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新型コロナウイルスの院内感染対策は?受診時の注意点も

更新日:2022/12/02 公開日:2020/07/29 view数:31,614
院内感染

世界中を震撼させている「新型コロナウイルス」ですが、日本でも感染者数が増加し、ついには国としても緊急事態宣言を出すなど、大きな社会問題になっています。

感染症の流行シーズンに、体調を崩したり、持病を抱えていて通院が必要なとき、「病院に行きたいけれど感染したらどうしよう‥」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、流行中の「新型コロナウイルス」を例に、病院の感染対策や、通院時の注意点を紹介していきます。

目次
  1. 今は病院に行かない方がいい?
  2. 病院はどんな対策をしている?
  3. どうしても行かないといけないときは?
  4. まとめ

今は病院に行かない方がいい?

病院での感染リスク

新型コロナウイルスに限らず、季節性のインフルエンザなどの「感染」の共通点は、

・換気の悪い「密閉空間」
・多数が集まる「密集場所」
・間近で会話や発生をする「密接場所」

これらの「三つの密」で発生しやすいとされています。

病院の待合室や診療は「三つの密」の条件に当てはまる環境です。

他の利用者の方とスペースを保つことや、スタッフ・医師と密接した距離にて会話をするなど、濃厚接触を避けるのが難しいといわれています。

特に内科小児科耳鼻いんこう科などでは、熱や咳、鼻水など感染症の疑いのある症状をもつ患者が足を運ぶことが多く、普通に生活しているよりも、感染者と遭遇する確率が高い場所といえます。

どうやって感染する?感染経路の種類、リスクの高い場所

上記にて紹介した「三つの密(密閉・密接・密集)」が感染リスクの高い場所とされていますが、感染経路としてはどのようなものがあるのでしょうか。

厚生労働省が発表している「新型コロナウイルス」の主な感染経路には、「飛沫感染」「接触感染」があります。

飛沫感染では、感染者の咳、くしゃみのしぶきなどを介しての感染が考えられます。

接触感染では、病院の手すりやドアノブ、待合室の雑誌など、ウイルスが付着しているものに触れ、その手で自身の目・鼻・口に触れることにより感染を引き起こす可能性があります。

受診をためらうと、症状悪化の可能性も

不要不急の通院は避けた方がよいですが、生活に支障をきたす症状や、普段と違う違和感、市販薬を服用しても症状が改善されない、常用薬がなくなるといった場合には受診しましょう。

放置するとさらに悪化する可能性があります。

気持ち的にも不安なまま過ごすのは辛いですし、なにより体調が悪く免疫力が下がってしまうと、感染症にかかるリスクも高くなってしまいます。

もし、感染リスクが気になって受診をためらう場合は、医療機関へ直接行かずに、まずは自身の症状や病院の感染対策について電話でかかりつけの医院に聞いてみるのもいいでしょう。

病院はどんな対策をしている?

病院の感染対策(基本は標準予防策と感染経路別予防策)

院内での感染拡大を防ぐべく、多くの医院が厚生労働省のガイドラインに基づいた「感染予防対策」を講じています。

「感染予防対策」とは、標準予防策にくわえ、感染経路に対応した「接触・飛沫感染対策」を含めた対策のことをいいます。

まず、標準予防策とは、すべての患者に対して適用する予防策のことを指します。

患者のすべての湿性生体物質(血液・体液・分泌物・嘔吐物・排泄物・創傷皮膚・粘膜など)は感染の危険性があるものとして対策をします。

これらの物質に触れる可能性がある場合には手袋の着用、飛び散る可能性がある場合は手袋・マスク・エプロン・ゴーグルを着用する、などといった内容です。

これにくわえて、以下の感染経路別の対策が必要になります。

飛沫感染対策

・個室の使用を推奨、大部屋の場合は1m以上ベッドを離してカーテンで仕切る
・患者の1~2m範囲内でケアする場合はサージカルマスクやゴーグル(必要時)を着用する
など

接触感染対策

・患者に使用する体温計や血圧計などを専用化する
・患者が触れる手すりやドアノブは医療用アルコールクロスで消毒する(塩素系漂白剤、洗剤も認められています)。
など

これらを実施することで、院内での感染症拡大を防いでいます。

具体的な取り組み例

前述の標準予防策と感染経路別予防策以外に、病院では具体的にどんな対策をしているのでしょうか。

以下の対策は一例であり、すべての医療機関で行っているわけではありませんが、かかりつけの医院が実際にどのような対策をしているか気になる場合は、医院のホームページや電話、窓口などで確認してみてください。

患者へお願いしている予防対策

・来院時の検温
・マスク着用
・診察まで院外での待機
・かぜ症状がある場合は事前連絡し、診療時間を調整
・かぜ症状のある場合は隔離用に指定された待合室、診察室を利用

