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きゅうせいいちょうえん急性胃腸炎

更新日:2022/08/16 公開日:2019/02/07 view数:178,790

急性胃腸炎とは?

急性胃腸炎は、「吐き気・腹痛・下痢などの胃腸症状」があらわれる病気のうち一過性のものを指します。
長期的に胃腸症状が継続する場合、慢性胃腸炎などと呼ばれます。
食中毒を含めて、微生物やウイルスによる急性胃腸炎は「感染性胃腸炎」に分類されます。
夏場8月をピークとして、7月〜9月は細菌性の胃腸炎、冬場(11月~3月頃)はウイルス性の胃腸炎が増加する傾向です。
O-157に代表される腸管出血性大腸菌による食中毒は、毎年、死亡例も出ています。
重い胃腸症状があらわれたときは、早めに内科消化器内科を受診してください。
急性胃腸炎は、ウイルス・細菌などによる「感染性胃腸炎」、アレルギーなどを原因とする「非感染性胃腸炎」の2種類に大別することができます。

感染性胃腸炎

1.ウイルス性胃腸炎

ノロウイルス、ロタウイルス、腸管アデノウイルスなどが主な原因です。
冬場に流行しますが、腸管アデノウイルスによる胃腸炎は季節に関係なく発症します。2019年9月に発表されたデータ(東京都小児科病原体定点医療機関の検体)からは、感染性胃腸炎の原因菌は、ノロウイルスが37.1%、ロタウイルスが40.3%と多くを占めています。

2.細菌性胃腸炎

細菌性胃腸炎は、夏場に流行する傾向があります。
食品を介して感染・発症した場合は「食中毒」と呼ばれることが多くなります。
急性胃腸炎を引きおこす細菌にはたくさんの種類が存在しますが、有名なのは、腸管出血性大腸菌O-157、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌などです。

3.寄生虫による胃腸炎

ウイルス・細菌のほか、寄生虫による感染性胃腸炎も存在します。
胃腸炎を引きおこす寄生虫としては、「アニサキス」「ランブル鞭毛虫(ランブルべんもうちゅう)」などが知られています。
アニサキスはサバなどの魚介類、ランブル鞭毛虫は不衛生な水などが感染源になります。

非感染性の急性胃腸炎

ウイルス・細菌などの病原体に感染していなくても、急性胃腸炎をおこすことがあります。

1.アレルギー性胃腸炎

食物アレルギーの症状として、嘔吐・下痢などが生じることがあります。アレルギーの原因は人によってさまざまですが、胃腸炎の症状をきたしやすい食品としては、牛乳・卵・小麦粉・蕎麦などが知られています。
アレルギーは「免疫の過剰反応」による症状なので、重度の場合はステロイド剤(免疫を抑制する作用がある)による治療をおこないます。
予防に関しては、アレルゲンとなる食品の摂取を避けることが第一になるでしょう。

2.虚血性大腸炎(きょけつせいだいちょうえん)

虚血性大腸炎は、「大腸への血流が阻害されることで、炎症・潰瘍(かいよう)が生じた状態」です。
酸素・栄養分が十分に届かなくなり、大腸の粘膜が弱ることが原因です。動脈硬化で血管が狭くなった場合のほか、便秘で腸内圧力が上昇した場合も虚血性大腸炎を発症することがあります。
大腸内部の圧力が邪魔になり、血液の供給がうまくいかなくなるからです。
下痢・発熱・吐き気など胃腸炎の症状に加えて、「左下腹部に強い痛みが生じる」「下血(げけつ/血便のこと)がある」という特徴があります。
たいていは一過性の症状ですが、重度の場合、大腸の一部が壊死する恐れもあります。
壊死がおきた場合、外科手術を要します。

3.ストレス性胃腸炎

別名で「神経性胃腸炎」と呼ぶこともあります。
内視鏡検査などで器質的疾患(潰瘍など、客観的に確認できる病気の原因)が見つからないにもかかわらず、胃腸炎の症状が出ます。
神経性が疑われる胃炎を「機能性ディスペプシア」、腸炎を「過敏性腸症候群」と呼ぶこともあります。
胃炎に対しては胃酸分泌抑制薬・胃粘膜保護薬、腸炎に対しては整腸剤などを用いて対症療法をおこないます。

