温度調節できる服装を心がけましょう。

水分補給に注意

多量の糖分を含んでいる清涼飲料水の飲みすぎは、血糖値を上昇させます。
水分補給にはミネラルウォーターなど、糖分が含まれていない飲料水を飲むよう注意しましょう。

フットケアを心がけて

糖尿病患者さんは足先の血液循環が悪くなり、痛みを感じにくいことがあります。
また、外傷に気付かないまま放っておくと、細菌が入って悪化する恐れがあります。日頃から足の感覚や外傷の有無をチェックし、早期発見を心がけましょう。
さらに、状況に応じてフットケアの専門医に相談することも大切です。

定期健診やこまめな血圧測定を

糖尿病や高血圧はゆっくりと進行し、自分では気付きにくい病気です。定期健診やこまめな血圧測定で、早期発見をすることが重要です。
家庭用血圧測定器は市販されており、取り扱い方も簡単です。朝晩の1日2回測定して記録し、受診の際には記録を持参しましょう。

バランスのよい食事を

野菜などの食物繊維を多めにし、脂質やタンパク質を控えたバランスのよい食事作りも大切です。
くだものに含まれている果糖は体内に吸収されやすいため、1日当たり握りこぶし1個分にとどめましょう。

家族や周囲の人ができるサポート

適切な治療を行うためには、家族や周囲の方々の協力が大切です。上手なサポートをするためのポイントには下記のようなものがあります。

じっくりと話をよく聞く

自分の意見を押し付けたり質問したりせず、患者さんの話をじっくりとよく聞きましょう。
回復を急がせず、患者さんがゆっくりと休養できる環境を整えましょう。

できるだけ病院に付き添う

抑うつ状態を伴っていると、思考力や判断力が鈍くなることも少なくありません。できるだけ病院に付き添い、患者さんの症状を医師に伝えましょう。
また、処方された薬を指示どおり服薬しているか、服薬後の変化などを観察し、治療をサポートしましょう。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

水ぼうそう

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

水ぼうそうとは?

水ぼうそうは医学用語で水痘(すいとう)といわれ、水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスの感染による皮膚感染症です。
水ぼうそうは、主に子供が感染する病気で1~4歳ごろに最も多くみられます。健康な子供であれば、この病気に感染しても軽症ですむことがほとんどです。

一方、他の病気などで免疫機能が低下しているような場合、症状が悪化することがあるので注意が必要です。
また、大人になってから感染すると子供が感染した場合より、熱が高くなるなど重症化する場合が多いことが知られています。
水ぼうそうは、1度感染すると免疫ができ、この免疫は生涯続きます。

水ぼうそうに感染したら

水ぼうそうは、ウイルスに感染してから症状が現れるまで約2週間の潜伏期間があります。
また、水ぼうそうが治ったからといってウイルスがいなくなるわけではありません。ウイルスは、知覚神経の神経節に隠れていつまでも潜伏し続けます。

しかし数十年後、加齢による体力低下、または大きなストレスや病気などで体の免疫力が低下すると、ウイルスは神経節から出てきて増殖しようとします。このため「帯状疱疹」が起こると考えられています。

水ぼうそうは、冬から春にかけて流行がみられ、保育園や幼稚園などで集団発生する場合があります。子供が水ぼうそうに感染した場合、治るまで他の子供たちとの接触は避けるようにしましょう。

水ぼうそうの症状と現れ方

水ぼうそうの症状は、全身に小さな赤い発疹(ほっしん)や水疱(すいほう)が現れ、強いかゆみや発熱がみられます。

発疹

最初に赤くて小さい発疹が、体の中心あたりに2~3個現れます。それから半日くらいの間に頭、顔、腕、足などの全身に広がります。
また、口の中やまれにまぶたと目の結膜に現れることもあります。

発疹は1日経つと、強いかゆみを伴う水疱に変わります。最初の発疹が現れてから3~4日の間に新しい発疹が次々と現れて、水疱に変わります。水疱は、3~4日経つと乾いてかさぶたに変わるため、病気のピーク時には、発疹と水疱、かさぶたが入り混じった状態になります。そして、すべてのかさぶたが自然にはがれ落ちるまで約3週間かかります。
※水疱を潰したり、かさぶたをかきむしったりすると細菌感染を起こして化膿する場合があるので注意してください。
※水疱にはウイルスがたくさん含まれているので、直接手で触れないようにします。触れた場合は、すぐに手を洗うようにしてください。

発熱

発疹が現れると、同時に発熱します。10歳くらいまでは熱もそれほど高くなく、37~38度が3~5日間続きます。
発疹の数が多いほど熱は高くなる傾向にあり、重症になると39度前後の熱が1週間近く続く場合があります。
また、新しい発疹が現れなくなると熱は徐々に下がります。

発熱

水ぼうそうの検査と診断

検査

水ぼうそうの場合は、問診と視診以外に特別な検査はありませんが、幼児や小児の場合、家族が経過を把握して、しっかりと医師に伝えることが大切です。
また、確定診断のために血液検査でウイルスの抗原や抗体を調べたり、水疱からウイルスを特定したりすることもあります。

診断

発疹、水疱、かさぶた、またはそれに伴う強いかゆみ、発熱、年齢という特徴的な症状により診断されます。
水ぼうそうは法定伝染病とされているため、医師の許可が出るまで幼稚園や小学校は休まなければなりません。

水ぼうそうの治療法とは?

