ぜんりつせんひだいしょう前立腺肥大症
前立腺肥大症の症状
「なかなか尿が出てこない」「尿の勢いがない」「排尿の時間がかかる」「お腹に力を入れて排尿する」「尿が途切れる」「残尿感がある」などの排尿症状があります。
「尿の回数が多い」「我慢しづらい」「夜間何度も起きる」などの蓄尿症状がおこる場合もあります。重症な場合には尿が全く出なくなり、場合によっては腎不全が起こることがあります。
時には肥大した前立腺によって血尿を認めることもあります。
前立腺肥大症の診療科目・検査方法
超音波で前立腺の大きさや形を判断します。
前立腺体積が20㎤を超えることは前立腺肥大症と診断する条件のひとつの目安です。直腸診にて前立腺の大きさや硬い部分がないか(癌の可能性)を確認します。
自覚症状を確認する検査としては国際前立腺スコア(IPSS)を確認し、合計点数が7点を超えれば有症状と判断します。
前立腺肥大症による排尿障害の検査としては尿流測定といって尿の勢いをスピードガンのような機械で調べます。最も勢いがあるスピードが一秒間に10ml未満であれば尿勢不良と判断します。
またPSA検査によって前立腺がんの合併がないことを確認することも重要です。
泌尿器科を受診します。
前立腺肥大症の原因
前立腺肥大症は、前立腺の過形成といって、生理的現象として年齢とともに前立腺組織が増えることで体積が大きくなります。
肥大した前立腺が、前立腺の内側を通る尿道を狭めて、尿の勢いを低下させ、残尿を増やします。結果として膀胱に変化が生じて、尿を溜めにくくなり、頻尿をひきおこす。
前立腺肥大症の予防・治療方法・治療期間
尿の勢いが低下、残尿が増加、頻尿などの症状があれば、内科的治療(尿道を拡げる、前立腺を小さくする、前立腺周辺の血流環境を良くする)を行います。
内服での治療効果が認められない、副作用が強いなどのケースでは経尿道的に前立腺を切除して、尿の通過障害を改善する外科的治療を行います。
内服薬では前立腺圧迫による排尿障害に対して尿道を拡げる薬、前立腺肥大を縮小する薬、前立腺周囲の血流を改善する薬が一般的に使用されます。
自覚症状が軽い場合には漢方や生薬を使用します。
内服薬での効果が不十分で、前立腺体積が大きい場合には、経尿道的に前立腺を切除する手術やレーザーを用いて組織を蒸発させる手術などがあります。
継続した治療が必要になる場合があります。
前立腺肥大症の治療経過(合併症・後遺症)
内科的、外科的に治療は可能です。
継続的な治療が必要な場合があります。
前立腺肥大症になりやすい年齢や性別
近年の具体的な罹患者数は観測されていないようですが、80年代の海外の調査では病理学的に良性な前立腺の肥大が発見されるのは40代までは8%であったものが、51~60歳の男性では50%以上に増えたという報告があります。
組織学的な前立腺肥大症は80歳代では約90%に認められます。
ある一定の基準を満たしている前立腺肥大症の有病率としては60代で6%、70代で12%、さらに年齢に従って増加します。
前立腺肥大症は男性のみに起こります。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
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