イガイガする…花粉症ののどの痛み・かゆみ対策は?乳酸菌がおすすめ
花粉症で鼻水や鼻づまりとともに、のどの痛み・かゆみはありませんか?
風邪だと思っていても、花粉によってのどに不調が起きている場合もあります。
とくに、口呼吸が多くなっている場合や、のどが乾燥している場合は要注意です。
この記事では、花粉症による『のどの痛み・かゆみ』の原因や対処法、治療について解説していきます。
花粉症でのどが痛い・かゆい…
1.花粉症ののどの痛み・かゆみの原因は?
口呼吸が大きな原因
花粉症によるのどの痛み・かゆみは、口呼吸によるものだとされています。
口呼吸によって、のどの乾燥・鼻水・花粉によるのどの炎症を引き起こし、のどに痛みやかゆみが生じます。
なぜ口呼吸になるの?
口呼吸は、「鼻づまり」によって鼻で息ができないことで起こります。
口呼吸だと、乾いた空気が口から入って直接のどに当たるため、のどが乾燥して炎症を起こします。
口呼吸によるデメリット
口呼吸によって花粉が直接のどに付着すると、それを排除しようとアレルギー反応が起きます。
また、花粉症による鼻水がのどに流れやすくなります。
花粉は鼻から吸い込むことでも体内に入りますが、鼻毛によりある程度はブロックができます。
しかし口には遮るものがなく、ダイレクトに花粉が入りやすい環境なので注意が必要です。
2.花粉や食べ物による『口腔アレルギー』の可能性も
『口腔アレルギー』って?
果物や生野菜を食べた後、数分以内に唇・舌・口の中・喉にかゆみやしびれ、むくみなどがあらわれることです。
果物や生野菜に含まれるアレルゲンは花粉のそれと構造が似ているので、口腔内でもアレルギー反応が起こることがあります。
花粉の種類によって、のどの症状はちがう!?
個人差はありますが、スギよりヒノキの方が、のどの痛みが起こりやすいとされています。
イネ科の植物であるヨモギやブタクサの花粉症の場合は、食べ物による口腔アレルギーによってのどのイガイガが起こる可能性があります。
食べ物による口腔アレルギーもある!
メロン・梨・パイナップルなどを食べると口腔内がイガイガする、という場合も口腔アレルギーの可能性があります。
口腔アレルギーの原因は、タンパク質分解酵素によるものが多いとされています。気になるようであれば、アレルギー検査をして、これらの食品は避けましょう。
3.そもそも花粉症?風邪との見分け方
のどの痛みがどのくらい続いているかチェックしましょう!
通常、風邪の場合は1週間程度ですが、花粉症によるものであれば花粉がひどい季節が終わるまで続きます。
風邪では発熱する場合がありますが、花粉症は通常、発熱をともないません。
鼻の炎症が長引いてのどが痛むことも…
花粉症の症状のひとつである「鼻水」も、のどの痛み・かゆみの原因になります。
耳・鼻・のどはつながっているので、鼻の炎症が長引くとのどの痛みをともなう場合もあります。
風邪の場合は花粉症と違って、ネバネバしていてやや黄身がかった鼻水が出ます。
また、鼻づまりによって口呼吸になり、口が乾いてのどが痛むこともあるでしょう。
花粉症による「のど」の治療
1.のどの痛み・かゆみは耳鼻いんこう科へ
花粉症ではさまざまな症状があらわれますが、のどが痛い場合は『耳鼻いんこう科』を受診しましょう。
基本的には薬物療法を中心に、手術療法・免疫療法などで花粉症の症状をやわらげます。
2.どんな治療をおこなうの?