施設内の予防対策

・密閉回避のため、ガイドラインの規定通りに換気
・ソーシャルディスタンス(社会的距離)の遵守
・キッズスペースのおもちゃや絵本の撤去
・待合室における雑誌や新聞、ウォーターサーバー等の撤去
・受付にビニールカーテンの設置
・待合室の人数をできる限り少なくして「密集、密接」を回避

スタッフの予防対策

・フェイスシールド、ゴーグル、ガウン、手袋などの防護服の着用
・スタッフの検温、発熱、かぜ症状、倦怠感などの症状があれば自宅待機の徹底

その他の予防対策

・電話診療の導入
・オンライン診療の導入
・診療時間の短縮や変更
・再診の方を対象に、電話受付による処方せんの発行

それ以外にも、スタッフの検査を定期的に実施したり、飛沫の発生を防止するために粘膜に触れる検査の一時休止など、様々な対策を行っています。

どうしても行かないといけないときは?

予防対策をしっかり行う

体調不良や急患、持病をおもちの方で、「どうしても通院しないといけない」という場合は、少しでも感染症リスクを下げるために以下の対策を行い受診されることをおすすめします。

・マスク着用
・アルコール消毒薬の持参
・咳エチケット(※)の遵守
・事前に診察予約

※咳エチケット:咳やくしゃみをする際に、マスクやティッシュ、ハンカチ、洋服の袖や肘の内側を使い、口や鼻を押さえるだけでも周囲への感染を防ぐことができます。通院時に限らず、外出を余儀なくされる方は、持ち物リストへの徹底を心がけてみてください。
また、病院では極力共有物には触れないことをおすすめしますが、万が一触れてしまった際には手指消毒を行う方がよいでしょう。

 

感染リスクを少しでも低下させるためには「事前予約」のできる病院を探すのも有効です。
事前予約することで、「待ち時間の短縮」や「診察までの時間を外で待機」することができ、院内での感染リスクを軽減できます。

病院選びを行う際の、参考の目安として考えてみるのもいいでしょう。

手洗い・うがい・消毒は欠かさずに

通院や外出したあとは「石けんで手洗いをする」「うがいをする」ことで、感染症予防につながります。

手洗いは接触感染予防の基本ですが、病院と一般家庭ではそのやり方が異なります。

手洗いの方法には、石けんを使用する方法とアルコール消毒薬を使用する方法の2種類があります。病院では主にアルコール消毒薬を使用しています。その理由は、石けんを使用する方法に比べて短時間ですむことと、流水を必要となしないためどこでもできるからです。

一般の家庭では石けんやハンドソープを使用する方法が多いかと思いますが、10秒もみ洗い→流水で15秒すすぐようにしましょう。

手洗いを行わない状態の手には約100万個ものウイルスが付着されているといわれています。しかし、このように「しっかりとしたもみ洗いとすすぎ」をすることで、約0.01%(数百個)まで除去することが可能です。

また、この行程をさらにもう一度繰り返すことで、ウイルスの数も約0.0001%(数個)にまで下げることができます。

手洗いをていねいに行うことで、ウイルスを十分除去することができるため、さらにアルコール消毒薬を使用する必要はありませんが、より手指消毒を徹底的に行いたい方にはおすすめです。

なお、手洗い・うがいのほかに「睡眠・栄養・運動」を適度に取り、体調を整えておくことで免疫力アップにもつながります。
良好な生活リズムを意識し、外出後はすぐに「手洗い・うがい」を欠かさずに行いましょう。

まとめ

今回は新型コロナウイルスを例に、病院で実施している感染症対策や患者自身で取り組める予防法について紹介してきました。

病院側でも患者を受け入れるため、日々感染症対策を行っていますが、私たち一人ひとりの行動や努力をすることで感染症の拡大を防ぐことができるのではないでしょうか。

紹介してきた院内感染対策は、全国すべての病院で取り組まれているという意味ではありません。

かかりつけの医院を受診される方で心配な方は、事前に病院のホームページを確認するか直接病院までお問い合わせください。

【執筆・監修ドクター】独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院 城 裕之 先生

執筆・監修ドクター

城 裕之
城 裕之 医師 横浜労災病院 横浜労災病院感染症チーフコンサルタント 担当科目 小児科

経歴1979年 慶應義塾大学大学医学部 卒業
1983年 慶應義塾大学大学医学部小児科学教室助手
1986年 東京都立清瀬小児科病院新生児科
1991年 ハーバード大学チャニング研究所、ボストン小児病院感染症科リサーチフェロー
1994年 清水市立病院小児科医長
1998年 横浜労災病院新生児部長
2007年 横浜労災病院小児科部長
2011年 横浜労災病院副院長兼感染管理室長
2020年 横浜労災病院感染症チーフコンサルタント、横浜労災看護専門学校長

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