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はんとしょうこうぐんハント症候群

更新日:2022/09/26 公開日:2020/01/22 view数:26,317
目次
  1. ハント症候群とは
  2. ハント症候群の症状
  3. ハント症候群の診療科目・検査方法
  4. ハント症候群の原因
  5. ハント症候群の予防・治療方法・治療期間
  6. ハント症候群の治療経過(合併症・後遺症)
  7. ハント症候群になりやすい年齢や性別

ハント症候群とは

ハント症候群(はんとしょうこうぐん)はラムゼイ・ハントにより報告された顔面神経麻痺を主症状にする病気です。

そのため、ラムゼイ・ハント症候群や単にハント症候群とも呼ばれます。

この病気の原因は水痘帯状疱疹ウイルスが顔面神経に潜伏し、免疫力の低下などに際してウイルスの再活性がおこり、顔面神経麻痺を発症します。

つまり、帯状疱疹の一つです。おこる症状は顔面や皮膚の水疱だけでなく、顔面神経麻痺や難聴、耳鳴り、めまいなどです。

同じ片側性の顔面神経麻痺にベル麻痺があります。ベル麻痺は潜伏したヘルペスウイルスの再活性でおこり、比較的治癒しやすいことが知られています。

しかし、ハント症候群の場合は後遺症が残る可能性が高く、より早期に治療を開始することが重要です。

ハント症候群の症状

ハント症候群の主な症状は3つあります。

1つ目は、片方の耳の中やその周囲におこる帯状疱疹で、典型的には強い痛みやかゆみを伴う水疱を認めます。

2つ目は、片側性の顔面神経麻痺がおこることです。

3つ目は、耳鳴りや難聴、めまいです。

しかし、この3つが同時におこるとは限らず、多くの場合、発症のタイミングには時間差があります。

一部は顔面神経麻痺のみで明確な帯状疱疹を伴わず、ベル麻痺との鑑別困難なケースもあります。

ほかにも舌のしびれや味覚障害がおこることもあります。また、まれに脳炎を発症します。

顔面神経麻痺が回復する過程で、眼を閉じようとすると同時に口が動いたり、逆に口を動かそうとすると眼が閉じたりしてしまう運動(病的共同運動)や、顔面が一方向にぎゅっと縮こまってしまう拘縮(こうしゅく)がおきることがあります。

顔面神経麻痺が完全には回復しない場合もあり、病的共同運動や拘縮も回復せずに残る場合があります。

ハント症候群の診療科目・検査方法

ハント症候群は顔面神経麻痺の発症に加えて問診、視診により帯状疱疹の症状を確認できれば診断は難しくありません。

ウイルス学的検査としてヘルペスウイルス感染症によるベル麻痺との鑑別をおこないます。ウイルス抗体検査や、水疱内容液やぬぐい液によるイムノクロマト法検査などで水痘帯状疱疹ウイルスを確認します。

顔面神経麻痺の重症度を評価するENoG検査などを実施して予後評価を行います。

耳鼻いんこう科を受診します。

ハント症候群の原因

ハント症候群の原因は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)による感染、つまり水疱瘡(みずぼうそう)をおこすウイルスの感染です。

子どもの頃に水痘にかかると、最終的にはウイルスは体内で休眠状態になります。その後、免疫機能の低下などがおこると神経の分布に一致した、痛みと発赤を伴う水疱の発症、つまり帯状疱疹をおこします。

ハント症候群の場合、顔面神経に潜伏していたウイルスが再活性化することで顔面神経麻痺がおこります。

この時、周囲の脳神経にも影響を及ぼすため、耳介の発赤や耳痛と同時に、めまいや耳鳴・難聴などもおこります。

ハント症候群の予防・治療方法・治療期間

ハント症候群は出来る限り早期に治療を開始しましょう。水痘帯状疱疹ウイルスの増殖を防ぐために抗ウイルス薬を使用します。

また、炎症を抑えて神経が変性するのを防せぐためにステロイド薬を投与します。

診断確定前に急いで治療を開始することは、治癒の確率を上げるため、詳細な診断に先立って治療を開始することがあります。そのため診断確定後に不要な治療を減らす場合もあります。

予後がよくないと判断した場合は、顔面神経減荷術(がんめんしんけいげんかじゅつ)という手術を検討したり、リハビリを継続的に実施したりする場合もあります。

十分な治療にもかかわらず顔面神経麻痺が残ってしまった場合には、形成外科的な治療や、病的共同運動に対してボツリヌス毒素治療、バイオフィードバック法などのリハビリテーションがおこなわれる事があります。

また、水痘ワクチンを幼少期に接種すれば、水痘や帯状疱疹だけでなく、ハント症候群も予防できる可能性があります。

ハント症候群の治療経過(合併症・後遺症)

ハント症候群が自然に治る患者さんは3割程度です。十分な治療を行なった場合も後遺症を残さず治癒できる症例は60%です。

ハント症候群になりやすい年齢や性別

ハント症候群は人口10万人あたり約5人の患者さんがいるとされています。水痘にかかったことがある場合は発症する可能性があります。

また帯状疱疹は中高年に増える傾向があります。

執筆・監修ドクター

福島 邦博
福島 邦博 医師 早島クリニック耳鼻咽喉科皮膚科 院長 担当科目 耳鼻いんこう科

経歴平成 2年 岡山大学医学部 卒業
平成 6年 岡山大学医学部大学院 卒業
平成 2年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 入局
      国立岡山大学 耳鼻咽喉科 研修医
平成 7年~ 米国アイオワ大学医学部 耳鼻咽喉科 研究員
平成 9年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 助手
平成12年~ 岡山大学医学部耳鼻咽喉科 講師
平成26年4月~ 新倉敷耳鼻咽喉科クリニック 院長
平成27年~ 埼玉医科大学 客員教授
      九州大学 臨床教授
平成29年10月~  早島クリニック耳鼻咽喉科皮膚科 院長

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