水ぼうそうの治療には、対症療法と抗ウイルス療法があります。

対症療法

かゆみを和らげる治療

「フェノール亜鉛華軟膏の外用」「抗ヒスタミン薬の使用」
外用薬は水疱を破らないように注意して、丁寧に塗ります。水疱が破れても、手で直接触れないように綿棒を使うといいでしょう。

細菌感染を防ぐ治療

「抗生物質の使用」
かゆみで皮膚をかきむしったりした場合、細菌感染で化膿することがあり、その際には抗生物質が使用されます。

抗ウイルス療法

「抗ウイルス薬(アシクロビル・バラシクロビル)の使用」
抗ウイルス薬は、体内でウイルスが増殖するのを抑制する作用があります。
発症48時間以内に服用すると、発疹や水疱が少なくなり軽症ですみます。
抗ウイルス薬は、必ず医師の指示を守って服用してください。

治療上の注意とケア

水ぼうそうを治療する上で注意しておきたいポイントと、ケア方法には下記のようなものがあります。

●発疹や水疱をかきむしらないようにするため、子供の爪は短く切ります。できれば手袋をするとよいでしょう。子供の手にもウイルスがついている場合があるので、よく洗って清潔にします。
●食事は食欲があれば何を食べてもかまいませんが、口の中に発疹があると痛むので喉越しのよいヨーグルト、ゼリー、麺類などにします。
●水疱がかさぶたになるまでは入浴を控えます。お尻や外陰部にできた水疱は、かさぶたになりにくいのでシャワーなどで洗い流し、清潔にして他の細菌感染を起こさないようにしましょう。
●水疱が潰れると衣類や寝具が汚れます。下着やパジャマ、シーツや枕カバーなどはこまめに替えるようにしましょう。
●水疱が現れている間は、人への感染力を持っています。全ての水疱がかさぶたになるまでは外出を控えるようにしましょう。

※市販の解熱剤には、アスピリンなど子供に強い副作用(ライ症候群:激しい嘔吐や痙攣(けいれん)などが起こり、生命の危険がある病気)が現れる可能性のある成分が入っているため、服用する場合は必ず医師に相談してください。

水ぼうそうの予防方法

予防法の第一は、水ぼうそうのワクチン接種を受けることです。このワクチンは副作用がほとんどなく安全性が高く、受けておいたほうがよいとされる任意接種になります。

水ぼうそうは非常に感染力が強く、ワクチンが使用されるようになるまでは(1995年)、子供の約90%が15歳までにこの病気にかかるといわれていました。現在では、ワクチンの普及で年間の水ぼうそう患者数は約70%も低下したといわれています。

ワクチンは、1歳から接種できるものの、費用は自費となります。
一方、このワクチンは、免疫をつくる作用があまり強くないため、100%の効果はありません。接種後に乳幼児の1~2割程度に感染がみられる場合がありますが、軽症ですむとされています。
また、アトピー性皮膚炎などで皮膚の弱っている場合、水ぼうそうにかかると症状が重くなるので、ワクチン接種をしたほうがよいといわれています。

注意点

妊婦は水ぼうそうのワクチン接種が禁じられています。また、家族内に妊婦・授乳をしている人がいる場合は医師に相談してください。

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

五月病(季節性うつ)

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

うつ病とは

眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないなど、このような「気分が落ち込む」「憂うつ」が長期にわたって続いている場合、うつ病の可能性があります。

うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、さまざまな理由から脳の機能障害が起きている状態のことを言います。この状態になってしまうと、ものの見方が否定的・悲観的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。
普段なら乗り越えられるストレスもよりつらいものに感じられ、よりストレスに感じさらなる悪循環に陥ってしまいます。

五月病とは

仕事や学校、転居などで環境が変わり、最初は張り切って活動していたのに、5月の連休明け頃からだんだんと気分が落ち込む、疲れやすい、仕事や勉強、家事などに集中できない、眠れないといったスランプ状態に陥ること、これがいわゆる「五月病」です。

精神的な症状だけでなく、食欲不振や胃の痛み、めまい、動悸などの症状を訴える方も多く、新しい環境での変化についていけないあせりやストレスが、知らず知らずのうちに身体的な症状となって出てくるのです。

五月病といっても、新入生の方や5月限定で起きる病気ではなく、完璧主義で物事にこだわりやすい人や、内向的で孤立しやすい人、過保護に育てられた人などが五月病になりやすいといわれています。たいていの場合は一過性の心身の不調で、1~2ヶ月程度で自然と環境に適応でき、症状が改善すると言われています。

五月病とは

五月病かな?と思ったら

五月病かなと思ったら、まずはとにかく気分転換やリラックスできることをしてみましょう。これらは五月病の予防法でもあります。

  • ・趣味やスポーツでストレスを発散する
    ・十分に睡眠を取る
    ・ゆっくりお風呂に入る
    ・好きな音楽を聴く
    ・アロマテラピーなどでリラックスする
    ・映画や絵画展、コンサート、小旅行などに出かけて気分転換をする
    ・新しい目標を見つける
    ・友人や先輩などに、話を聞いてもらう

うつ病の治療法

五月病のいろいろな対処法を試してみても心身の不調がなかなか治らない場合、睡眠はたっぷりとっているのに悩みや疲れが消えない状態が1ヶ月以上続く場合は、軽症のうつ病の可能性があります。

特に仕事や家事などにやる気が出なくなるだけではなく、好きな趣味などの以前は興味があったものにも関心がなくなってしまった場合は要注意です。

こんな症状が続く場合は、早めに心療内科か精神科を受診しましょう。

  • ・ 憂うつ、気分が重い(抑うつ気分)
    ・ 何をしても楽しくない、何にも興味がわかない
    ・疲れているのに眠れない、一日中眠い、いつもよりかなり早く目覚める
    ・イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない
    ・悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる
    ・思考力が落ちる
    ・死にたくなる

また、周囲から見てもわかる変化もあります。身近な人が「どこかいつもと違う」と感じるような変化に気づいたら、もしかしたら本人はうつ病で苦しんでいるかもしれません。

  • ・表情が暗い
    ・涙もろくなった
    ・落ち着かない
    ・飲酒量が増える

さらに、身体的な症状が現れることもあります。
食欲がない、体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛や肩こり、動悸がする、胃の不快感、便秘、めまい、口が渇くなど

うつ病かな?と思ったら

これらはあくまで目安となるものの、いつもと違うと感じたら一人で悩まず、まずは専門家に相談してみましょう。専門家とは、精神科や心療内科あるいはかかりつけの医師がいるクリニックなどです。

また、地域の保健所や保健センター、都道府県・指定都市に設置されている精神保健福祉センターなどにあります。これらの相談窓口を利用する場合は、市区町村役所に電話で問い合わせるか、ホームページで調べてみましょう。電話相談、来所相談のどちらも可能で、こころの専門医の意見を聞くことができます。

また全国共通の「こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)」があり、電話をかけると、地域の公的な電話相談窓口につながります。こころの問題だけでなく、さまざまな相談窓口を掲載している「いきる・ささえる相談窓口(http://jssc.ncnp.go.jp/soudan.php)」などがあります。
学生の方であれば、各学校に在籍するスクールカウンセラーに相談してみるのも良いでしょう。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

虫刺され

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

虫さされとは?

