バセドウ病

バセドウ病の説明

【監修】板東 浩 先生(医学博士、内科医)

バセドウ病は女性に多い、甲状腺の病気

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、甲状腺機能が活発になりすぎる自己免疫疾患の一つです。

甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になり、血液中の甲状腺ホルモンの量が多い状態を甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)と呼びます。
バセドウ病は、甲状腺機能亢進症の代表的な疾患です。

反対に、甲状腺ホルモンの分泌量が低下する病気を、橋本病と呼びます。

発症の男女比は1:4~5

バセドウ病をはじめとする甲状腺の病気は、女性の方がかかりやすいとされています。

正確な数字としてバセドウ病の罹患率や患者数がわかるデータはありませんが、女性の方が男性に比べて4~5倍多く発症しているとする記載が多く見当たります。
ただし、バセドウ病は甲状腺のほかの病気に比べて、比較的男性患者が多い病気でもあります。

そもそも甲状腺とは?

甲状腺は、男性ならのど仏の下あたりに位置している臓器です。
正常なときの甲状腺は柔らかく、手で触っても確かめることは難しいものの、腫れると一見しただけでわかるようになります。

「蝶のような形をしている」と形容されることが多くあり、縦1.5cm、横5cm、5~20g程度の小さな臓器です。

そもそも甲状腺とは?

甲状腺ホルモンの働き

甲状腺が分泌する甲状腺ホルモンは、脳や内臓の活性化や、新陳代謝の促進、体温の調節などに関わっています。
甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても不調の原因になります。

・身体の発達と成長を促す

甲状腺ホルモンは、筋肉や骨、内臓、神経の発達・成長を促します。
胎児の成長や、乳幼児の脳や身体の発達にも関わります。

・中枢神経の維持

脳や脊髄にあるシナプスを形成する、重要なホルモンでもあります。
シナプスは、脳・脊髄と神経をつなぐ情報伝達ネットワークのことです。
甲状腺ホルモンが足りなくなると、思考力が低下します。

・代謝の促進

タンパク質、脂質、炭水化物の代謝に大きく関わります。
腸から糖を吸収したり、血中コレステロール値を下げたり、タンパク質を筋肉に変えたりする働きがあります。
身体の組織全体で酸素の使用量を増やし、基礎代謝を上げる働きもあります。

・交感神経の活性化

起きて活動しているときに優位になるのが交感神経です。
交感神経が働いている間は、周囲の状況に応じて柔軟に対応・行動ができます。交感神経が常に活性化していると、倦怠感やイライラに悩まされることになります。

・心拍出量の増加

甲状腺ホルモンは心拍出量(心臓が送り出す血液量)を増やします。
そのため、甲状腺ホルモンが多すぎると血圧が変動しやすく、心臓に負担がかかります。

バセドウ病は「寛解(かんかい)」できる

寛解とは、「病気を薬や手術で軽減させて、通常の生活ができるレベルに戻すこと」をいいます。
バセドウ病を完治させる方法は未だ分かっておらず、寛解させることを目標に治療を進めます。

また、バセドウ病は「再燃(さいねん)」します。
再燃とは、「症状がなくなっても治療をやめてしまったら、再び病状が活発になること」を指します。
一度完治して、もう一度引き起こる「再発」とは区別します。

名前の由来

19世紀にこの病気を報告した、ドイツの医者バセドウの名前にちなんでつけられた病名です。
英語圏の国ではグレーブス病(アイルランドの内科医で同じ病気を報告した)と言われることもあります。

板東浩先生
 【監修医】医学博士 / 内科医: 板東浩 先生
 1957年生まれ。
 1981年 徳島大学を卒業。
 ECFMG資格を得て、米国でfamily medicineを臨床研修。
 抗加齢医学、糖質制限、プライマリ・ケア、統合医療などの研究を行う。
 

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