目次
  1. 急性胃腸炎の症状
  2. 急性胃腸炎の診療科目・検査方法
  3. 急性胃腸炎の原因
  4. 急性胃腸炎の予防・治療方法・治療期間
  5. 急性胃腸炎の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 急性胃腸炎になりやすい年齢や性別

急性胃腸炎の症状

急性胃腸炎の症状は、主に下痢・嘔吐・発熱です。
ウイルス性でも、細菌性でも基本的な症状は同様です。

嘔吐・下痢による脱水症状

嘔吐・下痢を繰り返すと、体内の水分がどんどん失われていきます。
吐き気があると飲食が難しくなり、水分補給も怠りがちになります。
もともと体内の水分量が少ない高齢者、代謝が活発で水分排出量の多い乳幼児は、容易に脱水症状をおこしてしまいます。
特に乳児は、自分で「喉が渇いた」と訴えることができません。
気づかないうちに重症化する恐れもあり、早めの対処が必要です。
脱水症状を防ぐには、こまめな水分補給が重要です。ただ、「普通の水」は、あまり脱水症状の予防に役立ちません。体内に必要な電解質が不足するからです。
人体に必要なのは水分だけでなく、「ナトリウム・カリウムなどの電解質を含んだ水分」です。
そこで、脱水症状の予防に効果的なのが、市販の「経口補水液」です。身体に必要な電解質がバランスよく含まれており、脱水症状の改善に適しているのです。

ウイルスが原因の急性胃腸炎

ウイルス性の急性胃腸炎は冬場に流行します。
発熱など、風邪に似た症状も出るので、「お腹にくる風邪」と認識している人も多くいます。
以下に原因ウイルスごとに特徴を解説します。

1.ノロウイルス

ウイルス性胃腸炎の代名詞となっています。
感染から発症までの潜伏期間は、24~48時間程度。

2.ロタウイルス

ロタウイルスに特有の症状としては「大便が白色になること」が知られています。
便が茶色なのは、胆汁に含まれる色素(ビリルビン)の影響ですが、ロタウイルスに感染すると胆汁が出にくくなることがあります。
そのため、下痢が白色になります。発症までの潜伏期間は2~4日です。
ロタウイルスは、乳幼児期(0〜6歳頃)にかかりやすい病気です。

3.腸管アデノウイルス

腸管アデノウイルスによる胃腸炎は、乳幼児に多く見られます。
季節性の流行ではなく、夏場でも感染することがあります。
ノロウイルス、ロタウイルスに比べると、軽症で済むことが多い胃腸炎です。
潜伏期間は3~10日と幅があります。

細菌が原因の急性胃腸炎

細菌性の急性胃腸炎は、夏場に流行する傾向があります。
以下に原因菌ごとに解説します。

1.腸管出血性大腸菌

大腸菌がベロ毒素を作り出し、大腸の壁をただれさせ、出血させます。
激しい腹痛に加えて、血便などの症状が出ます。
重症化しやすく、生命にかかわることも珍しくありません。
もっとも有名なO-157の場合、潜伏期間は3~5日程度です。

2.カンピロバクター

下痢・嘔吐・発熱などの症状をもたらします。
感染から発症までの潜伏期間は2~5日程度です。

3.黄色ブドウ球菌

潜伏期間が数時間と短いのが特徴です。

4.サルモネラ菌

発症までの潜伏期間は8~48時間程度です。

5.腸炎ビブリオ

近年、腸炎ビブリオ食中毒は減少傾向にあります。
潜伏期間は6~24時間くらいです。

急性胃腸炎の診療科目・検査方法

急性胃腸炎の症状が強いときは、内科消化器内科を受診します。
「嘔吐・下痢が数日単位で続いている場合」「頻繁に嘔吐し、水分補給さえ難しい場合」は早急に医療機関を受診しましょう。

診断

胃腸炎の症状がある場合、多くは問診で判断します。
検査は必須ではありませんが、医師の判断によって実施することがあります。

1.問診

一般に次のような問診がおこなわれます。

・胃腸炎になるまでに、何を食べたか?