虫さされとは、皮膚が虫に刺されたり触れたりした箇所にできるピンク色や赤色の盛り上がった発疹です。
日常的な「虫さされ」※とは、大きく4つに分けることができます。

1.吸血する

蚊、ブユ、アブ、ダニ、ノミ、シラミ

2.噛む

クモ、ムカデ

3.刺す

4.触れると皮膚が炎症を起こす

毛虫

※砂漠のサソリや、クラゲやヒトデといった海洋生物は除きます。

虫の種類別、症状と対処法

白と黒のシマシマ模様が特徴のヒトスジシマカ、日本脳炎やフィラリアの仲介役となるアカイエカなど、日本には約60種類の蚊が生息しています。
痒みの原因は、血を吸う時に血が固まらないよう注入する唾液です。成虫は普段、花の蜜や果実の汁を吸っていますが、栄養が必要になる産卵の時期に人間や家畜など動物の血を吸います。

刺されてしまった場合は患部を清潔にし、炎症にあわせて市販の虫さされ薬、抗菌薬やステロイドの塗り薬を使い分けます。
また、高熱が出たり潰瘍になったりした場合は、「蚊アレルギー」の可能性があるので皮膚科を受診しましょう。

ブユ、アブ

ブユもアブも、メスだけが人間や家畜などの動物の血を吸います。そのため、蜂とは異なり、自ら人間に寄ってきます。

また、蚊とは異なり皮膚を噛み切って吸血するため、吸血時には痛みをともない、また注入される唾液によってしだいに患部に激しい腫れと痒みの症状があらわれます。
症状は一ヶ月など長期間にわたることもあり、赤いしこりが長く残ることもあります。

ブユやアブに刺されてしまった場合は、皮膚科を受診しましょう。放置すると症状が長引いたり、掻きむしった患部から細菌感染を引き起こしたりする可能性があるため、できるだけ医師の診断と治療を受けた方が良いでしょう。
実際の治療では、抗生物質とステロイド剤、痛み止めなどで治療します。

ダニ

ダニは地球上のあらゆる場所に生息しており、日本では約600種類が知られています。ダニは昆虫ではなくクモに近い仲間(足の数が成虫になると8本になる)で、シラミとノミは昆虫となります。
日常で害が多いのはイエダニです。室内に生息しておりネズミに寄生し、人間の血液を吸います。
ツメダニやトゲダニは体液を吸います。皮膚が柔らかい太ももや腕の内側、腹部などが狙われやすく、痒みを伴う赤い発疹の症状が出ます。

野外ではマダニに注意が必要です。吸血のために1~2週間は患部にくっついたままとなり、無理に引き抜くと頭部が残る、感染症を引き起こすなどのリスクがともなうので、この場合も皮膚科を受診しましょう。

クモ

ほとんどのクモが捕食のために毒を持っています。人を死に至らしめるほどの猛毒を持つクモはいないものの、「カバキコマチグモ」や「セアカゴケグモ」は猛毒を持っているので注意が必要です。
「カバキコマチグモ」は山地を問わず草むらや水田、山林など至る所に生息しています。

クモに噛まれると激痛を伴う腫れの症状があらわれます。そのため、噛まれたらすぐに医師の診断を受けましょう。

ムカデ

ムカデは夜行性で、落ち葉や朽ち木の下など暗い場所に住んでいます。そのため目はほとんど退化していますが、ニオイや振動に敏感で、素早い動きもあわせもっています。かなり強い毒を持っており、トカゲやヒキガエルなどを捕食します。

人間が噛まれた場合は激痛が走って患部が腫れ、しびれを引き起こします。また、蜂に刺されたときのようなショック症状「アナフィラキシーショック」を起こすこともあります。

人間を刺す蜂の代表的なものはアシナガバチ、スズメバチです。ミツバチは養蜂家の方以外の一般人はあまり刺されることはなく、刺されるケースは稀です。蜂の被害は秋の野外レジャーで多く、刺されると患部に激しい痛みを伴い赤く腫れます。

これはハチ毒の刺激作用によるもので、初めて刺された場合は通常1日以内に症状は治まるものの、2回目以降は蜂の毒に対するアレルギー反応があらわれます。刺された直後から蕁麻疹の症状や、1~2日すると強い発赤や腫れが起こります。

人によってはショック症状として「アナフィラキシーショック」を起こし、しびれる、意識喪失、血圧低下などで死に至ることもあります。

ケムシ

蝶や蛾の幼虫(ケムシ/イモムシ)の毛に触れることで、腫れて痒みを起こすことがあります。これは、有毒毛を持つケムシに触れた場合に起こる皮膚炎です。
有毒毛には毒針毛(どくしんもう)と毒棘(どくきょく)があり、毒針毛はドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)、毒棘はイラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガなど)の幼虫にあります。これに触れると、激しい痒みを伴う蕁麻疹のような症状があらわれます。

非常に強い痒みを伴うため、掻きむしって細菌感染してしまい、化膿する恐れがあります。
薬は、抗生物質が配合されたものを使用するのがおすすめです。

虫の種類別、症状と対処法

虫よけを使用するときのマナー

最近ではさまざまなタイプの虫よけが市販されており、レジャーの際や普段のお出かけの時に使用する方も多くいます。
しかし、虫を観察するような昆虫館などの場では、使用を避ける必要があります。虫よけもその場のルールを確認し、状況にあわせて使用するのが良いでしょう。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

