食中毒で病院へいくべき3つの危険な症状とは?下痢止めは飲まないで!
「食中毒かもしれないけど自然に治るまで待てばいいや。」なんて、思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?実は、食中毒で命を落とすこともあるのです。
この記事では、食中毒になってしまったときに、正しい対処ができるように、危険性や、症状、対処法について解説していきます。
食中毒の原因と危険性
1.食中毒の原因
食中毒の原因となるものは、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫など、さまざまです。原因によっても予防法や症状は異なります。
また、食中毒は高温多湿なところで発生しやすくなります。梅雨時期から夏にかけては特に気を付けてください。
しかし、冬でも食中毒になることは勿論あります。寒いから大丈夫、と油断せず1年を通して食中毒には気をつけましょう。
2.家庭での食中毒にも注意!
食中毒は飲食店や給食など集団で提供している飲食物によって起こっていると思いがちですが、家庭でも発生しています。
特に、次の食品は家庭で食中毒になる危険性が高いといわれています。味を染み込ませるせるために一晩や二晩寝かせたり、子どもが学校から帰ってきたときのために朝作り起きをしたりすることで、食中毒になる危険性が高まります。
カレー
シチュー
オムライス
チャーハン
食中毒の危険な症状!こんなときはすぐ病院へ!
1.重症化する危険性のある症状
食中毒の症状が続く場合や、時間とともにひどくなる場合は重症化する恐れがあります。
下痢が続く
血便が出る
呼吸困難、めまい、意識障害がある
自己判断で食中毒が軽症か重症かを判断するのは、難しいと言わざるを得ません。とりわけ子どもや高齢のかたなど、体力が弱いと重症化もしやすくなります。
周りの人がしっかりと様子を見るようにしてください。
2.内科・消化器内科で診察を!
食中毒が疑われる症状があるときは、内科や消化器内科で診察を受けてください。
風邪と症状が似ており、勘違いしてしまうこともあるようです。自己判断で薬を服用せず、きちんと病院で診断を受けるようにしましょう。
3.病院に行くときはマスクを!
くしゃみや咳をすると、口から食中毒菌が飛び散り、他の人にうつしてしまう可能性があります。医療機関へ行く際はマスクを装着して行きましょう。
また前日に食べたものや、同じものを食べた人が発症しているか、などを聞かれることがあります。事前に話せるようにしておくとよいでしょう。
4.病院での治療法や検査について
原因菌の特定や、薬を使った治療
病院では嘔吐物や便から原因菌を特定するための検査が行われます。
一方で、検査結果が出るまでに時間がかかるため、下痢や嘔吐などの症状に対しての治療を先に行うこともあります。
細菌性の食中毒が疑われる場合には、抗生物質を投与します。脱水状態であれば、点滴で水分などの補給を行います。
治療の期間はさまざま
原因となる菌や症状によって、治療の期間は異なります。症状がおさまっても、自己判断で薬の服用をやめないでください。医師の指示のもと、きちんと薬を服用し、通院するようにしましょう。
食中毒のときに注意すること。市販薬や二次感染について
1.自己判断で薬を服用するのはやめて!
食中毒の症状があらわれたとき、自己判断で下痢や吐き気止めを服用することはやめてください。
嘔吐や便は、食中毒の菌を体から外に出すための方法でもあります。下痢止めや吐き気止めを服用することで、食中毒菌が体内にとどまってしまいます。
下痢や嘔吐に対しては、水分をしっかり補給して脱水症状を防ぐよう心がけてください。
2.二次感染を防ぐために
食中毒の症状が出て、嘔吐や下痢を起こしたら、他の人への二次感染にも注意する必要があります。
マスクや消毒用アルコールで感染を防ぐ
嘔吐物や便の中にも食中毒の病原体が存在していることがあります。
嘔吐物や便を処理する際、手について、誤ってそれが口に入れば、今度は看病している人が感染することにもなりかねません。使い捨てのマスク、手袋やエプロンを装着してください。
処理した後はアルコールや次亜塩素酸など、病原体に合せた消毒薬を使用し二次感染を防ぎましょう。
原因の食材は密封して処分
食中毒の原因と疑われる食品がまだ残っていたら、すみやかに処分してください。
他の食品に触れたり、別の場所で繁殖したりするのを防ぐために、ビニール等で密閉して捨てましょう。さらに、その食品が他のものと触れていたら、念のためそちらも処分しましょう。
まとめ
食中毒を予防するためには、少しでも食品に違和感があれば食べないようにすることが大切です。「熱を加えれば」「冷凍していたから」「賞味期限内だし…」などといって食べてしまわないようにしてください。
見た目や匂いで劣化がわからないこともあります。食中毒菌の多くは高温多湿を好み、酸素や水分、栄養のあるところで増殖します。
食品を保管するときは、できるだけ空気や水分に触れさせず、他の食品同士が触れないよう気を付けるのも予防のひとつです。
そしてもし、食中毒の症状があらわれたら、迷わず医療機関へ行き診療を受けましょう。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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