⇒食中毒による症状かどうかを推測します。

・最近、何か薬を服用したか?

⇒薬剤による炎症かどうかを確認します。

・周囲に同じような症状の人はいるか?

⇒家族内での感染が見られるかどうかを確認します。

・最近、海外旅行をしたか?

⇒発展途上国に渡航していれば、寄生虫などの原因も考えられます。

・具体的に、どのような症状が出ているか?

⇒重症度を確認し、治療方針を決めるために役立てます。

・持病の有無、妊娠している可能性の有無

⇒処方薬を決める上で必要な情報になります。

検査

重症でなければ自然治癒するので、検査は必須ではありません。
多くの場合は問診だけで「急性胃腸炎」と判断し、対症療法(症状を抑えて、自然治癒を待つ方針)をおこないます。
原因ウイルス・原因菌を特定することは、あまり多くありません。
重度の細菌性胃腸炎が疑われるケースにおいても、「エンピリック治療(原因菌を特定できていない段階で、経験則から治療を開始すること)」が一般的です。

ラピッドテスト

正式名称を「イムノクロマト法」といいます。
患者の糞便から、ウイルスが検出されるかどうかを調べる検査です。
10分ほどで結果が出ますが、検出精度はそれほど高くなく、ウイルス量が少ないと陰性になってしまいます。
また、ラピッドテストで検査できるのは、ノロウイルス、ロタウイルス、腸管アデノウイルスの3種類だけです。ロタウイルス、腸管アデノウイルスのラピッドテストは保険適用ですが、ノロウイルスの検査が保険適用になるのは「3歳未満」「65歳以上」「がんの診断を受けている人」など一部に限られます。

直接鏡検

患者の糞便を顕微鏡で確認する検査です。
必要に応じて、菌を培養してから検査することもあります。
カンピロバクター、赤痢アメーバなどが原因であれば、直接鏡検で確定診断が可能です。

血液検査

「脱水症状の有無を確認する必要がある場合」「細菌性胃腸炎の疑いがあり、体内の炎症の程度を確認したい場合」などに血液検査をおこなう場合があります。

急性胃腸炎の原因

主に感染性の急性胃腸炎について原因となる主なウイルスと細菌についてそれぞれ解説します。

ウイルス

胃腸炎をおこす代表的なウイルスには、ノロウイルス、ロタウイルス、腸管アデノウイルスなどがあります。

1.ノロウイルス

成人のウイルス性胃腸炎は、大半がノロウイルスによるものです。

生カキをはじめとした二枚貝、感染者が手を触れた食材などが、しばしば感染源となります。
また、感染力が強く「感染者の排泄物・吐瀉物の飛沫を吸入する(飛沫感染)」なども感染経路になります。
実際、感染者の排泄物・吐瀉物からはウイルスが飛散しており、周囲1~2m程度に漂います。

2.ロタウイルス

乳幼児が感染することが多く、保育園・幼稚園での集団感染が問題になることもあります。
主な感染経路は、糞口感染です。
「感染者がトイレのあとにきちんと手を洗わずドアノブを触り、別の誰かが同じドアノブを触った手で口に触れる」といった経路で感染します。
ロタウイルスは感染力がきわめて高く、わずか10~100個のウイルス粒子でも感染します。
このようなウイルスは、間接的な糞口感染に注意を払わなければなりません。

3.腸管アデノウイルス

ロタウイルス同様、糞口感染が主な感染経路です。

細菌

加熱が不十分・調理から時間が経過した食べ物が感染源になることが多く、細菌性胃腸炎を「食中毒」と表現することもよくあります。
数多くの細菌が急性胃腸炎の原因になりますが、ここでは代表的な細菌5種類をあげます。

