食中毒かも…検査は必要?費用やかかる日数、職場への対応を解説!
この時期の突然の下痢や嘔吐、発熱などは食中毒によるものかもしれません。
飲食店だけではなく、家庭でも起こる身近なことなのです。
この記事では食中毒の検査や費用について解説しています。
食中毒の検査はどこで受ける?食中毒だったら?
1.まずは近くの病院へ
下痢や嘔吐、腹痛などで「これは食中毒かな?」と思ったら自己判断で薬を服用せずにまずは最寄りの病院や診療所を受診しましょう。
2.食中毒の場合
医師が保健所長に届けることになっています。
保健所は発生原因を解明するために食事内容のさかのぼり調査や検便検査、食虫毒を起こした施設や家庭の調査をします。
食中毒の検査方法について
まず食中毒の原因物質を特定します。
嘔吐物や便から原因菌を特定するために大きく分けて2種類の検査があります。
1.細菌性食中毒検査
代表的なものに「黄色ブドウ球菌」「サルモネラ」「ウエルシュ菌」「ボツリヌス菌」などがありります。
食中毒と思われる患者さんの嘔吐物や便などで検査をします。
細菌を培養して顕微鏡検査や生化学的性状検査、血清学的検査などにより同定して判定します。
2.ウィルス性食中毒検査
代表的なものに「ノロウィルス」があります。
この検査方法は2通りあります。
ノロウィルス抗原検査
専門の検査キットで便中のノロウィルスを検出する方法です。
遺伝子増幅法
感染が疑われる患者の便や嘔吐物に含まれるウィルスの遺伝子を増やして同定する方法です。
主に集団食中毒の疑いがある場合に使用されます。
3.個人的に検査したい場合は?
専門業者に検査申し込みをすると、適した検査キットが届きます。
その説明書に従って検体を提出することで食中毒検査をすることができます。
病院での検査と比べると、検査結果の正確さに違いが出てくることがあります。
食中毒の検査にかかる日数や費用は?
1.細菌性食中毒検査
病院でも個人的な検査でも、当日~3日で結果が出ます。
2.ウィルス性食中毒検査
検査キットの場合はどのウィルスでも20 分程度、遺伝子増幅法の場合は検査機器にもよりますが、例えば好感度の『リアルタイムPCR』という検査器を使用した場合には2~3時間で結果が出ます。
3.費用は?
検査費用のほかにも諸費用がかかることが予想されるので5000円~数万円くらいと考えておいて良いでしょう。
また、ほとんどの検査で保険はきかず自費診療になります。
3歳未満と65歳以上の患者さんや疾病を持っているなどの条件を満たせば保険が使えます。
4.検査キットでの費用は?
検査を受ける食品業者や検査項目にもよりますが、検体が業者に届いてから3~4日で検査結果がわかります。
費用は5000円~数万円です。
食中毒の検査結果の見方
検査項目ごとに「陽性」あるいは「陰性」の判定がされています。
業者向けの場合は個人の検査項目ごとに一覧になっていることが一般的です。
食中毒で検査は必要?しなくても良いの?
1.食中毒の検査はすぐにする?
まずは問診
食中毒かなと思い病院を訪れた場合、治療は症状によって異なってきます。
医師は問診によって食中毒の原因を推測します。
いつ・どこで・何を・どのくらい食べたのか・調理者・調理の状況などできるだけ詳細に答えられると良いでしょう。
血液検査
食中毒が細菌性かウィルス性かは、血液検査を行い白血球の数によって診断します。
2.食中毒で検査が必要なケース
問診から症状が推測されたら症状に合わせた検査を行うことが多いです。
たとえば腹痛が激しい場合には血液検査に加えて腹部レントゲンを撮り、腸管閉塞が起こっていないかどうかを検査します。
また、下痢が激しい場合には検便を行い便中の毒素を調べることもあります。
3.回復しているかどうかの検査は?
抗生剤を服用後に再受診
細菌によって起こる食中毒の中には症状が落ち着いてもまだ身体の中に細菌がいる可能性があります。
そのまま学校や職場に行ってしまうと、他人に感染させる恐れがあります。
抗生剤を服用し、細菌が体内からいなくなったかを再度病院を受診することで確認をすることが大切です。
回復しているかはどうやってわかるの?
検便による腸内細菌検査を受け、陰性と判断されれば回復していると判断されます。
ウィルス性の場合の検査法
ウィルスの場合、完全に体外に排出される期間には個人差があります。
食中毒の疑いのときと同様に好感度遺伝子検査によって判定します。
陰性だったら職場に復帰しても良い?>
職場の規定を確認しましょう。
まとめ
食中毒の原因には「ウィルス」「自然毒」「化学物質」などさまざまです。
食中毒が疑われる場合にはまずは速やかに内科や消化器内科を受診しましょう。
また、問診が原因を解明するいちばんの手がかりになるのでできるだけ詳細にメモをとったり、覚えておいたりすることをおすすめします。
血液検査や検便検査は症状の治療の手がかりや感染拡大を防ぐためにも必要です。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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