急性咽頭炎とは
急性咽頭炎(きゅうせいいんとうえん)は、のどの粘膜におこる炎症のことです。風邪によるのどの症状もこの病気にあたります。炎症の原因は風邪によるウイルスの他、溶連菌などの細菌などです。声がかすれたり、のどが痛くなる、痰が出る、発熱などの症状がおこります。
通常は1~2週間安静にすることで治癒していきますが長い場合は1か月程度かかる場合もあります。長引くときは耳鼻いんこう科を受診しましょう。
急性咽頭炎の症状
咽頭痛(喉の痛み)、嚥下時痛(えんげじつう:飲み込んだときの痛み)、発熱、体のだるさ、痰がらみ、咳、悪化すると息苦しさ、首のリンパ節が腫れることもあります。
急性咽頭炎の診療科目・検査方法
精査のため、喉頭ファイバースコープをおこなう。
自然に軽快することが多いが痛みが強いとき、3、4日以上長引くとき、また息苦しさが出るようならば耳鼻いんこう科を受診する。
急性咽頭炎の原因
感冒(ウィルス感染)が主だがときに溶連菌(※1)などの細菌感染によるものもあります。
急性咽頭炎の予防・治療方法・治療期間
消炎鎮痛剤、去痰剤(きょたんざい)、細菌感染が考えられるときには抗生物質を投与します。
消炎剤などのネブライザー(※2)も有効です。風邪の予防としてうがい手洗い、部屋の加湿も役に立ちます。
数日から1週間で良くなってきます。
急性咽頭炎の治療経過(合併症・後遺症)
感冒によることが多いので繰り返すことがあります。疲労、体調不良などで生じやすくなります。
急性咽頭炎になりやすい年齢や性別
罹患者数は不明であり、年齢性別による違いもありません。
参考・出典サイト
編集部脚注
※1 溶連菌
溶連菌は、「レンサ球菌属の細菌」です。
正式名称では「溶血性連鎖球菌」と言います。
溶連菌にはいくつかの種類がありますが、溶連菌感染症の9割以上は「A群β溶血性連鎖球菌」によります。
そのため、一般に「溶連菌」と表現した場合は「A群β溶血性連鎖球菌」を指すと考えて問題ありません。
代表的な溶連菌感染症には、「急性咽頭炎」「急性扁桃炎」「猩紅熱(しょうこうねつ)」などがあります。
※2 ネブライザー
ネブライザーは、「吸入薬を霧状にして気管支に届ける道具」です。
圧縮した空気で薬液を霧にする「ジェット式」、超音波の振動で霧にする「超音波式」、メッシュの隙間から押し出すことで霧にする「メッシュ式」が存在します。
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執筆・監修ドクター
経歴1985年 浜松医科大学卒業
1985年 慶応義塾大学耳鼻咽喉科学教室入局
1990年 慶應義塾大学医学部助手(耳鼻咽喉科学)
1994年 横浜市立市民病院 勤務
2001年 相模原協同病院 部長
2004年 横浜市立市民病院 部長
2007年 済生会横浜市南部病院 部長
2017年 おがた耳鼻咽喉科 開設
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