子供の夏の感染症

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

夏に子どもがかかりやすい感染症

夏に子供がかかりやすい感染症は、手足口病 や咽頭結膜熱(プール熱) 、ヘルパンギーナ 、溶連菌感染症(猩紅熱(しょうこうねつ))などがあります。

感染力が高いものが多く、幼稚園や保育園では集団感染しやすくなっていますので、周りの子供の感染の様子で気を付ける感染症が判断できるケースもあります。

手足口病

症状

大人の場合は手、足、口に、子どもの場合はさらに肘、膝、お尻に米粒ほどの水疱性の発疹ができます。
発疹は水疱状で、やがて破れて潰瘍になり、痛痒くなってきます。口の中にできると、痛みで食事が困難になり、脱水症状をおこすことがあります。
発熱や下痢、嘔吐をともなうことも。

嘔吐や頭痛が続く場合、心筋炎や髄膜炎を合併していることもあります。

原因

エンテロウイルスなどの腸管ウイルスやコクサッキーウイルスなどの感染が原因となります。
複数のウイルスがあるので、一度かかったら大丈夫という病気ではありません。

感染経路は、風邪と同じように鼻汁・唾液などからの感染です。
また、便からも感染しますので、子供の手をよく洗うように保護者の方は気をつけましょう。

治療

小児科を受診しますが比較的軽い病気ですので、自然に治るケースが多いです。

しかし、口の中の痛みや発熱が強い場合は症状を緩和する対症療法をおこないます。
口腔内の痛みのために食事がしにくい場合は水も飲むのも困難なため脱水症状を起こしやすい状態です。
刺激が少なく、無理なく飲み込める食事内容にし、また水分補給を十分におこないます

【参考】「健康Salad」手足口病の時のおすすめレシピ<すいとん>

手足口病

咽頭結膜熱(プール熱)

症状

急な発熱(38~40℃)、のど腫れや痛み、リンパ節の腫れ、目やに、涙、充血など結膜炎の症状がみられます。
それ以外に吐き気、腹痛、下痢などが見られることもあります。

原因

アデノウイルスが感染の原因です。プールの水から感染することから、「プール熱」とも呼ばれます。6~9月頃に発生しやすく、幼稚園児や小学生はプールでうつることが多いのですが、せきやくしゃみを介して感染したり、便を介して目や口に感染して、赤ちゃんが感染したりすることもあります。
プールに入る前と後にシャワーでよく体、手、目を洗うことと、タオルや洗面器、食器を共用にしないことです。また、洗濯も別にします。

治療

小児科や眼科を受診します。症状を和らげる対症療法を行います。
高熱の場合は小児科を、結膜炎の症状がある場合は眼科での治療が必要です。

ヘルパンギーナ

症状

急な高熱(39℃前後)と咽頭、口の中の上顎の奥の粘膜に、小さな水疱ができます。
水疱が破裂し潰瘍状(かいようじょう)になることもあります。5歳未満の乳幼児に多く、食欲低下、嘔吐する場合もあります。

原因

おもにコクサッキーウイルスへの感染が原因ですが、原因となるウイルスは複数種類あるため、何度も発症することがあります。

治療

小児科を受診し、対症療法を用います。症状が重い場合は解熱剤を服用するなどで症状を和らげます。
口腔内の痛みで食事が難しい場合があるので、食事内容はやわらかく、のどごしの良いものを食べさせましょう。

また脱水症状への注意も必要ですので、水分補給をこまめに行います。

溶連菌感染症(猩紅熱(しょうこうねつ))

症状

急な発熱(38~40℃前後)と頭痛、のどの痛み、食欲不振、吐き気など、風邪のような初期症状があります。
やがてのどが非常に赤くなり、舌の表面にブツブツの赤みができることが多く(いちご舌)、口の中も真っ赤になります。

また扁桃腺や首のリンパ節が腫れたり、扁桃腺に白~黄色がかった膜ができたりすることがあります。
他に嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、首のリンパ節が腫れて痛むこともあり、発症後1~2日すると、かゆみをともなう小さな発疹が全身にあらわれます。

原因

A群β溶血性連鎖球菌が原因の溶連菌感染症です。A群β溶血性連鎖球菌という細菌が、くしゃみやせきを介して感染しておこります。
5歳をピークに4~9歳がかかりやすく、秋から春に多く発症します。
のどは12~3月に、皮膚では7月~9月に多い傾向にあります。

治療

小児科を受診し、抗生物質を服用します。
服用後、1~2日で元気になったように見えて溶連菌を完全に除く前に服用をやめてしまい再発することが多く、中耳炎・気管支炎・リンパ節炎・副鼻腔炎、急性腎炎、リウマチ熱を合併する危険度が高くなります。

単なる風邪の場合は、途中で服薬をやめても特に影響はありません。一方、溶連菌感染症の場合は、医師の指示通りの治療を最後まで続けることが大切です。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

紫外線

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

紫外線とは?

紫外線とは?

紫外線は、太陽の光に含まれる光線のうちの一つです。この紫外線は波長の違いで種類がわかれます。
そのうち、地上まで到着するのがA波(UV-A)とB波(UV-B)です。

A波(UV-A)

A波は波長が長いため、真皮の奥までじわじわと影響を与えます。私たちが浴びる紫外線の4~9割以上がA波です。
ガラスを通り抜けるほどの威力を持っているため、レストランなどの室内にいても窓際なら浴びてしまいます。

B波(UV-B)

波長の短いB波は、A波に比べて量は少ないかわりに強いエネルギーを持ち、皮膚に対する刺激が強いのが特徴です。
日焼けで炎症を起こして赤く腫れ上がるのはこのB波の仕業だといえます。

紫外線トラブルの症状

紫外線によるダメージは蓄積されると、同じ年齢でもシミが多くなったり、ハリがなくなったりと、肌の若々しさに差が生まれてきます。
特にターンオーバーが乱れてくすみがちな肌にシミの発生が重なると、肌の透明感はますますなくなる悪循環に陥り、見た目年齢がさらにダウンしてしまいます。

