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かかつどうぼうこう過活動膀胱

更新日:2022/08/10 公開日:2019/10/07 view数:4,327

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)とは、膀胱の収縮がなんらかの原因で活発になることで、トイレが近くなったり、急に尿意がおこって我慢できなくなったり、場合によっては我慢できずに漏らしてしまうといった症状をおこす病気です。

膀胱は、腎臓で作られた尿を溜めておくための臓器です。一度に300ml前後の尿を溜める機能があります。膀胱に尿が溜まると、脳に信号が送られて尿意を感じます。逆に、脳からの指令で膀胱や尿道の筋肉はコントロールされており、その指令に従って筋肉を収縮して排尿します。

はっきりとした原因は不明ですが、こうしたメカニズムのどこかに問題がおこることで過活動膀胱になるのではないかと考えられています。つまり、膀胱がすぐに排尿しようとして過敏になっているのです。

命に関わる病気ではありません。しかし、生活の質(QOL)は著しく低下します。また、ほかの病気が隠れていることもあるため、注意が必要です。年齢だからと我慢せずに治療することで、かなりの症状を軽減できます。

症状が尿漏れであれば、尿漏れがなくなる方も非常に多くいます。ぜひ泌尿器科専門医を受診されることをお勧めします。

目次
  1. 過活動膀胱の症状
  2. 過活動膀胱の診療科目・検査方法
  3. 過活動膀胱の原因
  4. 過活動膀胱の予防・治療方法・治療期間
  5. 過活動膀胱の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 過活動膀胱になりやすい年齢や性別

過活動膀胱の症状

頻繁におこる尿意と、強い尿意が主な症状です。

  • 突然激しい尿意に襲われ我慢が難しい尿意切迫感
  • 昼間、何度も尿意がおこる頻尿
  • 夜、眠っている時に尿意がおこり、目が覚めてしまう夜間頻尿
  • 急激な尿意で我慢できず、漏らしてしまう切迫性失禁

などが知られています。

一般に、昼間8回以上の尿意があると、頻尿と判断されます。


過活動膀胱の診療科目・検査方法

膀胱炎や前立腺炎といった、ほかの病気が原因となっている場合もよくあります。泌尿器科を受診し、原因を除外する検査をおこないます。かかりつけの医師がいれば、まずは相談してみるのもよいでしょう。

過活動膀胱の診断は、病歴や症状の問診によっておこなわれます。
過活動膀胱症状質問票(OABSS)により重症度も含めて判定します。
OBASSは排尿に関わる4つの質問に回答するというものです。

このほかの検査として、尿検査、腹部エコー、尿流量測定(ウロフロメトリー)があります。
尿検査では、血尿や細菌の混入を調べ、炎症がおきていないか確認します。
腹部エコーでは、膀胱内の残尿や結石、がんの有無を調べます。
尿流量測定(ウロフロメトリー)は、排尿の所要時間や尿量などを詳しく調べることができます。

また、排尿日誌を患者さんにつけてもらうこともあります。
1回の尿量や、排尿をした時間、尿漏れや切迫感の状況など、日誌を通して確認することができます。

過活動膀胱の原因

原因ははっきりしていませんが、睡眠時間、ストレス、高BMI、肥満、年齢、骨盤臓器脱脳卒中脂質異常症糖尿病高血圧、喫煙など、多くのものが原因の一つになるとされています。

男性の場合は、前立腺肥大症が原因の一つになることが多いです。






過活動膀胱の予防・治療方法・治療期間

原因疾患が確認される場合は、その治療をおこないます。
過活動膀胱と診断されれば、行動療法をおこないながら、同時に薬物療法をおこないます。

行動療法は、生活指導などを通じて患者さんの行動を見直し、改善していく方法です。肥満や便秘を改善し、食事や、水の摂取方法を指導します。膀胱訓練などを指導する場合もあります。

薬物療法では、抗コリン薬、β3アドレナリン受容体作動薬を処方します。これらは膀胱の異常な収縮をゆるやかにし、1回ごとの尿を溜めやすくする薬です。
副作用として口渇、便秘、視界がぼやけるなどがありましたが、薬の開発が進んだことにより、かなり軽減されてきました。

理学療法を用いる場合もあります。磁気刺激療法と呼ばれる、磁力により骨盤底筋を刺激する方法です。

このほか、薬物治療で改善できない難治性過活動膀胱に対しては、仙骨神経に電気的な刺激を与えることで症状の改善を試みる仙骨神経刺激療法(SNM)を用いる場合もあります。

過活動膀胱の治療経過(合併症・後遺症)

薬物療法では、作用が強すぎると尿が出なくなる尿閉などがおこることもあります。尿漏れがある方は、しっかりとした治療と、しっかりとした副作用の管理が必要になりますので、やはり、泌尿器科専門医にて治療されることをお勧めします。

過活動膀胱になりやすい年齢や性別

頻尿や尿意切迫感を感じている人は約810万人いるとされています。

40歳以上の方の12.4%が過活動膀胱であるとの調査報告があります。これは、40歳以上の7人に1人が過活動膀胱にかかっており、2012年の人口構成で調整すると、1040万人の方が過活動膀胱であるとことを意味します。思っている以上に多くの方が、過活動膀胱に当てはまります。

80歳では約35%が過活動膀胱とされています。年齢の上昇とともに増加する傾向があり、40代では5%ですが、60代では10%を超えます。70代では20%を超え、80代では35%を超えています。

女性より男性に若干多い傾向があります。

執筆・監修ドクター

陶山 俊輔
陶山 俊輔 医師 陶山クリニック 院長 担当科目 泌尿器科

経歴2005年3月  久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月  福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月  久留米大学病院 泌尿器科 入局
       久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月  久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月  陶山クリニック開院

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