薬物療法について
全体のアレルギーに対しての薬は、抗ヒスタミン薬、メディエーター遊離抑制薬、抗ロイコトリエン薬、ステロイド薬などを使います。
鼻の症状が重い場合には鼻噴霧用ステロイド薬(点鼻薬)やロイコトリエン拮抗薬などが併用されます。
目のかゆみとして、点眼薬は、アレルギー点眼薬(メディエーター遊離抑制薬、抗ヒスタミン薬) 、ステロイド点眼薬を使います。
手術療法について
花粉が付着する鼻の粘膜にレーザーを照射したり、切除したりすることで、過剰なアレルギー反応を抑える治療です。
アレルギー自体を根本的に改善するわけではありませんので、皮膚組織が再生する約1〜3年後は、治療効果が減少してしまいます。
手術は、次のような方に勧められます。
- 長期の通院が困難な方
- 常に薬を服用していないと快適な日常生活を送れない方
- 薬による治療で効果の得られない方
- 薬の副作用が出やすい方
- 薬を使いたくない方
- 妊娠を希望されており、今後薬が使えなくなる方
免疫療法について
免疫療法は、花粉症の原因となっている抗原を、少しずつ量を増やしながら体内に吸収させることで、抗原に対する反応を弱めていく方法です。
注射で行う皮下免疫療法、舌の下の粘膜から吸収させる舌下免疫療法などがあります。
3年ほど長い期間の治療が必要ですが、アレルギーを治す可能性のある治療法です。
3.市販薬の服用について
花粉症によるのどの痛みを感じるときに服薬できる市販薬もあります。
花粉症の治療で使われる「抗ヒスタミン薬」と併用できるため、急を要する場合はこのような市販薬を試してもよいでしょう。
問診の際には、必ずのどの痛みを伝えてください。
花粉症による「のどの痛み」をやわらげる対策
1.のどの乾燥を防ぐことが大切!
乾燥はのどにとって大敵です。口から直接乾燥した空気を吸うと喉の粘膜が乾燥し、ウイルスや細菌、ほこりの侵入を防ぐ機能が低下します。
のどの痛みを悪化させないためには、乾燥を防ぐことが大切です。
2.効果的な乾燥対策はこの5つ!
- マスクをして口の中やのどの乾燥を防ぐ
- 家の中では加湿器を使用して湿度を保つ
- うがいをすることでのどを潤し、花粉を洗い落とし、体外へ排出させる
- のど飴やこまめな水分摂取でのどを潤す
※「甜茶(てんちゃ)」や「べにふうき茶」は花粉症の人におすすめです。 - 家に入るときは、外でついた花粉をしっかり落とす(洗濯物も同様)
- 免疫力を低下させないために、早寝早起きをしてバランス良い食事を摂る
3.毎日の食事による対策も!
『乳酸菌』はアレルギー反応を抑える?
花粉症の症状をやわらげるために、免疫細胞の過剰反応(アレルギー反応)を抑える『乳酸菌』を積極的に摂って、腸内環境を整えましょう。「ヨーグルト」を毎朝の一品に取り入れるのがオススメです。
「ぬか漬け」もたくさんの乳酸菌を含んでいます。市販のものでも構いませんが、簡単に漬けられるキットで、残った野菜を漬けるのもよいでしょう。
花粉症におすすめの野菜は、レンコン
「レンコン」はアレルギー症状を抑える成分を含んでいるので、毎日少量を食べるのがオススメです。
すりおろしてとろみをつけた「すりながし汁」がおすすめです。みじん切りにしてハンバーグのたねなどに混ぜるのもよいでしょう。
まとめ
花粉症の症状にはさまざまなものがあり、鼻水や鼻づまりに加え、のどの痛み・かゆみなど不快な症状をともないます。
のどの炎症を抑えるには、保湿が大切です。水分補給やマスクをするなどして乾燥対策をおこないましょう。
また、症状が悪化してひどい場合は医師の診察を受け、のどの痛みをやわららげる薬を処方してもらってください。
執筆・監修ドクター
経歴2006年 北里大学大学院卒、
2008年 平塚共済病院内科医長を経て小田原銀座クリニックに入職、その後院長に就任。
2013年 12月には当院久野銀座クリニックを開業
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