また、紫外線はシミやそばかす、しわなどを作るだけでなく、最悪の場合「皮膚がん」を起こすなど肌への影響が顕著にみられます。
さらには、目にもダメージを与え、失明に至るともされる白内障を引き起こすこともあります。免疫力を低下させ、感染症などになりやすくなってしまいます。

紫外線トラブルの対策と処置

紫外線を浴びて肌が赤くなったら炎症の証です。水で冷やし、ほてりをしずめましょう。ビタミンEやCを含んだクリームを塗るのもおすすめです。
ビタミンEは炎症をしずめ、ビタミンCは肌の弾力のカギであるコラーゲンの生成にも関与しています。これらの成分を含む食材を積極的に摂るのもよいでしょう。

しかし、紫外線によって水疱ができたり、発熱や頭痛が生じたりしたときは医療機関をしっかり受診しましょう。

ビタミンEの代表食材

玄米、ごま、ピーナッツ、大豆、アボカド

ビタミンCの代表食材

みかん、いちご、緑黄色野菜

紫外線トラブルの予防法

紫外線対策は、まさに見た目年齢の要です。「肌は紫外線で歳をとる」ともいえるため、いま目に見えるトラブルがなくても、紫外線に無防備でいると、数年後は後悔することになりかねません。

日差しの強い弱いに関わらず、夏場はきちんと日焼け止めを使いましょう。首のうしろや手の甲などにもムラなく塗るようにしてください。曇りでも影響はあるため、塗り忘れは禁物です。

日焼け止めにも種類があり、シーンに合わせて選ぶと効果的です。SPFやPAの数値が高いほどガードしてくれますが、肌に負担を感じる方もいるはず。肌質も配慮しましょう。子供は大人と同じ日焼け止めを使うと毛穴をふさいでしまいニキビになりやすいので、子供用を使うことをおすすめします。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

風疹

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

風疹とは

子供のときと大人になったときの風疹の症状と特徴

38℃くらいの発熱、目の充血、のどのはれと痛みといった風邪に似た症状とともに、小さな赤い発疹が、顔、体、手足など全身にでます。
この発疹にかゆみはほとんどなく、はしかのように発疹が大きくなることもありません。また、耳のうしろのリンパ節がはれて痛む点も特徴です。

これらの症状は、3~4日でおさまります。そのため、「3日はしか」と呼ばれることもあります。

風疹の症状は、子どものうちは比較的軽いものですが、まれなケースとして脳炎や血小板減少性紫斑症(けっしょうばんげんしょうせいしはんしょう)など合併症が発生することがあります。

また、子どもの感染症と思われがちですが、大人が感染すると、発熱や発疹期間が長く(一週間かそれ以上)、関節痛がひどいなど、子どもと比較し症状が重くなることが多いと言われています。

風疹にかかる原因はウイルス

風疹ウイルスへの感染が原因です。春先から初夏にかけて流行する傾向があります。潜伏期間は2~3週間です。
一度感染すると免疫ができ、多くの人は生涯かかることはありません。感染しても明らかな症状が出ることなく免疫ができてしまう人もいます。
風疹にかかったことがあるかどうかは、血液検査で調べられます。医師に相談しましょう。

風疹ウイルスの感染力は弱いですが、感染しても発症しないことがあることから、知らないうちに他の人にうつしてしまいます。感染の原因は主に飛沫感染であり、風疹ウイルスをもった人のくしゃみや会話などの唾液しぶきなどから感染します。

風疹の治療

通常は、安静にしていれば問題ありません、症状が重い場合には、症状を緩和する対症療法が行われます。
二次感染予防のために、抗菌薬が使われることもあります。

予防方法

ワクチンの予防接種をします。(後述)

大人の風疹は、とくに男性の割合が多い

子どもの頃に予防接種を受けなかった成人に多く、とくに男性の割合が多い

患者は成人が9割で、とくに男性は20~40代に多く、男女差は3.7倍程です

風疹患者の性別年齢分布(2010年~2013年)
https://www.niid.go.jp/niid/images/iasr/34/398/graph/f3983j.gif

2014年度の感染症流行予測調査によると、30代前半~50代前半の成人男性の5人に1人は風疹の免疫を持っていませんでした。
20代の男性は10人に1人、30代後半の男性では5人に1人です。

この男女比および世代比の差は、風疹の定期予防摂取制度の変遷によるもので、成人になって風疹にかかる人の多くは、子どもの頃に予防接種の機会がなかったためです。

予防接種は、以前は女子中学生のみを対象としてきましたが、1995年より生後12ヶ月から90ヶ月未満の男女小児、および、中学生男女となりました。

2014年7月~9月に実施された抗体化測定:赤血球凝集抑制法(2015年3月時点)HI法で8未満

参照:NID国立感染症研究所 平成26年度(2014年)
http://www.nih.go.jp/niid/ja/y-graphs/5502-rubella-yosoku-serum2014.html

風疹にかかると、妊娠中の女性が近くにいた場合、風疹をうつし、赤ちゃんが先天性風疹症候群となって生まれてくる可能性があります。

大人の風疹は、とくに男性の割合が多い

先天性風疹症候群とは

風疹に対する免疫が不十分な妊娠初期の女性が風疹ウイルスに感染することで胎児も感染してしまい、生まれてきた赤ちゃんが難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等が見られる可能性があります。これらの病気を先天性風疹症候群と呼びます。

予防のために、予防接種を受けてください

大人になる前に予防接種を!