1.腸管出血性大腸菌

代表例は「O-157」ですが、「O-111」「O-128」など、いくつかの種類が存在します。

2.カンピロバクター

2003年以降、細菌性胃腸炎における最大の原因であり、感染性胃腸炎全体でもノロウイルスの次に多く見られます。

3.黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌は、皮膚の表面に棲んでいる常在菌ですが、大量に胃腸に入ると細菌性胃腸炎の原因になります。
傷口で増殖する性質があるので、手にケガをした人が調理した食べ物が原因になる場合があります。
食中毒症状の原因になるのは、黄色ブドウ球菌がつくる毒素(エンテロトキシン)です。

4.サルモネラ菌

サルモネラ菌は、多くの動物が体内に保有している細菌です。
卵、十分に加熱されていない食肉などが感染源になります。
熱に弱い一方、乾燥・低温には強いのが特徴です。
冷凍されても死なないので、冷凍食品が感染源になる例もあります。

5.腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは、海水、魚介類の体内に存在している細菌です。
魚を生食する習慣のある日本では、代表的な食中毒原因の1つです。

6.そのほかの細菌

上記以外にも、赤痢菌、コレラ菌、チフス菌(厳密にはサルモネラ菌の一種)、ウェルシュ菌、セレウス菌など、数多くの細菌が細菌性胃腸炎の原因になります。

急性胃腸炎の予防・治療方法・治療期間

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎の場合、有効な治療法は存在しません。
ノロウイルス、ロタウイルス、腸管アデノウイルスなどは、現状、抗ウイルス薬の存在しないウイルスです。そのため基本的には自然治癒を待つしかありません。
また、体内のウイルスを早く排出したほうが良いので、基本的に下痢止めが処方されることもありません。腸内環境を整えるための「整腸剤」を処方するのが一般的です。水分を摂取してもすぐ嘔吐するようなら、水分補給しやすいように「吐き気止め」を処方することもあります。
以上から、症状を抑えながら自然治癒を待つ対症療法しか選択肢がありません。
医療機関で処方された薬を服用するほか、経口補水液などで脱水予防に努めます。

一般的に下痢や嘔吐などの主症状は、大概の場合、ノロウイルス・腸管アデノウイルスで3日前後、ロタウイルスで5~7日ほど経てば治ります。しかし、体力や胃腸の回復には個人差があり、完全に回復するまでには時間がかかる場合があります。

細菌性胃腸炎

細菌性胃腸炎に関しても、多くは対症療法で自然治癒を待ちます。
ただ、医師の判断によっては抗生物質(抗菌薬)を処方して、原因菌を治療する場合があります。
サルモネラ菌、腸炎ビブリオなど、多くの原因菌に対して「レボフロキサシン」「ジプロフロキサシン」などの「ニューキノロン系抗生物質」が第一選択となります。ニューキノロン系に対する耐性菌に対しては「セフトリアキソン(セフェム系抗生物質)」「アジスロマイシン(マクロライド系抗生物質)」などを選択することもあります。カンピロバクター、赤痢菌、チフス菌、コレラ菌などは、ニューキノロン系抗生物質に対して薬剤耐性を獲得している例も増えてきています。

O-157など腸管出血性大腸菌に関しては、抗生物質の投与に対する統一見解が出ていません。
「抗生物質の投与が、細菌からの毒素排出を促す」という意見もあれば、「抗生物質が重症化を防ぐために役立つ」という意見も存在します。
抗生物質を使う場合は、早期にニューキノロン系抗生物質を投与するのが一般的です。
抗生物質のほかには、ウイルス性胃腸炎と同様、整腸剤、吐き気止めなどが処方されます。
処方薬を服用するのはもちろん、経口補水液などで水分補給を心がけ、脱水症状を予防しましょう。

急性胃腸炎の治療経過(合併症・後遺症)

急性胃腸炎が疑われる場合は、「二次感染の防止」と「症状を悪化させないこと」を考える必要があります。

ウイルス性胃腸炎が疑われる場合、家族への二次感染に注意しなければなりません。ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスは感染力が強いので、予防策を取らないと容易に家族間で感染します。まず、感染者の排泄物・吐瀉物には大量のウイルスが含まれています。
排泄物・吐瀉物の周囲1~2m程度には大量のウイルスが飛散していると考える必要があります。
床・流し台に吐いてしまった場合などは、手早く処理する必要があります。

