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アレルギー疾患

目次
  1. 概要
  2. 症状
  3. 原因
  4. 検査方法と主な診療科目
  5. 治療方法と治療期間
  6. 治療の展望と予後
  7. 発症しやすい年代と性差
医師

【執筆ドクター】

 板東 浩 先生

概要

アレルギー疾患とは?

アレルギー疾患は、身体のなかに異物(アレルゲン)が入ることで起こります。
免疫システムが「病原体ではない異物」を攻撃対象とすることで炎症が起こります。

一般的なアレルゲンには、ハウスダスト、花粉、薬物、食物などが存在します。
ハウスダストによるアレルギー性鼻炎、花粉による花粉症、食物による食物アレルギーなどが広く知られています。

アレルギー疾患では、皮膚症状、呼吸器症状、消化器症状など幅広い症状をきたします。同時に複数のアレルギー症状が出ることをアナフィラキシーといいます。
もっとも効果的な予防法はアレルゲンを特定し、接触・摂取を避けることです。

症状

抗原抗体反応が、鼻の粘膜で起これば「アレルギー性鼻炎」、気管支で起これば「喘息」、腸壁で起これば「食物アレルギー」となる。例えばアレルギー性鼻炎なら、くしゃみや鼻みずなどによって抗原を排除しようとする。

アレルギーには下記の4つの型があるが、一般的に知られている「アレルギー」とは、主にⅠ型を指している。

型(即時型、アナフィラキシー型)

即時型。15~20分で最大の発赤と膨疹。アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、結膜炎、気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなどが代表的な疾患。抗原はハウスダスト、ダニ、花粉、真菌、TDI、TMA(ハプテン)、薬剤(ハプテン)などの外来性である。

型(細胞障害型、細胞融解型)

代表的な疾患としては、不適合輸血による溶血性貧血、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、薬剤性溶血性貧血・顆粒球、減少症・血小板減少症、Goodpasture症候群、薬剤アレルギー。外来性抗原ではハプテンやペニシリンなどの薬剤。自己抗原では細胞膜や基底膜抗原がある。

型(免疫複合体型、アルサス型)

皮膚反応は遅発型で、3~8時間で最大の紅斑と浮腫となる。代表的な疾患としては血清病、糸球体腎炎、過敏性肺炎、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、薬剤アレルギー、アレルギー性気管支炎がある。外来性抗原としては細菌、薬剤、異種蛋白。自己抗原では変性IgG、DNAなどが抗原になる。

型(遅延型、細胞性免疫、ツベルクリン型)

皮膚反応は遅発型。24~72時間で最大の紅斑と硬結がおこる。接触性皮膚炎、アレルギー性脳炎、アトピー性皮膚炎、過敏性肺炎、移植拒絶反応、結核性空洞、類上皮細胞性肉芽腫、薬剤アレルギー。外来性抗原としては細菌や真菌など。

上記の通りアレルギーとは身体の反応を表し、また特定のものに対する反応を指す。
アトピーとはアレルギーの一種で、Ⅰ型のアレルギー反応によって起こる疾患のことである。
そのため、よく耳にするアトピー性皮膚炎や食物アレルギー、喘息も含めて、「アトピー」と総称することがある。

「アトピー」という言葉の語源はギリシア語に由来しており、「否定型の」「奇妙な」という意味である。
まだアレルギーについてよくわかっていなかった時代では、アレルギーと言えばアナフィラキシーショックのことを指していた。
アトピー性皮膚炎、アトピー性鼻炎、花粉症、喘息などは、当時はまだアレルギーであると認識されておらず、「アトピー」と言われることもあった。

原因

身体にとっての異物(抗原あるいはアレルゲン)が体内に入ってきた時、これに対抗する物質(IgE抗体)を作って排除・防御するしくみが身体にはある(抗原抗体反応)。
抗原に対して適切な防御であれば問題ない。
しかし、抗体が体内で増えすぎて本来の防御から逸脱してしまった過剰反応がアレルギーである。

アレルギーを引き起こす抗原(アレルゲン)とは?