これまで風疹の予防接種を受けたことがない人は、男女関係なく風疹ワクチンを接種しましょう。
前述のとおり、通常、風疹の症状自体は重いものではありませんが、まれに合併症を引き起こし、重症化するケースがあります。

また、妊婦への感染および先天性風疹症候群発症の可能性もありますので、家族もできれば早めに、予防接種を受けてください。

風疹は一度かかると生涯かかることはありませんが、「子どもの頃に風疹にかかった」「予防接種を受けた」と家族に言われても、『記録』がなければ医療機関に相談してください。
すでに風疹にかかったと『記憶』のある人たちに血液検査を行ったところ、約半数は記憶違いか、風疹に似た他の病気にかかっていたというケースがあるようです。

もし、風疹にかかったことが血液検査によって確かめられていない場合は、予防接種を受けることをおすすめします。
本当に子どもの頃に風疹にかかったことがあったとしても、成人になって予防接種を受けることに問題はありません。

成人女性の予防接種

妊娠中は予防接種することができません。妊娠出産年齢の女性にワクチン接種する場合は、妊娠していない時期(生理中あるいはその直後が確実)にワクチン接種を行い、その後2ヶ月間は避妊しましょう。

妊娠中に風疹ワクチンを接種したために胎児に障害が出たという報告は現時点ではありませんが、理論的に100%危険の可能性がないとは言えないため、注意が必要です。

風疹ワクチンとは

弱毒性を行った種(たね)ウイルスを培養・増殖させて凍結乾燥したものを接種します。
通常の風疹感染とは異なり、ほとんど症状が出ませんが、風疹ウイルスに対する免疫を得ることができます。
麻疹(はしか)ワクチンと混合した麻疹風疹混合ワクチンが定期予防接種に用いられています。

予防接種の費用

自己負担になります。接種を行っている医療機関にお問い合わせください。料金の設定は、医療機関によって異なります。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

肥満症

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

肥満症~食事療法と運動療法による改善 / 生活習慣病世代の食事と運動

肥満の大きな原因は、エネルギーの過剰摂取と消費エネルギー不足。つまり、食べ過ぎと運動不足です。
肥満になると、糖尿病や高血圧、痛風、脳出血などの生活習慣病を発症するリスクが高くなります。

現在の生活習慣を見直すことが肥満症を改善する健康への第一歩です。「こんなことはいつでもどこでも言われて耳にタコができる・・・」 そう言わず、毎日を健康に楽しく過ごすために肥満を改善する方法をご案内します。

肥満症の生活習慣の改善方法とは

肥満症のダイエットの目的は、生活習慣病の改善とそれによる発病のリスクを取り除いていくことです。
ですので、モデルのようなプロポーションを目指すことではありません。

肥満症の解消方法は大きく2つあります。食事療法および運動療法です。
ただし、すでに肥満度が高く、合併症が進行している場合などは薬物療法や外科的治療が行われることがあります。

目標は、三ヶ月で今の体重の5%を減らすことです。生活習慣の改善のためには、実は短期決戦の急激なダイエットは逆効果なのです。
あくまで生活習慣を改善することで生活習慣病の発病のリスクを取り除くということを一番に考えましょう。

BMIについて(ボディ・マス・インデックス)

自分体重が身長か楽観が得てどれくらいの肥満度に位置しているかはBMI(ボディ・マス・インデックス)で計算します。
BMIが25を超えた場合は肥満症といえます。

■BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
■適正体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

BMI判定日本肥満学会による肥満判定基準

BMI判定
18.5未満 やせ
18.5以上25未満正常域
25以上30未満肥満(1度)
30以上35未満肥満(2度)
35以上40未満 肥満(3度)
40以上肥満(4度)

肥満症の食事療法

肥満症の食事療法は、一日の摂取エネルギーをだいたい1,000~1,800kcalにとどめることです。
これに基づいて栄養バランスの良いメニューを考え、動物性脂肪や油脂、糖分を摂り過ぎないようにします。
状態によってはもっと厳しく一日に1,000~1,400kcalに減食します。

さらに、睡眠時無呼吸症候群などの健康障害をともない、すぐに大幅な減量が必要な場合は600kcal以下の低エネルギー食による治療を行います。
ただしタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養不足に注意してメニューは考えなくてはなりません。

摂取するエネルギーが少ないと、身体は基礎代謝量(呼吸や体温調節など人間の生命活動を維持するのに使われるエネルギー)を減らして、少ないエネルギーで生きていけるように順応してしまうため、空腹を我慢してダイエットしても全然やせない、ということになってしまいます。

さらに、食べないで我慢しているストレスから、一時的にやせたとしてもすぐにリバウンドしてしまうことが多いのです。
そのうえ、急激なダイエットは、肌や髪が荒れてしまったり、生理がとまったりすることもあります。

生活習慣病世代の食生活の注意ポイント

肥満予防のために、下記のポイントに注意しましょう。

1.過剰なエネルギー摂取を避ける
体格などによって差はありますが、自分に見合った摂取エネルギー量を心がけます。
生活、運動や基礎代謝などで消費するエネルギー量に対して、摂取するエネルギー量が上回れは脂肪として蓄えられます。

基礎代謝は年齢とともに減っていきますが、生活習慣病世代は食事の量はさほど変わりません。
そのため、内臓脂肪として身体に蓄積され、肥満につながります。

推定エネルギー摂取量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」などが参考になります。

2.脂肪分の高い食事を避ける
一日の脂肪分の摂取量は、一日の総エネルギー摂取量の25%未満が理想。日本人の脂肪からのエネルギー摂取量は、30年前の3倍近くに増加しています。
ヘルシーさが世界的に有名な和食ですが、食の欧米化か進んで高脂肪食が増えています。

これにより動脈硬化や乳がん、大腸がんによる死亡率も増加傾向です。

3.食塩の摂り過ぎを避ける
一日10g未満、血圧が高い人は6g未満を目安にしましょう。食塩の摂り過ぎは、高血圧や胃がんを招く要因であると考えられています。

4.カルシウム不足にならないように注意する
小魚、牛乳、海藻などカルシウムの含有量が多く、また吸収率の良いものを食べましょう。
減食するとこれらの栄養層が不足しがちになります。不足するとストレスに弱くなりイライラしたり、骨粗鬆症の要因となります。

5.規則な食習慣を取る
三食決まった時間に食べる習慣をつけましょう。
朝食を抜く人が多いですが、食事と食事の時間が開きすぎると身体が飢餓状態となり、エネルギーをため込もうとし、より脂肪として蓄積されやすくなるので注意です。