重要なのは、「ノロウイルス・ロタウイルスなどに対して、アルコール消毒は効果がない」という事実です。インフルエンザ対策に用いられる「アルコールの消毒ジェル」では、ウイルス性胃腸炎を予防できません。アルコールで消毒できるのは、「エンベロープ」と呼ばれる脂質の膜を有するウイルスだけです。インフルエンザウイルスにはエンベロープが存在しますが、ノロウイルス・ロタウイルスには存在しません。

ノロウイルス・ロタウイルスを消毒するためには、「塩素系の消毒剤・漂白剤」または「85℃以上かつ1分以上の加熱」が有効です。
「吐瀉物をこぼした床」「処理した人の手指」などは塩素消毒、「吐瀉物を掃除した雑巾」などは煮沸するようにします。
もちろん、吐瀉物を処置するときはマスク・手袋の着用が必須です。

おう吐・下痢止めを使用しない

胃腸炎の主な症状は、嘔吐・下痢です。
しかし、急性胃腸炎が疑われる場合、「吐き気止め」「下痢止め」などの市販薬を服用するのは避けます。嘔吐・下痢などの症状は、胃腸のウイルス・細菌を排出するための防御機構です。病原体を早く身体の外に出したほうが治りは早くなります。自己判断による「吐き気止め」「下痢止め」の服用は、かえって治癒を遅らせる要因になります。

合併症

急性胃腸炎の多くは、時間とともに軽快します。しかし、合併症をおこすと生命にかかわる恐れもあるので、油断は禁物です。乳幼児・高齢者など、体力に不安がある人は注意が必要です。

1.急性胃腸炎に起因する乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)

急性胃腸炎で腸が弱ると、乳糖(ラクトース)を含む食べ物(牛乳・母乳など)をうまく消化できなくなることがあります。この状態を「乳糖不耐症」と呼びます。
もし、急性胃腸炎をおこしたあと、赤ちゃんの嘔吐・下痢が続くようなら、一時的な乳糖不耐症を疑います。
ときどき、牛乳を飲むとお腹を壊す人がいますが、これがまさに乳糖不耐症です。
牛乳に含まれる乳糖を分解するための消化酵素(ラクターゼ)が不足し、乳糖を消化できないことに起因しています。
基本的に、成長するとラクターゼの活性は下がるので、大人の乳糖不耐症については、それほど気にする必要はありません。
ただし、乳児の乳糖不耐症は問題です。
母乳を主な栄養源としているからです。
この場合、乳糖の入っていない特殊なミルクを与えるなどして、乳糖不耐症の症状を抑える必要があります。
急性胃腸炎の二次障害としてあらわれた乳糖不耐症は、一時的なものです。
胃腸の機能が回復すればもとどおり、乳糖を消化できるようになります。

2.溶血性尿毒症症候群(HUS:ようけつせい にょうどくしょう しょうこうぐん)

腸管出血性大腸菌による急性胃腸炎の場合、重篤な合併症として「溶血性尿毒症症候群(HUS)」が知られています。腸管出血性大腸菌の代表例は「O-157」ですが、ほかにも「O-111」「O-128」など複数の種類が存在しています。
赤血球が破壊されることによる「溶血性貧血」のほか、血小板減少、急性腎不全、脳症、呼吸障害などの症状を伴うことがあります。多くは自然治癒しますが、悪化すると生命にかかわります。
腸管出血性大腸菌に感染した胃腸炎患者の数%~10%が溶血性尿毒症症候群を発症します。

急性胃腸炎になりやすい年齢や性別

原因が幅広く世代や性別に限らず発症する可能性があります。
胃腸炎は成人では軽症のことも多いですが、乳幼児にとっては命にかかわることもあります。

特に急性感染性胃腸炎は、世界における小児の死亡者、罹患者の最も多い原因の一つであり、5歳未満の小児の死亡者は年間180万人に上るという報告もあります。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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