アレルゲンはいくつかの経路から体内に取り込まれる。アレルゲンを排除しようと免疫機能が過剰にはたらくことで、炎症が起こるのがアレルギー反応である。

たとえば食物性アレルゲンの場合、抗原抗体反応を起こすものは、比較的大きな分子のタンパク質である。タンパク質は消化の過程でアミノ酸に分解・吸収されるため、通常は何も起こらない。しかし、体調不良などにより消化機能が衰えている場合や、子供だと消化吸収機能が未発達の場合があり、タンパク質が大きな分子のまま腸に到達してしまうため、抗原抗体反応を起こす。

花粉症であれば、鼻や目、のどなどの粘膜にアレルゲンとなるスギなどの花粉がつくことでおこる。免疫機能が花粉を異物の侵入と判断し、排除しようと、鼻水や涙を過剰に分泌することでおこる。

抗原(アレルゲン)には主に下記のようなものがあげられる。

吸引性アレルゲン

ほこり、カビ、ダニ、畳、ソバガラ、ペットの毛、衣服、寝具(綿、絹、羊毛、羽毛)
建材に使用されている化学部質(ホルムアルデヒド、VOCなど)、花粉(ブタクサ、カナムグラ、スギ、アカマツ、ススキ、ヒメガマなど)、カビ(アルテルナリア、ペニシリウム、カンジダ、クラドシポリウム、アスペルギルスなど)

食物性アレルゲン

卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに、大豆、いか、いくら、鮭、さば、牛肉、鶏肉、豚肉、くるみ、やまいも、オレンジ、キウイフルーツ、もも、りんご、バナナ、ゼラチン、あわび、まつたけ

薬物性アレルゲン

鎮痛剤、解熱剤、抗生物質、ホルモン剤、ペニシリン、サルファイト、タートラジン色素

接触性アレルゲン

化粧品、塗料、衣服、金属、うるし、ラテックス(ゴム)、寝具類、ヨード、洗剤

検査方法と主な診療科目

アレルギーの検査方法は何種類もあるが、大きく分けると下記の3つの方法がある。これらは患者さんの年齢や症状、体調、タイミングなどを医師と相談しながら検査を進めていく。耳鼻咽喉科、眼科、皮膚科、内科など症状に合わせて受診する。

①血液検査

血液検査は主に血中の抗体量を調べるためにおこなう。アレルギー性鼻炎や蕁麻疹(じんましん)、ぜんそくなどの特定は可能なものの、接触性皮膚炎などⅣ型の判断には向いていない検査方法。

②皮膚テスト

皮膚テストは主にⅠ型のアレルギー検査が目的だが、その反応からⅣ型のアレルギーであることがわかる場合もある。実際の検査ではスクラッチテストや皮内テスト(注射)、パッチテストなどをおこなう。

③ 誘発テスト

誘発テストは、アレルギーの症状をより詳しく調べるなどの目的で、少量のアレルゲンを接種する。検査内容は経口負荷試験、吸入誘発テストなどがこれに該当する。症状をおこして診断するので、必ず医療機関でおこなう。

治療方法と治療期間

アレルギーを緩和するには、アレルゲンを遠ざけることが最も重要である。アレルギー性鼻炎にしてもアトピー性皮膚炎にしても喘息にしても同様である。

他には減感作(免疫)療法、薬物療法、場合によっては手術療法をおこなうこともある。

予防

通年性アレルギー性鼻炎の場合は毎日掃除をする、畳ではなくフローリングにする、布団ではなくベッドにする、布製のソファーをやめる、布団やぬいぐるみは毎日ていねいに掃除機をかける、空気清浄機を使用するなどでハウスダストやダニを減らすことができる。
また、犬や猫などのペットとは生活場所を分けたり、こまめに布団を干したりすることにも気をつける。

季節性アレルギー性鼻炎の場合は、花粉を避ける。
外出時にはマスクや眼鏡をつける、洗濯物や布団を干した後は、花粉を丹念に払い落とすようにする。

また、食物アレルギーがある場合は加工食品についてもアレルゲンが含まれていないかを確認する。

免疫療法

免疫療法は抗原を体に影響のない量を投与し、段階的に増やして症状がおこらないようにする方法である。長期間続ける必要があり、必ずしも効果が出ない場合もある。減感作療法ともよばれる。

薬物療法

アレルギーの症状が起きている場合は薬物療法によって症状を抑える。抗ヒスタミン薬や血管収縮剤、ステロイドなどが使用される。

治療の展望と予後

アレルギー疾患には長期間に及ぶ治療が必要となる。
またアレルギー性喘息などは放置すると死亡する例もある。

受診し続けるためには金銭的な負担だけではなく、医療機関に通い続ける時間や継続性も必要となる。
大学病院や専門外来で詳しく検査を受けたり、最先端の治療を受けたりすることも重要なことだが、日常的に医師に相談できる環境も重要となる。
円滑にコミュニケーションがとれて診察の経過も把握できる医師との関係も大切にする必要がある。
小児科や皮膚科の医師はアレルギーを専門としているわけではないものの、適切な医療機関の紹介を受けることができる可能性もある。

発症しやすい年代と性差

2011年のリウマチ・アレルギー対策委員会報告書によると日本の全人口の約2人に1人がアレルギー疾患に罹患していると考えられる。性差については指摘されていないが、若年層に多い傾向がある。

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