6.糖質制限
最近は、カロリーで計算するのではなく、摂取する糖質量で計算して、減量を目指していく糖質制限が紹介されています。
糖尿病の患者では血糖上昇が抑えられ、非糖尿病の人でも減量効果が高いとされるため、注目されています。

肥満症の食事療法

肥満症の運動療法

肥満の程度によって、ウォーキングや水中運動など有酸素運動を継続して行います。肥満の状態によっては激しい運動は、膝などの関節を痛めたり、肺や心臓などの内蔵に負荷を与えかねません。負担の少ない運動から徐々に始めていきましょう。

また、筋肉トレーニングも有効です。筋肉量を増やすことで消費エネルギー量をアップさせます。加齢により筋肉量が減っていくと基礎代謝も下がり、生命維持のために消費する最低限のエネルギーの消費量がされにくくなります。
高齢になってからでも筋力を上げることはできますので、無理をせず取り組んでみましょう。

準備運動(ウォーミングアップ)と、整理運動(クールダウン)も大切です。
怪我の予防と疲労を残さないために、筋や関節をほぐしたり、伸ばすストレッチが効果的です。

生活習慣病世代の運動量

運動量の目安は、厚生労働省の「エクササイズガイド」を参考にすると良いでしょう。

日常生活の中の「生活運動」と、スポーツや趣味の「運動」の運動量を、強度と時間で示しています。
身体活動の強度について「メッツ」、「メッツ」に時間をかけたもの(「メッツ」×時間)を「エクササイズ」という単位で表し、生活習慣予防のためには、3メッツ以上の身体活動(普通歩行など)を週に23エクササイズ(23時間)以上行うことを目標とします。

 

監修/板東 浩 先生
医学博士/内科医

てんかん

【監修】北村 聖 先生(東京大学医学教育国際協力研究センター教授)

てんかんとは?

てんかんは、突然けいれん(けいれん)や意識障害を起こす病気で、大脳の神経細胞を一定のリズムで流れている電気信号が突発的に過剰に放出されることによって起こるといわれています。この病気の発症率は100人に1人といわれており、珍しい病気ではありません。
発症年齢は、乳幼児から高齢者までと幅広く、約80%が18歳以下で発症しています。そのなかでも3歳までに発症する割合が最も多くなっています。

てんかんの発作は、そのままにしておくと症状を抑えることが難しくなります。そのため、症状が現れたら、なるべく早くてんかんの専門外来がある病院、または神経内科を受診しましょう。

てんかんの主な症状

てんかんの主な症状としては、けいれんや意識障害などの発作があげられます。てんかんの発作には「動きが止まりボーッとする」「手足の一部をもぞもぞさせる」といった比較的軽度なものから、「突然手足が突っ張る」「全身を震わせる」「バタンと倒れて体を激しく硬直させる」といった重度のものまであります。

また、発作を繰り返し起こすのが特徴で、患者さんによって発作型はだいたい決まっています。

主なてんかんの発作型

てんかんの発作は大きく「部分発作」と「全般発作」に分けられます。

部分発作

発作型症状
単純部分発作体の一部分に症状が現れる発作。意識ははっきりしている。手足の一部に現れていた発作が徐々に両手両足へと進んでいく状態を「ジャクソン行進」という
複雑部分発作単純部分発作からの移行、または初めから意識が薄れた状態での発作。約1~2分で回復する。症状が進むと手足の痙攣が激しくなったり、口から泡を吹いたり、意識を失うこともある

全般発作

発作型症状
強直間代発作体が硬直して倒れ、全身が痙攣し、意識を失う。約1~2分で回復する。回復後、発作のことを覚えていない場合が多い
欠神発作5~15歳で多くみられる数秒から数十秒程度の短い発作。動作が止まり、反応がなくなる。発作中に体がピクピクと痙攣することがある。回復後、発作のことを覚えていない場合が多い
点頭発作両手を振り上げたり、ガクンと頭を垂れたりする発作で何度も繰り返す。生後数ヵ月で発症し、3歳までに多くみられる。3歳以降は、ほかの発作型に移行する場合が多い
脱力発作瞬間的に筋肉の力が抜けたり意識を失ったりする発作。乳幼児に多くみられ、突然地面に倒れこんでケガをすることもあるため注意が必要
ミオクロニー発作全身または体の一部分が瞬間的にビクンと痙攣する。意識ははっきりしているが、手に持っているものを落とすことなどもあるため注意が必要
てんかん重積状態発作が15分以上続いたり、意識が回復しないうちに次の発作が始まったりする。呼吸困難に陥り、心臓や脳に重い障害が残ることや、死に至ることもある

てんかんの発症原因とは?

てんかんには原因がわからない「特発性てんかん」と、脳の病気や傷が原因といわれている「症候性てんかん」があります。患者さんの割合としては、特発性てんかんが多くなっています。

てんかんは遺伝するという説もありますが、実際には遺伝子が関与しているのはごく一部であり、ほとんどは遺伝せず接触による感染もありません。

てんかんの検査と診断

てんかんの診断には脳波検査が欠かせません。そのほか、CT(コンピュータ断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像法)、SPECT(単光子放射線コンピュータ断層撮影法)やPET(陽電子放射断層撮影法)による画像診断や、血液検査、尿検査を行います。

さまざまな検査

各検査項目の内容は下記の通りとなります。

脳波検査
脳波を測定して異常を発見し、発作型を診断する。
CT、MRI
てんかんの原因となる脳の異常を発見する。
SPECT
脳の血流をみる検査。脳の血流が激しくなっている部分を発見する。
PET
脳の代謝機能などを測定する。
血液検査・尿検査
薬を長期間服用するため、貧血、肝機能の状態を調べる。
また、治療中は薬の血中濃度も調べる。

てんかんの発作では意識が薄れたり失ったりすることが多いので、患者さんは症状をうまく説明することができません。そのため、発作の様子を見た人への問診が診断のカギとなります。

病院を受診の際は、発作の状況を詳しく説明できる人に付き添ってもらいましょう。また、正しい診断を受けるため、自分でも発作の様子を細かく聞いて記録しておくことが大切です。

正しい診断を受けるために記録しておきたい項目

自分で発作の様子を記録する際は、下記の項目を重視しましょう。

  • ・どういう変化が起こって発作に気づいたのか
  • ・頭や目はどちらを向いていたか
  • ・顔や唇の血色、唾液の量は
  • ・手足のけいれんや硬直の様子は
  • ・手足以外のけいれんや硬直の様子は
  • ・体の左右で発作の程度に差があったか
  • ・発作中に意識はあったか(声をかけて確かめてもらう)
  • ・発作は何分間続いたか
  • ・回復直後の様子は(ぼんやりしていた、意味不明の言葉を発した、眠ったなど)
  • ・発作によってケガをしたか

てんかんの治療法は?

