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しょくちゅうどく食中毒

更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/22 view数:9,432
目次
  1. 食中毒とは
  2. 食中毒の症状
  3. 食中毒の診療科目・検査方法
  4. 食中毒の原因
  5. 食中毒の予防・治療方法・治療期間
  6. 食中毒の治療経過(合併症・後遺症)
  7. 食中毒になりやすい年齢や性別

食中毒とは

一般的に「食中毒」といった場合、「食物と同時に病原体・有毒物質を摂取して、胃腸症状などの体調不良をきたすこと」を指します。
病原体には「細菌」「寄生虫」「ウイルス」などがあり、有毒物質には「細菌が産生する毒素」「自然毒」「化学物質」などがあります。
胃腸症状が中心の場合、食中毒もまた感染性胃腸炎急性胃腸炎の一種です。

基本的には、夏場に細菌性食中毒、冬場にウイルス性食中毒が流行します。
5月くらいから細菌性の食中毒が増えて9~10月にかけて激減し、11月にはウイルス性の食中毒が増えはじめて3月あたりまで続く傾向にあります。
ただ、近年は暖房器具の普及から「季節外れの細菌性食中毒」も出ていますし、衛生環境の改善による危機意識低下で「寄生虫による食中毒」が再び増えてきています。


食中毒の症状

腹痛、嘔吐、下痢などの胃腸症状が代表的な症状です。
「食事を原因とする体調不良」という条件を満たしているなら、胃腸症状ではなくても食中毒とされます。
「食品衛生法―第58条」では「食品、添加物、器具もしくは容器包装に起因して中毒した人(または、その疑いがある人)」を「食中毒患者等」と呼びます。そのため食中毒患者は胃腸症状に限定されず、原因によりさまざまな症状をおこすため、神経症状が生じる場合もあります。

食中毒の診療科目・検査方法

食中毒は原因により検査が異なります。
原因と思われる食品の検査、患者さんの糞便検査、培養検査、生化学検査、顕微鏡などさまざまです。

食中毒を疑われる場合は内科胃腸内科消化器内科などを受診します。

食中毒の原因

食中毒は、「食事が原因の体調不良」を指しています。
食べ物自体はもちろん、食品添加物、調理器具、容器、包装などが原因の場合も含みます。

食中毒の原因物質には、さまざまな種類が存在します。
原因別に分類した場合、次の5種類に大別されます。

細菌性食中毒

食品に付着していた細菌が原因の食中毒は、細菌性食中毒に分類されます。
食中毒を引きおこす細菌の多くは、20℃以上で増殖が速くなり、35~40℃でもっとも活発に増殖します。
そのため、細菌性食中毒が多発するのは主に夏場(6月~8月)です。

ウイルス性食中毒

食品に付着していた病原体がウイルスであれば、ウイルス性食中毒に分類されます。ウイルスが安定的に存在できる条件は、低温・乾燥です。
そのため、ウイルス性の食中毒は冬場(11月~3月)に流行する傾向があります。

自然毒食中毒

自然毒食中毒は、自然に存在する毒物が原因の食中毒です。
代表的なものに「毒キノコの誤食による食中毒」「フグの不適切調理による食中毒」があります。自然毒には植物由来と動物由来があり、毒キノコなら植物由来、フグ毒なら動物由来に分類されます。

化学性食中毒

化学性食中毒は、化学物質を摂取したことが原因の食中毒です。「家庭菜園の野菜に多量の農薬が付着していた」「食器に多量の洗剤が残留していた」などの理由で体調を崩せば、化学性食中毒と扱われます。

ただし、化学性食中毒に分類されるには、「誤食」が絶対条件となります。
「本人」「調理した人物」などの過失で、間違って化学物質を食べた場合に化学性食中毒となります。

寄生虫食中毒

寄生虫に感染したことによる食中毒は、寄生虫食中毒に分類されます。衛生面の向上で激減しましたが、近年、再び増加の傾向を見せています。増加の要因としては、次の2つが指摘されています。

  • 衛生的な環境で育った現代人は、食中毒への警戒心が低下している
  • 生食用魚介類を冷凍せず、生のまま流通させることが増えた

食中毒の予防・治療方法・治療期間

原因によって治療法や期間は異なります。
また、確実な治療法がないことも多いため対症療法をとられますが、多くの場合下痢止めなどの服用は推奨されません。
フグ毒が原因の場合などでは胃洗浄をおこなうこともあります。
寄生虫が原因の場合は内視鏡により取り除く場合もあります。

食中毒の治療経過(合併症・後遺症)

自然毒や化学性のものの中には短い時間で生命に関わるものもあり、原因によって治療の展望や予後は大きく異なると言えます。

食中毒になりやすい年齢や性別

厚生労働省が発表した「病因物質別患者数発生状況(2018年)」によれば、食中毒と診断された患者さんの35.1%が細菌性食中毒でした。

具体的な原因菌ごとの内訳は

  • カンピロバクター 24.0%
  • サルモネラ菌 1.4%
  • ブドウ球菌 2.0%
  • ウェルシュ菌 2.4%
  • 病原性大腸菌(※1) 0.6%
  • 腸炎ビブリオ 1.7%
  • 腸管出血性大腸菌(※2) 2.4%
  • セレウス菌 0.4%
  • そのほかの細菌 0.2%

※1 本来、病原性大腸菌には腸管出血性大腸菌を含めますが、上の表内の「病原性大腸菌」は、食中毒の原因となる大腸菌から、「腸管出血性大腸菌」を除いたものです。症状の程度に大きな差があることから、便宜的に区別しています。

※2 「腸管出血性大腸菌」は、ベロ毒素と呼ばれる毒素を産生する大腸菌です。
代表的な腸管出血性大腸菌は「O-157」です。

また食中毒全体のうち、19.9%がウイルス性食中毒によるものでした。またそのウイルス性食中毒のうち、96%がノロウイルスによる食中毒でしたので、「ウイルス性食中毒は、ほとんどがノロウイルスによるもの」と捉えることができます。

自然毒食中毒は4.6%でそのうち植物性自然毒が2.7%、動物性自然毒が1.9%という内訳になっています。他にも1.7%が化学性食中毒、36.6%が寄生虫食中毒でした。
具体的な寄生虫の内訳は、クドアが1.1%、アニサキスが35.2%となっています。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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