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やかんひんにょう夜間頻尿

更新日:2022/08/09 公開日:2019/11/25 view数:14,747

夜間頻尿(やかんひんにょう)とは、就寝中に排尿のために1回以上起床しなければならない症状のことです。

思わぬ病気が原因になっていることもあります。そのため、就寝後の排尿が、もし日常的におきているのであれば、注意する必要があります。この症状の背後には、尿の量が増加する「多尿」、膀胱で貯められる尿が減少する「蓄尿障害」、寝たり起きたりを繰り返す「睡眠障害」がかかわっています。

こうした症状は高血圧糖尿病などの病気によって引きおこされている可能性があります。その場合は、優先して原因になる病気を治療します。例えば、高血圧を原因にした多尿によるものであれば、食事を中心とした生活環境の改善をおこない、降圧剤なども使いながら血圧の改善をはかる必要があります。また、過活動膀胱による蓄尿障害であれば、薬の服用と膀胱の訓練をおこないます。

高齢になると、この症状に悩む人は多くなります。また、生活をともにする家族にとっても生活の質(QOL)に影響する深刻な問題へと発展する恐れがあります。


目次
  1. 夜間頻尿の症状
  2. 夜間頻尿の診療科目・検査方法
  3. 夜間頻尿の原因
  4. 夜間頻尿の予防・治療方法・治療期間
  5. 夜間頻尿の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 夜間頻尿になりやすい年齢や性別

夜間頻尿の症状

夜間に就寝した後、尿意をもよおします。それにより、起床して排尿をおこなうことになります。

睡眠が分断されることで、睡眠の質が低下します。眠りが浅く、なかなか寝付けずに、何度も排尿に起きてしまうこともあります。

就寝中に尿意で1回以上起床するようであれば、夜間頻尿となります。実際には、2回以上おこると、著しく生活の質を低下させるため、治療の対象となることが多くなります。

夜間頻尿の診療科目・検査方法

夜間頻尿がなんらかの病気の症状の一つとしてあらわれている可能性もあります。早めに泌尿器科を受診しましょう。

問診により、自覚症状の状況、病歴、現在処方されている薬などを確認します。

尿検査をおこない、潜血、細菌の混入、炎症などがおきていないかを確認します。

腹部超音波(エコー)検査では、膀胱および前立腺、腎臓の状態を確認します。

また、排尿日誌の記入をおこなっていただきます。3~7日間程度、排尿カップに排尿をおこない、排尿の時間、量、状況などを記録してください。

夜間頻尿の原因

夜間頻尿を大きくみると、「多尿」、「蓄尿障害」、「睡眠障害」という3つにわけられます。これらが単一で、時には複雑に絡みあって、「夜間頻尿」としてあらわれています。

多尿

多尿は尿の量が多い状態です。

24時間の尿量が40ml/kg×体重を超えていると、多尿と判断されます。さらに、就寝中に尿量が24時間尿量の1/3(若年者では1/5)を超えると、夜間多尿となります。単純に水分の過剰摂取が原因になっていることがあります。ほかには、飲酒やカフェイン、利尿剤などの影響でおこることもあります。糖尿病や抗利尿ホルモンの分泌不足など、なんらかの内分泌にかかわる病気が原因になっていることもあります。また、夜間多尿と診断された場合は、高血圧や心臓病など循環器にかかわる病気も原因になることがあります。

蓄尿障害

蓄尿障害とは、膀胱が必要な量の尿を貯められない状態のことです。

原因としては、少量の尿で膀胱が収縮してしまう「過活動膀胱」、膀胱に炎症をおこす「膀胱炎」、「前立腺肥大症」や「前立腺炎」などです。また、過活動膀胱は脳卒中やパーキンソン病など、中枢神経にかかわる病気によって引きおこされていることもあります。

睡眠障害

不眠にもかかわる睡眠障害は、眠りが浅いために何度も目が覚めてしまい、目覚めるたびに排尿をしなければ寝られない状態となります。

睡眠障害が夜間頻尿を招き、夜間頻尿が睡眠障害を引きおこすという悪循環におちいることもあります。これには「睡眠時無呼吸症候群」や「うつ病」、リラックスした状態になると脚に違和感を覚える「むずむず脚症候群」などがかかわっていることがあります。睡眠障害による夜間頻尿の場合は、夜間多尿がないことも多くあります。



夜間頻尿の予防・治療方法・治療期間

症状にあわせて治療をおこないます。例えば、薬剤を原因とする場合は、その使用を中止し、薬の変更を検討します。

多尿

多尿によるものと診断された場合は、飲水指導をおこない、水やジュース類、アルコールやカフェインなどの夜間摂取を制限します。また、運動指導をおこなう場合もあります。散歩などの適度な運動をおこなうことで、血流の循環が促され、水分を排出する働きを補助します。場合によっては、薬物療法も検討します。抗利尿ホルモンや利尿剤を投与し、尿量を調整します。

蓄尿障害

蓄尿障害による場合は、薬物療法をおこない、膀胱が異常に収縮するのを抑え、排尿の回数を減らします。また、尿意を我慢して膀胱の容量を大きくする「膀胱訓練」もおこないます。男性の患者さんでは、前立腺肥大症が原因になっていることが多くみられます。その場合は、前立腺肥大症に対する治療を優先しておこないます。効果がなければ、手術も考慮します。このほか、骨盤底筋の緩みを引き締めるための骨盤底筋体操を指導する場合もあります。

睡眠障害

睡眠障害が原因の場合は、生活習慣を見直すよう指導します。例えば、昼寝が長過ぎたり、極度に運動が不足していたりすると、入眠に支障をきたすこともあります。そのため、適度な運動や、昼寝時間の短縮などを試みます。それでも改善されなければ、睡眠薬を使用することもあります。睡眠時無呼吸症候群などが睡眠障害の原因になっているなら、それに合わせた治療が必要です。

夜間頻尿の治療経過(合併症・後遺症)

原因により、予後や治療経過は大きく変わる可能性があります。

例えば、膀胱炎が原因であれば、抗菌薬治療で改善します。

過活動膀胱が原因であれば、薬を継続的に内服することで、夜間頻尿を減少させ続けることが可能になります。

糖尿病高血圧症により引きおこされている場合は、食事を中心とした生活改善、適量の運動、禁煙などを長期間継続する必要があります。

夜間頻尿になりやすい年齢や性別

日本では、2002~2003年に日本排尿機能学会が40歳以上の男女10096人に対し排尿障害についての調査をおこないました。これによると、男性では71.7%、女性では66.9%が夜間就寝中に排尿のために1回以上起床すると回答しています。この割合を当時の人口に当てはめると、約4500万人が夜間頻尿になっていることになります。

また、男女ともに、年齢の上昇にともなって増加する傾向がありました。

海外の調査では、2回以上の起床について、男性20.9%、女性24%と、女性の割合が高かったと報告しています。

執筆・監修ドクター

陶山 俊輔
陶山 俊輔 医師 陶山クリニック 院長 担当科目 泌尿器科

経歴2005年3月  久留米大学病院医学部 卒業
2005年4月  福岡新水巻病院 初期研修
2007年4月  久留米大学病院 泌尿器科 入局
       久留米大学病院 泌尿器科 助教
2008年10月 大牟田市立病院 泌尿器科 医員
2010年4月  久留米第一病院 泌尿器科 医員
2010年10月 久留米第一病院 泌尿器科 医長
2013年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、教育連絡主任
2015年4月  久留米大学病院 泌尿器科 助教、外来医長
2018年5月  陶山クリニック開院

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