てんかんの治療は、薬物療法と手術の2つを中心に行われます。現在では、薬を服用して発作を抑制する薬物療法が主流となっており、正しく服用すればほとんどの発作を抑制できるといわれています。

薬物療法
脳の神経細胞の異常な放電を抑制する抗てんかん薬を使用します。抗てんかん薬にはさまざまな種類があり、発作型や年齢・性別などにより選択されます。

まず1種類から服用を始め、効果がみられない場合は2種類以上の薬を併用します。患者さんの体質などによって効き目に個人差があるため、薬の血中濃度を調べて脳内における濃度を推測し、患者さんに適した服用量を決定します。

抗てんかん薬の主な副作用

抗てんかん薬を使用することで起こる副作用には、下記のようなものがあります。

  • ・発疹
  • ・眠気
  • ・ふらつき
  • ・肝機能障害
  • ・血液中の白血球減少
  • ・歯肉の異常な腫れ
  • ・多毛
  • ・脱毛など

正しく服用しないと、かえって発作を誘発する恐れがあります。症状が治まったからといって自己判断で服用を止めず、医師の指示どおりの用法用量を守って服用しましょう。

発作が起こらない状態が続き、脳波にも異常が現れなくなったら医師の判断のもとに徐々に薬の量を減らしていきます。服用を完全に中止しても再発がなければ治癒したことになりますが、年に1回は定期検診を受けましょう。

手術
薬物療法の効果がみられない患者さんで、てんかんの発作を起こす脳の部位が特定されていて、切除しても障害が残らない場合に限り手術による治療が行われます。

手術内容は異常放電が脳全体に広がっていく経路を絶つ「遮断手術」と、発作を起こす脳の部位を切り取る「切除手術」があります。
また、手術をしてもすぐに発作が治まるわけではないため、しばらくは抗てんかん薬を服用する必要があります。

日常生活で気をつけること

てんかんの発作は、日常生活での刺激によって誘発されることがあります。また、発作が起こった場合を考えて下記の8つのことに気をつけましょう。

① 毎日十分な睡眠を

睡眠不足になると、発作が起こりやすくなります。規則正しい生活を心がけ、睡眠不足にならないように注意しましょう。

② 疲労やストレスをためない

疲れたら無理せず休みましょう。精神的なストレスも発作の引き金になります。心身ともにリラックスを心がけましょう。

③ パソコン、ゲームはほどほどに

パソコンやゲームなどで長時間画面を見続けると、発作が誘発されることがあるので控えましょう。

④ テレビを見るときの環境にも注意

テレビを見るときは、部屋を明るくして画面から適度な距離を保ちましょう。アニメーションなどの点滅光や赤色の光は発作を誘発する恐れがあります。

⑤ 飲酒を控える

飲酒は発作を誘発する恐れがあります。また、酩酊状態での発作は嘔吐の恐れもあり、非常に危険です。

⑥ 激しい運動を控える

激しい運動は、過呼吸になり発作を引き起こす恐れがあります。リラックスして楽しめる程度の運動を心がけましょう。また、発作が起こったときのために単独行動は避けましょう。

⑦ 入浴は周囲の人に声をかけてから

入浴は発作を誘発する恐れがありますので、必ず周囲の人に声をかけましょう。また、入浴中の発作は、溺れたり火傷したりする恐れがあります。浴槽のお湯は少なめにし、温度調節に注意しましょう。

⑧ ケガを防ぐ工夫を

発作で転倒したことがある人は、保護帽やヘルメットなどをかぶって発作によるケガを防ぎましょう。

家族や周囲の方が気をつけること

てんかんの発作を目撃したら、まずは自分が深呼吸をして落ち着きましょう。ほとんどはすぐに治まります。しかし、発作が長く続き意識が戻らない場合には、速やかに救急車を呼びましょう。

てんかんの治療には、家族や周囲の人の協力と理解が必要です。特にほかの心身の病気にもかかっている場合は、医師や臨床心理士、ソーシャルワーカーといった専門家にサポートしてもらいましょう。

また、下記の5点にも注意が必要です。

① 危険なものを遠ざける

発作中にケガをしないよう、火や機械など危険なものを遠ざけましょう。

② 楽な体勢をとらせる

衣服の襟元やベルトを緩め、楽な体勢にしてあげましょう。メガネは外し、コンタクトレンズにも注意しましょう。

③ 窒息するのを防ぐ

吐いたものや唾液を取り除いて、窒息するのを防ぎましょう。激しく突っ張ったり、けいれんしたりしている場合は、下あごに手を当てて上に押し上げ、呼吸をしやすくして舌を噛むことを防ぎましょう。
口の中に指や固いものを差し込むことは、かえって口の中を傷つけたり、窒息したりする危険があります。また、発作が治まってもしばらくは飲食物を取らせないようにしましょう。

④ 静かに見守る

大声で呼び掛けたりゆすったり、無理に押さえつけたりしないようにしましょう。

⑤ 発作が治まったら

発作が治まったら顔を横に向け、呼吸が落ちついて意識が回復するまで静かに寝かせましょう。

家族や周囲の方が気をつけること

 

監修/北村 聖 先生
東京大学医学教育国際協力研究センター教授

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