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中枢性尿崩症とは
中枢性尿崩症(ちゅうすうせいにょうほうしょう)とは、脳下垂体からおくられる尿の濃度を調整するホルモンが分泌されなくなることで尿が過剰に作られる病気です。
尿の量が多いことで脱水をおこします。時には血圧が急激に低下するショック状態になることもあります。
抗利尿ホルモンとよばれるバソプレシンは脳の視床下部で作られ、脳下垂体に貯められています。このホルモンは血液中に放出されて、腎臓にはたらきかけます。
これによって尿の量を調整して、体液量の調節をおこなっています。
通常は体が脱水状態になると、バソプレシンが増加し、尿量を減らすことで、体に必要な水分を保持します。
生まれつきにおこる先天性の場合もありますが、多くの場合は後天性であるといわれています。
中枢性尿崩症の症状
中枢性尿崩症の症状は、突然あらわれることが多いといわれています。
尿の量は1日3リットル以上にもなります。体から水分が排出されるため、のどが渇き、水分を欲するようになります。
水分を大量に摂取するために、食欲がなくなり、体重が減ります。また、夜間も尿意があるために、睡眠が障害されます。
脱水状態になるため、発熱やけいれんがみられることもあります。脱水症状が重症になると意識障害が生じます。
中枢性尿崩症の診療科目・検査方法
中枢性尿崩症の原因
中枢性尿崩症の原因は、なんらかの病気によって引きおこされる続発性、遺伝による家族性、原因がわからない特発性の3種類に分類されます。
続発性は外傷や脳腫瘍などによって、バソプレシンの分泌が障害されておこります。脳の手術をした後に発症する例もあります。
また、結核やサルコイドーシス、ランゲルハンス細胞組織球症なども、発症する原因になります。全体の80~90%が続発性です。
全体の1%が家族性、特発性は全体の10~20%を占めています。
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中枢性尿崩症の予防・治療方法・治療期間
中枢性尿崩症の治療には、12~24時間、抗利尿作用が持続するデスモプレシンというホルモン製剤を使用します。
鼻腔へのスプレー、または、錠剤で投与します。持続時間は個人差が大きいといわれています。
そのほかの治療法として、非ホルモン製剤をしようすることがあります。サイアザイド系利尿薬や、カルバマゼピン、クロルプロパミド、クロフィブラートなどのバソプレシンの分泌を促す薬、プロスタグランジン阻害薬などです。
多尿などの症状がよくなることもありますが、重症の場合には、難しいといわれています。一度発症すると、生涯にわたって治療を継続する必要があります。
中枢性尿崩症の治療経過(合併症・後遺症)
以前、中枢性尿崩症の治療には、デスモプレシンは、鼻粘膜にスプレーする方法しかありませんでした。しかし、鼻粘膜が萎縮する、吸収が不安定であるなどの問題点がありました。
現在では、錠剤が開発されています。2012年からは健康保険も適用されるようになり、普及しています。今後も研究が進み、よりよい治療方法が開発されることが期待されます。
原因になっている病気がある場合、その病気によっても、予後は左右されます。
中枢性尿崩症になりやすい年齢や性別
中枢性尿崩症の患者さんは、5,000~10,000人いると考えられています。発症しやすさの男女差については、報告がありません。
すべての年代で発症する恐れがあるといわれています。なかでも、子どもは、発症する頻度がやや高いと報告されています。
参考・出典サイト
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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