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かんせんせいいちょうえん感染性胃腸炎

りゅうこうせいおうとげりしょう/はきくだし流行性嘔吐下痢症/吐き下し
更新日:2022/08/16 公開日:2019/01/22 view数:17,376

感染性胃腸炎とは、「細菌・寄生虫・ウイルスなどの病原体による胃腸炎」です。食中毒による胃腸症状も、感染性胃腸炎の一部になります。

細菌・寄生虫による感染性胃腸炎は、病原体ごとに治療方法が異なります。一方、ウイルス性の感染性胃腸炎については、有効な治療法が存在しません。症状をやわらげながら、自然治癒を待つことになります。
主な診療科目は、内科、感染症内科、胃腸内科消化器内科などです。

目次
  1. 感染性胃腸炎の症状
  2. 感染性胃腸炎の診療科目・検査方法
  3. 感染性胃腸炎の原因
  4. 感染性胃腸炎の予防・治療方法・治療期間
  5. 感染性胃腸炎の治療経過(合併症・後遺症)
  6. 感染性胃腸炎になりやすい年齢や性別

感染性胃腸炎の症状

感染性胃腸炎の症状は病原体により異なり、個人差があります。
主な症状は下痢や嘔吐、悪心、腹痛、発熱などがあげられます。
また、ロタウイルスを原因とする場合は、便が白色になることもあります。

水のような下痢、血便となる場合も多く、症状が重い場合は脱水症状も引きおこします。
高齢者の場合は吐瀉物(としゃぶつ)による誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)や気道の閉塞による窒息の恐れもあるため、注意・観察が必要となります。

以下に原因菌の違いによる特徴をあげます。

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオによる食中毒の原因食品は主に魚介類です。7月~9月にかけて発生する食中毒の主要原因菌の一つで、潜伏期間は12時間前後。激しい腹痛に加えて水様性の下痢や粘液便、吐き気、血便、発熱といった症状に見舞われ、通常は1~2日程度で症状が軽くなっていきます。

サルモネラ菌

家畜のウシ・ブタ・トリに常在(じょうざい)しています。感染した場合、健康な成人の場合は胃腸炎にとどまることが多いですが、小児や高齢者の場合は重篤となる場合があります。8~48時間の潜伏期間を経て発病し、嘔吐にはじまり腹痛や下痢が3日~1週間程度続きます。
治療は基本的に脱水症の補正、および腹痛といった胃腸炎症状の緩和を中心とした対症療法をおこないます。

カンピロバクター菌

カンピロバクター菌にはさまざまな種類があり、感染して「カンピロバクター感染症」になると、ほぼ食中毒と同じ症状がおこります。5月~6月に多く発生し、7月~8月に落ち着き、9月~10月に再び増加の傾向が見られます。
水溶性の下痢や粘液便、嘔吐、血便、発熱、悪寒、倦怠感といった症状がみられ、多くの患者は自然治癒します。

クリプトスポリジウム

ウシ・ブタ・イヌ・ネコ・ネズミなどの腸管寄生原虫です。水道水や食品を介して感染します。潜伏期間は3日~10日で、水様性の下痢や粘液便、嘔吐、血便、発熱、悪心、食欲低下などの症状がみられます。
数日~2週間程度症状が続き、スポーツ飲料などの電解質水の摂取などをおこなうことで自然治癒します。また、激しい下痢が続く場合は止しゃ剤(ししゃざい:いわゆる下痢止め薬)が用いられます。

ランブル鞭毛虫

糞口感染(排泄をしたときに手や口に病原菌や虫がつき、食事等で感染すること)で、食品や水を介して感染します。ジアルジア症と呼ばれ、熱帯・亜熱帯に多く、とくに衛生状態の悪い発展途上国への旅行や人との交わりがリスク要因となります。下痢や衰弱感、体重減少、腹痛、悪心、脂肪便といった症状が見られます。


感染性胃腸炎の診療科目・検査方法

問診などにより症状から多くは診断されます。疑われる原因菌によっては検便により病原体を確認します。迅速診断キットを使用して抗原検査をおこなうこともあります。

内科、感染症内科、胃腸内科消化器内科などを受診します。

感染性胃腸炎の原因

感染性胃腸炎(流行性嘔吐下痢症)は、ウイルスなどが原因となって発症するウイルス性胃腸炎の総称です。よく知られているウイルスとしてはノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどがあり、ロタウイルス、アデノウイルスによる胃腸炎は乳幼児によく見られます。
ウイルス以外にも、細菌の場合は腸炎ビブリオや病原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクター菌などがあります。寄生虫の場合はクリプトスポリジウムやアメーバ、ランブル鞭毛虫などが感染性胃腸炎の病原体となります。

 

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌の種類によって流行時期が異なります。たとえばノロウイルスなら毎年、冬場に流行します。2010年度は10月半ば頃から患者が増加しはじめ、11月~12月にかけて急増しました。

また、感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。

① 患者のノロウイルスが大量に含まれる糞便や嘔吐物から人の手などを介して二次感染した場合

② 家庭や共同生活施設など人同士の接触する機会が多いところで人から人へ飛沫感染など直接感染する場合

③ 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理をおこなう者などが含まれます)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合

④ 汚染されていた二枚貝を、生あるいは充分に加熱調理しないで食べた場合

⑤ ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不充分で摂取した場合

食中毒では③のように食品取扱者を介して、ウイルスに汚染された食品を原因とする事例が近年増加傾向にあります。また、ノロウイルスは③、④、⑤のように食品や水を介したウイルス性食中毒の原因になるばかりでなく、①、②のようにウイルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。
この多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。

感染性胃腸炎の予防・治療方法・治療期間

抗菌薬が処方されることもありますがほとんどの場合特別な治療法はありません。

症状を軽減するための処置(対症療法)がおこなわれます。
乳幼児や高齢者では下痢などによる脱水症状を生じることがあるため、水分と栄養の補給が重要です。
また、早めに医療機関を受診することが望まれます。
特に高齢者は、誤嚥(ごえん:嘔吐物が気管に入る)により肺炎をおこすことがあるため、体調の変化に注意します。
嘔吐の症状がおさまったら少しずつ水分を補給し、安静に努めて回復期には消化しやすい食事をとるよう心がけます。止しゃ薬(ししゃやく:いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるのでなるべく使用しないことが望ましいです。

感染性胃腸炎は予防も重要です。

① 手洗い。特に排便後や調理、食事の前には石けんと流水で充分に手を洗う必要があります。

② 便や吐物を処理する時は、使い捨て手袋やマスク、エプロンを着用します。処理後は石けんと流水で充分に手を洗います。

③ カキなどの2枚貝を調理するときは、中心部まで充分に加熱します。(中心温度85℃で1分以上の加熱が必要です)

④ 感染者が使用した食器やリネンの衣類等を洗浄する場合は次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)を使用し、しっかりと消毒します。感染者がうがいや嘔吐した場所についても、同様に消毒します。

感染性胃腸炎の治療経過(合併症・後遺症)

自然治癒する場合も多いです。通常は数日で回復します。

他の疾患がある場合や、乳幼児や高齢者では危険な場合もありますが、回復できれば予後は比較的良いです。

感染性胃腸炎になりやすい年齢や性別

年代や性差による発生よりも、地域や学校、企業などの集団単位で感染が広がる可能性があります。

また病原菌などにより季節による流行時期なども変化します。

執筆・監修ドクター

板東 浩
板東 浩 医師 医師 担当科目 内科

経歴1957年生まれ。
1981年 徳島大学を卒業。
ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。

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